2021年12月6日 20:00
過去から現代へ、言葉を紡ぎ必死に対話する人々描く 瀬戸康史主演『彼女を笑う人がいても』観劇レポート
そのほか、阿岐之将一、魏涼子、吉見一豊、大鷹明良がしっかりと脇を固め、その中心に立つ瀬戸が、あえてであろうが、伊知哉と吾郎の演じ分けをすることなく、とにかくまっすぐにずっと舞台にいて、彼らの声を聞き、疑問や怒りをぶつけていく。報道とは何か。言葉の力は消えたのかと。
瀬戸康史
タイトルにある「彼女」とは、命を落とした女子学生のことを指している。彼女自身は出てこないが、彼女の周りでこんなにも格闘した人がいて、今につながっていく。言葉が軽んじられたり、言葉による真摯な訴えが冷笑されることも多い今、笑う人がいてもあきらめたくない。言葉の芸術と言われる演劇で、そう心を強くした。
取材・文:大内弓子撮影:細野晋司
『彼女を笑う人がいても』
作:瀬戸山美咲
演出:栗山民也
出演:瀬戸康史木下晴香渡邊圭祐近藤公園
阿岐之将一魏涼子/吉見一豊大鷹明良
2021年12月4日(土)~2021年12月18日(土)
会場:東京・世田谷パブリックシアターほか、福岡・愛知・兵庫公演あり
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