2024年4月6日 12:00
「第8回横浜トリエンナーレ」展示の模様をレポート アーティストの多様な視点から、生きづらい現代を生き抜く方法を探る
大自然を旅する若者たちを撮影したロードムービーのようなスターニャ・カーンの映像作品では、失敗への不安、やり遂げようとする強さなどが描かれる。
場所を移して展開される最終章「すべての河」へ。BankART KAIKOでは、クレモン・コジトールの映像作品《ブラギノ》が印象に残る。都市から隔絶した土地で自給自足をして暮らす2つの家族が川を挟んで対立するなかで、子どもたちはどこへ向かうのか。また、「野草:いま、ここで生きてる」の展示内にはいくつかのトピックを立ててその分野の専門家を迎えた小企画があるのだが、旧第一銀行横浜支店では、江上賢一郎(東京藝術大学 特任教授)が企画した「革命の先にある世界」)が展開されている。「インターアジア木版画マッピング・グループ」などアジアの多様なコレクティブが集結し、他者と力を合わせて現代に柔軟に応答している。
スターニャ・カーン《後戻りはしない》2020年
クレモン・コジトール《ブラギノ》2017年
リャオ・シェンジェン&ホアン・イージェ(左上)など8組を紹介
なお、町村悠香(町田市立国際版画美術館 学芸員)の小企画では、「李平凡の非凡な活動:版画を通じた日中交流」