2024年5月10日 19:00
【観劇レポート】歌舞伎町に歌舞伎がやってきた!中村屋がおくる“極上の初物”「歌舞伎町大歌舞伎」
©松竹
戦後、復興事業の一環として歌舞伎の劇場誘致を図り「歌舞伎町」と命名された新宿・歌舞伎町。当時それは実現しなかったものの、この地は現在、劇場や映画館が立ち並ぶ日本有数のエンターテインメント発信地として賑わいを見せている。そしてついに、歌舞伎町に歌舞伎がやってきた。東急歌舞伎町タワーのTHEATER MILANO-Zaにて「歌舞伎町大歌舞伎」が5月3日に開幕したのである。出演は中村勘九郎、中村七之助を中心とする面々。父である十八世中村勘三郎のチャレンジ精神を受け継ぐ中村屋兄弟は、庶民の生活に根付いていた江戸時代の歌舞伎の良さを現代に蘇らそうと、古典を大事にしながら現代的なアプローチで様々な挑戦を続けている。「歌舞伎町大歌舞伎」の宣伝として歌舞伎町のホストクラブのようなアドトラックが東京の街を走ったのも話題になったが、この“傾いた(かぶいた)”奇抜なアピールは、現代の歌舞伎役者のイメージ=古典芸能の従事者というより、本来の“傾奇者(かぶきもの)”歌舞伎役者の面目躍如といったところだろう。
『正札附根元草摺』より、左から)中村鶴松、中村虎之介
さて、「歌舞伎町大歌舞伎」は、『正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)