くらし情報『激しく、深く、心にしみるマイスキーのバッハ』

2022年11月8日 10:30

激しく、深く、心にしみるマイスキーのバッハ

熱演で汗をかくからか、1曲ずつシャツを着替えて出てくるのも彼のスタイルだ。おしゃれ。
そしてじつは、アンコールが大きな見どころだった。正直、3曲の無伴奏チェロ組曲だけで大満足。アンコールはなくてもいいのではと感じていたのだけれど、別趣向のサプライズが用意されていた。
無伴奏リサイタルなのにアンコールだけ意外にもピアノが用意され、スラリとしたイケメンの若者が現れた(当然のように着替えて出てきたマイスキーとお揃いのシャツ)。マイスキー家には6人の子供たちがいる。その次男のマクシミリアン君だ。
「4歳の時に最初に日本に来た彼がもう18歳だよ」とマイスキー。長女リリー(ピアノ)や長男サーシャ(ヴァイオリン)がすでにデビューしているが、マクシミリアン君も続くのだろう。長くしなやかな指で美しい音を奏でた。
弾いたのはすべてバッハで、チェロ・ソナタ第3番(3楽章すべて!)、コラール前奏曲 《いざ来たれ、異教徒の救い主よ》、《G線上のアリア》を、30分ほどたっぷり。ほぼコンサート第2部だ。愛息のサントリーホール・デビューを飾る父子共演に、客席もスタンディングオベーションで応える。ハロウィンの夜のサントリーホールが親密であたたかな雰囲気に包まれた。
(取材・文:宮本明)

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