保健師さんの自宅訪問に気が進まなかった理由。それは......Upload By よいこ当時のあーに見られた困りごとは、2歳3歳の子どもにありがちな行動との差別化……というか区別が難しく、それが私の悩みや不安を複雑にしていました。例えば、あーのこだわり行動(おもちゃ屋さんで帰ろうねと言っても聞く耳持たずで帰れない、公園のすみっこでひたすら水路に石を投げている、同じお友達と帰らないと気が済まない、その子と絡むわけではない……など)を人に話しても、「あるある!子どもってそうだよね~!」と「共感」されてしまうんです。でもね、違うのよ、体感すれば分かると思う、アナタ(定型発達の子どもの親)の困りとわたし(ASD(自閉スペクトラム症)の子どもの親)の困りはおそらく種類が違う。よしんば行動が同じでも、意思疎通が可能か否かで両者には大きな隔たりがあるのだ……と大賢者のように頭でっかちになり、友達に悩みを話すことすらはばかられ、1人悶々としていたわけです。なので、前回の保健師さんと違う方とはいえ、話したところでどうせ分かってはもらえないだろう……わたし以外はみんな他人ですから……とひねくれまくっておりました(仕方ないと笑って許してやってくれ)。Upload By よいこそんなわけで心閉ざしまくり、ひねくれまくりの母、アニメのセリフを絶叫しながらクローゼットから飛び降りる(下にマットレスを敷いて安全確保)謎すぎる遊びを繰り返している息子、当然だが雑然としている禍々しい部屋にとうとうやってきました。保健師さんが……。心を閉ざした母、謎すぎる遊びを繰り返す息子のもとに、保健師さんがやってきた!Upload By よいこわが家にやってきた保健師さんは、玄関先で明るく挨拶をしてくれました。その時から、「なんか感じが良いかもしれない……」と少しだけ心のドアが開いたわたし(ちょろい)。保健師さんはあーと楽しく遊んだあとに、わたしから普段のあーとの生活ややりとり、困りごと、悩みなどの聞き取りをしてくれました。具体的に「あーくんこんな時どうですか?これは苦手ですか?お母さんこういう時困ります?」という問いかけがあったおかげで答えやすかったのもあり、話せば話すほど永遠に語れるんじゃないかというくらい、どんどんどんどんするするするする出てくる出てくる……。自分でも驚くくらいに……(保健師さんも驚いたかもしれない)。保健師さんと話すうちに気づいた、自分の気持ちUpload By よいこでも、話すうちに、悩みや困りがなくなるわけではないけど、心の奥底に溜まっているドロドロとした何かをいったん外に出して、少し軽くなれたような気がしたんです。つき物が落ちてスッキリしたような、そんな気分……。わたしはここまで、あーの育児の悩みを相談できる専門の方に全く巡り会うことができていなくて(幼稚園の担任の先生は当時新任のフレッシュさんでした)、とにかくあーについていろいろ話してみたかったんです。あーのこんなところはどうなのか、あんなところは何なのか、こんなところに困ってます……と。話して、聞いてほしかった。欲しかったのはあーを「普通」にする魔法でも、よく効く療育でもなくて、「悩みを分け合える誰か」だったのかもしれないなって今は思います。執筆/よいこ(監修:室伏先生より)あーくんとの生活の中でのさまざまな葛藤や悩み、そして保健師さんとお話しされた時のお気持ちについて共有してくださりありがとうございました。ただでさえ育児中は、親子だけで過ごす長い時間に孤独感やストレスを感じられる親御さんは少なくないと思いますが、非言語コミュニケーションも含めた意思疎通の難しさのあるASD(自閉スペクトラム症)のお子さんと一生懸命に関わり、しかもほかの親御さんと悩みを共有できずに、孤独や不安を深めてしまう親御さんもいらっしゃることと思います。誰かと共有したり、相談したりすることの必要性はとても大きいです。親御さん同士の情報交換や経験の共有ができる場所や、専門スタッフに相談しやすい環境がもっと増えることで、負担が少しでも軽くなるよう願っています。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年04月26日小さな頃から苦手がいっぱい!?うちの息子、タケルはASD(自閉スペクトラム症)からくるこだわりで、どうしても嫌だ、できないということがいくつかあります。例えば、下の名前で呼ばれること。タケルは下の名前を呼ばれると、「世界に存在を許されないかのような恐怖」に襲われるのだと言います。記事や漫画の中ではタケルと書いていますが、私は本人に「タケル」と呼びかけることはありません。家の中では妹が生まれるずっと前から「お兄ちゃん」です。私が何か必要があって仕方なく名前を呼んだときなどは、恐怖に顔をゆがませ、「ふーッふーッ」と激しく息を吐きながら何かに耐えています。その様子はまるで身体の中からすべての空気を押し出したいかのようです。Upload By 寺島ヒロただ、名前自体は気に入っていると言い、筆記するのも問題ありません。また姓で呼ばれるのは大丈夫なので、普段は姓のみを名乗るようにしているそうです。ただ、フルネームもダメなので、学校などでは「呼ぶときは苗字だけで」とお願いしていました。また、目の前でドラマやアニメを見ている人がいることが耐えられなかったりもします。親に構ってもらえないから……とかいうわけではなく、家電売り場のテレビの前にいる知らない人でもイライラするのです。「自分でもなぜこんなに恐怖や怒りを感じるのか分からない」「やめてほしいとは思うが、自分のほうが不当な要求をしていると分かっているので我慢している」と、タケルは言います。これらは3歳の頃から成人になった今まで継続している問題ですが、個人的なこだわりの範疇の話であり、周囲にもある程度理解してもらっているので、それほど大きな問題ではないと思っています。避けては通れぬ大問題しかし金銭に関するこだわりには悩まされました!タケルは小さい頃から、レジでお金を渡すことを嫌がるという特性がありました。そのため、小学校高学年になっても、一切の買い物をすることができませんでした。お気に入りのものを選ぶ際に予算を立てることや、その過程での選択肢を理解することも難しかったのですが、なにより「支払いをする」ということに強い拒否感があったようなのです。練習のため、お店で一緒にレジ前に立ってから、私の財布から出したお金を渡して、お店の人に渡すように促したこともありました。でも、タケルは「うーうー」とうなり固まるだけでした。お使いはハタチになってから!?また、近くのスーパーなどにお使いを頼んでも激しく抵抗し、絶対に行ってくれませんでした。やはり「支払いをする」という行為がネックになっていたようです。10代も後半になると、自分でも「何でできないんだろう?」と思うようになり、なんとか「自分に命じて(タケル談)」お使いができるようにはなったのですが、それは大学2年生、ハタチを少し超えてからでした。Upload By 寺島ヒロどうしてそこだけ?こだわりの不思議タケルはケチなわけでもなく、むしろ無欲な方です。お金自体に対する嫌悪感も特になく、物販イベントで友達の手伝いをしてお金を預かったりお釣りを渡したりするのは平気でしたし、小学生の頃には古銭に興味を持ち集めていたこともありました。なぜ「支払いをする」ことだけに困難があるのか、本人にも私にも分かりませんでした。思わぬ角度からの解決法、現在のタケルハタチになったタケルは、自分のクレジットカードを持つようになり、それを使って決済をするようになりました。なんと、キャッシュレス決済は問題なく行えたのです!!えええ……?いやほんとに……どういうこと?謎は謎のままなのですが、おかげでかなりの金銭管理をタケル自身に任せられるようになりました。キャッシュレス時代の到来に感謝するばかりです。(執筆/寺島ヒロ)(監修:新美先生より)もう成人になられている息子さんの、子どもの頃から続いていた不思議なこだわりとその後の経過について教えてくださりありがとうございます。「下の名前を呼ばれたくないこだわり」なかなか独特ですね。これは子どものときのほうが苦労しますよね。大人になれば下の名前で呼ばれる機会は減るので、必要な場面では事情を説明すればなんとかなりそうです。「お金を支払いたくないこだわり」は今までにも聞いたことがあります。お金を支払う場面は人と人とのコミュニケーションが必要になるので、何かのきっかけで不安になったことがあったのかもしれません。買い物が自立してできないのはとても不便ですが、キャッシュレス決済ならOKなのですね!大人になって成長した段階で、ちょっと別の手段を用いることでOKになるということもありますね。教えていただいたような、生活で日常的に困るこだわりは、大人になるにつれてそういう場面を避けた環境を選択できるようになることもあります。また多くの方で青年期ごろになると、本人が損得を考えられるようになるため、この目的のためにはこれだけ頑張ろうという本人の中でモチベーションが明確になり克服できることもあります。子どもの時期に、「大人になったときに困るから」と本人の意思を無視して、こだわりを治すことにこだわりすぎるとかえってこじれることもあるので、いったん保留にできるこだわりなら、子どもの時期はしばらくはそのままにしておくというのもありかもしれません。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年04月25日かし家の3人の子どもたちを紹介しますはじめまして!かしりりあと申します。 ASD(自閉スペクトラム症)の長男りー、発達ゆっくり次男かー、同じく発達ゆっくり三男おーと夫、5人家族で仲良く過ごしています。 ブログ、SNSで子どもたちとの暮らしの中で気づいたことを発信しています。そんな私たちの家族を紹介していきます。中度知的障害(知的発達症)を伴うASDの長男りーUpload By かし りりあ中度知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)の長男りー(6歳)です。 2024年4月から特別支援学校に入学し、放課後等デイサービスに通っています。長男りーは、1歳を過ぎても指差しや模倣、言葉が出ず、1歳半健診で様子見になりました。 その時は、インターネットで検索して出てきた自分が安心できる言葉だけを信じて、「この子には何もないんだ。もう少しで身振りをしたり、言葉を話したりするんだ」、そう思っていました。その後絵本を読み聞かせしたり、よく話しかけたりと自分なりにいろいろとはたらきかけてきましたが、これといった良い変化を感じることができませんでした。知り合いの児童発達支援管理責任者の方へ相談したところ「ぜひ来てください」と言っていただき、幼稚園入園と同時に、児童発達支援事業所へ通い始めました。あわせて、言語療法や作業療法などにも2年間通ってきましたが、事業所の先生から療育園へ通うことを勧められ、幼稚園を退園し、療育園へ通うようになりました。Upload By かし りりありーは小さい頃から、気持ちが高まるとその場で飛び跳ねます。特に、電車や車などの走るものや、流れるように動くもの(マニアックなものだと、テレビ番組のスタッフロール)が大好きで、テレビや動画でこのような場面を見ると必ず飛び跳ねています。飛び跳ねる癖は、6歳になった今も続いているので、トランポリンでジャンプするように教えています。また、感覚過敏なところがあり、マスクや帽子などが苦手です。マスクをつけていてもすぐに外してしまうので、コロナ禍の真っ只中では、周囲の目が怖かった記憶があります。最近は、家でズボンやパンツを履くのを嫌がるようになりました。履かせてもすぐに脱いでしまうため、できるだけ脱ぎにくい丈が長い服を着せるようにしています。6歳ではありますが、まだまだ幼いところもあり、気まぐれにだっこやおんぶなどのスキンシップを求めてきます。父(夫)が大好きで、以前は出勤すると泣いて怒ることもありました。発達ゆっくりさんの次男かーUpload By かし りりあ次男かーです。幼稚園年少(3歳)です。児童発達支援事業所に週2回通っています。長男同様言葉が話せないということが気になったため、保健師さんや長男の通う児童発達支援の先生へ相談し、幼稚園に入るタイミングで、長男と同じ児童発達支援に通うことになりました。そんなかーですが、身振り手振りで自分のやりたいことを伝えてくれるので、兄よりも気持ちが分かりやすいです。そして母(私)が大好きです。スキンシップも多めで誰かと触れ合っていると安心するようです。お友達や先生との関わりでいろいろなことを吸収してきて、 幼稚園で習った手遊びやダンスを披露してくれます。見通しが立たなくなると不安を感じるのか、幼稚園や児童発達支援では泣くことがあります。Upload By かし りりあかーは今、声のボリュームについて勉強中です。家では楽しくなると「わー」「きゃー」などの奇声のような大きな声をあげます。「小さい声でお話しようね」と伝えるとその時は気をつけていますが、少し時間を置くとまた「きゃー」と騒ぎ出してしまいます。今のところ、幼稚園や児童発達支援では大声は出していないようで、家の中だけなのですが、これは繰り返し伝えていきたいと思っています。発達に遅れはないと思っていた三男おーUpload By かし りりあ三男おー(1歳)です。兄たちの姿を見て活発に育っていますが、言葉や身振りがまだ出ておらず、1歳半健診で引っ掛かり、様子見ということになりました……。欲しいものへの主張はすさまじく、自分で高いところへのぼって取りに行ったり、泣いて「欲しい」アピールをしてきます。兄たちが大好きで、常に追いかけています。たくさんの人に支えてもらいながら毎日ドタバタな生活をする中で、いろいろなトラブルやハプニングもありました……。そんなわが家の日々を描いていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。執筆/かしりりあ(監修:鈴木先生より)言葉の遅れがある知的発達症のお子さんは焦らずゆっくりと階段を上っていけばいいのです。そこにASD(自閉スペクトラム症)の併存があればなおさら大変になります。言語療法以外に感覚統合を行う作業療法も必要になるからです。さらに、感覚過敏やこだわりなどもあるため、育てにくさを感じる場面に多く遭遇することとなります。今回は3人とも言葉の遅れがありますが、小児科医がまず初めに疑うのは難聴の有無です。ABR(聴性脳幹反応)という検査で難聴の有無を客観的に判定できます。難聴が見つかった場合は補聴器などで補正して言葉を増やすことができるので、健診で様子見ではなく、できるだけ早く小児科医と相談する必要があります。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年04月24日春が来ると思い出す……大量購入した物たち!Upload By 丸山さとこADHD(注意欠如多動症)がある息子のコウは、なくし物や忘れ物がとても多いです。家から持っていくのを忘れたり学校に置き忘れたりするのならまだよいほうで、コウが首をかしげながら「家にも学校にもない、どこにあるのか分からない……」と言い出すと、もはや紛失事件は迷宮入りです。コウは基本的に物の管理があいまいなため、「いつまで持っていた?最後に見たのはどこ?」と聞いてみても、「全く分からない」と頭を抱えるばかりでヒントが出てきません。大体の物は彼の行動経路を追っていけば見つかるのですが、小学生の頃は集団登校の集合場所や通学路の途中で落としたらしい物も多くありました。コウが保育園の頃は保護者や園の先生がガッツリと管理をしているため『なくし物や忘れ物の多さ』は目立っていませんでしたが、家庭内での様子を見ていると「小学校入学後はよく物をなくすかもな……」という予感がヒシヒシと感じられました。そのため、コウの入学に伴い『なくし物・忘れ物対策』として、私は大量の学校用具を用意しました。主に大量購入したものは、筆記用具・給食袋・ハンカチとティッシュ・水筒・歯磨きセットです。Upload By 丸山さとこ特に、消しゴムや鉛筆などの小さな消耗品は大量にストックが余っても困ることはありませんので、箱単位で多めにストックしておくよう心がけていました。残念ながら「予想よりストックは使わなかったな。余って困ったな~」と思う機会は全くなく、筆記用具はどんどん足していくスタイルのまま、コウは小学校を卒業しました。給食袋は4袋学校に置き忘れたことがありましたし、水筒は3本で足らずにペットボトルを持たせたこともありました。中学生になった現在はこんな感じです中学生以降は頻繁に筆記用具をなくすことは減ってきたため、シャープペンシルやボールペンを安心して持たせられるようになりました。とはいえ、中学2年生になってからも1週間でペンケースを2つ紛失したので、まだまだ油断ならない状況ではあります。先日は、中学生にして初めて『給食袋5袋全部使い切り』を達成してしまい、「小学生の頃も使い切ったことはなかったのに!?」と驚きました。Upload By 丸山さとこ小学生の頃は、給食袋が3袋以上溜まっていると先生から「持ち帰ろうね」と促されていたため、5袋全部が学校に行ってしまうことはありませんでした。ランドセルも容量が小さいために、ランドセル内に複数の給食袋を溜め込むことはできなかったのだと思います。そう考えると、5袋の給食袋を学校やリュックに溜められるようになったのは、中学生ならではなのかもしれません。私からすると全く嬉しい変化ではありませんが、良くも悪くも『ずっと同じ状況』が続くことはないのだなと思います。中学校に入って新しく見えるようになった困り事もあれば、中学生になったことで自然に解決していった困り事もあります。私はついつい目先の出来事に一喜一憂してしまいますが、目の前のことに対してできることを実行していくこと、狭い範囲だけ見て判断を焦らないことを丁寧にやっていきたいと思います。Upload By 丸山さとこ執筆/丸山さとこ(監修:森先生より)「よく物をなくす」、「忘れ物が多い」というのは、発達障害やグレーゾーンの方にとても多い困り事です。「やる気がない」「だらしがない」などと誤解されがちですが、本人としてはやる気がないわけではなく、「どうしてもうっかりしてしまう」というケースも多いのです。「今度は忘れないように気合いを入れる」といった対応にはあまり意味がありません。さとこさんのように、「物をなくす」「忘れる」ことを前提として準備することがとても大切です。「物理で解決」が最も強い解決策なのです。