■「売り時」はどう見極めたらいい?

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Q4:「売り時」はどう見極めたらいいですか?
NISAのつみたて投資枠で投資をスタートしましたが、「積み立てているだけ」になっているのではないかと不安です。タイミングを見て、売る必要ってあるのでしょうか?
A:「インデックスファンド」の場合、売り時は「そのお金が必要な時」です。
まずは「インデックスファンド」への投資をする際の「前提」を理解することから始めましょう。
●基本的に投資信託は長期。長期保有をすることで、元本が大きくなることで利益も増え、雪だるま式に資産が成長していく。
●そうはいっても、お金は必要な時のために使うものなので、旅行や結婚、子どもの学費などライフイベントで必要が生じたら売却もあり、必要なときに売れるのがNISAのメリットである。
ゆえに、もしインデックスファンドの長期投資に「売り時」があるとすれば、積み立てを続けていたお金を何かに実際に使う時でしょう。
「住宅資金」なり「教育費」なり、そのお金が必要になるまでは保有しておきましょう。
■投資で損する可能性があるなら始めたくないのですが…

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Q5:誰かが得をしているなら、誰かが損をしているのでは? 投資で損する可能性があるなら始めたくないのですが…
「投資で誰かが得をしているなら、誰かは損をするんじゃないか?」と思うんです。そう考えると自分は損をしてしまいそうで、投資というゲームに参加する気持ちになれません。
A:長期投資は「プラスサム」という理由を知ることから始めましょう。
少し専門的な話になりますが、質問者さんが想定している世界は、「ゼロサム(sumがゼロ)ゲーム」です。ゼロサムとは、Aさんがプラスのリターンを得れば、Bさんがマイナスのリターンになるといった「参加者の損益の合計はゼロ」ということが前提となっている世界です。誰かが勝てば誰かが負ける、例えば麻雀がそれにあたります。
これに対して、私がおすすめしている長期投資はいうなれば「プラスサム(sumがプラス)ゲーム」です。すなわち「参加者全員の利益と損失の合計がプラス」のゲーム、なぜなら世界経済は成長を続けており、今後も成長し続けると考えられているからです。
たとえば日経平均が過去最高値を出した時は、日経平均のインデックスファンドを持っている人はある意味「みんなで勝って」います。一方で日経平均が下がればそのファンドを持っている人は「みんなで負けて」いるのです。
「誰かが負けた分、誰かが勝つ」という発想は、ゼロサムゲーム。一方「インデックスの長期投資」は、いわばプラスサムゲーム。この違いを理解すれば、投資は必ずしも勝ち負けではないことがわかり、過度に恐れることはなくなるのではないでしょうか。
■投資の相談相手、どう選べばいい?

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Q6:投資のことを相談したい場合、相談相手はどう選べば良いですか?
投資についてネット記事や本を読んでみましたが、結局よくわかりませんでした。誰かに相談したいのですが、誰に相談したら良いかわかりません。
A:「誰に何を相談できるのか?」を知ることから始めましょう。
大前提としてお伝えしておきたいのは、「NISAのつみたて投資枠」の商品は金融庁が定める基準を満たす優良商品で、選ぶ際には専門知識はほとんど必要ない、ということです。(本特集の2本目の記事を参考にしてみて下さい)
ただし、iDeCoは口座を開く金融機関が登録している商品から選んで投資します。これは、ちょっと考えて選ぶべきですが、NISAのマネをするのでもOKです。
どうしても「対人」で相談したいというなら、投資初心者には家計の情報整理から始めることをおすすめしています。長期投資をスタートするには、「毎月いくらだったら投資に回せるのか?」といった「足元」を固めることが最も大切だからです。
資産運用のプロとして、「IFA(資産アドバイザー)」といったワードも気になるかもしれませんが、基本的にはIFAは富裕層向けのサービスが得意で、他者に投資を依頼するには当然手数料がかかり、10年、20年、その間ずっと手数料を取られることになります。
一般の方であれば、家計のお金の流れを整理し、投資対象のポートフォリオを組むあたりからスタートするのが現実的ではないでしょうか? その点でいえばFP(ファイナンシャルプランナー)が充分対応できます。
私の会社でもFP資格のある家計コンサルタントが、家計管理全般や資産運用など幅広い相談を受けています。サイト検索などで自分に合ったFPを探してみるのもひとつの方法かもしれません。

左)家計再生コンサルタント/横山光昭氏 右)マネーライター/楢戸ひかる氏
いかがでしたか? ひと昔前は投資をするには、ある程度の勉強が必要でした。今は税制優遇制度が整い、新NISAの「つみたて投資枠」に金融庁の基準を満たす商品が並んでいるという時代になりました。iDeCoも新NISAと同じような商品をラインナップしている金融機関が増えています。
そんな今の時代は、誤解を恐れずにいうならば、投資は「習う」より「慣れろ」なのかもしれません。今回ご紹介した内容や横山光昭さんの本などを手にとって基本を押さえて、まずは少額から投資の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
■今回、取材を受けてくださった横山光昭先生の書籍
【最新刊】『月3000円からはじめる新NISA超入門』
横山光昭著/アスコム刊(1,397円/税込)
1万2千人が成功した最強メソッドを更に簡単&おトクに! 投資への不安が自信に変わる、待望の一冊です!
【参考書籍】『知識ゼロですが、新NISAとiDeCoをはじめたいです。』

横山光昭著 ペロンパワークス編/インプレス刊(1,320円/税込)
一番わかりやすい入門書!「銀行預金しかしていない」「子育て・老後資金が不安」「難しそうで踏み出せない」…そんな方に最適!
横山 光昭(よこやま・みつあき)さん
家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー。株式会社マイエフピー代表取締役。お金の使い方を改善する独自の家計再生プログラムで、これまで26,000件以上の家計相談を受けてきた。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。