2024年4月24日 06:00
「プレ値が付いているからみんなが欲しがるモノに間違いない」二次流通市場がこの10年で拡大、購買心理も変化【スニーカー解説】
では、たとえば定価1万6000円のスニーカーが二次流通で3万6000円で取引されているからといって、メーカーは定価3万6000円に設定すればよいかというと、そうではない。
なぜならば二次流通市場でスニーカーを購入しているのは、さらに相場が上がると信じて転売用に購入している人か、「プレ値が付いているからみんなが欲しがるモノに間違いない」と思って購入している人たちだからです。
仮に二次流通で取引されている価格を定価として設定したとしても、若者が気軽に買える金額から乖離(かいり)してしまうため一次流通の時点でまったく売れなくなり、二次流通市場でプレ値が付くこともないでしょう。つまり、言い換えるとメーカーも二次流通での取引価格を意識しながら定価を決定しなくてはいけない状況になっています。
ひと昔前のスニーカーファンはたとえ1回か2回だけだったとしても、とりあえず履いて外に出るのが当たり前でした。
ですが、今の若い子たちと話していると、彼らは仮にスニーカーを100足持っていたとしても、実際に履いているのは5足ほど。
これはスニーカーが従来のコレクションピースとしての存在から脱却し、投資・投機的商品として捉えられるようになった証拠でもあります。