「よくなくすものはたくさん買っておく」「忘れたくないものは玄関のドアにかけておく」「朝出かける前にスマホに表示されるようにスケジュール登録しておく」といった、忘れることを前提とした行動を取るといいですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年04月23日掲示物を毎日チェック見通し不安の解消?Upload By ゆきみ3歳の時にASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けた長男けんとは、現在小学3年生。特別支援学級に在籍しています。昔から文字を読むのが好きで、どこへ行ってもポスターや貼り紙、カレンダーなどをチェック。在籍している特別支援学級の教室内は時間割表、年間行事表、給食の献立表、各学年で習う漢字一覧表……など、とにかく壁に掲示物が多いのです。視覚優位で、視覚的な刺激を受けやすいけんとは、毎日のように貼り紙が替わっていないか確認しています。親や先生よりも学校スケジュールが詳しいときもあるほど。掲示物を読んで、自分がどこで何をするのか頭の中に入れているようで、見通し不安を自分で解消しているのかもしれません。そんなわが子は、小学校に入ったばかりの1年生の時、学校のスケジュール変更の多さにパニックになることが多々ありました。予定変更でパニック!参加できない全校集会けんとは小学1年生の1学期頃、予定されていた内容が変更になってしまい、それが楽しみにしていたものだったりすると「なぜ変更になったんですか?」と先生に詰め寄り、パニック状態になってしまうことがよくあったそうです。学校には、見通しが崩れると不安になってしまうことを伝えていたつもりでしたが、いつも先生は口頭で軽く説明する程度。先生もパニック状態になってしまったけんとに、どのように対応していいのか分からず、困っている様子でした。私も見通し不安を解消してあげたいと思いつつ、視覚支援などの対応を学校にどこまでお願いしていいものなのか分からず悩んでいました。けんとが小学校に入ってから知ったのですが、学校では時間割の変更が毎日のようにあるようです。「朝会の内容が変更になった」「雨のため、集会の場所が校庭から体育館になった」「3時間目の授業が国語から学活になった」「算数の授業でテストが予定されていたが、前回の授業で終わらなかった内容の勉強になった」など、さまざまです。Upload By ゆきみけんとは、朝の全校集会が特に苦手でした。まず何が行われるのか、内容が不明なことが多いのです。感覚過敏も影響しているのか、人が多い場所も苦手な様子。しかも集会は、天気に左右されることも多く、開催場所が校庭なのか体育館なのかが直前に決まったりします。見通し不安が強いけんとにとっては苦手なことがいっぱいだったと思います。1年生の時は、ほぼ全校集会に出られず教室に残っていたそうですが、ほんの少しだけ参加することを目標にして参加。それを長い期間をかけて、少しずつ参加時間をのばしながら自信をつけ、2年生くらいから全校集会に長い時間参加できるようになりました。保育所等訪問支援を受け変化したこと専門知識のある方が学校で子どもの様子をみてくださり、先生とお話をしてくださる保育所等訪問支援施設と契約していたので、担当の方が学校を訪問してくださることに。先生から学校での様子を聞いてくださったり、実際にけんとの様子を見てくださったりしました。そして、夏休み明け頃に訪問してくださった際、「けんとくんの場合、スケジュールが変更になったときは、変更になった時点で視覚を使い、説明することがとにかく大事」ということを、しっかり先生に伝えてくださいました。私が説明するより、専門の方が先生に伝えてくださるほうが説得力があり、とても心強かったです。学校の先生方も、しっかり保育所等訪問支援の方の話を聞いてくださり、それを参考に考え、支援方法を変えてくださいました。Upload By ゆきみ大きなホワイトボードを使い、時間割や、その日にやる授業内容を細かく説明。予定が変更になる場合は、視覚的に見通しを立てる支援をしてくださり、変更された予定がもし今後ある場合は「明日やる予定だよ」などと、分かる範囲で伝えてくださったよう。すると、落ち着きがなく何かがあるとよく情緒不安定になっていたけんとが、先生がすぐに実感するほど「落ち着く時間が増えた」と効果絶大だったとのこと。そしてさらにそれを繰り返していくことで、けんともスケジュール変更を受け入れられることが多くなり、1年生の冬頃からは、「スケジュールは、変更もあってのスケジュール」ということや、自身の心の折り合いを少しずつ学んでいった様子でした。曖昧な予定が苦手…?現在の息子はUpload By ゆきみ小学2年生になると、時間割や授業内容の変更は視覚支援で丁寧には説明せず、口頭指示のみでも受け入れられるようになりました。しかし、夏休み明けなどに「全校生徒が借りている本を返し終えたら、通常の図書貸出を始める」などの曖昧な日程は大の苦手で、納得がいかないこともあるようです。現在、小学3年生になりました。いつかは曖昧なスケジュールも受け入れられるようになったらいいなーと願いながら、今のけんとのペースを見守っていきたいと思います。執筆/ゆきみ(監修:藤井先生より)けんとさんが学校で穏やかに過ごすことができるよう、訪問支援も併用し、学校とゆみきさん、訪問支援担当者が連携されたのはとても良かったですね。視覚指示を使うことで、予定の変更を受け入れられ、さらには口頭指示のみでも受け入れられるようにと、けんとさんのペースで、パニックが軽減されてきましたね。少しずつ変更があっても大丈夫という経験を積むことで、できたという実感が積み重なっていき、けんとさんのペースで曖昧なスケジュールも受け入れるようになっていくと思います。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年04月22日お気に入りのもの長男は、同じ場所を行ったり来たりする常同行動を2歳の頃からしています。そして、その時いつも手にお気に入りのものを持っています。3、4歳の頃は「曲がるストロー」がお気に入りで、このストローの曲がる部分の”角度“が長男にとって重要でした。思うような角度にならないと「これは違う」とよく泣いて、自分で直せない時は私に「直してほしい」と訴えてきました。私からすると、「え?どこが違うの?」と思うようなほんのわずかなズレも長男は気になる様子でした。 ストローはすぐに傷ついたり、凹んだり、角度が変わる素材なので、長男は何度もイライラしていました。ストローの曲がっている角度と色とメーカーさえ同じであれば替えがきいたので、「思う存分折り曲げて、気にいる角度を作っていいよ」と同じストローの100本入りを渡してみました。すると長男は曲げたストローを手に持つだけではなく、ストローで工作もするようになりました。当時はたくさんのストローの芸術たちが床に転がっていました(曲げる角度を失敗したストローは飲む時に使いました)。 こだわりに拍車をかけてしまっていたのではないかと少し心配もあったのですが、最近長男が通う児童精神科の心理士の先生に幼い頃のストローの話をしたら、「ストロー100本入り良いですね!」とおっしゃってくださり、何年も経ってから安堵しました。ストローブームのあとは、「食べかけのお菓子の袋などを止める袋止めクリップ」が長男のお気に入りとなり、やはり角度にこだわりをみせていました。 今現在のお気に入りは長方形のブロックで、もう角度のブームは去ったようです。今は角度ではなく感触を気にしています。感触が気になりすぎて、ブロックを洗うことに夢中になっています。やりすぎてしまうことがあるため、通院しながら様子を見ています。Upload By ねこじまいもみ食に関するこだわり長男は好きになると、とことんはまるという性格で、1番初めにそれを感じたのは2歳の頃でした。とにかくリンゴジュースが好きすぎる。リンゴジュースをすごく飲みたがる。食事の時はお茶という約束をしていて、それは本人も受け入れていたので特に深く考えてはいなかったのですが、このようなこだわりは長女にはなく、現在3歳の次男にも見られないため今振り返ると長男のリンゴジュースへのこだわりはすごかったなぁと感じます。好きなものを何度も食べたいというのは誰にでもあることかもしれませんが、その度合いを少し超えるこだわりの強さでした。スイカも同様に、ある時期とことんはまっていました。といっても幼い頃は、そういったこだわりくらいで、激しい偏食は感じませんでした。しかし、成長につれて長男の偏食は強くなっていき、食べられないものがみるみる増えていきました。同じ頃から感覚の過敏さも強くなっていったことも関係しているかもしれません。現在は、毎日長男の食事に頭を悩ませています。Upload By ねこじまいもみ衣類のこだわり幼い頃の長男は、衣服のタグを嫌がりましたが、私が選んで着るのを手伝うと特に拒まず着ていました。タグを嫌がるのはよくあることかな、とあまり気にしていませんでした。この素材、大きさ、形が嫌、長袖は着たくない、肌着、上着は着たくない……といったこだわりが出てきたのは、幼稚園の年中の頃でした。成長するにつれてどんどんこだわりが強くなり、着られる服が限られていきました。一度も袖を通さずサイズアウトした服がたくさんあります。長男と一緒に服を選んだり、気持ちを聞いたりしながら、これなら着られるという服を私もだんだん理解していきました。それでも幼稚園の頃は、家の外でも寒くても半袖だったり上着を着なかったりしました。小学生になってからは長男自身、人の目が気になるようで家の外では長袖を着たりするようになりました。しかし、本当は窮屈だと話してくれます。家に帰るとすぐに半袖半ズボンに着替えて開放感を感じているようです。Upload By ねこじまいもみ成長するにつれて特性は強くなる幼い頃の長男は、こだわりが強いほうかな?と感じつつも臨機応変もでき、本人の困りごともうまく解消できる範囲のもので、大きな癇癪につながったりということもほとんどなかったため、「なんとなく気になるけど、どうなんだろう……」という気持ちがずっと続きました。ほかにも麺がすすれない、手先が不器用、エスカレーターが怖いなど細かいことで気になっていたことはありました。いろいろな特性が成長するにつれて強く表れるようになり、私も強く感じるようになりました。 実際に9歳の発達検査で診断を受けた時、心理士の先生から「年齢とともに、特に家での特性はどんどん強くなっていくと思う」と言われ、今それをすごく感じています。執筆/ねこじまいもみ(監修:初川先生より)長男くんのこだわりの遍歴エピソードをありがとうございます。幼い頃から、日常生活に大きな支障が生じにくいタイプのこだわりがあったのだなと感じます。お子さんによってこだわるポイントが違うので、ものによっては体調や日常生活のリズムに影響を及ぼしうるものだとなかなかに本人も周りも疲弊します。長男くんのストローは、ねこじまさんがされたように、好きなだけ(100本入り!)あげることができ、好きなだけ没頭できたのは、長男君本人にとってストレスにならなかっただろうというところでよかったなぁと思います。成長につれ、色濃くなってゆくもの、逆に成長に伴って頭で理解することで多少(本人が)寛容に受けとめられることとどちらもあると思います。昔から変わらないこと、気づけば少しずつ変化していくこと。それぞれあると思いますが、どんな経過をたどるかは人それぞれ(本人のこだわりポイント、不安の高さや、環境側の受け入れなどによっても変わります)であるため、保護者の方はどうなっていくんだろうと不安になられることもあると思います。よき相談者や支援者とつながり、ともにその不安や成長の喜びなどを共有しながら対応されると良いと思います。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。前の記事はこちら
2024年04月22日赤ちゃんの首がすわるのは何ヶ月?首すわりはどうやって分かる?首がすわる前にやってはいけないことなどについて解説首すわりとは、赤ちゃんを縦抱きした際に首がぐらつかない状態のことです。赤ちゃんの運動発達の一部と言われています。一般的には赤ちゃんの首がすわるのは生後3ヶ月頃からと言われていて、生後4ヶ月~5ヶ月で赤ちゃんの約90%は首がすわると言われています。ただ、赤ちゃんによって首がすわるのが3ヶ月よりも早い、5ヶ月よりも遅いということもあります。赤ちゃんの発達には個人差があり、早い子は生後2ヶ月程度で首がすわることもあります。実際に2ヶ月から3ヶ月の間で首がすわった赤ちゃんは11.7%いるという調査もあり、決して珍しくはありません。首がすわる直前には、赤ちゃんが自ら首を動かして保護者を目で追う、うつぶせのときに自ら首を持ち上げようとする、などの前兆が見られることがあります。参考:Ⅱ 調査結果の概要|厚生労働省赤ちゃんの首がすわっているか判断するには、以下の確認方法があります。・仰向けの状態から両腕を引いて起こした際に、身体が45度になっても首が遅れずについてくる・身体が90度になったときに軽くゆすっても首が安定している・うつぶせになったときに自ら頭を持ち上げられる確認方法はおおむね以上の通りですが、乳幼児健診などでは医師により細かい部分も見て判断されます。また、首がすわる前の赤ちゃんは首がとても不安定です。後頭部を支えない縦抱きやおんぶなど首がぐらぐらするような抱き方はしないようにしましょう。参考:乳幼児健康診査身体診査マニュアル|国立成育医療研究センター首すわりが遅い原因は?隠れた疾患はある?首すわりを促す方法など多くの自治体で実施している3、4ヶ月児健診の際に、首がすわっておらず、もしかして疾患があるのではと心配な方もいるかもしれません。子どもの発達は個人差が大きいため、首すわりが遅いからといって過度に心配する必要はありません。ただ、中には原因として背景に疾患がある場合もあります。以下にあげたような疾患がある場合、運動発達が遅れることがあるため、首すわりの遅さに影響している可能性があります。・染色体異常・脳性まひ(胎児期〜新生児期に受けた脳の損傷によるもの)・脳の疾患・脊髄の疾患・筋肉の疾患・先天性代謝異常症などただし、運動発達が遅れても、上記にあげたような疾患が診断されず、原因が明確とならないまま、後に運動発達が追いついてくることも多々あります。赤ちゃんの首すわりを促すには、首を支えた状態の縦抱きを増やしたり、前傾姿勢の抱っこを増やしたりして首すわりに必要な筋肉の発達を促すようにするといいでしょう。また、うつぶせのときに頭の上におもちゃを持っていくなど、赤ちゃんが顔を上げる練習を取り入れていく方法もあります。首すわりの練習をするときの注意点として、縦抱きをする際は赤ちゃんの頭の後ろに手を添えることや、うつぶせのときに赤ちゃんから目を離さないなどがあります。赤ちゃんの安全確保には充分気をつけるようにしましょう。参考:運動について|地方独立行政法人埼玉県立病院機構ホームページ参考:首のすわりが遅い [子育てQ&A]|京都府首すわりが遅いのは、知的障害(知的発達症)と関係がある?上記に挙げた赤ちゃんの運動発達が遅れる疾患のうち、染色体異常や、脳の疾患、先天性代謝異常症などでは、知的障害(知的発達症)を合併することもあります。知的障害(知的発達症)とは、知的機能と社会的な適応能力に遅れが見られる障害のことです。ですが、首すわりの時期だけで知的障害(知的発達症)と判断することはできません。言葉の遅れや非言語コミュニケーション(模倣や指差しなど)の遅れなど、気になる様子がある場合は、かかりつけの小児科などに相談してみるといいでしょう。参考:知的能力障害|MSDマニュアルまとめ一般的には生後3ヶ月から5ヶ月頃には赤ちゃんの首がすわると言われています。しかし、発達には個人差が大きく、早い子どもだと生後2ヶ月から首がすわるなど時期には違いがあります。生後6ヶ月を過ぎても首がすわらなかったり、ほかにも発達で気になることがあったりする場合はかかりつけの小児科や自治体の子育て相談窓口、保健センターなどに相談してみるようにしましょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年04月21日【発達障害×PTA(父母会)】アンケート結果発表新年度になり、PTA(父母会)の役員決めも行われる時期になりました。今回、発達ナビでは発達障害のあるお子さんの保護者の皆さまへ「PTA(父母会)に参加した?感じたメリット、デメリット」についてアンケートを行いました。そちらの結果と、寄せられたコメントをご紹介いたします。アンケートの結果はこちら!Upload By 発達ナビ編集部アンケートの結果、「メリット、デメリットは半々だった」(35%)という方が最も多い結果となりました。次点は「どちらかと言えばメリットを感じたことがある」(26%)です。参加することで、先生方や保護者とのつながりができるけれど、やはり作業が大変という方が多いようです。小学校は、PTAの役員、しかも代表をやらせていただきました。いろんなお母さま方との交流は楽しくもあり、難しいものだということを考えさせられた一年間でした。PTAグループの中で、小グループに分かれての活動をしたので、その時のメンバー6名とは、今でもLINEでつながっています。年代も違う、子供の性別や年も進路も違うところでのコミュニケーションは、他にはない、あたたかさがあります。障がい児二人を抱えながら、健常児を育てているお母さま方の中に飛び込むのは、とても勇気が入りました。でも、どなたも、ウチの子供達にも(もちろん、他のお子さんにもですが)同じように接してくれ、成長を喜んでくれる関係性を作れたことは、良かったと感じています。私は5年間、夫は4年間経験しました。周りができない理由合戦状態になり話が進まず、面倒臭くなって引き受けました。先生達と距離が近くなり、関わりのなかったママ達と仲良くなったり……情報を貰いやすくなったり、自分のいろいろなスキルも上がった(パソコン等)けれど、「そのやり方だと後から問題が出てくる」等の明らかな運営ミスを理解してもらえずPTA役員外から苦情を言われて尻拭いしたり……。PTA役員外から役員への無理難題や攻撃も多く、私が退任する時にPTAの組織自体を廃止させました。全くママ友もいなかったのに、沢山話のできるママ友ができてとてもうれしかった。また、学校とのつながりもよくわかるようになったし、先生たちと仲良くなれたのも良かった。