2021年12月18日 11:00
誤った基準で補償がゼロに…脳性麻痺児の母が救済訴える
『産科医療補償制度を考える親の会』代表の中西美穂さん
「審査を受けて補償の対象になると、補償金が介護費用として支払われます。『障害児家庭の経済的負担を軽減させるため』というのが制度の趣旨であるためです。私の子供は対象外になりましたが、そののち審査に医学的根拠がないと判明したのです。
脳性麻痺の子供を育てるにはお金がかかります。新しい制度を作ってでも救済してほしいのですが……。補償を審査してきた機構は『当時の医学的知見や医療水準に応じた。だから、基準を遡って措置を行うことはできない』というのです」
こう話すのは『産科医療補償制度を考える親の会』代表の中西美穂さん(41)だ。
産科医療補償制度は“分娩に関連して発症した重度脳性麻痺児を補償するもの”で、妊婦であれば誰でも加入する制度だ。
2009年以降に出生した児童については「補償対象基準」「除外基準」「重症度基準」のすべてを満たす場合、総額3,000万円の補償金を支払ってきた。
中西さんが問題視しているのは、このうちの「補償対象基準」だ。在胎週数が28週未満の場合は審査対象外に。そして、32週以上で出生体重が1,400g以上の場合は一般審査を経て補償対象になっていた。