2023年2月27日 12:22
母親の恋人を「おっさん」と呼んでいた娘 19年後の展開に、涙あふれる
私は半分他人事のように、おっさんが警察官と話す様子を見ていた。
その1週間後から、私は一人暮らしをすることになっていた。
家を出ると決めたとき、娘大好きな母は寂しがって泣いたりしていたが、おっさんは自分も一人暮らしが長かったからか、大いにやってみろ、という反応。子離れ出来ない母のことが心配だったのかもしれないが。
引越し当日、おっさんは仕事で朝早くに家を出なければいけなかった。朝5時、まだ寝ていた私の部屋に入ってきたおっさんは、そっと私の頭をなでてこう言った。「かわいい、かわいい」。
私はこの人の娘なのだ。
娘で良いのだ。
それからすぐ、私のLINEには『家族』というグループが出来た。
その後私は32歳で結婚し、33歳のときに親族だけの小さな結婚パーティーを開いた。
夫のご両親に紹介するときも、結婚パーティーでも、私は迷わず「父」と紹介した。夫のご両親は若い父親の登場に驚いていたが、すぐに受け入れてくれた。本当に素敵なご両親だ。
未だに私は父のことを「おっさん」と呼ぶし、父は私のことを名前ではなくあだ名で呼ぶ。
でも「おっさん」という呼び名には、私たちが時間をかけて父娘になった19年間が詰まっている。