ただ、時間の拘束が長く、仕事量も多くてお金をもらっているわけではないのになぜこんなにやるのかと負担を感じることもあった。広報部と本部役員をやりました。メリットは、広報部の仕事と思われる広報誌の作成や学校行事の写真撮影。特に運動会は、広報部として競技間近で写真が撮れました。校正等で学校に出向かなくては行けなかったのですが、ついでに子供の学校生活を抜き打ちで見られたりしたので、個人的にはメリットを感じました。ですが本部役員は、知りたくないことまで耳に入るのでデメリットでしかありませんでした。今も継続でしてます。デメリットもあったのかもしれませんが、メンバーに恵まれて楽しい方が上回ってます。子供の様子が身近で見られることや子供のクラスの子と話せたりしてプラスが多いです。確かに面倒なこと、大変なこともありますが、今見れる成長を感じられることや、学校でどんなふうに過ごしたり、子供の報告だけでは理解できないことが分かったりして、心の財産になりそうです。ちょうど役員中に放課後デイの閉所問題があり、学校・相談支援員とも密接に意見交換ができ、保護者として行政・施設に希望意見を出すことができたのでPTA組織の必要性を感じた。校長先生や教頭先生など、先生方と接する機会が多いので、親子の顔と名前を覚えてもらいやすいのと子供の事を理解してもらいやすい。支援学級在籍というだけで、通常学級の親御さんに「気遣い」という線引きができるのを実感しました。ある親御さんは、名乗ってご挨拶もせず、娘の同級生と遠目から私の事を確認しにきました。今は、娘は協力学級へ怖がり入れません……(一年不登校です)。※誤字等の表記の一部を修正しております。以上のように、さまざまなコメントをいただきました。以下ではPTAに参加された保護者の皆さまの体験談コラムをご紹介します。思い切って父母会役員に立候補!/小学校~高等特別支援学校でPTAをやった経験から/特別支援学校と特別支援学級で役員をやって感じたメリット等PTA体験談3選3歳児健診で多動症の疑いがあると指摘された息子さん。保健師さんから「まずは幼稚園に入ってしばらく様子を見ましょう」と言われたのですが、入園してみると脱走、癇癪、お友達トラブルで幼稚園から毎日電話!「退園してほしい」と言われるのではないかと心配していたところ、幼稚園は加配を付けてくれ、息子さんも楽しく園に通えるように。そんな幼稚園に恩返しをしたいと思い切って父母会役員へ立候補したのですが、参加してみると驚きの事実が判明したのです!お子さんが小学生の時に校外委員、学級委員と謝恩会委員を、そして高等特別支援学校では進路委員と広報委員を経験された中で感じた、PTA活動のメリットデメリットとは?PTAは「子どものために」親ができる身近なボランティア活動のひとつ、でも負担を強いるのはよくないですよね。特別支援学校と特別支援学級に在籍した6年間で、2年に1度ほどはPTAの役員や委員会の委員を経験し、積極的に役員の仕事をしてよかったと感じているという立石さん。学校のバザーに出店する焼きそばを「太麺にするか普通麺にするか」で30分も意見が交わされ、さすがに嫌になってしまったこともあったそうですが、それに勝ったメリットとはどのようなものだったのでしょうか。さいごにPTAは任意団体ですので、参加することもしないことも選ぶことができます。もちろん無理に引き受けることはありませんが、参加することで出会いや経験ができたという声もありました。アンケートに寄せられた声や、体験談コラムなどが参考になれば幸いです。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年04月20日不安しかない⁉衝動性が強く多動のある息子の3歳児健診現在 8歳の息子は4歳でASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)と診断を受けました。3歳児健診に行くことになった時、まっさきに(これは大変だ……)と不安になりました。息子は、目の前に興味があるものを見つけると一目散に飛び出してしまう衝動的なタイプです。「危ない!」と言っても反応せず、目をキラキラさせて目標物に突進!さらに運動のぎこちなさもあるので、よろけては転び、たんこぶを作ったり血だらけになることもよくありました。私はいつもダッシュで追いかけ、私の靴が脱げても靴下のままで追いかけたこともありました。Upload By ユーザー体験談3歳児健診には人が大勢いるでしょうし、その中で長時間多動の息子が待つことはできるのか……。そして尿検査、まだ息子はオムツをしていたので、出せる気がしませんでした。そこで私はいろいろと作戦を練ったのです。多動対策は会場の入り時間で解決!まず、健診へは終了30分前に行くことにしました。なるべく人が少ない時間のほうがいいと考えたからです。当日、30分前でも人はたくさんいましたが、それでも健診が終わってぞくぞくと帰って行く人が多く、狙い通り!Upload By ユーザー体験談最初は人の多さに圧倒され泣いてしまった息子でしたが、20分くらいたつと次第に泣き止み、周りを観察して絵本がある棚へ突進していきました。検査により実施する部屋が別れていたのですが、部屋に移動する度に絵本がある棚に突進する息子。ですが、人が減っていった会場では、息子が自由に動き回ってもぶつかったり迷惑をかけることは少なく、検査や診察もスムーズに移行できました。難関だった尿検査はグッズで解決当時息子はまだオムツが取れていなかったため、健診のお知らせが届いてからすぐに尿検査のことを心配し調べ始めました。保健所からは「オムツを搾った尿を提出するのはダメなんです」と言われたこと、しばらく座らせていてもおしっこを取れた試しがなかったので、以前小児科で見たことがあった「採尿バック」を使うことにしました。通販で購入し、健診の数日前の夜のオムツチェックの時に採尿バッグを当てて、朝までつけたままにし、翌朝チェックするという練習をしました。息子には、「今度の『もしもし』(3歳児健診のこと)で、おしっこを『どーぞ』するから、袋をぺったんして寝るよ」と声をかけをしました。息子には感覚過敏があり、濡れることにとても敏感でした。ですので、採尿バックを貼ること、バックに尿が溜まることで、不快な思いをしないか気になりましたが、漏れることもなかったからか問題なく取れました。健診前夜に再度採尿バックを貼り、健診の日の朝には無事に採尿バック内に尿が取れていたので、「すごいね!取れたね!かっこいいね!」と、オーバー気味に褒めました。尿を検査容器に移し持って行くと、「よく取れましたね!」と保健所の方に褒められ、ホッとしました。Upload By ユーザー体験談狙い通り!工夫で3歳児健診を乗り越えました会場入りも遅めの時間を狙ってよかったと思いました。健診中は私も必死でフォローしました。息子は数字が好きなので「次は何番のお部屋だよ!」と言ったり、「お口あーん!で、もしもしだよー。わぁ!上手にお口あーんできたね!」などその都度都度楽しそうに声をかけました。毎回、健診や病院はぐったり疲れるのですが、このときも全身は緊張でガチガチ、くたくたになって帰った翌日は、全身筋肉痛……。でもトラブルなく終えることができてよかったです。Upload By ユーザー体験談8歳の今は、「危ない!」という声かけにも反応し、自分でも『これをしたら危ない』ということに気づき始めた息子。まだまだ目は離せませんが、確実に息子のペースで成長しています。ゆっくりでいいから、このまま成長していってほしいなと思っています。イラスト/海乃けだまエピソード参考/七転八起(監修:鈴木先生より)健診はお子さんの今の状態を確認する場です。そのままの姿を見せることでその子なりのアドバイスをもらうことができます。みんなじっとしているような健診はありません。3歳なら多少うろうろしてもいいのです。ただ、その程度が問題になります。多動性のあるお子さんはASDやADHDと診断される場合が多いですが、ADHDは6歳から治療できる時代になりました。環境調整してもお困りの場合は、薬物治療という選択肢もあります。採尿バックの方法は病院でもよく行われていますが、解剖学上、男児より女児の方が難しい傾向があります。1回で採尿しようとはせずに、採尿できるまで根気強く何回もトライする必要があります。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年04月20日『中身が見やすいA4トレイ3段引き出しBOX』商品開発モニター秘話発達ナビとフェリシモC.C.Pがコラボし、暮らしの中の困りごとをサポートする商品づくり第5弾。私は『中身が見やすいA4トレイ3段引き出しBOX』の商品開発モニターを担当しました。プリントやパンフレット、DMなど、紙類の収納が視覚的に分かりやすく色分けされた紙製の収納トレイです。A4ファイルが入るサイズで、ミニトレイも1つ付いているので、ペンや消しゴムなども収納できます。Upload By よいこ※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します長男あー、次男いーの4歳差育児に奮闘中です。長男あーはASD(自閉スペクトラム症)、次男いーはADHDの診断を受けています。そして、母である私や夫もグレーゾーンという発達凸凹な4人家族です。そんなわが家は、みんなそろってお片づけが苦手。学校関連の大事な書類、テストなどがせめて家のどこにあるか分からなくならないように、ワゴンに入れる決まりにしているのですが……。ワゴンには山のように積み上がった紙類が(ゲンナリ)。結局、忙しい朝に「今日提出するあの書類はどこ!?連絡帳は!?そもそもボールペンや印鑑は!?」とバタバタするのは日常茶飯事です。Upload By よいこそんな親子3人で、さっそく『中身が見やすいA4トレイ3段引き出しBOX』を使ってみました。わが家は二人兄弟。引き出しの色分けを利用して、兄はオレンジ、弟は青の引き出しに、各自で書類を入れるようにしました。子どもたちが色でパッと識別できるので入れ間違いが少なく、二人の書類が混ざってごちゃごちゃすることが格段に減りました。また、ハーフタイプの引き出しで、わざわざ引き出しを開けなくてもポストのようにスルッと書類を入れることができるので、片づけが苦手なわが子でもワンアクションで収納完了!工程がシンプルであればあるほど、片づけのハードルは下がることが多いので、こりゃ便利だなあーと感動しました!Upload By よいこUpload By よいこUpload By よいこ私は今、付属のミニトレーに文房具や印鑑などを入れて、学校関連をこの引き出しBOX一つで完結できるようにしています。『中身が見やすいA4トレイ3段引き出しBOX』は、ファイルなどで整理するより、簡単に片づくのがポイント。書類整理が苦手な方、きょうだいで通っている学校が違う方(3きょうだいが中学生、小学生、幼稚園生の場合など)には、特におすすめです!Upload By よいこUpload By よいこ※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年04月19日息子と娘は、こんな子ですはじめまして。メイと申します。わが家は、子どもたち2人と私と夫の4人家族です。夫は仕事が忙しく、平日はどうしてもワンオペになってしまうのですが、子どもたちと助け合いながら楽しく過ごしています。まずは、息子と娘のことを紹介します。○息子トールUpload By メイトールは1歳半健診の時に言葉の遅れを指摘されました。気持ちの切り替えが苦手で、癇癪を起こすことも多く、児童館などでは他害も見られていました。定期的に発達の相談をしていたのですが、遅めではあるけど息子なりの成長がみられていましたので、発達検査はずっと受けていませんでした。息子が発達検査を受けたのは小学校1年生の時で、その際に医師の診察も受けた結果、ASD(自閉スペクトラム症)・ADHD(注意欠如多動症)と診断されました。○娘リンUpload By メイリンは3歳児健診の時に、発達検査を受けるよう勧められました。人見知りせず活発な性格の娘については、それまで発達に関して心配をしたことがなかったので、指摘されたことはわたしにとっては驚きでした。その後発達検査を受けて、3歳の終わり頃にASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。夫は仕事が忙しく、平日はなかなか子どもたちと関わることができません。とにかくポジティブで陽気な性格で、明るさに助けられることも多々あります。地声が大きいのが長所でもあり短所でもあります。わたしは息子を産んでから、ずっと専業主婦をしています。息子を産んだ頃は、友達も全くいない、実家からも遠い土地でのワンオペ育児に、不安でよく泣いていました。新しくできたママ友とも、息子の他害や癇癪がひどくなるにつれて疎遠になってしまい、つらいと感じたこともあったのですが、その分息子と向き合って過ごしてきたなぁと思っています。Upload By メイ息子の発達にずっと悩みながらも、夫の転勤や私の出産・育児などが重なり、なかなか支援につながることができず、小学1年生で診断されるまでは一人で悩んだりしていました。しかし、自分なりに発達障害のことも勉強しながら、今ではブログやSNSで子どもたちとの日々を発信しています。発達ナビでも、わたしたち家族のこれまでの歩みを書いていけたらと思っています。どうぞよろしくお願いします。Upload By メイ執筆/メイ(監修:新美先生より)メイさん、はじめまして。異なる個性の2人のお子さんを平日はワンオペで子育てされている大変な中で、今ではブログやSNSでの発信もされているとのこと。とてもパワフルですね!!発達ナビのコラムでもいろいろな記事を読ませてもらえるのが楽しみです。これからよろしくお願いいたします。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年04月18日抜毛症(トリコチロマニア)とは抜毛症は、ストレスなどの理由から自らも毛髪を何度も引き抜くという精神疾患です。トリコチロマニアの名称で呼ばれることもあります。不安などの感情を和らげるためや、刺激を求めるためなどいくつか原因が考えられています。抜毛症の方は人口の約1~2%いるとされており、成人の場合は患者のうち約90%が女性だともいわれています。毛を抜く行為自体は珍しくありませんが、ほとんどは美容など目的がはっきりしていたり、一次的で治まることが多い傾向にあります。しかし、抜毛症は自らの意志でやめることは難しく、症状が生涯にわたって続く場合もあり、日常生活にも影響が出ているといわれてます。どこの毛を抜くかは人によって異なっていて、多いのは頭皮の毛、眉毛、まつげといわれています。ただ、最終的にはすべての体毛が対象になり得えます。また、時期によって抜く場所が変わっていく場合もあります。抜毛症は毛がなくなることや自らの行為に悩み、人前に出ることを嫌がるようになるなど、さまざまな面で影響が出る可能性があります。また、抜毛症の人は皮膚むしりや爪を噛むなど、自らの体に対して反復して刺激を与える行為を行う場合が多く、精神面では抑うつ症状が見られる方も少なくありません。抜毛症の治療には不安などを和らげる抗うつ薬などの薬物療法と、行為をコントロールするための認知行動療法が行われます。参考:抜毛症(抜毛癖)|MSDマニュアル家庭版抜毛症はストレスが原因?抜毛症の明確な原因ははっきりとは分かっていません。ただ、2つの可能性が考えられており、1つ目はストレスなどの感情から逃れるために毛を抜くのではないかという説です。抜毛症は醜形恐怖症などとは違い、自らの外見が気に入らないという理由で行為に及ぶのではなく、緊張感や不安などのネガティブな感情を和らげるために毛を抜いているということです。また、毛を抜くことである程度の満足感も得ているようです。2つ目は、毛を抜く行為自体の刺激を求めているのではないかという説です。何らかの原因で刺激が足りない状態になっている方が、手近な手段として毛を抜いて刺激を得ているという考え方です。刺激を求める方はなかなか抜毛行動をやめられず、重症化するリスクも高いといわれています。参考:抜毛症(トリコチロマニア)|MSDマニュアルプロフェッショナル版参考:後藤麻友、今井正司著「抜毛行動様式と抜毛症重症度との関連」日本健康心理学会大会発表論文集 31巻(2018) P.43抜毛症は治る?治療方法は?抜毛症は、自分ではなかなか抜毛行動をやめることができないといわれています。しかし、適切な治療を受けることで症状の改善が見込めることも知られています。ここでは、身近に抜毛症の方がいる際の声かけ方法から、病院の何科にいくといいか、実際の治療方法まで紹介します。まず大事なのは相手を責めないということです。相手も症状をコントロールできないで悩んでいるので、「何でそんなことしたの」「早くやめよう」など、善意からでも問い詰めたり急かしたりする言動をすると、相手にとって負担となってしまう可能性があります。なので、「自分を傷つけるほど、悩んでいるんだね」など相手のつらい気持ちに寄り添った声かけをするといいでしょう。そのうえで、無理に聞き出そうとはせずに「言いたくなったらいつでも話していいよ」と、話を聞く準備ができていることを伝えることが大切です。加えて、「自分は味方だよ」というメッセージを折に触れて口にしておくと、相手も安心して話してくれやすくなります。参考:自分を傷つける」というサイン|厚生労働省こころもメンテしよう抜毛症は精神疾患の一つに位置付けられるため、基本的には精神科や心療内科を受診するといいでしょう。子どもの場合は、かかりつけの小児科や小児発達外来などで相談することも可能です。また、皮膚がただれるなどの状態の場合は皮膚科にも行っておくといいでしょう。抜毛症の診断はいくつかの基準に基づいて医師が行います。基準としては以下のようなものがあります。・脱毛が生じるほど繰り返し毛を抜いている・何度も行為を減らそう、やめようと試みている・抜毛行動のために大きな苦痛が生じているか、日常生活に支障をきたしているまた、病院に行くべきか迷ったときはお近くの保健センター/精神保健福祉センターへの相談も検討してみてください。抜毛症の治療としては、主に薬物療法と認知行動療法があります。薬物療法では抜毛行為の原因となる不安や緊張を和らげるための、抗うつ薬などが用いられることがあります。