2023年7月26日 18:00
『テート美術館展』展示風景をレポート 200年にわたる「光」をめぐる表現の旅へ
ジョン・マーティンの《ポンペイとヘルクラネウムの崩壊》では、イタリアのヴェスヴィオ火山の噴火と逃げまとう人々を光と闇を用いてドラマティックに描き出した。また、バーン=ジョーンズの《愛と巡礼者》では、天使のような人物が黒い服をまとった巡礼者を誘導する場面で光と闇を対比的に用いている。
ウィリアム・ブレイク《アダムを裁く神》1795年
ジョン・マーティン《ポンペイとヘルクラネウムの崩壊》1822年~2011年修復
エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズ《愛と巡礼者》1896~97年
第2章「自然の光」は、自然のなかにある光をありのままに捉えようとした画家たちの動きを追う。ジョン・ブレット《ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡》は、雲の間を抜け、海に光を落とすやわらかい光を描いている。ターナーやコンスタブルなどイギリスを代表する画家や、モネやシスレーなど印象派の画家たちの作品もならぶ展示室中央には草間彌生による鏡の作品《去ってゆく冬》が据えられており、周囲の作品や人物、そして光を映し出す印象的な空間になっている。
ジョン・ブレット《ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡》1871年
中央:草間彌生《去ってゆく冬》2005年
第3章「室内の光」