2021年5月18日 07:00
“家族”というかたちの来し方行く末を描く半ドキュメンタリー、ゆうめい『姿』再演
劇団ゆうめいの『姿』が5月18日(火)から東京芸術劇場シアターイーストで開幕する。2019年、三鷹市芸術文化センター星のホールにて上演された作品の再演となる。再演といえど、どうやら初演から現在に至るまでのできごとも新たに盛り込まれ、作品はさらに進化したものになるようだ。
ゆうめいの作品には、作・演出の池田亮をはじめとするメンバーが実際に経験したことが反映されている。これまでも、池田自身の学生時代のいじめの経験や、親との関係が舞台上で繰り広げられてきた。
そんな彼らの総決算的作品のひとつが『姿』だ。池田と両親の関係性を軸にしつつ、その両親の若い頃にさかのぼってふたりの出会いと歩みも描く。池田と、エリート公務員である母との関係はこれまでも何度かゆうめいの舞台で明かされてきた。
その様子が「姿」ではより丁寧に、詳しく描かれる。
そこにあるのは「他人の家族の話」にすぎない。けれども、そこには誰もが思い当たる人との関係の難しさが潜んでいる。仮に家族に問題を抱えていない人であっても(そんな人がいるのか疑問だが)、必ずどこかで見知った感情が、舞台の上にはあるはずだ。
今作のドキュメント性を増しているのは、役者として参加する池田の父、五島ケンノ介の存在だ。