2020年3月10日 16:30|ウーマンエキサイト

ママ友に振り回される日々に決別! そして彼とも別れの日が近づく…【わたしの糸をたぐりよせて 第10話】

わたしの糸をたぐりよせて

わたしの糸をたぐりよせて

「いつか自分のブランドを出したい」。そんな想いを抱いていた学生時代。でも希望の就職先にはことごとくふられ、入社できた会社で出会った亮。結婚して、子どもが生まれて、私は幸せになれると思ったのに…。私の…

わたしの糸をたぐりよせて
前回からのあらすじ
ママ友とのつきあいに悩む友里を、夫の亮が突然ソファに押し倒し…。自分をぞんざいに扱うくせに、同僚を助けようとする夫。疲れ果てた友里だったが、クロッキーを描き出した途端…。

疲れ果てたママ友との関係、夫が私を雑に扱う理由は?

●登場人物●
立花友里:都会で就職し結婚したが、夫・亮の転勤で地元の街に戻ってくる
:友里の夫。友里から告白してつきあうように。息子の悠斗を妊娠して以来、夜の生活がない
イナガキ:友里の幼なじみ。小学校~高校まで一緒だった。現在は人気デザイナー。
上田:悠斗と同じ幼稚園に通うママで、うさぎ組のクラス委員長
カオル:悠斗と同じ幼稚園に通うママ友で、友里を配下に置こうと考えてる

※このお話はフィクションです


■夫と向き合えない日々の中、彼からLINEが…

それからというもの、時間をやりくりしてはクロッキー画やデザインラフを描く日々が続いた。

もちろん、悠斗にきちんと向き合うのは当たり前。一緒に登園し、買い物しながら家に帰り、ごはんを食べて、お風呂に入って寝かしつける。

悠斗と心を通わせながら、そのなかで湧き出てくるものをクロッキー帳にまとめていく。
クロッキー帳は常に持ち歩いて、ふとした瞬間すらも逃さず描けるようにした。

亮くんはそんな私に対して何も言わないし、私も亮くんがなにをしているか聞かないようにした。ただ、ごはんを食べてくれれば、そして、何事もなければそれでいい、と。

そんな日々が続いたある日。再びイナガキくんからLINEが届いた。
夫のいるリビングで彼からメッセージが
“友里ちゃん、今週金曜にホテルをチェックアウトすることにした。だから、その前に会ってくれないかな?”

この間、泣きながら電話してみたものの、私が迷惑かけてはいけないとすぐに切ってそれっきりになってしまっていた。

(イナガキくんには、きちんと話しておきたい)

私は少し悩んだけれど、会いたいと返事をした。




そして、待ち合わせ当日。

悠斗にはちょっと申し訳ないけど、また預かり保育をお願いした。

「ママ、今日も遅くなっちゃうけど、いい子で待っててね」

悠斗は、「はぁい」と返事をしてひまりちゃんたちと遊び始める。その様子に後ろめたさを感じないわけではないけど、自分の心の整理のためと言い聞かせて私は教室を後にした。

正門を出た途端、背後からカオルさんに呼び止められた。
もうママ友の言葉には左右されない
「あんた、最近ちょっと様子がおかしいんじゃない? 今だってやけに急ぎ足だし……」

「あ、ごめんなさい。本当に急いでいるのですみません~」

私は話を遮るようにそそくさと歩き、自転車に飛び乗り力を込めてペダルをこぎ始める。

「ねえ、仕事でも始めたら教えなさいよー」

遠くからそんな声が聞こえたけれど、私の時間はだれかの許可が必要なものではないとうことを十分わかってる。
だから、もう人の意見に左右されっぱなしの毎日はやめるんだ。


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