二人で深めていけたらなと考えています」
多彩な響きは2台ピアノの醍醐味だ。
「2台のピアノが1+1=2ではなく、100にも200にもなる。二人の音楽性が同じ方向ならもちろん楽しいですし、それが違っても、新しい解釈が得られるので、リハーサルの時からとても刺激になって楽しいんです」
二人の共演はこれが2度目。今年6月に一度、3台ピアノを弾いた。
「こちらの音をものすごく聴いてくれるので、とても自然に呼吸を共有できます。その一方で、本番特有のスパークも眩いばかりです。昨年のエリザベート王妃国際コンクールでのリストのソナタも凄まじい演奏でした。置いていかれないように頑張ります!」
生で聴くタールベルクはレア。
高木がソロで弾く《エジプトのモーゼの主題による幻想曲》は、史実の二人の対決時に実際に弾かれた曲だ。
「ヴィルトゥオーゾな広がりのなかに詩情があって、初めて聴く方にも楽しめる要素が散りばめられています。その魅力を届けるのが僕の責任。阪田さんとバトルなのか一緒に盛り上がるのか、火花が散るような演奏をしたいと思います。ぜひ会場で、それを直接感じてください」
(宮本明)
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