本との出会いは人生のスパイス!村上春樹の本で世界への扉を開かれた東京・駒沢の「体験する書店」を訪ねて
から。自然と興味は海外へと向き、高校卒業後は海外旅行に出ては旅先で本屋を訪れたという。「当時は何も目標がなくて。“自分探し”なんて無理矢理でっち上げて赴くままに旅に出ました。当初はHelloも通じないほど英語もままならなかったけれど、勇気を振り絞って外に出れば、未知との遭遇だらけだった。ゼロからのスタートでも、徐々に覚えて慣れて、経験値を上げていく過程がまるでロールプレイングゲームのようで楽しかったんです」。ビザやお金が許す限り旅を続けているうちに、やがて本屋へ行くことが旅の目的になっていった。グラフィックデザインなどを生業に、旅に明け暮れた20代を過ぎ、将来を見始めた30代。
「それまでは仕事を請け負う側だったけれど、先10年楽しくやっていけるのか分からなくなった。自己発信で何かしなければと思った時、本屋を営んでいる自分が一番イメージできたんです」。ちょうどその頃、六本木TSUTAYA書店ができ、世間では一大ブームとなっていた。デジタル化が進む中で“本・雑誌が売れない”と言われて久しいが、カフェサービスやトークイベントなど、独自でテーマを持ち新しい本の楽しみ方を提案する書店が生まれている。