伊藤さん:職業がら、電車内の広告の文字などは常にチェックしてしまいますが、おかげさまでリニューアルした秀英体はいろいろなところに使われています。
-私もひと筆書きの「い」が使われている広告や雑誌を探してみますね! この秀英体の開発は具体的にどのように行われているのでしょうか?
伊藤さん:秀英体が用意している文字セットはアドビシステムズ社のAdobe Japan1に準拠しています。このセットには、現在23,058字が含まれています。
-ものすごい数ですね…。もしかしてそれを全部1つずつ開発しているというわけですか?
宮田さん:そのとおりです。漢字などは部品の構成を変えるだけで作っているのではなく、1つひとつ人間の感覚でデザインしています。
-同じ部首をもつ漢字でも、見やすさのために1つひとつデザインしているんですね!
伊藤さん:ここからは数学的な要素が入ってきますが、私たちが文字をデザインするときに使用するエディタには「ベジエ曲線」が使用されているんですよ。
-線分の上にある点を動かしながら、なめらかな曲線を導き出していく曲線ですね!ベクトルと微分が使われているんですよね。