2022年4月7日 06:00
コロナで肺炎疑いの乳児が入院できず死亡…遺族が悲惨な医療現場の実態を告発
「彩香は、よく食べて、よく寝る、いい子でした。音楽に合わせて手をたたくくらい成長していたんです」
後日、京都新聞に掲載された府のコメントに川谷さんは愕然とした。「保護者が自宅療養を希望した」「府の対応に問題はなかった」と、書かれていたからだ。
「自宅療養を希望したわけではありません。保健所は、私たち家族を“最優先”で対応したと言いますが、それならなぜ肺炎疑いの乳児を入院させてくれなかったのか。二度と、彩香のような犠牲者を出さないために検証してほしい」
本誌の取材に対し、舞鶴赤十字病院は、「ご遺族にはお悔やみを申し上げる」としたうえで「医師は適切に診断したと考えている」と回答。京都府は、「お子様の感染時の課題について精査中で、改善が必要な課題が見つかり次第、解決策を検討する」と回答を寄せた。
■検査結果だけ伝えられ診察は一切ナシ
静岡市在住で重度知的障がいのある藤澤大眺(だいち)さん(24)は、2月12日にコロナを発症。
診察や治療を受けられず、4日後の16日に死亡した。彼の名前からとった「生活介護だいち」という、障がい者の通所事業所を営む弟の雄偉(ゆうい)さん(23)は、こう振り返る。