くらし情報『「鳥瞰図」で知られる吉田初三郎の展覧会を府中市美術館で開催 “理想化された風景”を描いた大型の肉筆鳥瞰図などを展示』

2024年5月2日 11:30

「鳥瞰図」で知られる吉田初三郎の展覧会を府中市美術館で開催 “理想化された風景”を描いた大型の肉筆鳥瞰図などを展示

肉筆画《富士身延鉄道沿線名所鳥瞰図》(部分)昭和3(1928)年堺市博物館蔵


大正から昭和にかけて、空高く飛ぶ鳥や飛行機から見下ろした視点による鳥瞰図(ちょうかんず)のスタイルで、数多くの名所案内図を描いた画家・吉田初三郎を紹介する個展が、5月18日(土)から7月7日(日)まで、東京の府中市美術館で開催される。
京都に生まれ、関西美術院で洋画家の鹿子木孟郎に学んだ吉田初三郎(1884-1955)は、鉄道沿線の名所案内などで商業美術家としての名声を獲得した画家。観光旅行が盛んになる時代の後押しを受けて活躍の場を広げ、全国各地の鳥瞰図のほか、ポスターなどのグラフィックや絵画も手がけた。
同展の大きな魅力は、10点以上に及ぶ大型の肉筆鳥瞰図が並ぶこと。初三郎の鳥瞰図は、実際の地形を正確に表すものではなく、変幻自在の工夫が施されたものだったそうだ。例えば、見えないはずのランドマークを描いたり、中心となる建物を極端に大きくしたりと、構図に大胆なデフォルメやクローズアップを取り入れることもしばしば。その一方で、線路には当時走っていた鉄道の車両、桜の名所には桜の木、そして温泉には立ち上る湯煙といったように、その名所の特徴をわかりやく細部まで丁寧に描き、見る者に実際に絵の中を旅するかのような気分を味わわせてくれている。

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