くらし情報『「言葉に心をこめる」というテーマは、生き方の美しさにつながっている』

2022年7月24日 10:00

「言葉に心をこめる」というテーマは、生き方の美しさにつながっている

この年齢になればそんな隙間と折り合いをつけられるようになりましたが、10代の頃はきつかったことを憶えています。

「退屈な大人になるなら、馬鹿なままの子どもでいい」

そんなことも思ったものでした。流されるように社会の歯車の一つになり、本当の気持ちから離れていくような大人のなり方を拒否したかったのです。

「言葉に心をこめる」というテーマは、生き方の美しさにつながっている

誰かが亡くなるとSNS上にはお悔やみの言葉が溢れます。それが犬であろうと猫であろうと人であろうと、「心からお悔やみ申し上げます」「ご冥福をお祈りします」という弔意の言葉が並びます。

誰かの訃報を、お悔やみの言葉の常套句、定型文で済ます。そこでふと思うのです。本当に祈っているだろうか。
心からのお悔やみの気持ちを感じているのだろうか。

親友が亡くなったとき、Facebook上に多くの人が弔意の言葉を寄せました。でも私は、とても「ご冥福を……」とは言えませんでした。

悲しいとか悔しいという言葉では表せない、心に空いた喪失感という穴をうまく表すことができませんでした。

「言葉に心をこめる」というテーマは、生き方の美しさにつながっている

大きな悲しみに遭遇したとき、私たちは言葉を失うのです。そして悲しみの中にいる人にかける言葉も見つからない。

そこを埋めるような言葉には、『嘘』や『体裁』はいらない、と思うのです。

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