2021年2月10日 19:10
「愛しい」は「かわいそう」の意味も! 2つの心理を表すワケ
「愛しい」という言葉を感覚的に使っているかもしれないけれど、その言葉の本来持っている意味や、その思いがもたらすさまざまなことを、実はあまり知らない私たち。そんな「愛しい」を言語学から解剖。どこか掴みどころのないこの感情の正体に迫ります。
実は繊細な心理を表している!「愛しい」という言葉の意味は。
言語学的な観点から「愛しい」にアプローチ。辞書に記されている意外な意味や、言葉の中に含まれているニュアンス、語源などを言語学者の金田一秀穂先生が解説。その豊かで奥深い意味を知れば、これまで以上に思いを込めて、より大切な場面で使いたくなるはず。
「愛しい」は苦しいほど好きな思い。
辞書によると「愛しい」は、(1)かわいい、こいしい。(2)かわいそうだ。を意味する言葉(『新レインボー小学国語辞典改訂第6版』学研プラス/金田一春彦・金田一秀穂監修より)。一般的に(1)の意味で使っている人が多いと思うけれど、「かわいそうだ」という意味もあるなんて!しかも、まるで違う意味が一つの言葉に同居しているのも興味深い。
「実は日本語には、『愛しい』のように相反する意味が一緒になっている言葉が少なからずあるんです。