認知行動療法では特に習慣逆転法という手法を使うことが多くあります。習慣逆転法の簡単な流れは以下のようになっています。・自らの行為を自覚する・行為の引き金を明確にする・毛を抜く行為を別の行為(こぶしを握りしめる、編み物をするなど)に置き換える抜毛行動は無意識に行われることもあるため、まずは行為を自覚するところから始めていきます。参考:抜毛症(抜毛癖)|MSDマニュアル家庭版参考:皮膚むしり症|MSDマニュアル家庭版抜毛症と発達障害の関係は?発達障害の特性の中に毛を抜く行為はありませんが、特性が影響した結果抜毛行為に至ることは考えられます。例えば発達障害の中のASD(自閉スペクトラム症)では、特性として「こだわりの強さ」「ストレスの感じやすさ」「自己刺激行動」があります。ストレスが一定以上の負荷になったために、毛を抜いてみたらすっきりした、毛を抜いてみたら刺激があったので繰り返すようになった、などの形で、抜毛症につながっていく可能性はあります。また、発達障害の中のADHD(注意欠如多動症)では、特性として多動性や衝動性があります。そのため、常に動いているうちに何となく毛を抜いてみた、何かストレスを感じたので衝動的に毛を抜いてみた、という形で抜毛症につながることも考えられます。ですが、抜毛症の症状があるからといって必ずしも発達障害がある訳ではありません。参考:ASD(自閉スペクトラム症)|e-ヘルスネット参考:ADHD(注意欠如・多動症)|e-ヘルスネット抜毛症と強迫性障害の関係は?強迫性障害(強迫症)とは、強迫観念(本人の意思に反して浮かんでくる思考や衝動など)により強い不安感や不快感をおぼえたり、それを打ち消すために強迫行為を繰り返す精神疾患のことです。例えば「菌がついていないか気になって、何十回も手を洗う」「家の鍵を閉めたか不安で、何回も家に戻って確かめる」などがよく見られます。抜毛症自体は強迫観念によって起こるわけではありません。つまり、抜毛症と強迫性障害には直接のつながりはないといえます。しかし、強迫性障害の方が強い不安を感じているときは強迫行動とは別に、感情を落ち着かせるために身体の一部を触ったり毛をいじったりすることがあるかもしれません。それがそのうち毛を抜くという行為につながっていくことも考えられます。参考:強迫症 / 強迫性障害|e-ヘルスネットまとめ抜毛症とは、ストレスなどの感情を和らげるためや刺激を求めるために、繰り返し自らの毛を引き抜く精神疾患の一つです。抜く場所は髪や眉などが多いといわれていますが、全身の毛が対象となることもあり、本人がやめようと思ってもなかなかコントロールできません。毛が抜けた容姿や自らの行為自体に悩んで外に出ることを避けるようになることもあり、多くの場合は抑うつ状態も経験しているといわれています。抜毛症は薬物療法と認知行動療法で軽減させることができるため、気になる症状があれば大人であれば精神科や心療内科、子どもの場合はかかりつけの小児科などに相談するようにしましょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年04月17日おもちゃに強いこだわりがある自閉症息子のイヤイヤ期は大変でした!6歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断された現在15歳の息子がいます。息子のイヤイヤ期ではとても苦労しました。だいたい2~4歳ぐらいの2年間、イヤイヤ期は続きました。当時のママ友がいうには、息子は癇癪が少ないほうとのこと。確かに、お友達と遊ぶといった場面では癇癪はないのですが、おもちゃに対しては違うのです。自分が手に入れたい物があると、見境なくどこでも寝転んで手足をバタバタし癇癪をおこしてしまい、これに困っていました。またおもちゃによって苦労もそれぞれでした……。「これじゃなきゃダメ!」というミニカーは、売り切れ必至の人気アイテムで息子はミニカーが大好きで、「これじゃなきゃだめ」というこだわりも爆発させていました。そのため、お目当てのミニカーの発売日には、おもちゃ屋へ行きます。お目当てのものを買うために、お店に並ばなければいけないのです。ですが、人気が高いものだと、すでに在庫がない事も多々ありました。意気揚々とおもちゃ屋へ行くも品切れ……となった時は、泣いて騒いでパニック状態!見境なく店内に横たわり、周りの目も気になりますし、お店全体が険悪な雰囲気になりました。Upload By ユーザー体験談開封するまで何が入っているか分からない系おもちゃは、なおさら大変!また、あるファストフードのお子さまセットについているおもちゃ、これは袋を開けるまでどのおもちゃが入っているか分からないので、余計に大変でした。ドライブスルーで目当てのおもちゃ付きセットを買うのですが、息子は家まで待てず車の中で袋を開けます。そして、自分が欲しい物ではないと分かると、「●●が出てくるまで買う‼」と泣いて暴れていました。Upload By ユーザー体験談もちろん気持ちは分かるのです。定型発達のお子さんも同じようなことはあると思います。ですが、癇癪の度合いがものすごく、泣き止むまでとても時間がかかるのです。当時は、この癇癪にどう対応していいのか分からず、お店では小脇に抱えて逃げるようにその場から離れてました。抱っこや、おんぶは転落の恐れがあったので、小脇に抱えるのがベストでした。なだめてもすかしても癇癪はおさまらず、「嫌なら何もしなくていい!お母さんもあなたの言う事は聞かない!」と言ってしまう時もありました。そして気がついたらおさまっていた……という具合です。また、息子には年の離れた姉がいるのですが、お姉ちゃんの言葉は親よりも強烈だったようで、姉の「うるさい!」の一言でピタっとイヤイヤがおさまることもありました。Upload By ユーザー体験談診断が出たあと、対応方法が分かった息子は6歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断されたのですが、このことによって息子の癇癪へどう対応すればいいのか分かってきました。欲しいおもちゃが品切れでも、欲しいおもちゃが出なくても泣かない、騒がないことをあらかじめ見通しが立つように説明し、このことに納得しないと買わないことを約束をするようにしたのです。すると息子は涙目になりながらも、生真面目な性格なので、騒がず我慢することができるようになってきたのです。Upload By ユーザー体験談初めの時は、約束が守れず、泣いてしまった息子にこちらも心が折れそうになりましたが、親も約束したことだからと、一貫した対応をしたことがよかったのだと思います。そんな息子も、もう高校生です。あの頃の大変さは今もはっきりと覚えていますが、それでもずいぶん昔のようにも感じます。今はあの頃のような癇癪はありません。一度きりの人生です。今は息子が自分の信じた道を進んでくれたらと思って見守っています。イラスト/吉田いらこエピソード参考/しのっぺ(監修:鈴木先生より)ASDのお子さんのこだわりは強いものです。スーパーへ行って「お菓子は一つだけね」と約束しても、駄々をこねて泣きわめいたため、ついもう一つ買ってしまうと、泣きわめけばもう一つ手に入るんだとインプットされ、毎回泣きわめくのです。ダメなものはダメと毅然とした態度で接することが重要なのです。姉の「うるさい!」という強烈な言葉も時には必要です。ただし、それで静かになったら本人は努力しているので、褒めてあげることも重要です。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年04月17日まずは2つの放課後等デイサービスを見学Upload By カタバミ私はまちゃが年長の6月あたりから、インターネットで放課後等デイサービスを探して電話をかけてみました。1社で何ヶ所も運営している大手の「A」には「早く連絡されても来年空きが出るかは分かりませんが、今利用者が増えてもう1つ新しく開く予定ですから1度見学に来てください」と言われました。次に息子が入学しそうな小学校の近くにある「B」に連絡をすると、同じように「来年空きが出るか分からないけれど待機者の1番初めに入れておきます」と言われました。見学すると「A」は新しいマンションの1階で、きれいだけれどまちゃが好きそうなおもちゃや絵本などは何も出ておらず、言語聴覚士が常駐しているとのことでしたが、個別でみてもらうには長い順番待ちになると言われました。「B」には何度か連絡をしてやっと年末に見学に行けました。小学校近くの年季の入った一軒家で、入ってすぐまちゃの好きそうな大きなトランポリンや絵本がたくさんありましたが、天井が高く薄暗い気がしましたし、利用している方の年齢層も高くまちゃに合うのか心配でした。年末にもう2つの放課後等デイサービスを見学Upload By カタバミA、Bどちらの放課後等デイサービスも「空きが出るか分からない」と言われたのでどうしようかと考えていた12月に、同じ療育園に通うママ友が、ポストに入っていたという新しくできた放課後等デイサービス「C」のチラシを見せてくれました。早速電話をして見学の予約を取りました。同じ頃、ほかのママ友がわが家のすぐ近くに放課後等デイサービス「D」ができたので良かったらと教えてくれました。こちらもすぐに見学の予約を取りました。「C」は早い時期からしっかりと就労を目指していて、学校と同じように机と椅子が並べてあり、内容もパソコンでブラインドタッチの練習をさせたりしていて、正直まちゃには高度かなと思いました。「D」は本当に家の近所で、できたばかりということで遊具も何もなく未知数でしたが、説明してくださった方が児童発達支援事業所や放課後等デイサービスで長く働いていて、まちゃの特性についてとても理解がある気がしました。CもDもどちらもできたばかりで空きがあり、まちゃがすぐにでも通い出せるような反応でした。2つに決定!現在通ってみてUpload By カタバミ家から近い位置にあり印象も良かったので、私は「D」が気になりました。「まずは週に1日だけいかがですか?」と言っていただいたので、契約して療育園の後に週1で通わせることにしました。その頃、通うことに決まった小学校の近くにある「B」から「週1ですがある曜日だけ空いたのでいかがですか?」と連絡がきました。1つの放課後等デイサービスに週5で通わせて、もしそこがまちゃに合わなかったらどうしようと心配だった私は、そちらもお願いすることにしました。週1だけならと気軽に考えたのかもしれません。現在、まちゃは「D」に週4で行き渋りなく通っていますし、入学してから初めて利用した「B」にも週1ですんなりと通うことができています。「B」の職員さんからは「学校から近いので、初登室のとき手を繋いで連れて行きましたが、全く問題ありませんでした!」と驚かれました。室内がまちゃの好きそうな物だらけだったのが良かったのかなと思います。年が明けてから、最初に見学した「A」から「空きができたので入れます」と言われましたが、もうBとDに決めようと考えていたのでお断りしました。振り返って思うこと……1ヶ所に絞らなくてよかった!Upload By カタバミ今まちゃは2ヶ所の放課後等デイサービスを毎日機嫌良く利用しています。年長時に通っていた療育園の先生から「複数の放課後等デイサービスに通わせるとどちらかを嫌って行き渋りが出るかもしれない」と言われ、1ヶ所に絞ったほうが良いのか迷いましたが今は2つで良いと感じています。週1利用の「B」は一軒家なので遊具も大きくダイナミックに遊ぶことができます。老舗ですから遠くの公園も良くご存知で、あちこち連れて行ってくれます。見学した時には年齢層が高く合わないかもしれないと思いましたが、今は年上の子どもたちがいることを頼もしく感じています。まちゃはこちらではとてもマイペースに過ごしているそうで、まちゃの特性的には合っているのではないかと思います。週4利用の「D」は新しい施設で見学した時は何もなかったのに、その後ハンモックなどまちゃの大好きな遊具が増えました。ビルの1フロアにまちゃと歳の近いお子さんがたくさん一緒にいるので、人気のあるおもちゃはタイマーをかけて順番で使ったりしているそうです。こちらのほうが人との刺激はありそうです。何よりも近いので助かっています。2つ通っているのでそれぞれの違いも感じますが、私はどちらも良い放課後等デイサービスだなと感じています。執筆/カタバミ(監修:新美先生)放課後等デイサービスは、数がとても増えており、タイプや力を入れていることも施設によってさまざまです。いざ選ぶとなると何を基準に選んでいいのか迷ってしまうことも多いですね。まちゃくんの場合は、年長の6月から動かれたとのこと。さすがのスピード感です。放課後等デイサービスは増えていると言われながら、かなり混んでいることも多く希望のところが空いているとは限りません。前の年度のうちから探して年度替わりの空きを待たないと選ぶ余地がないという地域も多いようです。学校でそれなりに頑張った後に行く放課後等デイサービスなので、お子さんが無理なく安心して楽しく通える場所であることは大切です。保護者が見学してお子さんに合いそうか見極めたり、可能なら本人も一緒に行って活動を体験したりするなどして相性を探るのもいいですね。家庭でも学校でもない第三の居場所=サードプレイスとしての放課後等デイサービスで、安心して他者と関われたり、さまざまな活動を経験できたりするといいですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年04月16日引っ越し後、すぐに行動開始!待ったなしの療育と病院探し娘のしぇーちゃんが2歳半頃に、他県へ引っ越しをしたわが家。新しい土地でまず最初にしたのは、ASD(自閉スペクトラム症)の娘が通う療育施設と、発達の相談ができる病院を探すことでした。わが家は車がないので、通えるところは限られていました。そんな中で初めて契約した療育施設は母子分離型で、1回3時間で週に1~2回あり、送迎もしてくれるところでした(ちなみに、受給者証の支給量(児童発達支援を利用できる日数)は13日/月でした)。母子分離が苦手な2歳半の娘を預けることに初めは不安もありました。しかし、すぐに通える施設はそこしかなく……一日でも早く療育を再開したかった私は、良い効果があることを期待して通うことにしました。行き慣れた祖父母の家でさえも、私の姿が見えないと泣くくらい不安が強かった娘ですが、こちらの施設に通い始めて数ヶ月ほど経った頃にはすっかり慣れて、私と離れても平気になりました。診断済みでも「すぐにみてもらえる病院」を急いで探した理由。それは……娘は2歳4ヶ月でASD(自閉スペクトラム症)と診断されていましたが、引っ越し先ですぐにみてもらえる病院を急いで探す必要がありました。なぜなら、引っ越し先の自治体では受給者証の更新時に「医師の意見書(診断書)」が必要で、早くもその更新時期が迫っていたからです。目星をつけていた第1希望の病院は1年待ちと言われてしまったので、すぐにみてもらえる病院を探して受診しました。この病院には約半年ほど通いましたが、JSI-R(日本感覚インベントリー)を受けたところ数値が高く、この病院でも、ASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。その後、待機中だった第1希望の病院から連絡があったタイミングで、そちらに転院しました。そこでは月に2回OT(作業療法)を受けられることになりました。自立支援に力を入れる療育施設にも通うことに。よき出会いに恵まれてUpload By マミヤその頃、 初めに通っていた療育施設に加えてさらにもう一つ、小集団療育を行う施設にも通うことにしました。そこはこども園が運営している施設で、1回3時間のプログラムの中にお散歩や給食の時間があり、自立支援に力を入れていました。週に1回とはいえ、自宅から自転車で片道40分程かかるので悩んだのですが、1つ目の療育施設で娘の成長を感じられていたので、思い切ってこちらの施設にも通うことに決めました。こちらの施設では、娘は最初から母子分離不安もなく、スムーズに活動へ参加することができていました。自転車で片道40分の通園は大変でしたが、娘を送り届けた後は療育が終わるまで空いている部屋で待機させてもらい(お昼ごはんを持参していました)、天気が悪い日は別の日に変更するなど快い対応をしてくれたので、なんとか通い続けることができました。ここでは、娘も私自身も友達に恵まれ充実した日々を送ることができ、とても幸運だったなあ……と今でも思います。幼稚園に入園する?それともこのまま療育だけにする?迷った末の決断Upload By マミヤこうして、2ヶ所の療育施設と病院での作業療法に通う日々を送っているうちに、娘は3歳になりました。来年度から幼稚園に行くかどうか迷いましたが、その頃の娘はお話が上手ではなかったこともあり、集団でのザワザワは「言葉のシャワー」ではなく「ただの雑音」になるのではないかと考え、年少の時期にあたる1年間は療育1本でいくことに決めました。幼稚園には行きませんでしたが、療育と並行して月に1度は幼稚園のプレにも通い、忙しかった思い出があります。娘はこの1年間で、母子分離不安、偏食、多動が格段に落ち着き、言葉の理解が進んで意思の疎通もしやすくなっていきました。年中から幼稚園入園するため、園探しを開始。ASDと伝えると入園を断られることも……Upload By マミヤ4歳を過ぎた頃には娘がかなり落ち着いてきたこともあり、年中から幼稚園へ通うことにしました。自宅から通えそうな幼稚園を調べて、何ヶ所かの園に連絡し、事前に面談をお願いしました。ASD(自閉スペクトラム症)であることを説明した上で、娘のことを理解し、受け入れてくれる園に入園したかったからです。電話でやんわり断られた園もありましたが、面談で娘の様子を見て「ぜひ願書を提出して下さいね」と言って下さった園もありました。そして、いざ幼稚園に入園してみると、療育で小集団の経験を積んできたおかげか、娘は入園1日目から1度も泣くことはありませんでした。幼稚園での生活にもすぐ馴染んでいました。年少の1年を療育のみで大丈夫かという不安もありましたが、療育メインでやってよかったな……と思える結果となりました。執筆/マミヤ(監修:室伏先生より)引っ越し後の療育・病院探しに始まり、療育施設で過ごされた年少時期、幼稚園への入園にいたるまで盛りだくさんの情報を共有くださり、ありがとうございます。