2022年7月19日 18:15
『地球がまわる音を聴く』森美術館にて開催中 アートを通してコロナ禍以降の「ウェルビーイング」を考える
鮮やかな黄色い色が目をひきつけ、花粉から漂う甘い香りが心を揺らす。他にも牛乳や蜜蝋を使った作品も展示されており、どの作品も生命のはじまりを考えさせるものだ。
ヴォルフガング・ライプ《ヘーゼルナッツの花粉》(2015-2018)
エレン・アルトフェストは、ライプとはまた異なる形で生命を考えさせる作品を作り出す。彼女は、対象を実際に見てその姿を緻密に描きだしていく。《木々》は木の幹を13ヶ月の歳月をかけて描いた油彩画だ。
エレン・アルトフェスト《木々》2022年
小泉明郎のインスタレーション《グッド・マシーン バッド・マシーン》は、催眠術にかけられ、自らの感情を操作されている被験者の映像と、催眠術にかかってしまったかのように動いているロボットアームによって構成された作品。人間の主体性とは、意思とはなにかを考えさせられる緊迫した空間になっている。
小泉明郎《グッド・マシーンバッド・マシーン》2022年
青野文昭のインスタレーション《僕の町にあったシンデンー八木山越路山神社の復元から2000~2019》は、作家が子供の頃遊び場にしていた仙台の八木山と、かつてあった神社、そして東日本大震災の経験を題材にしたもの。