2022年2月9日 12:19
隣に住む一人暮らしのおばあさん 人見知りの中学生が、お菓子を届けに行くと…?
それを私に託すのかと思いきや、「行ってきまーす!」と出て行ったではないか。私はちょっとびっくりした。こういう年頃だと、ご近所さんにわざわざ会いに行くなど、面倒だったり、恥ずかしいものかと勝手に思っていたからだ。
しかも、ちょっと人見知りな『はなちゃん』なのに。
帰ってくると、手には小さな花束が。まるで孫のように喜んでくれ、おばあちゃん自慢の庭からお花を見繕ってもらったようだ。
「キッチンに飾ると、お料理しながらふわっといい香りがするよ。」と。
それからは時々、多めにお菓子を作った時は「おばあちゃんに持っていこう」と届けに行く。
また、逆に採れたての大葉やお花が玄関扉にかかっていたり、お菓子の感想が電話で届くこともある。
こんなおばあちゃんの喜ぶ顔も、元気な顔もほっとする。少しの立ち話も、素朴な花にも癒される。何となく落ち着かない心もさーっと静かになっている、と思う。
きっと『はなちゃんのお菓子』は、食べる相手に温かい気持ちをお裾分けしているだけでなく、それが自分にも戻ってきているような気がする。そして、見守っている私まで心がほかほかほこほこしてくるのだ。
学校の気詰まりな空気や、今までと違う日常に疲れていた娘。