幼稚園に入園されると、多くのお子さんから刺激をもらってよい影響を受けられるお子さんもいらっしゃいますが、しぇーちゃんが年少さんの時期を療育施設のみで過ごされたことは、先生方の手厚い対応ももちろんですが、安心して過ごせる環境が確保できたという意味でもよいことだったかもしれませんね。幼稚園か療育施設かというご相談は多くの親御さんからいただきます。これについては、発達段階だけでなく、そのお子さんの困りごとによってもどちらが合うかは変わってきます。たとえば、他害がある、多動がとても目立つ、多くのお子さんがいる環境に強い不安を感じる、感覚過敏が強く環境や食事など細やかな対応が必要となる、などの場合には、幼稚園では対応が難しいこともありますし、お子さんにとっても負担が大きくなります。悩まれた場合には、お子さんのことをよく知ってくれている支援者(病院の先生や療育スタッフなど)に相談してみてくださいね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年04月16日握力が弱く、クレヨンがうまく持てない。創造性が弱く、特にお絵描きが苦手だった時期今思えば、赤ちゃんの頃から物をつかむことがあまりなかった息子。手のひらに感覚過敏があり、何かをつかむときもよく指先だけでつかもうとしていました。握る力も弱く、1歳半でスプーンを握るのがやっとな状態でした。そんな息子でしたが、私自身が絵を描くのが好きだったこともあり、積極的に遊びに取り入れていました。握りやすい大きめのクレヨンを買ったり、当時息子が好きだったキャラクターの塗り絵を買ってみたり、電車の絵を私がお手本に描いてみたりしましたが、効果は今ひとつ……。握力の弱い息子はどんなに濃い色のクレヨンでも、消えてしまいそうなか弱い線を2~3本描くだけでした。そもそも息子は創造性を育むような遊びもあまり好きではなく、お絵描きはもちろん、粘土遊びや砂遊び、ブロック遊びもすぐに飽きて5分と続かなかったように思います。お絵描きも、すぐにクレヨンを転がして遊んでいることがほとんどでした。Upload By 海乃けだまお絵描きは苦手だけど色に興味が出てきた時期お絵描きを好きになってもらえたら……と思いながらも、息子が苦手なら仕方ないとあまりお絵描き遊びをやらなくなっていった2歳頃、喃語ではあるものの単語を少しずつ話し始めていた息子は色に興味が出てきたようでした。同じ色のおもちゃを集めて同じ色のカップに入れたりして遊ぶ姿が多くなったので、ものは試しに、色と数字と動物が一緒になっているおもちゃを導入しました。しばらくは数字を無視して色のみを合わせて遊んでいましたが、そこから徐々に数字にも興味を持つようになりました。2歳半から通い始めた療育でも、毎日数字を目にしていたので(視覚支援で朝のお集まりの際に1~6くらいまでの数字を振ったおおまかなスケジュールを一緒に聞いたり、手遊びでも数字を取り入れたりしていました)、療育での影響も大きかったと思います。数字大好き炸裂期療育の活動の際に、絵本の時間の前に数字を数える手遊びがありました。もともと歌や音楽が好きだった息子はその手遊びも大好きになり、3歳になる頃には一緒に歌って手遊びをしていました。その手遊びから、数字の1が指1本、数字の2が指2本と、数字の概念も少しずつ分かるようになっていき、3歳半になる頃には物の数を数えることもできるようになっていました。数字が読めるようになると、数字大好き炸裂期が到来したようで、毎日毎日数字のパズルで遊んでいました。この時の息子は「分かる=楽しい」に結びついたような瞬間だったのかな、と今では思います。数字が大好きになったことで、視覚支援もしやすくなりました。スケジュールを数字で順番に説明すると、その順序を覚えてその通りに動いてくれたり……こんなにスムーズに事が進むのかと感動したほどです(笑)。お絵描き遊びが苦手なのは変わらずでしたが、この頃には色好きが高じて7色で虹を描くようになっていました(それ以外の絵は全く描きませんでしたが……(笑)。そんな虹ばかり書いていた息子ですが、4歳を過ぎたある時、数字らしき文字を書き始めたのです!!ここぞとばかりに褒めちぎり、書くこと、それが誰かに伝わることの楽しさを感じてもらいました。そこでいい気分になったのか、お絵描きの時には必ず数字を書いてくれるようになり……この機会を逃すものかと私もパパもおじいちゃんもおばあちゃんもやたらめったら褒めちぎりました(笑)。Upload By 海乃けだま数字からひらがなへ。これなんて書いてあるの?期襲来数字が読めるようになると、街中の看板や公園の注意書きをよく見て質問してくるようになりました。「ママ、これなんて書いてある?」1日に何十回と繰り返される質問に、私は読み聞かせロボットと化して答え続けました。5歳で療育園から幼稚園に転園する頃には、ひらがなの半数くらいは読めるようになっていました。幼稚園転入後は先生やお友達の影響もあり、半年ほどでひらがなもカタカナも(濁点がついているものも)読めるようになりました。数字を書いていたことで、絵を描くことへの苦手意識も低くなり、この頃には車の絵やパパやママの顔をよく描いてくれるようになっていました。ひらがなは初めは大きくなぞり書き、次に小さくなぞり書き、そして見本を見ながら書く、見本を見ながら枠内に書く……と療育でも練習していました。現在は見本の字を見ながらではありますが、自分の考えた文章を自ら紙と鉛筆を出してきて書いています。絵を描くことで指先を動かす練習になり、物の形をじっくり見るようになり、その結果がひらがなを描く土台となったように思います。字を書くことに自信がついた今では、お友達や先生に「お手紙書くね!」とうれしそうに話しています。Upload By 海乃けだま執筆/海乃けだま(監修:新美先生より)お絵描きにも興味がなかった息子さんが、成長に伴い興味が移り変わると共に、書くことに取り組めるようになった経緯を詳しく教えてくださりありがとうございます。どのような活動でも、興味を持ち始める時期や、興味の対象は人によってまちまちなので、お子さんによっては、適齢と言われる時期になっても興味を示さず乗ってこないことはありますね。海乃さんは、興味を示さない時にはそれほど無理強いすることなく、息子さんが興味を持ったものにしっかりつきあい、ここぞとばかりに褒めて、反応していかれたことがとても素敵だと思いました。そうした関わりの中で、息子さんの興味が少しずつ広がり、文字を書くことにつながっていったのですね。筆圧が弱い、不器用といったことが気になる時、普段の遊びのなかで、本人が興味を持ったことを足掛かりに手先を使う活動を増やしていくのはとても良いと思います。家庭の中だけでは興味が広がりにくい時、療育やリハビリは興味の幅を広げるきっかけを意図的に提供してくれる場になるかもしれません。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年04月15日これってイヤイヤ期?それとも特性なの?育児書通りにはいかない、みんなのイヤイヤ期エピソード!イヤイヤ期とは、自己主張が強くなって自分の気持ちや意思を押し通すような行動をする時期のことをいい、一般的には子どもが1歳半頃から3歳頃にやってくるといわれています。しかし、発達障害や発達に特性があるお子さんの場合、「わが子の困った行動はイヤイヤ期からくるものなのか、それとも特性なのか分からない」と悩んだり、「育児書に書いてあることとは全く違う」と驚いたりすることも。今回は、発達ナビ連載ライター陣に、お子さんのイヤイヤ期のエピソードをご紹介いただきました。ゆきみさんのご長男けんと君は現在小学2年生、ASD(自閉スペクトラム症)と診断されています。穏やかな性格ですが、小さな頃から不安やこだわりが強く、感覚過敏もあるため、3~4歳頃は癇癪を起こしたり、パニックを起こすことがよくあったそうです。そんなけんと君のイヤイヤ期についてご紹介いただきました。にれさんには、発達障害や発達に特性がある2人の娘さんがいます。イヤイヤ期を思い出すと、それぞれが全く違っていたそうです。終わりのないように思えた激しい癇癪も落ち着き、穏やかに過ごせるようになった今、当時を振り返っていただきました!現在8歳のまちゃ君は特別支援学級に通う小学2年生です。2歳4ヶ月の時にASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。幼少期にはそれほど激しい癇癪はなかったというまちゃ君ですが、小学生になって癇癪を爆発させることが増えてきたそうです。いったいなぜなのでしょうか?寺島ヒロさんのご長男タケル君(ASD/自閉スペクトラム症・現在23歳)は、2~3歳頃、激しい癇癪を起こして何かを訴えるようなことが良くあったそうです。しかし、タケル君のイヤイヤ期は、ほかの子どものそれとは少し異なる印象があったとか。ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)のコウ君の場合は、2歳頃から小学校を卒業するまで『イヤイヤ期』と『反抗期』の切れ目がないような状態でした。お母さんである丸山さとこさんが、現在中学生になったコウ君と一緒に、これまでのイヤイヤ期の変遷を振り返ってくださいました。スバル君は1歳半健診で言葉の遅れを指摘され、3歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。当時、お母さんである星あかりさんには、スバル君の言葉の遅れ以外に特に困っていることはありませんでした。しかし、スバル君には同年代の子どもとくらべると「ちょっと変わっているところ」があって……。プクティさんのご長男は、2歳を過ぎてもイヤイヤ期が始まる兆しはなく、家庭では困ることがほとんどなかったそうです。しかし、幼稚園に入園して、集団活動に参加できないことや、教室から脱走してしまうことなどを指摘されびっくり!ご長男が軽度の知的障害(知的発達症)と診断された今、イヤイヤ期がなかったことと発達の特性や遅れには関係があったの?と疑問がわいてきました。コラム最後の医師によるコメントにも注目です!2歳4ヶ月でASD(自閉スペクトラム症)と診断されたしぇーちゃんは、現在9歳。生まれた直後から、なかなか寝ないことや食欲のなさ、激しい癇癪がありましたが、成長と共に、だんだん落ち着いていったそうです。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年04月14日幼少期はお友達に興味や関心がほとんどなかった息子知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)の次男Pは、幼い頃は人に興味や関心がほとんどなく、すぐ隣で誰かが話しかけてくれても目も合わさず、無視をしてしまうような子でした。療育園へ通い始めてからは先生や大人に対してなら自分からコミュニケーションを取りにいく様子もみられるようになりましたが、同じ年頃のお友達には全く興味を示さず、ほとんど関わろうとしませんでした。でも小学生になってから、少しずつお友達へも興味を示すようになってきました。Upload By みんお友達と関わろうとし始めてうれしく思っていたけれど…学校からの連絡帳でも「〇〇くんのことが好きみたいで、いつも隣に行こうとします!」などと書いてもらうことが増え、最初は私もうれしく思っていたのですが、Pのお友達への関わり方の様子を先生から詳しく聞くうちに、喜んでばかりもいられないようになりました。たとえばPは心を許した大人に対して甘えるときなどに、腕を触ろうとしたり、匂いを嗅ごうとしたりします。大人の場合は「こうすることで安心して落ち着くなら……」とそのまま腕を差し出すこともありますが、Pは授業中にお友達にも同じことをするようになってしまいました。Pは「好きな人」「心を許した人」にだけそのように距離感なく接するのですが、相手の状況や気持ちも考えずに近づきすぎてしまうのは大問題です。お友達も突然触られるとびっくりするでしょうし、不快になることもあるでしょう。このままでは学校生活の妨げになってしまうかも……と私は心配になりました。お友達に興味を持つようになってうれしい反面、好きになったお友達との距離感や関わり方が分からないばかりに、不適切な行動につながってしまっているので、どうすればいいのだろう……と悩んでいました。Upload By みんお友達を好きという気持ちは大切にしてあげたい!その後先生と話し合い、近づくのがダメだと叱ったり注意したりするのではなく、Pがお友達を好きという気持ちは大切にしてあげながら、正しい関わり方がうまくできないうちは、大人が物理的に距離を取らせることが必要ということになりました。それからは、まず席を離すことから始めてもらい、授業で何かをする順番も最初と最後にしてもらうなど、できるだけ距離を開けてもらいました。それでもPがお友達に触りに行こうとしたら、先生が前もって触らないよう止めてくれました。このように物理的に距離を置くことで、お互い落ち着いて過ごすことができるし、Pがお友達を触りにいくことも徐々に減っていきました。Upload By みん成長から見えてきたわが子の新たな課題今まで苦手なお友達や相性の悪いお友達と距離を置くという話は聞いたことがありましたが、Pはまだお友達との距離感や関わり方がうまくできないので、たとえ好きなお友達だとしてもPのような課題がある場合は距離を置く必要があるということが分かりました。お友達に興味関心があるのはうれしいことですが、それを成長だと喜んでばかりもいられず、また新たな課題が出てくることを実感しました。お友達に抱きつくなど、小さい頃なら微笑ましく見えるような言動も、年齢を重ねると微笑ましいとは言えなくなるし、トラブルにもつながってしまうので、Pがお友達と正しい関わり方ができるよう先生と相談し、支援していただきながら見守っていけたらと思います。Upload By みん執筆/みん(監修:鈴木先生より)ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんは人との距離感をつかむことが難しく、近寄りすぎてしまう傾向があります。私の外来では30cmの定規を使ったり、前へならえで手を伸ばした距離を保ったりしてお話しするように伝えています。今回のコラムでご紹介いただいたように、人との適切な距離感や公共の場でのふるまい方は、できるだけ早い時期から指導していくことが大切です。人に抱きつかない、トイレに行くときは個室の中でズボンとパンツを下ろすなど、大人になる前に身につけられるようにしましょう。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年04月14日特別支援学校高等部卒業後の進路特別支援学校高等部卒業後の進路としては、大きく4つあると思います。1、障害者雇用枠での「企業就労」2、企業への就職を目標に訓練を行う「就労移行支援事業所」3、一般雇用が困難な人への訓練や就労の機会を提供する「就労継続支援A型・B型」4、障害者支援施設で過ごす「生活介護」息子が通っていた特別支援学校高等部は、生徒に合わせてクラスが分かれていました。「教育課程の類型」といい、生徒の特性や目指す進路に応じて適切な教科や科目の履修ができるというものです。まず、企業就労を目指すクラスがあります。また、就労移行支援事業所や就労継続支援A型・B型を目指すクラスがあり、こちらは食品加工班、接客班、事務班、清掃班などに分かれて授業に取り組んでいました。そして、生活介護を目指すクラスは、紙漉きや園芸、陶芸の作業を主にしていました。さて、当時このクラス分けは特別支援学校高等部入学後3年間、類型の移動などの変更はありませんでした。また就労移行支援事業所や就労継続支援A型・B型を目指すクラスのメンバーは高等部1年のときに接客班、食品加工班、清掃班、事務班の体験をし、高等部2年でこの中で適性を見極めて1つに絞り、卒業後の進路を決める形がとられていました。就労移行支援事業所や就労継続支援A型・B型を目指すクラスに所属していた息子、進路はどうする?息子は就労移行支援事業所や就労継続支援A型・B型を目指すクラスに所属していましたが、同じクラス内での何人かは最終的に企業への就労が決まったり、また企業就労を目指すクラスでも最終的には企業就労ではなく、福祉的就労に進んだ生徒もいましたので、必ずしも属しているクラスで進路が決定されるわけではありませんでした。息子にはどのような進路がいいのか、私は思いを巡らせていました。3年生の2学期頃から生徒たちの進路が決まり始め、企業への正式内定をもらう子も出てきました。定型発達でも受験期の保護者あるある話だと思いますが、保護者同士が親しくても進路先や結果はお互いに秘密にするという暗黙の了解を感じました。親しい友達でも「どこの企業に決まったの?」と聞いても「まだ決まっていない」と決まっていてもごまかされたり、「学校から口止めされているから企業名は言えないのよ」といった返事が戻ってくることもありました。そんな中、高等部に通っていた頃の息子の状態ではすぐに企業就労することは難しいと考え、就労移行支援事業所で高等部卒業後もスキルを学ぶことを希望し、活動を始めました。息子にあった就労移行支援事業所はどこ?私たちは居住区内にある事業所を何件か見学しました。ですが、私も息子もここならと思うところが見つかりませんでした。例えばとある事業所、そこはB型と就労移行支援事業所を併設していたのですが、袋詰めの作業をB型は座って行い、就労移行メンバーは立って行っていました。不思議に思った私が「違いは何ですか?」と質問すると「企業就労を目指すメンバーは身体を鍛えるため立って作業をしてもらいますが、B型のメンバーは着席で行ってもらっています」との返答でした。このようなこともあったので、私たちは居住区以外へも範囲を広め、探すことにしました。そして別の区のとある事業所へ見学にいきました。そこはパソコンに特化した訓練をしてくれ、支援員さんの雰囲気がとても良く、息子も私もここだ!とすぐに気に入りました。就労移行支援事業所の利用期間は原則2年間なのですが、コロナ禍で就職活動ができない期間があったため、息子はここに丸まる3年通うことになりました。そして、希望通り障害者雇用で内定をもらい、現在は一般企業で契約社員として働くことができています。就労定着支援制度できめの細かいフォローをしてもらっています現在の息子は就労定着支援制度を利用していて、月1度、就労移行支援事業所の職員さんが会社訪問をしてくれます。