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家計再生コンサルタントの横山光昭さんに“投資の基本の『き』”を教わった本連載も今回が最終回。最後は「けれども、やっぱり不安!」という読者の悩みを直接質問してきました。質問は全部で6つ。あなたの「それ、聞きたい!」はありますか?
■株価の「暴落」が怖くて投資に踏み出せない…

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Q1:株価の「暴落」がどうしても怖いです
昨年、株の大暴落がありました。世の中が「新NISAをやろう!」という雰囲気になった時だっただけに「やっぱり株は暴落するんだ」と感じ、どうしても怖いです。
A:「暴落」ではなく「株価の揺れ」。そこから学ぶべきことを知っておきましょう。
私がおすすめしているのは「投資は長期でやりましょう」ということ。一時的な「株価の揺れ」に一喜一憂する必要は、まったくありません。
長期的な視点に立ってみれば、ここ数年は調子が良すぎたんです。調子が良すぎたために「新NISAをやるのが当たり前」という風潮になった直後に急にドンと落ちたから大騒ぎになっただけです。でも、昨年の暴落を体験したことで「株価が落ちたとしても、時間が経過すれば元に戻るんだ」という流れは理解できたと思います。
株式市場は「順調に右肩上がりで成長していく」というものではなく、ジグザグしながらだんだん上向いていくイメージです。多くの人が投資を始めたという時期に「ファンドが成長する過程では、そういうことも起こるんだ」ということを知ることができて良かったのではないでしょうか?
これまでの株式市場だって、リーマンショック、コロナショック…など「〇〇ショック」は幾度となくありました。長期投資の場合には株価が揺れた時に不安になって「狼狽売り」をしないことが大切ということまずは学びましょう。
■夫が投資に反対…どう説得すればいい?

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Q2:投資をしてみたいですが、夫が反対しています
みんながNISAを始めていると聞いて私も始めたいです。けれども夫に相談したところ大反対されました。どうしたら良いですか?
A:少額で密かにスタートし「結果」と「具体的な数字」を見せましょう。
夫婦で投資方針の足並みが揃わないご家庭は多いものです。ご夫婦のどちらかが「断固反対!」というご家庭もあるし「投資は危ないんじゃないの?」といった「双方のリスク許容度」が合っていない場合など、さまざまです。
理想は、「ゆっくりと話し合いながら、価値観を擦り合わせていく」ですが、そもそもお金について話し合いができない家庭もあります。話が平行線になりそうな予感があるなら、投資をスタートする「前」の話し合いには、あまり意味がないのかもしれませんね。ぶつかり合って終わりだからです。
そんな時のポイントは、「結果」と「具体的な数字」です。
たとえば、投資をやりたい方が少額投資を密かに始めてみて、半年か1年経って「増えたという結果」が見えてきた時点で、「毎月これだけ地道に投資していたら少しずつ増えたんだ」という「具体的な数字」を見せてみましょう。「パートナーが投資アレルギーだ」という相談を受けたご家庭で、実際にこの方法でパートナーの方も「やってみようかな」となったケースは多かったです。
■知人が詐欺被害に! 投資詐欺にあわないための心得は?

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Q3:知人が投資詐欺にあいました。詐欺にあわないための心得は?
知り合いから、「投資詐欺にあった」という話を直接聞きました。身近でそんな話を聞くと、やっぱり怖いです。詐欺に合わないために気をつけるべきことは何ですか?
A:「うまい話はない」ということを知っておく。これに尽きます。
まず「投資の話」なのに、「絶対」とか「必ず」という言葉が出てくる場合は、疑ってみた方がいいですね。
また、「最初は信じていなかったけれども、グループLINEなどに入って周囲が『やったら儲かりました』という話ばかりだったので、だんだん(警戒心が)麻痺してしまった」という話もよく聞きます。これらの話に共通する対策は、ただ1つ「うまい話はない」と知っておくことです。
焦りも禁物です。「普段だったら絶対に引っかからないのに」とおっしゃる方に話を聞いてみると、「早くマイホームを手に入れたい」とか「早く学費を貯めたい」などと「早くお金を手に入れたい」という気持ちが根底にある場合が多いのです。その「早く」という気持ちに、付け入られてしまうのです。
仮に、百歩譲って投資詐欺でなかったとしても、「すぐに大きく増える」という投資方法は、それなりのリスクをとる必要があるものです。過大なリスクをとる投資は、そもそも投資方法としては危ういです。
投資は、焦らずに。「長期投資」で時間をかけて、大切なお金を丁寧に育てていきましょう。