2013年12月16日 17:48
弘前大など、量産加工性に優れた鉄基の磁歪材料を開発
弘前大学と東北大学、東北特殊鋼は12月13日、振動発電やワイヤレスセンサへの応用が見込まれる、量産加工性に優れた鉄基の磁歪材料を開発したと発表した。
同成果は、弘前大 北日本新エネルギー研究所の古屋泰文教授、東北大 金属材料研究所の山浦真一准教授、中嶋宇史助教、東北特殊鋼らによるもの。詳細は、12月19日に東北大学 金属材料研究所にてメディア向けに公開される。
米国で開発された磁歪材料のガルフェノール(Fe-Ga合金)は、比較的機械加工性が良く、振動発電や磁歪アクチュエータ用材料として注目されているが、PZT圧電素子に比べ高価なため、あまり普及していない。しかし、PZT圧電素子は脆くて大型化が難しく、発電素子としても電気抵抗が高く、大きな電流を得ることが困難である。
これに対し、研究グループでは、非希土類鉄系の磁歪合金(FePd、FeGa、FeCo系)の実用化を目指した基礎研究開発を15年前より行っている。そして、自動車用トルクセンサへの適用などを検討すると同時に、2011年には、Co過剰型Fe-Co合金(Co<60%)で、比較的高い磁歪(<60ppm)と、振動発電の高い出力特性を得ることに成功している。