2024年4月27日 20:00
【ライブレポート】「原因は自分にある。」は新たな高みへ。彼らが描く『架空のアウトライン』は進化の予兆
明滅する光が、鼓動にリンクする地響きのようなスネアが、観測者の視覚と聴覚をジャックする。ステージ真上から降ろされたストリングカーテンが予感になびいて揺れ、赤く妖艶な世界で武藤と長野が高らかに歌い上げた『貴方に溺れて、僕は潤んで。』は、そのまま『美しい人』へ。
ストリングカーテンの裏に用意されていたのは、一人ひとりのメンバーに設えられたヴィンテージ風チェア。ライトアップされ、キラリと銀色に輝くチェアに座った状態で繰り広げられる妖艶なパフォーマンスに、いとも簡単に目が奪われる。曲調に合わせ、暗転したかと思えば白や紫に染め上げられる舞台。独特な指を鳴らす振り付けも相まって、これまでにない大人なムードを漂わせるげんじぶの姿に、歓声とはまた趣のちがうため息が混じる。
流れるように『In the Nude』へ、途端にステージ上は架空のダンスホールに変貌。
首筋を撫でる大倉に場が沸き、一瞬のスポットライトが小泉を強く照らしあげる。ダンサブルなナンバーは怒涛の勢いで観測者を飽きさせない。成熟に近づいた彼らのセクシーさを目の当たりにしたと思いきや、『推論的に宇宙人』から『チョコループ』へとポップな世界観に導かれる。