2021年8月14日 17:07
子供の頃の『何気ない一言』が心の傷に 劣等感はどこから来る?【きしもとたかひろ連載コラム】
という言葉が、嫌だと言えない自分が悪いのだと思わせてしまっていた。そんなつもりじゃないんだよ、と言っても遅い。
自分の思いに正直になっていいよっていう言葉で僕は、嫌と言えないその子自身を否定しまっていたのだ。
その子は、仲良しの2人に付いて遊ぶことを嫌とは思わず、もしくは自分で嫌だという気持ちに気づいていない中で、外側から「嫌って言えない自分はダメなのだ」と、元々は持っていなかった不安を持たされたことになる。
素直な子と聞いてどんな子を思い浮かべるだろう。
気持ちよく「ありがとう!」と言えたり、悪いことをして「ごめんなさい」と言える子を見て素直だなと感じる。なにかお願いをして「うん!」とか気持ちよく返事してくれると素直ないい子だなあと思う。けれどそれは、子どもに素直になることを求めているんじゃなくて、聞き分けが良くて可愛げがあることを求めているのかもしれない。
僕が求めている姿や正しいような姿だから素直だと感じているのかもしれない。
以前、ある保育士さんが「子どもに注意した時、すぐにケロっとしていると馬鹿にされている気になったり、もっとしょんぼりしろよ…と思ってしまう自分がいる」