2024年4月27日 20:00
【ライブレポート】「原因は自分にある。」は新たな高みへ。彼らが描く『架空のアウトライン』は進化の予兆
これまでメインステージに釘付けだった観測者たちは、身を180度回転させ、客席中央でニコニコとマイクを握るメンバーに熱い視線を送る。
げんじぶにとっての2023年は、初の全国ホールツアー、そして、ぴあアリーナMMでおこなわれた初のアリーナ公演と、初めて尽くしの一年だった。デビューから約5年、着実に新たな地平へと歩を進めている彼らの背中は、誇らしく頼もしい。少しずつ遠くなっていく彼らに一抹の寂しさを感じていた観測者もいるかもしれないが、そんなファンたちだって、げんじぶは見逃さない。
杢代の「愛してるよ、ばか!」に脳を痺れさせ、大倉の「みんな、声出してくれる?」のお願いに必死で応える観測者たち。楽しそうに目を合わせながら歌う吉澤と小泉がメインモニターに映し出されるや否や、武藤潤の骨太なボーカルにさらなる厚みを感じる。予測不能なげんじぶたちとのゼロ距離体験に、客席からの安定したコール「き・き・きすみー!」にも自然と熱がこもる。
最低限のMCに滲む自信
定番の人気曲で盛り上がった熱を秘めたまま、突如、ステージは暗転。メインモニターに浮かび上がったインタールード映像に呼応するように、ステージ右側のスポットライトが点灯し、登場したのは吉澤だ。