特別支援学校高等部卒業後に就労する場合、学校の先生が定期訪問にしてくれるのは最初のほうだけのようですが、就労移行支援事業所に通い就労定着支援制度を利用すれば約数千円の利用料で(所得により変動します)きめの細かいフォローをしてくれるので、とても助かっています。遠回りしましたが、いきなり企業就労せず就労移行支援事業所へ通って良かったなと今は思っています。進路を選択するということはとても大変なことですが、私たちの経験が参考になったら幸いです。執筆/立石美津子(監修:鈴木先生より)知的発達の程度にもよりますが、何ができるかに注目して、できるところを伸ばしてくれる職場が一番望ましいと考えています。神経発達症に理解のある職場だといじめやパワハラなどがなく、ストレスは少ないと思われます。知的発達に遅れのない神経発達症の患者さんの中には、会社に告知しないで頑張って働いている人も多くいます。そのため仕事量が多くなったり、指導を任されたり、ストレスが多くなることもしばしば聞かれます。教育も職場も自分に合ったところがいいのです。前の記事はこちらUpload By 立石美津子Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年04月13日「発達障害かはっきりさせたい!」と思って臨んだ3歳児健診現在11歳、小学5年生の息子は、6歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けています。息子は言葉も遅く、小さい頃からこだわりがあり、室内の灯りは蛍光灯または昼白色でないとダメ、顔が濡れるのもダメで、ダメなものに対しては癇癪を起こしてしまうといった特性らしきものがありました。基本的に穏やかな性格なのですが、3歳頃にはそれらがさらに目立ってきたように感じています。私はそんな息子に「何か特性のようなものがあるのでは」と思っていたのですが、身内や周りに息子の困っていることを相談しても「何も気になる事はないけれど」と言われるばかりで、私が気にしすぎなのだと受け取られているようで、もやもやしていました。そのため、私は(特性があるのならハッキリさせたい!)という気持ちが強くありました。ですので、3歳児健診へは(何か指摘されるだろうな。これで発達障害か分かる!)と気合たっぷりでした。健診当日は不機嫌MAX!嘔吐にギャン泣きで大パニックに健診前日の夜、よりによって息子は全然寝ついてくれませんでした。やっと寝たと思ったらすぐに朝を迎えてしまい、起きたら出発予定時間ギリギリ!慌ててタクシーで向かったものの、息子はぐずり、さらにはガッツリ車酔いしてリバース……。万全の体制で向かいたかったのが、健診会場に着く前からボロボロでした。Upload By ユーザー体験談なんとか会場に着いたあとも、息子はリバースした事やら眠たいやらで不機嫌MAX!同じ保育園のお友達も何人かいたのですが、そのお友達家族の前でも少し嘔吐してしまい、それが息子の中でショックだったようで、ギャン泣き……。ですが、少しずつ落ち着いてきて、機嫌よく……とはいかないまでも、それなりに検査は済ますことができました。私はげっそり、疲れ切っておりました。「個別にお話があります」と言われ、別室へそして一通りの検査が終わったあと、「個別にお話があります」と声をかけられました。私の感想は「やっぱりな」でした。Upload By ユーザー体験談これで息子が何に困っているか分かる、どうすればいいか分かる、そして同時に身内などが言っていた「大丈夫、問題ない」の言葉にモヤっとしていた日々も終わるかもしれないとホッとしました。保健師さんから指摘されたことは、2語文がほとんど出ない、コミュニケーションがとれないといった言葉に関するものでした。また、英語に興味があって英語の動画をよく見ていた息子は、その中のセリフを完璧に覚えていて独り言のように発していました(恐らくエコラリアだと思います)。「英語はよく覚えているみたいだけど、日本語がね……」と言われ、親としてもそれには完全同意。私は藁をもすがる思いで「どうしたらいいのでしょう……?」と尋ねました。保健センターで新版K式発達検査を受けることに保健師さんから、その日は子どもの機嫌が良くなかったことから、再度検査をしましょうと提案され、その後は保健センターへ行き新版K式発達検査を受けました。保健センターでの検査は機嫌よく受けることができました。検査をされた方が言うには「カレンダーを見ながら数字を英語で言っていた」そうです。結果、実年齢より1年半程度発達が遅れていると言われました。私はショックなどはなく、療育の話もいただいたので「息子のためにできることをしよう!」と前向きに考えることができました。Upload By ユーザー体験談療育へつながることができて療育は月2回、保育園に行きつつ通うことになりました。新しい環境にもさほど戸惑うことなく、むしろ楽しくそうでテンションが上がってた息子ですが、通っていくうちにプログラムも落ち着いてこなすようになり、徐々に先生とのコミュニケーションも取れるようになってきました。年長になる頃には、民間の発達支援施設にも通うようになりました。最初息子は、取り組み始めたプログラムは最後まで終わらせないといけないというこだわりがあり、途中でお手洗いに行きたくなっても行けなくて泣き出す……といったこともありましたが、通園が終わる頃には本当に落ち着いてきました。私も息子が発達支援に通うようになってからはほんの些細なことでも、息子がやり遂げるとものすごく嬉しくなってたくさん褒めていました。息子が失敗しても「なんでできないの?」とはならず、当たり前のように「次頑張ろうね」と言えるようになっていました。やっとつながった療育は親子共にいい影響を与えてくれました。Upload By ユーザー体験談たくさんの人に愛されるように!現在小5になる息子は、特別支援学級で楽しく過ごしています。授業の内容もしっかり理解しており、交流学級での授業(理科、体育)も頑張っています。英語、野球、工作と、好きなこともバラバラですが、将来どのような道に進むのか、親としてどう導いていけばいいか、悩ましくも楽しみにしています。息子は私が少し体調を崩すと、頭やお腹(痛いといった箇所)を撫でてくれるような優しい子です。その優しさとユーモアを忘れることなく、たくさんの人に愛されるよう願っています!イラスト/星河ばよエピソード参考/あきっち(監修:森先生より)お子さんの興味がある事・得意な事を褒めて伸ばして応援することができていて素晴らしいですね。「大丈夫、問題ない」という言葉は、周囲の人としては励ましの意味で言っているのかもしれません。残念ながら、「発達障害」という言葉にネガティブなイメージを持つ人もまだまだいるのでしょうね。しかし、大切なのは「大丈夫かどうか」「問題があるかどうか」ではなく「どうしたらお子さんがもっとのびのびと自分らしく過ごせるか?興味や得意を伸ばせるか?」という視点ですよね。また、お子さんのように、思いやりの心を持つためには、共感力を育てることが重要です。相手の気持ちを想像する力や、思いやりを表現するスキルを身につけるのにも、療育のプログラムを上手に使っていけるといいですね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年04月12日もっと早くに気づけていたら現在中学3年生の息子は、自閉スペクトラム症と強度行動障害があります。診断を受けたのは中学1年生の時でしたが、初めて児童精神科を受診してから診断を受けるまで3年近くかかりました。私が息子に発達障害があることを疑いだしたのは、小学3年生で行き渋りを始めた頃からでした。初めての育児で私の知識が乏しかったこともあるかもしれませんが、息子が突然学校に行けなくなるまで、「発達の特性があるかもしれない」と考えたこともありませんでした。息子は1歳半健診で言葉の遅さを指摘されたくらいで、そのあとの健診も幼稚園でも就学時健診でも、何ひとつ問題はありませんでした。小学校1〜3年生頃の家庭訪問や懇談では、担任の先生に相談することがなさすぎて5分もかからず終了。テストの点数もよく勉強もよくできてクラスの人気者。今では考えられないですが、それが学校に行けなくなる前までの息子の姿でした。Upload By 花森はなもしかして?と児童精神科を受診学校に行けなくなった = 児童精神科を受診しよう!とすぐに決断できたのは、私自身に精神科への受診経験があったからです。今は児童精神科を受診しようとすると私が住んでいる地域では半年は待たなくてはいけませんが、当時は1ヶ月程度で受診できました。初めての児童精神科で診察が始まりました。息子は、教室にいるのがとてもしんどいこと、担任の先生が強く叱るところを見るのがつらいことなどを話してくれました。話をしていくうちに、次第に息子の真の姿が見えてくるようでした。いつも私が見ている「優等生」の姿は、すごく無理をして彼自身が懸命につくり上げていたもので、もうその無理ができなくなってしまったのではないかと思いました。そのことも含めて病院の先生にお伝えしましたが、発達検査などには至らず、不安を和らげる薬の処方を提案されました。Upload By 花森はな転院をすすめられ……児童精神科に通い始めて3ヶ月、薬を飲み続けても気持ちが安定しないので、病院の先生から大きな病院への転院をすすめられました。そして、「この病院ではこれ以上のことはできないので、もっと詳しく知りたいなら転院しましょう」と言われました。その際に「発達障害ではありませんか?」とお聞きすると、「いろいろお子さんを診てきましたが、息子くんの場合は違うと思います」と言ってくださいました。ホッとする反面、私の中で「それでも、もしかして……」という気持ちがくすぶり始めたのがこの頃です。Upload By 花森はな小学4年生で大きな病院Aに転院し、通院し始めた頃に最初に出た診断は「幼児返り」。そして、その次に出たのは「解離性障害」でした。新しい診断が出るたびに「発達障害の可能性はありませんか?」とお聞きしましたが否定され、発達検査を希望しましたが「必要ありません」とのことでした。今思えば、まだかろうじて元気が残っていたこの時期に検査ができていたらよかったと思います。本人が元気じゃないと検査自体が受けられないですし、通院もできませんので……。その後、こちらのA病院の治療方針とも合わず、もっと大きなB病院でセカンドオピニオンを受けることになりました。息子は、実はずっと困っていたのかもしれない病院は「違う」という診断を出してくれているのに、「発達障害ではないか?」と疑問を持ち続けた私に対して、ほかの家族の目はとても冷ややかでした。「通院よりももっと子どものことを考えて」「息子を病気にしたいのか」とまで言われましたが、そこで折れてしまっては、息子の学校の困りごとも生きづらさも何も解消しないと私は思いました。学校に行きづらくなってくると、息子はこれまでは口にしなかった教室の雑音がつらい、何もしないで「待つ」という時間が怖い、ノートの字が荒れてきたり書けなくなる、突然癇癪を起こすなど、さまざまな問題が一気に出てきました。学校が合わないこと、教室をイヤだなぁと思ってしまうのは、そういった特性上の理由が隠れているのかもしれません。息子の話は、これまでもずっと聞いてきたつもりです。それでも足りなかったし、学校に行けなくなる前にもうちょっとできることがあったのではないかなぁと、何年も経った今も後悔の念が消えないです。たぶん、この先もずっと消えることはないだろうと思います。Upload By 花森はな執筆/花森はな(監修:室伏先生より)息子さんの診断が分かるまでの経緯について、共有くださりありがとうございました。はなさんも息子さんも不安や葛藤を抱えながら、いくつもの医療機関で受診を重ねられ、本当に大変な日々でしたね。他のご家族さんからの理解を得るのが難しい状況でも、「そこで折れてしまっては、息子の学校の困りごとも生きづらさも何も解消しない」と考えて行動され続けたはなさんを尊敬いたします。幼児期のお子さんとは違って、学童期以降のお子さんでは、ご本人と信頼関係を構築するのに時間がかかってしまったり、ご本人の頑張りや取り繕いなどにより特性が分かりにくかったりして、診断に時間がかかってしまうこともあります。発達障害は生来お持ちの特性によるものなのですが、息子さんのように、それまではご本人の努力で、適応して生活されてきていたけれど、学童期になって人間関係が複雑化したり、思春期になって身体も心も不安定になったりして、困りごとが表面化する、ということもあります。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。前の記事はこちら
2024年04月11日小学2年頃まで暴れやすかった長男この春から発達障害グレーゾーンの長男が中学校に進学しました。引き続き特別支援学級に通っています。長男は今はだいぶ落ち着きましたが、気持ちの切り替えが本当に苦手な子でした。保育園の年少~年長の頃は近所のお友達と楽しく遊んでいて、夕方になって私が「帰るよ」とお迎えに行くと納得できなくてギャン泣きするし、旅行の予定を立てていた当日に次男が熱を出したりして急遽行けなくなると床にゴロンゴロン転がって大暴れするし、お友達の家に遊びに行って「今日遊べないんだ、ごめんね」と断られるとトボトボ家に帰ってきてまた大暴れするし……。小学2年くらいまではこのように気持ちの切り替えが苦手で、持ち直すのにすごく時間がかかっていました。小学3年以降は落ち着いたのか、と言われると決してそういうわけではなく、コロナ禍に入ってしまい、お友達や放課後等デイで過ごすことが極端に減り、それに伴ってトラブルが減ったわけです。私はとりあえず、旅行などの長男にとって楽しい予定を前もって言うことをやめました。それからお友達の家に行くときなどは「もしかしたら今日は遊べないかもしれないよ」とあらかじめ伝えるようにしていました。Upload By 星河ばよある日大きなトラブルを起こした長男小学生になった長男は、私がフルタイム勤務していたのもあり学校が終わると毎日放課後等デイに通いました。学校のあとに行くのでちょっと疲れています。機嫌が悪くなって先生にわがままを言ったり、トレーニング活動をやらずに寝ることもしょっちゅうでした。それでも先生たちは優しく接してくださいました。この先もずっと忘れないと思いますが、長男は小学2年の時に大きなトラブルを起こしました。先生の顔に椅子を当ててしまったのです。私は話を聞いた時ショックのあまり目の前が真っ暗になりました。それからすぐに、一体何があったのか、先生のケガの具合は、傷跡が残ったらどうしよう、ということが頭を駆け巡りました。長男が先生をケガさせてしまった理由は、お友達とのトラブルがきっかけでした。お友達と2人でDVDを見ていたところ、そのお友達が何度も何度も同じシーンばかりを戻して再生していたのだそうです。それに我慢できなくなって長男は怒り、それをなだめようとした先生に椅子を当ててしまったとのことでした。先生は念のため病院を受診。私も夫も大きなショックを受け、夫婦で誠心誠意お詫びしました。失礼ながら先生のお顔のケガを確認したところ(穴が開くほど拝見してしまいました)、傷にはなっていない様子でひとまず安堵したのですが、もしかしたらファンデーション等で隠してたのかもしれないと考えたら申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。家に帰ってから長男を座らせ、今回のことについて話をしました。とはいえ私はショックのあまり怒りの感情が出ず、淡々と叱るので精一杯でした。長男はそんな私の様子が怖かったのか、反省しているのか、涙をこぼしてじっと聞いていました。Upload By 星河ばよショックを受ける私を救ったのは特別支援学級の担任の先生とは毎日、日課帳(連絡帳みたいなもの)でのやりとりがあるのですが、情報共有のため長男が起こしたことについて書きました。先生に話を聞いてもらいたい気持ちもあったのですが、なんとその夜先生がわざわざ電話をくれました。先生にケガをさせてしまうなんて、私の育て方がいけなかったと感じたこと、これから先どうやって長男を育てればいいのか分からなくなってしまったことなどを電話口で先生に全部伝えました。すると先生は優しくこう言いました。「お母さん。お母さんの育て方がいけなかったというのは、絶対にありません」「先生のおケガのお具合は気になるところですが、誰かにケガをさせてしまうこと、誰しも一度くらいはあると思いますよ。それに子どもは小学校の中学年になるとギャングエイジと呼ばれる時代に入っていきます。仲間意識が強くなって保護者や教師にこれまでとは違った態度を取るようになります。成長の過程ですからそれでいいんです。ですからお母さんがそんな風に思わなくていいと思うんです」先生の言葉が1つひとつ私の心に染み込んでいくようでした。長男の担任の先生がこんなに温かい先生で心からありがたく感じ、私はまた涙が出ました。Upload By 星河ばよおわりに担任の先生はその後転任されてしまいましたが、あの時担任の先生でいてくださったことに本当に感謝しています。私が先生の温かい言葉にどんなに救われたか、感謝してもしきれません。子どもに関わるすべての先生たちのご健康とご多幸を心から願っています。執筆/星河ばよ(監修:室伏先生)放課後等デイサービスでのトラブルについて、ばよさんのお気持ちも交えて共有くださり、ありがとうございます。気持ちの切り替えが難しかったり、癇癪を起こしやすいとのご相談も数多くいただきます。とはいえ、その原因や背景はさまざまです。予定の変更が苦手、感覚過敏(特定の音や教室のざわざわが苦手、偏食、服の素材によっては不快感を感じるなど)、お友達となんとなくうまくいかない、真面目過ぎたり正義感が強過ぎたりして「まぁいいか」と考えられない、頑張っているのに怒られてしまうことが多いなど、これ以外にも要因はたくさんあります。ほかのお子さんが全くストレスに感じていない事柄に対して、大きな負担やストレスを抱え、それに耐えて生活している可能性がありますので、そのお子さんの背景や性格、置かれている環境に応じた対応が必要になります。長男さんが先生におケガをさせてしまったことについて、私も特別支援学級の先生と同じ意見です。先生にケガをさせようと意図したのでは決してなく、自分の怒りをうまくコントロールできなかった結果、失敗してしまったのです。このような失敗は誰しも経験があります(身体的なケガでなくても、心にケガをさせてしまうこともあります)。