映画『ニューオーダー』経済格差がもたらす“悪夢”を描くディストピア・スリラー

その勢いは爆発的に広がり、遂にはマリアンの家にも暴徒が押し寄せてくる。華やかな宴は一転、殺戮と略奪の地獄絵図が繰り広げられる。そして運良く難を逃れたマリアンを待ち受けていたのは、軍部による武力鎮圧と戒厳令だった。電話や通信網は遮断され、ついさっきまで存在していたはずの法と秩序は崩壊、日常が悪夢に変わる。だが、“最悪”はまだ始まったばかりだ。

ミシェル・フランコ監督のコメント
ごく普通の人間の人生がふとしたきっかけで崩壊の危機に瀕していく様を、冷徹な視線で描いてきたミシェル・フランコ監督は、映画『ニューオーダー』について下記の通りコメントしている。

「我々の暮らすメキシコに限らず、世界は極限状態に追い込まれている。まるで日々ディストピアに近づいているようにね。そしてパンデミックによって事態が更に悪化したことで、期せずしてこの作品は時代に即したものになってしまったんだ。」

【詳細】
映画『ニューオーダー』
公開日：2022年6月4日(土)、渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
監督・脚本：ミシェル・フランコ
出演：ネイアン・ゴンザレス・ノルビンド、ディエゴ・ボネータ、モニカ・デル・カルメン

2020年／メキシコ・フランス／スペイン語／86分／シネマスコープ／5.1ch／字幕翻訳：平井かおり／原題：NUEVO ORDEN(英題：NEW ORDER)／配給：クロックワークス／PG12