くらし情報『「もっと落語を信用して欲しい 噺の幹の部分を描かなくちゃ」三遊亭歌奴インタビュー』

2024年4月22日 18:00

「もっと落語を信用して欲しい 噺の幹の部分を描かなくちゃ」三遊亭歌奴インタビュー

だんだん時代が変わってくるので、やりづらくはなると思うんですよね。『妾馬』っていう噺があるんですけど、自分の妹が殿様の愛人になる、妾になるという噺で。これをやったときに女性のお客さんから「なんであんな落語をやるんだ」と言われたことがありました。じゃあ過去にあった悪いことも全部無くしちゃっていいんですかね、と。その時分そういうことがあったけど、そのおかげで今はそういうことはなくなって、嫌な目にあった人はいるけれども、それを伝えていくことによって、今はそういう時代じゃなくて良かったねって、昔のこととしてわかってくれる。そういう心の余裕がだんだん今の世の中なくなってきているんじゃないかと思う。それが自分の弟子世代の心配のひとつで。

あと、落語をちょっと壊してやる人がずいぶんと多くなっちゃった。
もっと落語というものを信用して欲しい。僕もアドリブでつまんないギャグを入れたりするんですけど、それもウケて、かつ脈々と語り継がれている落語のギャグ、くすぐりもウケなきゃ意味がない。小手先だけで笑わしたって噺の本筋の幹の部分が描かれていないんじゃあ落語はつまらないものになってしまう。だから雰囲気を壊さないように、ちゃんとした幹を残したまんま落語をやって欲しいっていうのは、今でも言いますね。

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