上述したようなさまざまな負担に日々耐えていると、自分の中のストレスのコップが常に満タンに近い状態で、少しの刺激で簡単に怒りが溢れてしまうのかもしれません。失敗してしまったけれど、お母さまのお話を聞いてちゃんと理解され、反省されたこと、これがとっても大事なことです。お子さんは経験を通してさまざまなことを学んでいきますから、それでよいのだと思います。長男さんが楽しい中学生生活を過ごされること、お祈りしております。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年04月10日『文字が書ける外れにくいタスクリストバンド〈紙〉』商品開発モニター秘話発達ナビとフェリシモC.C.Pがコラボし、暮らしの中の困りごとをサポートする商品づくり第5弾。私は『文字が書ける外れにくいタスクリストバンド〈紙〉』の商品開発モニターを担当しました。Upload By 丸山さとこ「タスクチェッカーを持たせていても、失くしてしまう」という声から生まれた、紙製のリストバンドです。裏面の粘着面同士を合わせるだけで、簡単に取り付けができて外れにくいのも特徴です。油性ペンで文字が書けて、タスク管理はもちろん、忘れ物対策やちょっとしたメモとしても重宝します。※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移しますタスクチェッカーは『これからやるべきタスク』を忘れないために大変便利なアイテムです。ところが、私もコウも『これからやるべきタスク』どころかタスクチェッカーそのものを忘れがちなので、上手く使いこなせずに困っていました。コウはよく手の甲にメモをするため、腕につけられるウェアラブルメモを使うべきか迷ったこともあります。ですが、ADHDがあるコウは、1週間に2つペンケースを失くしたことがあるほど失くしものが多いのです。そのため、「繰り返し使うタイプのアイテムを持たせるのは怖すぎるな~!」と思っていました。Upload By 丸山さとこそんなコウと私が、さっそく『文字が書ける外れにくいタスクリストバンド〈紙〉』を使ってみました。まず最初に感じたタスクリストバンドのよいところは、使い終わったら手で外して完了できることでした。全てのタスクが完了したらビリっと手で外せばよいため、まだ手首にある場合は「何か終わらせていないタスクがあるのだな」ということが一目で分かります!肌に触れる感触が気になるなど、感覚の過敏があって手首に直接つけるのが難しい場合は、服やリストバンドの上から装着するのもよいと思いました。Upload By 丸山さとこ息子のコウは、手首だけではなく通学用リュックの持ち手やループにつけたりもしていました。持ち物につける場合は、前日の内に準備しておけるのもよかったようです。外さずに帰った場合、私がそれを見て「水筒持ち帰った?」「提出物は出した?」と声をかけられるのも便利だなと感じました。また、タスクチェッカーとして使うたびに新しいタスクリストバンドを用意できるため、臨機応変に内容を書き込めるのもいいですね。「同じようなことを毎日書いて面倒だな」と思ったり書字が難しかったりする場合は、油性のハンコを用意するとさらに便利なアイテムとして活用できそうです!Upload By 丸山さとこコウはもともと手の甲にメモをする習慣があったのですが、近年は感染症対策としてアルコール消毒や手洗いをする機会が増えたことで、手の甲に書いたメモが消えてしまうため困っていました。スマートウォッチで代用することも考えましたが、小中学校ではデジタル機器の持ち込みが禁止されているため、対策の難しさを感じていました。その点、紙製のリストバンドであれば「デジタル機器持ち込み禁止」のルールを守りながら、タスクの管理をすることができます!また、表側の記入面はペールトーンのやわらかい色彩なので、屋外で見た時に目がチカチカしにくかったです。そんなところにも細やかな使いやすさを感じました。『文字が書ける外れにくいタスクリストバンド』は、自分の手首につけることで紛失や見落としを減らすことができる、とても便利なタスク管理のアイテムでした。ディスポーザブルな紙製のリストバンドのため、完了していないタスクの有無が一目瞭然であることもありがたいポイントでした!・タスクチェッカーを見るのを忘れがちな方・「タスクチェッカーをすぐに失くしてしまうかもしれない」と心配な方・手の甲にメモをする習慣のある方このような方々には特に、一度お試しいただきたいアイテムだと思いました。Upload By 丸山さとこ※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します
2024年04月09日小3でADHD、ASDと診断された息子の幼少期息子・コチ丸は小3の頃にADHD(注意欠如多動症)とASD(自閉症スペクトラム症)の診断を受けました。小さな頃から落ち着きがなく、歩き始めた頃には周りも省みず、どこかへ行ってしまうことが多々ありました(焦)。一度、スーパーで後ろを隠れてついていき、いつになったら親を探すかというのを試してみましたが、どれだけ待っても探してくれることはなく(笑)、電気屋でテレビを観てくつろいだり、おもちゃ売場でゲームをやってみたりと自分の関心事にずーっと夢中でした……。最終的に私が待てなくて折れるという結果に……(汗)。私はコチ丸が診断された当時、子どもの発達に携わる仕事をしていたので、診断が出た時には「やっぱりか」という気持ちと同時に、この手に負えない感じは私のせいでもコチ丸のせいでもない、「しょうがないことだったんだ」と思えるようになり、そこからはコチ丸のやることを受け入れられるようになりました(単純)。Upload By あきトラブル続きの小学生時代。行事の参加自粛を求められることも……コチ丸は小学校時代、ほぼ教室にはおらず学校のなかを自由に歩き回ったり、図書館で本を読み漁ったりしていたようです。・とにかく、やりたいことはやらないと気が済まない→学校で興味本位で落ち葉に火をつけてボヤ騒ぎを起こす。・ちょっとしたことでカッとなる→掃除をしないことに注意をされて、掃除用具を持ったままくってかかり、女の子に怪我をさせる。・先が読めない→自転車ごと田んぼに突っ込む。口に入れていた単三乾電池をうっかり丸飲みする。と、トラブルが尽きない子どもでした。Upload By あき当時は大事な行事などがあると「コチ丸くんについて見ていられる先生がいないので、当日は休んでもらえませんか?」と打診されたりして、私としては小学校には不信感しかありませんでした。小5の時、卒業式に参加するのを「絶対に大丈夫」と本人が言い張り、私も頑張ってほしいと思い学校に頼んだことがありました。しかし、結局じっとできず、こっそり体育館の2階に勝手に上がって、式の様子を高い窓から覗き込んで見下ろしていたところ、参列していた保護者と目が合いビックリして悲鳴を上げられ大騒ぎになり、卒業生より目立ってしまったことも。すぐに呼び出されて怒られました(汗)。当時の卒業生には申し訳なかったです……。Upload By あき小3から「自由登校」開始。中学進学先は担任と意見が分かれ……小3の頃から、わが家は「自由登校」を始め、コチ丸自身が学校に行きたいと思った時だけ登校するようになりました。週に3~4日は家にいたのでランドセルはキレイなまま、小学校生活は終わりました(笑)。地元の中学に入学するにあたり、学習が遅れていることを理由に小学校からは特別支援学級への進学を勧められました。確かに小学校にはほぼ通っておらず家でも全く勉強はしてなかったので、中学の通常学級で授業についていくのは難しいだろうという先生の考えは理解できました。しかし、コチ丸はものすごい読書家で、読んだ本の内容をほぼそのまま覚えているなど、私よりずっと博識な子どもです。その上、好奇心旺盛でNPOなどの野外活動に一人で参加し、先陣きって何事も臆することなくやるタイプだったので、問題解決能力もそれなりにあるのでは……と感じていました。そのため私は、「コチ丸には中学校の特別支援学級より、もっと本人の個性を活かせる環境がどこかにあるのでは?」と思えてなりませんでした。Upload By あき私立中学への進学を決断。親子で歩み出した新たな道結局コチ丸は中学受験をし、学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)の私立中学校に入学しました。もちろんシングルの私にとっては人生予定外の大出費です(焦)。それでもコチ丸なりにわが家の状況を理解してくれていて、これはわが家にとってはスゴく大変なことなんだということを察してくれていたのだと思います。最初こそ休みながらでしたが、中1の終わりには生徒会に入り、やがて生徒会長になり公立高校に進学しました。大出費(笑)でしたが、間違いなく親子の人生を変えてくれた大満足な中学生活を送ることができました。さて、現在ですが……コチ丸は私と一緒には暮らしておりません。高校受験は自らやりたいことがあると、住んでいた愛知県から北海道の公立高校に入学し、寮生活を送っております。さらなる大出費です(笑)。あんなにいろんなことがあった賑やかな日々から一点、寂しい毎日ですが、たまに入ってくるコチ丸らしい淡々とした、でも愛嬌のあるLメッセージに心救われています。Upload By あきこれからコチ丸のこれまでの習い事や勉強、学校選びなど、数々の分岐点をコラムで振り返れたらと思っておりますので、よろしくお願いします!執筆/あき(監修:森先生より)あきさんのように、診断を受けて「私のせいでも子どものせいでもない、しょうがないことだったんだ」ととらえることができると、これからどうしたらいいかを前向きに考えることができますね。無理に型にはめようとするのではなく、個性を活かせる環境を探してくれたからこそ、お子さんは自分が本当にやりたいことを考えることができるようになったのでしょうね。保護者としては、1つひとつの分岐点で迷いもあるでしょうし、焦りもあるかと思います。お子さんのためになる選択を、長い目で見て考えることができるといいですね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年04月09日背伸びしない志望校選びと、子どもに過剰な負担をかけないために…こんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』ほか、著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。お子さんが「とにかく地元の公立中には行きたくない」という場合や、「小学生に過剰な受験勉強をさせたくないけど、もし、うちの子が楽しく過ごせる学校があるのなら……」などと考えているご家庭向けに、うちの3兄妹の私立中高一貫校、3回の「塾なし」中学受験を踏まえた私の経験を元にお話しします。・志望校の選び方・面接対策のポイント・やる気とモチベーションUPのコツ・メンタルケアと親の接し方について、ご参考になれば幸いです。Q:志望校はどうやって選んだの?長男の場合はA中学に「一目惚れ」状態でした。次男と長女は兄が通う姿を見て「自分もA中学に行きたい」となりました。それまで私は、子どもの私立中学進学は全く頭になく、県内の超有名進学校ですら「どこかで聞いたことがあるような?」という程度で、私立中学各校への事前知識や先入観は皆無でした。そんな私たち親子が、最初に「A中学」という、地元でも「知る人ぞ知る」という感じの小規模校を知るまでの経緯を……。うちは地方都市在住のため、首都圏ほどには私立中学の数自体が多くありません。そして、子どもたちには感覚過敏などがあるので、通学の負担があまりに大きいと、たとえどんなに素晴らしい学校でも6年間自分で通うのは難しいと判断し、志望校を探す最初の段階で、「ドア・ツー・ドアで通学1時間以内」の学校に検索対象を絞ってしまいました。そこから、受験勉強の負担が大き過ぎる超難関校や、「男子校は絶対無理!」など、子どもの希望条件に合わない学校を除外していくと、実質、選択肢は2校程度。そのうちの1校のWebサイトを長男と一緒に見て、「へえ、パパの職場の沿線に、こんな学校があるんだね〜」と興味を惹かれ、最初に学校見学に行ったのが、A中学でした。開放的な雰囲気で、合理的で自由な校風のA中学は、長男の個性にピッタリの学校で、ひと目見てすっかり気に入ってしまい、一応もう一つの学校も見学したのですが、長男は「A中学しか受けない」と早々に決めてしまいました。私も小学校では「空気が読めない」と見られがちだった長男が、体験授業の時に少々ズレた質問をしても、積極的に発言できたことを先生が非常に好意的に高評価で受け止めてくれたので、「この学校なら、長男を”できる子”として扱ってくれるだろう」と確信しました。一途な性格の長男は、「絶対A中学に行きたい」という目的意識ができ、やや遅まきの受験勉強スタートでも行きたい学校のためなら、持ち前のド根性&過集中パワーを発揮して頑張れました。次男と長女も、兄の受験のときに見学会や体験授業に一緒に連れて行ったり、行事や文化祭などで度々A中学に訪れたりして、学校のイメージや受験へのモチベーションができていったのだと思います。Q:うちの子、面接が苦手そうなんだけど…コミュニケーションが苦手なお子さんほど、面接の練習は十分な時間と量を確保して対策すれば、やればやるだけ効果が出やすいと思います。「志望校の専願入試は、一般入試より合格しやすいし、科目が少なくて学力試験の負担が少ないけど、面接があるのよね……」「うちの子は人と話すのが苦手だから、面接試験なんてハードル高そう」など、面接ありの入試方式に、二の足を踏むご家庭もあるでしょう(私もそう思っていました)。でも私は、人と話すのが苦手な子ほど、小学生のうちから面接練習をしたほうがいいと思います。中学受験に限らず、この先、大学受験(推薦・総合型など)、バイトの採用、就職活動など、人生の節目節目に「面接」はついてきます。親がしっかりフォローできる今のうちから、時間をかけて面接に慣れておくとお子さんの人生の選択肢が広がります。また、うちの子たちは面接練習を通して、自分自身を客観的に見つめたり、自分のことを自分の言葉で伝えたり、相手の話に耳を傾け質問の意図を汲んで、言葉のキャッチボールをする練習をしたりすることは、本当に良いSST(ソーシャル・スキル・トレーニング)にもなりました。結果にかかわらず、面接練習はやっておいて損はないと思いますよ。かなり独自のものですが、うちの面接対策のポイントは……・志望校のイベントにフル参加して、体験授業や文化祭での具体的な経験を得る・出願書類、自己分析、よくある質問、学校資料などをまとめたファイルを親子でつくる・親以外の人にも面接官役をお願いする(数回でもOK。塾や学校の先生、スクールカウンセラーなど)・本番一ヶ月前から毎日、面接と同じ時間(10-15分程度)を確保して、入退出含めて練習・動画を撮ってセルフチェックする・日頃から、親子でたくさん雑談する……などでした。Q:やる気とモチベーションUPのコツは?「子ども本人が中学受験に主体的になる」ということを、うちでは特に意識しました。親のフォローや協力なくしては、小学生が中学受験するのは難しいと思いますが、それでも、受験勉強するのも、試験を受けるのも、その中学に通うのも、当然ながらその子自身なのです(代わってあげたいときもありましたが……)。ですから、志望校や受験方式を決める際も、勉強の進め方や内容・学び方も、私が強制的に親の考えややり方を一方的に押し付けることのないよう、その都度子ども自身の意志を確認・反映しながら進めました。ただし、子どもの要望の中には現実的には難しいことや、「そろそろコレをやっておかないと入試に間に合わない」といった学習計画上の都合もあるので、そこは事情を説明して相談しながら、一緒に作戦会議を繰り返しました。子ども自身が自分で決めたこと・選んだことや、多少妥協しても納得できたことならば、主体的に頑張れると思います。また、計画表や工程表、「やることリスト」などを作って壁に貼ったり、使用済みの「ふせん」やノートを集めたり、負担が大きな時期には「ポイント手帳」のポイントUPをしたり、小目標を達成したときの「ごほうび設定」をしたり……など、「頑張りが見える工夫」をすると、やる気UPに効果的でした。それから、勉強の前に親子でトランプやかるたであそぶ時間を作ったり、行き詰まったらストレッチしたり、お城や博物館にお出かけして(みんなに内緒で)美味しいものを食べたり、一緒にゲームしたり歴史系のアニメ観たり……など、適度に息抜きしながら身体を動かしたり、勉強にも体感型学習やあそびの要素を取り入れるのもいいと思います。Q:メンタルケアや親の接し方はどうしたらいい?まず、大前提として、どんなにしっかりしたお子さんでも、どんなに聡明で利発なお子さんでも、「小学生は小学生」だということを、周りの大人たちは忘れないようにしてあげてほしいと、私は思っています。発達障害のある・なしにかかわらず、どんな子でも心身共に発展途上にあるのが「子ども」なのです。ましてや思春期の入り口に立っている子どもたちは、さまざまな面でアンバランスで繊細でもあり、たとえ難関校志望でなくとも、小学生が受験をすること自体、多少なりとも心身に負担がかかってしまいます。ましてや、元々発達障害や不登校傾向のある子などには尚更、細心の注意と配慮が必要でしょう。そこでうちでは、まず、受験勉強中でも基本的な生活習慣は極力変えないようにしました。私は子どもの心身の健全な発達には、十分な睡眠とあそびの時間が最優先で必要だと考えているため、「うちの中学受験の鉄則」として……・睡眠時間は一切削らない(どんなに勉強のやり残しがあっても、夜9時には「終わり」)・勉強時間は、小学校の宿題+1日1時間まで(休日/長期休暇は+2時間まで)・いつもどおりにあそぶ(好きなゲームや友だちとあそぶ時間は直前期まで制限しない)……といったことだけは守るようにしました。勉強時間については、集中力にムラがある長男は、朝と夜の2回に分けたり、15分ずつに区切ったりしました。体調を崩しがちな次男は勉強時間をさらに少なくし、内容も必要最小限にしました。それに加えて、・できるだけ子どもの話を聴き、ストレスをこまめに解消する(場合によっては、スクールカウンセラーや医療機関も頼る)・学習計画は無理のないように、子ども自身の意見や意志を聞きながら調節する・疲労やストレスが溜まってきたら、勉強を休ませる…なども、心がけました。