くらし情報『駄菓子店でお菓子を買えず、落ち込む子供 店主の『行動』に、目頭が熱くなる』

2021年10月19日 16:44

駄菓子店でお菓子を買えず、落ち込む子供 店主の『行動』に、目頭が熱くなる

※写真はイメージ

2021年10月現在、ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2021』を開催しています。

今年の作品募集テーマは、コロナ禍によりこれまでと変わった生活スタイルが続くなか、『身の周りであった心温まるエピソード』や、『心が癒されるような体験談』です。

『grape Award 2021』心に響くエッセイを募集!10月31日(日)まで

今回は、昨年の受賞作品の中から『優しき山バア』をご紹介します。

今から三十年以上前のこと。私が通っていた小学校から、少し坂を下った途中に一軒の駄菓子店があった。無口なお婆さんが一人で切り盛りしている店だった。

「オバちゃん、コレちょうだい」

「…二十円」

小学生相手に、至って愛想は悪く、いつも店の奥に鎮座して、駄菓子の値段だけを呟き続けていた。

動かざること山の如し。
当時、そんな言葉はもちろん知らなかったが、私たちは密かに「山バア」と呼んでいた。

ある日のこと。私は友達四人と、いつものように駄菓子を物色していた。すると、一人の子が、「このガム、お揃いで買おう」と言い出した。

価格、五十円也。他の子が同調する中、私は手の平にある全財産を見つめ、勇気を出して言った。

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