2023年11月17日 17:15
【『大奥 Season2』感想7話】福士蒼汰、瀧内公美が表現する人生の禍福
黒船来航の混乱の中、女将軍・家定(愛希れいか)と、同じく女性にして老中職の阿部正弘(瀧内公美)は国の舵取りに奔走することになる。
※写真はイメージ
三代将軍の家光(堀田真由)と十三代将軍の家定。
どちらも幼いころに自分の尊厳を傷つけられる過酷な体験をして、絶望とともに生きてきた女である。
その二人にそれぞれ寄り添う夫として、福士蒼汰が二役で登場する。
前シーズンに登場した有功は僧籍から還俗させられた青年であり、自身の中にも叶わなかった人生の哀しみを秘めながら、思いやり深く家光に寄り添っていた。
いわば『慈悲の人』である。
そして、今回登場する胤篤(たねあつ)は、未来の天璋院で、薩摩藩から政治工作を含められて大奥にやってきた青年。ドラマにはなかったが、原作では胤篤が女性に優しいために、男尊女卑の激しい薩摩では異端の存在だった過去が描かれている。
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政治工作の密命を帯びながらも、胤篤には悲壮感や下心めいたものは感じられず、その温和さや理知的な会話で傷ついた家定の心を癒やす。
現実に即して一つ一つ問題を解決すれば、自ずと万事良い方向に進むと信じている胤篤は『希望の人』である。