2021年10月20日 15:50
法改正で相続税の対象者が拡大…子供に負担をかけない「生前贈与」のススメ
「残すものは何もないから、わが家に限って相続争いなんか起きるはずがない」。そう思っていても、意外と基礎控除額を超えた金額が相続分として残ることが。今すぐ財産を洗い出して賢く節税をーー!
「生前贈与ができなくなる!?」「相続税の節税ができない!」
富裕層の間でそんな噂が飛び交っている。事の発端は’20年12月の税制改正大綱だ。「相続税と贈与税を一体的に課税する観点から課税方法を見直す」との記載が、さまざまな臆測を呼んでいる。
「相続なんて、庶民には関係ない」
そう思う人が多いだろう。だが、相続専門の税理士、橘慶太さんはこう警告する。
「法改正があっても、富裕層は相続税が多少増える程度です。
万全の準備も行うでしょう。しかし、もっとも大きな影響を受けるのは、相続税の対象ラインぎりぎりの方です。改正前なら相続税と無縁でいられたのに、改正後は相続税を払う立場になることもあるでしょう。相続税は、子どもたちに大きな負担を残します。’16年の相続税法改正以来、相続税の対象者は増えています。都市部の地価の高い地域に持ち家のある方は注意が必要です」
■相続税の計算の仕方は?今のうちに考える
庶民にこそ影響の大きい税制改正のゆくえを、Aさんの例をもとに解説してもらおう。