2020年2月13日 06:00
新型コロナウイルスもたらす経済への打撃“春闘”にも影響か
「(新型コロナウイルスの拡大について)日本だけでなく、世界経済全体への影響が懸念されている」
日銀の黒田東彦総裁は、2月4日に開かれた衆議院予算委員会で、そう語った。’03年に感染が広がったSARSのときと比較できないほど中国市場は拡大しているため、その損失は計り知れないという。
では、私たちの家計にはどのような影響をもたらすのか。第一生命経済研究所・首席エコノミストの永濱利廣さんが解説する。
■大打撃は観光業だけじゃない……メーカーも夏ボーナスは望み薄
「去年1年間に日本を訪れた中国人旅行客は959万人で、全体の約30%。終息しない状況が続けば、訪日観光客による消費は損なわれるばかり。中国人観光客をメインに扱う旅行代理店の中には、倒産する会社も出てくるかもしれません」
しかし、他業種もコロナウイルスの影響を受ける、と続ける。
「いまは、経営者と労働組合が賃金交渉をする“春闘”の時期でもある。
米中貿易摩擦や消費増税などが続き、ただでさえ“今期の業績アップは厳しい”といわれていました。中国に拠点を置く企業は、ベースアップはもってのほか。夏の賞与も、例年を下回る結果になるのではないでしょうか」