2022年7月6日 18:00
怖い鬼からかわいい鬼まで、北斎が描いた「鬼」が集結 『北斎 百鬼見参』すみだ北斎美術館で開催中
森羅万象、ありとあらゆるものを精力的に描いた絵師・葛飾北斎。彼が「鬼」をどのように捉え、表現してきたかに迫る展覧会『北斎 百鬼見参』がすみだ北斎美術館で開催されている。北斎の肉筆画《道成寺図》も初公開される展覧会だ。途中、展示替えをはさみ、8月28日(日)まで開催される。
日本では古来より鬼の存在が信じられてきた。現在でも鬼を打ち払うために節分には豆を撒き、まんがやアニメ、ゲームなどさまざまな創作物に鬼が登場する。鬼は私達の心のなかにしっかりと住みついているのだ。
展示風景より
現代の私たち以上に、古来の人々は鬼を身近に感じながら暮らしていた。江戸時代に起こった読本や浮世絵のなかにも鬼は頻繁に登場している。同展では、葛飾北斎や、北斎の門人たちがそのような鬼たちをどのように捉え、表現したかに迫っていく。
展覧会は4部構成。第1章「鬼とはなにか」では、江戸時代の人々が持っていた鬼のイメージを北斎の作品を通して紐解いていく。
天下泰平とうたわれていた江戸時代、人々はスリルを求めて怪談話を好んで求めていた。人々が集まり、それぞれが知る怪談話を語り合うイベント「百物語」では、100の物語を語り終わったときに怪奇現象が起こると信じられていた。