2021年12月4日 06:00
“特殊漫画家”根本敬が語る「芸術家・蛭子能収」はこんなにすごい!
「金と自由は欲しいけど、何もしたくない──」を貫いてきたタレントで漫画家の蛭子能収さん(74)。2020年夏に認知症を公表した後も、その“人生哲学”はまったく変わらない。絵を描くよりもテレビの仕事のほうが楽だしギャラもいいと言い続ける蛭子さんに突如湧いた「絵画展プロジェクト」。果たしてプロジェクトは成功するのだろうか……。(第4回/全10回)
40年来の盟友・根本敬さんが蛭子さんを動かした──。
サインペンを手にし「なにを描けばいいですかね?」という蛭子さんに、根本さんはこう語りかける。
「蛭子さんの好きなモノを描いてごらんよ。今、気になっていることとか、自由に描いてみてよ」
蛭子さんは少し考えたあとで、
「今は東京が怖い。
金が稼げるけど、金をとられていくのも東京。すこし前は東京に勝ったと思ったけど、手強くて、なんか東京に負けたと思って……」
と話す。
「じゃあ、東京にやっつけられた人の絵を描きましょう」
という根本さんの声とともに、蛭子さんが持つサインペンが動き出す──。
一心にスケッチブックに向き合う蛭子さんを見ながら、根本さんが語る。
「蛭子さんの漫画はどれもすごいんだけど、とくに脱サラして再デビューして描いた『地獄のサラリーマン』がすごい。