くらし情報『電車や店で癇癪を起こす子供 障害がある子と接した大人が気付いたことは…【きしもとたかひろ連載コラム】』

2021年12月3日 11:24

電車や店で癇癪を起こす子供 障害がある子と接した大人が気付いたことは…【きしもとたかひろ連載コラム】

けれど、言うことを聞かなかったり思ったように育ってくれなかったりするのって、よく考えたら、その子がその子として育っているということだ。

期待を裏切られたら裏切られた分だけ、その子はその子として生きていて僕の想像の外側で育っている。あいさつしないのも、ごめんねを言わないのも、ピーマンを食べないのも、その子がその子として生きている証だ。そんなふうに思えたら、返事が返ってこなくてこっそり傷つきながらも、その子の小さな意志を感じて少しだけ嬉しい気持ちになれるんだ。

余談ですが

電車に乗ったらおじいさんからジャズが流れていた。もちろんおじいさんから音楽が鳴るわけがないので、繋いだはずのイヤホンが外れているのだろう。おじいさんは気づいていないようだ。

車内は空いているとはいえ、少し離れて座る僕にも聞こえる大音量で漏れているので誰かが指摘するかと思ったけれど、みんな気づいていないのだろうか声をかける人はいなかった。


気づいたぼくが声をかけるのが親切かとも思ったけれど、そうはしなかった。そのジュークボックスおじいさんに気を遣ったというよりは店内BGMのように流れている音楽が心地よかったからだ。

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