2022年8月16日 16:08
【『初恋の悪魔』感想5話】このレールはどこに辿りつくのか・ネタバレあり
3話、年金が足りなくて高齢者が横領に手を染める。
物語が静かに浮かび上がらせるのが、この国で淡々と静かに進行しているあらゆる原因の見えづらい病巣だとすれば『悪魔』はその裂け目から生まれてくるものかもしれない。
それならば悪魔を寸前で引き留めるもの、悪魔を引き戻すものは何か。
ともにマイナスだとしても、マイナスとマイナスでプラスに転じるような出会い、星砂が悠日に語ったカテゴリやラベルにとらわれない会遇が、その鍵になるのだろうと思う。鈴之介の危機を残りの3人の機転で乗りきって、4人の絆はより深まったが、この回のラストで一気に物語は暗転する。
悠日の不審死した兄の携帯をめぐって星砂は行方不明になり、もう1つの人格で鈴之介の前に現れて誘惑めいた言動を見せる。
そして鈴之介の隣に住む作家の森園が、5年前に起きた監禁ののちに、遺体で発見された少年の殺人事件に関わった弁護士であるということも明らかになる。
解決し距離を縮めたその直後、更なる猟奇と分断が螺旋のように加速する。
まだ物語は、ようやく点が線になりはじめたばかりだ。
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[文・構成/grape編集部]
かな
Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。
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