2022年1月23日 11:13
生きるということへの敬意を持つ ふと目にした光景が教えてくれたこと
そこにこんな紙が貼り付けてありました。
「ただいま仕事中です。荷物が重いのでこちらに一時的に置かせていただいています。すぐに戻りますのでご容赦ください」
大きく丁寧な文字。あたりを見回すと、あのおじさんがチラシの束を抱えてポスティングをしているのでした。
「荷物が重いので……」ぶつぶつと怒りを口にしながら歩いていたおじさんの、丁寧な断りのメッセージを見たときに、生きていくということの大変さと、生きるということへの誠実さを見た気がして、外見だけで判断していた自分の狭量を恥ずかしく思ったのです。
あらゆる場面で、私たちは多くの判断、ジャッジすることを求められます。いい、悪い。
美しい、美しくない。
自分の中の、無意識に形成された価値観や判断基準によって、私たちは日々、必要なものを選びとり、仕分けていきます。それぞれの価値観は尊重されるものですが、時に思い込みや偏見だけでジャッジしてしまうことがあります。
もちろん、それもひとつの価値観のあり方ですから、よい悪い、で判断できるものではありません。
ただ、私はこのおじさんの姿を通して、丁寧であるという誠実な在り方を受け取りました。