くらし情報『片目視力失い杖で電車移動、駅で周囲のスピードについていけず…「どなたか席を譲ってくれませんか?」社会とのかかわり方』

2024年5月7日 06:00

片目視力失い杖で電車移動、駅で周囲のスピードについていけず…「どなたか席を譲ってくれませんか?」社会とのかかわり方

いや、行き先が明確になくても誰でも移動する自由はある。移動できないくらいしんどかったら、自分で判断して休むだろう。この時期の僕は少し休めば動けるくらいの状態だった。そもそも幼少期のロンドンでの経験などから、僕は電車の椅子はすべてが“優先席”だと思っていたが、日本ではわざわざ指定しないと誰も他人を優先しない。ただ、優先席と指定してしまうと、その場所以外は優先しなくてよい席だと考えてしまう人もいるのではないか。

社会には色々な人がいて、それぞれの速度で、やり方で生きている。公共交通機関の「公共」に、その色々な人を包摂するという意味を持たせてもよいのではないか。日本社会には“公=パブリック”という概念が欠如している。
公園や広場といったパブリックスペースは、欧州では「みんなのもの」と考えられるが、日本では誰のものでもない場所だ。そして、行政からの禁止事項だけがずらりと並ぶ。僕は日本が民主主義という看板を出しているだけで民主主義社会ではない、と考えている。それは「民が主になっていない」からだ。民が主になってみんなのものとして社会をつくっていく。その意識がない社会は民主主義社会とは言えない。

バリアフリーの議論でも、障害のある人のためにスロープやエレベーターを設置するのはもちろん大事なことだ。

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