くらし情報『『関心領域』思考欠如の恐ろしさ……。アウシュビッツ強制収容所の隣で暮らす家族【おとなの映画ガイド】』

2024年5月6日 12:00

『関心領域』思考欠如の恐ろしさ……。アウシュビッツ強制収容所の隣で暮らす家族【おとなの映画ガイド】

ユダヤ人も登場しない。では、何が描かれているのかというと、収容所のお隣に住む、所長一家の日常。その暮らしぶりなのである。美しい庭を囲む壁のすぐ向こうに、アウシュビッツが大きな山のようにそびえ立っている。

『関心領域』思考欠如の恐ろしさ……。アウシュビッツ強制収容所の隣で暮らす家族【おとなの映画ガイド】


映画の原作は、マーティン・エイミスが書いた小説。それを、イギリスの鬼才、ジョナサン・グレイザー監督が大胆にアレンジし、映画化した。グレイザー監督といえば、スカーレット・ヨハンソンが地球外生命体に扮したSFスリラー『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』(2014) で映画ファンをあっと言わせたが、あれから10年。満を持しての長編監督作だ。


インタビューで語った監督の映画説明が、なんとも皮肉がこもっていて興味深いので、ちょっと長いが引用すると──。
「映画は、男とその妻を描いたファミリードラマです。ふたりは幸せに満ちている。美しい家に5人の子供と住んでおり、妻は庭いじりに精を出し、自然に囲まれた暮らしを満喫している。夫は重要な仕事を任されており、それをそつなくこなしている。ふたりは申し分のないパートナー同士ですが、会社が自分を別の都市へ異動させたいと考えているという知らせを夫は受け妻はショックを受ける。

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