これぞニャンダフルライフ! 猫と暮らす幸せを感じる『グーグーだって猫である』【映画ライター渡まち子の「猫目線」映画レビュー8】

映画の中に登場する猫に注目して、作品の見どころや猫ポイントと共にご紹介するこのコラム。今回ご紹介するのは、日本映画『グーグーだって猫である』(2008年)。東京・吉祥寺を舞台に、天才漫画家と彼女の周囲の人々との日常を、温かなタッチで描くヒューマン・ドラマ。

これぞニャンダフルライフ! 猫と暮らす幸せを感じる『グーグーだって猫である』【映画ライター渡まち子の「猫目線」映画レビュー8】
◆あらすじ吉祥寺に住む売れっ子漫画家の麻子は、愛猫サバの突然の死のショックで漫画が描けなくなってしまいます。ある日、麻子はペットショップで一匹の小さなアメリカンショートヘアーの子猫と出会うことに。グーグーと名づけたその猫のおかげで麻子は元気を取り戻し、状況は好転。心優しい青年と出会い恋の予感を感じたり、アシスタントたちと新作のアイデアを意欲的に語るなど、すべてがうまく動き始めた矢先、麻子は突然の病の宣告を受けてしまいます…。


これぞニャンダフルライフ! 猫と暮らす幸せを感じる『グーグーだって猫である』【映画ライター渡まち子の「猫目線」映画レビュー8】
◆一人と一匹の幸せな関係に心がホンワカ原作は、「綿の国星」などで知られる少女漫画の巨匠・大島弓子の作品で、第12回手塚治虫文化賞短編賞を受賞した同名エッセイ漫画です。漫画の才能は天才的なのに、内気で傷つきやすいヒロインを、最近ではすっかり女優としての風格を増した小泉今日子さんが繊細に好演。

ラブストーリーからヒューマン・ドラマまで、人間描写には定評がある犬童一心監督いわく、この作品のテーマは「人も動物も自然も、みんなが対等に、この地救上で頑張って生きている」ということだそう。う~ん、当たり前のようでいて、なんて深いテーマなんでしょう! ほのぼのとした日常の中にも、それぞれに悲しみや喪失感があって、それでも生きていくことの素晴らしさはかけがえのないものだと、おだやかな語り口で教えてくれる物語です。


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