2015年11月27日 10:00
地球最後の秘境・深海はどんな世界? - 超深海をめざす「しんかい12000」 (1) 「世界一」を取り戻す
その場に研究者を運ぶことが大事なのです。
―無人機だけでは難しいということですか?
磯崎:無人機から母船に送られてくる写真だけを見ていると、重要な発見を見逃すことがあります。たとえば2013年の世界一周研究航海(QUELLE2013)で、6Kに乗っていた生物研究者が深海底を見ていたら「石がちょっと違うんじゃないか」と気づいた。鯨の骨だったのです。世界で二番目に深いところで発見された鯨骨で、大発見になりました。無人機でさーっと通り過ぎただけでは気づかなかったのではないか。
―人間の目って、一瞬でとらえるところがすごいですね
磯崎:長い間、そのテーマに心血を注いできた研究者が集大成として行っているわけですからね。私は(現状の深海探査は)「お釈迦様の手のひらの上にいるようなもの」と言っています。
広く深い深海の中で今は水深6500mまでしかいけない。でも12000mまで深く潜れるようにすれば孫悟空の活躍できるエリアを広げることができるのです。深く潜りたい研究者はたくさんいるんです。○「無人か有人か」ではなく、「無人も有人も」
―資源探査についてはどうですか?
磯崎:もちろん資源探査のニーズもあります。