© Adobe Stock
すでに暑い日が続いていますが、本格的な夏はまだまだこれから! みなさま、
熱中症対策はお済みですか?
昨年は統計開始以降もっとも暑い夏を記録しましたが、今年も厳しい暑さが予想されています。体温調節が苦手な子どもを熱中症から守るためにも、
正しい知識と賢い対策がマストです。
そこで、先日パナソニックの
熱中症対策セミナーで教えていただいた、
エアコンの上手な選び方をご紹介します。
意外すぎる! 熱中症の発生場所トップは?
© Adobe Stock
さっそくですが、問題です! 熱中症の
発生場所として一番多いのはどこでしょうか? 校庭や道路など、
屋外の場所をパッと頭に思い浮かべた方が多いのではないでしょうか。
正解は、
「住居」。じつは、昨年の
熱中症搬送者の約40%が「屋内」で熱中症を発症しているんです(※1)。
© Adobe Stock
原因はさまざまですが、
・脱衣所・洗面所、トイレや浴室など冷房が効いていない高温多湿な「環境」
・汗をかく能力が低い乳幼児や温度に対する感覚が弱くなる高齢者、体調不良や睡眠不足といった「体」
・室内での長時間の作業や水分補給できない状況などの「行動」といった条件に影響を受けて、熱中症は起こりやすくなるのだとか。
たとえ屋内にいたとしても、
・室内の温度と湿度をきちんと意識
・こまめな水分補充と汗をかいたときは塩分補給
・睡眠をしっかり取るといった基本的な熱中症対策がとても大切です。
© Adobe Stock
そして、
“我慢せずにエアコンを使用する”というのも大事な熱中症対策のひとつ。最近は電気代が値上がりしているので使うのを躊躇してしまいがちですが、
夜に気温が下がらないときは切らずに一晩中使用するという判断もとても重要になります。
というのも、もう
エアコンなしでは命に関わる時代に突入しているといっても過言ではないんです。
今夏も世界中で猛暑予想… エアコンはもはや「生命維持装置」
教えていただいたのは、
気象予報士でTBSテレビ「THE TIME」の気象キャスターとしてもお馴染みの
増田雅昭さん。
増田さんによると、1900年と現在では日本の
年平均気温が2度ほど上昇していて、
このままいくと、100年以内に東京が現在の宮崎市くらいの気温になってしまうのだとか(※2)。
宮崎といえば、2月の寒い時期にプロ野球の球団がトレーニングをおこなう場所としても知られるほど、年中温暖で暑い地域。別のたとえでいうと、雪国である新潟が東京くらいの気温になったようなイメージとのこと。
また、30〜40代のママパパ世代が子どもの頃はあまり聞かなかった「猛暑日(35度以上)」や「熱帯夜(25度以上)」の日数も確実に増えていて、昨年の2023年は1898年の統計開始以降、多くの地域で年間の猛暑日や真夏日が過去最多。6月〜8月の平均気温で最高を記録し、もっとも暑い夏となりました(※3)。
そして、
今年の夏も昨年同様の厳しい暑さが続くと予想されているんです。地球温暖化や春までのエルニーニョ現象の影響などで地球全体の大気の温度がかなり高く、向こう3か月の気温は全国的に高くなる模様(※4)。
© Adobe Stock
天気予報はたまにハズレることもありますが、世界各国の気象機関の地上気温予測が軒並み平均以上となっているので、
暑くなるのは間違いないとのこと。
さらに、温室効果ガスの排出や森林伐採、エルニーニョ現象や火山の噴火など、さまざまな要因によって
来年以降も気温の上昇は続くと見られています。
だからこそ、熱中症から身を守るために
エアコンは私たちの生活に欠かせないツール。増田さん曰く、
「生命維持装置」なのです。
意外な落とし穴も! 損をしない「かしこいエアコンの選び方」
とはいえ、
電気代の値上がりは続いていて、家計的に苦しいのが現状。
4月には再生可能エネルギー発電促進賦課金値上げで、7月以降の4人家族の月平均の電気代は少なくとも2,236円は上がる(※5)とみられています。
© Adobe Stock
先日、政府が電気料金補助を再開すると発表しましたが、開始は8月からで10月には終了予定。そこで覚えておきたいのが、
かしこいエアコン選びです。
夏の電気消費量で一番多いのは
エアコンで、その割合は34.2%(※6)。エアコンの平均使用年数は14年で、1世帯に2.8台設置しているというデータ(※7)があることからも、
省エネ機能の高いものを選ぶことが、
長期的な節電につながってくるということになります。
パナソニック エアーマイスター
福田風子さんによると、最新のエアコンでもハイスペックモデルと標準モデルでは、冷房最大能力(kw)で約1.4倍、暖房最大能力(kw)で1.5倍の差が出るのだとか。
そしてよく「8畳の部屋だから6〜9畳用のエアコンでいいや」というように
畳数でエアコンを決めがちですが、これは間違った選び方。
部屋によって機密性や断熱性が異なるため、たとえば同じ12畳の部屋でも、高天井なら熱負荷を1ランクアップさせて14畳用、西向き窓やハイサッシ、最上階なら1〜2ランクアップさせて18畳用というように、
設置する部屋に見合った能力(kw)で選ぶ必要があるのだそう。
さらに
よくあるミスが、
値段の安さから能力(kw)の小さなエアコンを選びがちということ。
能力(kw)の高いエアコンの方が初期費用が高くつくことから敬遠されやすいのですが、じつは能力(kw)が小さめのエアコンにフルパワー運転(最大能力運転) させると
消費電力が増え、かえって電気代が高くなるのだとか。無理な運転が続くとエアコン自体の寿命を縮めてしまうこともあるので要注意です。
© Adobe Stock
また、
フィルターが目詰まりしていると冷暖房の効率が下がり、無駄な電気を使ってしまいます。忙しいママパパにとって、フィルター掃除は家事の負担が増えてしまうので、できれば
自動でフィルター掃除をしてくれるものがベスト。
加えて、温度や電気代を見える化することでより省エネ意識も高まり、無理なく節電を続けることができるので、
使いやすいアプリがあるかをチェックするのもおすすめです。
家族の健康を守るためにも欠かせないエアコン。
初期コストや畳数に惑わされることなく、長い目でみて省エネで快適かどうかを見極めて選ぶことが大切です。ぜひ参考にしてみてください。
※1:総務省消防庁「令和5年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況」より
※2:気象庁「日本の年平均気温」より
※3:熱中症ゼロへ「2023年の熱中症にまつわる3大ニュース」気象庁より
※4:気象庁「向こう3か月の天候の見通し 全国 (06月~08月)」より
※5:総務省「家計調査/家計収支編 二人以上の世帯」より
※6:資源エネルギー庁「平成30年度電力需給対策広報調査事業」の結果より
※7:2023年度見込み「商品別総需要 (社)日本電機工業会民生用電気機器国内出荷実績」より
こどもの気温は大人の+7℃⁉ こども目線の気温「こども気温」に注意して万全な熱中症対策を