くらし情報『ヴェールを脱いだ新国立劇場『デカローグ』、開幕レポート』

2024年4月19日 17:00

ヴェールを脱いだ新国立劇場『デカローグ』、開幕レポート

あの映画独特の薫りを伝える、ひっそりとした美しさが心地よい。演出は、本プロジェクトを牽引する小川絵梨子新国立劇場演劇芸術監督と、上村聡史のふたり。幕開けの公演は、プログラムAの二篇を小川、プログラムBの二篇を上村が担当、各プログラムでそれぞれの仕事をじっくり味わう形となった。

ヴェールを脱いだ新国立劇場『デカローグ』、開幕レポート

『デカローグ1』「ある運命に関する物語」より、右から)ノゾエ征爾、石井 舜、高橋惠子(撮影:宮川舞子)
プログラムAの前半、『デカローグ1』は「ある運命に関する物語」。大学教授クシシュトフ(ノゾエ征爾)は12歳の息子パヴェウ(石井舜)とふたり暮らし。腕立て伏せを競ったり、コンピューターを用いてさまざまな問題を解いたりする姿が微笑ましい。

父子に優しく寄り添うクシシュトフの姉、イレナを演じ強い印象を残したのは高橋惠子。信心深く、パヴェウを教会に通わせようとするも、無神論者のクシシュトフとは意見が合わない。
十戒の最初の戒め「わたしのほかに神があってはならない」が、重々しくのしかかってくるエピソード。「死ぬってどういうこと?」と父に問うパヴェウの声が、いつまでも耳に残る。

ヴェールを脱いだ新国立劇場『デカローグ』、開幕レポート

『デカローグ3』「あるクリスマス・イヴに関する物語」

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