「そんなことでは、志望校に到底受からない」と思われる方も中にはいるでしょうが、そもそも、そこまで努力しなくては合格できない学校は、うちでは最初から志望校リストから除外済みなので、本命A中学に絞った受験勉強ならこれで十分でした(それでも、それぞれに課題を抱えた子ども達にとっては、決して「ゆる受験」「ラクな受験」などではありませんでした)。結果、3人共無事A中学に合格し、入学後も比較的すんなり新しい環境に馴染むこともできました。あまりに受験勉強の負担が過剰だったお子さんの中には、せっかく合格しても、入学直後に燃え尽きて通えなくなったり、突然勉強が手につかなくなったり、中1から教室で荒れたりして、適応できなくなってしまう子もいると聞きます。わが子の幸せを願って中学受験したはずなのに、それでは本末転倒になってしまいます。一般的な勉強時間などの目安がどうであれ、ストレスや疲労、プレッシャーなどへの耐性や回復力は、一人ひとりの子で違います。お子さんの様子を日頃からよく観察し、「心身に負担がかかり過ぎている」と判断したら、志望校や入試方式を見直したり、場合によっては中学受験から潔く撤退するのも賢明な選択ではないかと思います。まとめ中学受験に対して「小3から塾通い」というイメージが強いと、お子さんに合った私立中学に進学させたくても、「うちの子には受験勉強なんてハードル高すぎる」と感じられるご家庭も多いと思いますが、志望校や受験方式次第では、5年生頃からの自宅学習でもなんとかなると思います。それでも「小学生は小学生」なので、勉強内容やスケジュールなどに無理のないように配慮して、お子さん自身の意志を尊重しつつ、親子でたくさん話し合い相談しながら、その子の学び方のペースに合わせて個別に調整していくといいでしょう。「塾なし」は親も大変だと思いますが、親子で乗り越えた時間は、結果にかかわらず、この先の本格的な思春期・青年期を支える親子の信頼関係の土台になってくれると、私自身の経験から実感しています。親御さんのほうも、くれぐれもご無理のないように、応援しています。文/大場美鈴(楽々かあさん)(監修:井上先生より)お子さんの意見を聞きながら、やる気が出るように学習ペースを見える化して親御さんが見守ること、なおかつ教え方もその子に合わせて工夫をされたのでしょう。誰にでもまねできるものではないかと思いますが、上のお子さんの経験を下のお子さんにも活かされているのかと思いました。中学受験や高校受験でよく相談を受ける内容として、発達障害があることを事前に伝えるかどうかというものがあります。一つの基準は、入試に際してどの程度の配慮が必要かどうかというのが挙げられます。仮にオープンにしたとして、入試に対してマイナスになることはないですが、教室での試験や面接に際して合理的配慮が必要でなければ、入学前にオープンにする必要性は低くなるかと思います。入学後は必要に応じて、合理的配慮を要求する場合には障害についての情報共有をしていけるとよいでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年04月08日重度知的障害(知的発達症)の息子が苦手なもの。それは……息子は3歳の時に重度の知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。息子にはある苦手なものがあります。無発語なので言葉で説明することはできませんが、それは特定の人形や置物。どうやら形が関係しているようなのですが……。人形や置物をせっせとひっくり返す息子。もしかして……?私が気づいたのは息子が小学校4年生くらいだったと思います。ある日、棚に置いてあった特定の人形や置物の視線がこちらを向かないように、せっせと後ろに向けたり布をかけたりしている息子を見つけました。イライラしていたり、怖がっている風でもなく、いたって真面目に淡々と人形を後ろへ向けている息子。あ、もしかして人形にこっちを見てほしくないんだな?と思いあたりました。Upload By ユーザー体験談思えば、幼い頃から特定の柄や物に苦手意識があったのかもしれません。しかし、当時は苦手だということを訴える術がなかったのでしょう。幼い頃からある部屋に入るのを拒むということがありましたが、それは苦手なものがある部屋だったからかもしれません。そして観察してくと、どうやら息子は動物の人形や置物は大丈夫なのですが、人の形をした物、特に顔の部分が苦手なようだと分かりました。人形の視線が怖い……というのはなんとなく分かるのですが、息子は苦手な「形」もあります。息子はハニワが許せない!?真っ先にハニワを180度回転させます息子が苦手な形は「丸」です。すべての丸に対してではないので、丸は丸でもなにか違いがあるのだと思います。想像でしかないのですが、もしかしたら人の目のように見える丸が苦手なのかもしれません。苦手な丸を見つけると布をかぶせたり、自分から見えない位置に移動したりしています。たくさん物が置いてあるおばあちゃんの家へ行くと、息子の人形や形への苦手さがよく出ます。本人はおばあちゃんのこの部屋なら、あの置物とあの表示が嫌だと分かっているので、部屋に入ってすぐ毎回同じ物をひっくり返したり、布をかけたりしています。中でも一番に動かすのはハニワ。おばあちゃんのリビングには中央を向いてハニワが鎮座しているのですが、それを180度まわして窓の方へ向け、自分と目が合わないようにしています。ハニワの目と口、まん丸ですものね……。きっとかなり苦手な部類なのではないかと思っています。Upload By ユーザー体験談ちなみに、帰り際このハニワを元の方向に直すよう言うと、本人は素直に直してくれ、これが帰る合図ともなっており、そのまま帰宅する……というのがいつもの流れです。Upload By ユーザー体験談「そうだよね、なんとなく苦手ってあるよね」と息子と共感しあえた気分このような苦手さは今も続いています。ひっくり返したり隠したりする行為は、少し大げさですが自分にとって苦手な物を回避する訓練になるかと思い、また幸い存在するだけではパニックや癇癪に至らないので、空間から排除したことはありません。なかなか隠せなかったりするとパニック、癇癪が起きそうなので、常に布を用意したり、あらかじめテープを貼って隠したりしているものもありますが、幸いまだパニックになったことはありません。Upload By ユーザー体験談苦手意識が過度になると本人もつらいと思います。少しずつ克服してくれたらと気をもんでいるところです。でも、誰でもなんとなく苦手な模様や怖く感じる絵とかありますよね……?言葉を話さずコミュニケーションを取りづらい息子と、こういうところで共感し合えて、少し嬉しい気持ちもある私です。イラスト/keikoエピソード参考/あきこ(監修:新美先生より)お子さんによって、どうしても苦手なものがあることはありますよね。黒い丸が2個並んでいるのは苦手という方、時々いるようです。記事中で分析されていたように、目が連想されて不安になるのかもしれないですね。どうしても苦手なものがある場合、我慢しても気が散ってしまい、その空間で過ごすことがストレスになってしまいます。見えないようにする工夫は大事だと思います。息子さんの場合は、淡々と自分で見えないように向きを変えるなんてすごいですね。また布などで隠すなどもよいやり方だと思います。自閉タイプの方は「見えないものはないもの」と割り切りやすいので、見えないようにすることは良い工夫ですね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年04月08日保護者と離れられる?座っていられる?声を出してしまったり……。心配がいっぱい⁉発達に特性があるお子さんの入園、入学式新年度がスタートしました!お子さんが入園入学を迎えるなど新しい環境に身を置かれる方も多いのではないでしょうか。この記事では、発達ナビの会員の方から寄せられた読者体験談、そして連載ライター陣の入園式、入学式にまつわるエピソードをまとめてご紹介します!発達に特性があるお子さんの入園、入学式、座っていられる?声を出してしまわない?と心配なことが多いと思います。見通しの大切さ、伝え方など式前に「こうしておこう!」と思えるような参考になるエピソードをお届けします。式中大号泣!どう伝えればよかった?見通し不安から大パニック!入園式のエピソード4選年中で軽度知的障害、ASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けた知的障害特別支援学級在籍のお子さん。4月の新学期シーズンになると毎年思い出すのが、大変だった幼稚園の入園式だそうで……。見通しの大切さを痛感するエピソードです。3歳でASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)の診断を受けた見通し不安がある息子さん。数字にこだわりがあるそうで、入園式前に「だいたい何分くらい?何をするの?」と聞いてきた息子さんに「時計の針がぐるっと一周して長い針が6にくるまでには終わるよ」と伝えたのですが、結果大パニックになってしまったそうで……。入園前にASD(自閉スペクトラム症)と診断された星あかりさんの息子のスバルくん。幼稚園側はスバルくんの特性を理解してくれていたのですが、入園式は問題なく目立たず無事に終わってほしい……と思う星さん。式中に立ち上がろうとするスバルくんの腰をつかんで座らせたり、静かな攻防戦を繰り広げていたそうなのですが……。3歳の時にASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けたゆきみさんのご長男・けんとくん。以前、写真スタジオでスーツのような服を着た時大号泣してしまったことがあったため、入園式で制服を着るとパニックが起きてしまうのでは……と心配したゆきみさんが、入園式に備えて制服を着る練習を開始!本番で制服を着たけんとくん、入園式を乗り切れたでしょうか?式中大号泣!見通し不安から大パニック!入学式の2つのエピソード小学校入学後にASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けた娘さん。小学校入学式に際しては、前日のリハーサルに参加、そこで担当の先生に、娘さんの特性を説明し無理をさせない形にしたいこと、母と一緒に入学式を見学する形にできないかとお願いしたのですが、先生は「大丈夫大丈夫」と全く心配していない様子だったそうで……。心配しながら迎えた本番、入場時の花道で見たのは6年生に引きずられているように歩いている娘さんの姿。「入学式に参加させるのを止めるべきだった後悔しました」と語る保護者さんの体験談です。ASD(自閉スペクトラム症)、重度知的障害(知的発達症)と診断をされているカタバミさんのお子さんのまちゃくん。入学式の当日は、恐れていたことが起こってしまったそうで……。「ショックで行事はこれから全て欠席させようかと思ったほど」と感じた衝撃の入学式から特別支援学級に通った1年、まちゃくんは大きく成長しました。心配してしまうけれど、入園・入学式は通過点!みなさんの新生活が楽しいものであるよう応援しています!たくさんの人が集まって静かにお話を聞くという、いつもと違う環境は緊張して当然です。入園、入学式はこれから始まる新生活のただの通過点、これからお子さんたちが過ごす日々の中でたくさんの楽しいことに出合えるよう、応援しています!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年04月07日「学校へ行きたくない」を受け入れ続けて大丈夫?不登校や子育ての転機など2024年3月に公開した読者体験談『発達ナビ 読者体験談』は、会員のみなさんからご投稿いただいたエピソードを元にした記事です。発達ナビの連載ライターさんなどにイラストをつけていただき、コミックマンガエッセイ化しています。今回は、2024年3月に公開した読者体験談をまとめてご紹介いたします。3月に公開された体験談のテーマはコチラです。・不登校・発達障害子育て、わが家の転機・重度障害のわが子の困った行動みなさんのリアルな声と、それに応えた専門家の先生方のコメントにご注目ください!読者体験談を一気にご紹介!【2024年3月】「学校を休みたい」と言われたら「いいよ」と受容すればいいことは分かってる……けれど、本当にそれでいいの?このままだと子どもの将来はどうなるの?不登校のお子さんを持つ保護者さんは「このままで大丈夫なのか」といつも葛藤しているのではないでしょうか。そんな保護者の不安、疑問に、専門家が詳しくお答えしています。不登校を受容することは甘やかしなのか?ぜひご覧ください。DQ(発達指数)が境界域の息子さんを育てながら正社員としてフルタイムで働いていた保護者さん。キャリアアップのため転職をしたタイミングで、息子さんの登園渋りが始まってしまって……。発達障害のあるお子さんの子育てと仕事の両立、多くの方が悩まれているのではないでしょうか。投稿者さんの選択、そして決断後今思っていることについてまでご共有いただきました。3歳でASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)と診断を受けた息子さんは、幼稚園から理解されず、親子ともどもつらいご経験をされました。そんな中、幼稚園の年中から通い出した児童発達支援とそこで受けたペアレントトレーニングで、育児に転機が訪れて……。「迷惑をかけないように……」そう思って気を張り、あやまってばかりいた重度知的障害(知的発達症)とASD(自閉スペクトラム症)の息子さんを育てている保護者さん。ですが、3つの転機をきっかけに考え方が変わったそうです。「迷惑をかけないにしないと」と思って子育てをしている方にぜひ読んでいただきたい1本です。小学1年生の時にASD(自閉スペクトラム症)、中学1年生でLD・SLD(限局性学習症)と診断されたお子さんの転機は、小学2年生の時に先生に言われたとある一言でした。小学校で荒れていたお子さんが、前を向くことになったきっかけは?先生方の支援に胸が熱くなるエピソードです。重度知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)で、無発語の息子さんは、飼っている猫のことを不思議な存在と感じ、少し恐れているようで……。保護者さんから見た、息子さんと猫のやりとりに、なんだかほっこりです。現在12歳で重度の知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)と診断さたお子さんは、お風呂が大好き。そしてあるこだわりがあるそうで、そのなかにはちょっと困ることもあって……。困ったルーティンにどう対応すればいいのでしょうか?つらかった、楽しかった……発達障害のお子さんを育てた経験談は、きっと誰かの役に立ちます!エピソード募集中!『発達ナビ 読者体験談』では、発達ナビユーザーのみなさんからのご投稿を募集しています。現在の募集テーマはこちらです!・障害告知でのトラブル・パートナー(夫婦) との間でのトラブル・両親(義両親)、親族などの間でのトラブル・進学・受験関係でのトラブル・冠婚葬祭関連でのトラブル・お子さまの反抗期、思春期でのトラブル・お子さまの自傷でのトラブル・お子さまの学習関係でのトラブル・不登校、行き渋りでのトラブル・お子さまとゲームの関わりでのトラブル・子さまの不器用さでのトラブル・ママ友や、ほかの保護者の方とのトラブルでのトラブル・ご近所関係でのトラブルご投稿いただいたエピソードを基に、発達ナビの連載ライターさんなどのイラストによってコミックマンガエッセイ化、監修の先生からエピソードについてコメントをいただいたものを発達ナビ上でお届けします。共感や気づきを得られるようなエピソード、誰にも相談できないお悩みや、ママ友トラブルまで、さまざまなエピソードをぜひお寄せください。ご応募は以下の応募フォームよりご投稿いただけます。みなさまのご投稿お待ちしております!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年04月06日学校から帰ると泣き出した自閉症長男。同級生の女の子とトラブルがあったようで……Upload By taekoある木曜日のことです。学校から帰宅したミミがポロポロと泣き出し、学校で嫌だった出来事を話してくれました。保育園から一緒だった同級生の女の子にフラフープをぶつけられたのだそうで「泣くほど痛かった」と。心配したほかの友達が駆け寄ってきてくれたそうです。また、ほかの場面でもその女の子に「どけ」と言われたそうで、「生きるのつらい。消えちゃいたい……」と涙のミミ。私は自分の小学生時代を思い出し(4年生の女子は強かったな……。そんなこともありそうだな……)と考えたりしつつ、「それは悲しかったね」とミミを抱きしめました。それから、学校から配布される電話相談カードを見せて、「いつでも電話で相談できるよ。電話してみる?」と伝えると、ミミは「どうせ意味ない」と拒否。さらに「そのカード捨てて!」と不機嫌になってしまいました。「先生に電話して何があったか言えるなら、明日学校休んでいいよ」と言っても、ミミは電話しようとはしませんでした。担任の先生への信頼が薄い長男私は、もちろんミミから言われた話をいつも信じるようにしています。ですが、事実かは分からない、とも思っています。担任の先生に私から事実を確認したり相談するか考えましたが、ミミは担任の先生があまり好きではなく、「聞き取れなかったから先生に聞きに行ったのに『一度で覚えろ』って言われた」、「授業中も分からないから手をあげていないのに、指してくるんだよ!」と怒って先生への文句をよく言っています。ですので、「先生に話しても無駄」だと思っているのでしょう(私は「学校はいろんな人がいることを学ぶところだから、合う人・合わない人がいるんだよ」といつも伝えています)。少し迷いましたが、ミミも4年生なので、嫌なことがあってもそれに自分で対応することも必要でしょう。また嫌なことがあったらきっと話してくれるはず、次なにかあったらまた考えようと思い、私は、私から先生には伝えず、見守ることにしました。渋りながらも学校へ行ったけれど、学校は大丈夫かな……翌日の金曜日、ミミは渋りながらも学校へ行くことはできました。なんとか登校してくれたけれど大丈夫かな、またあの女の子ともめていないかな……と心配していたのですが、1日学校で過ごし帰宅したミミは、インターネットである曲を検索してノリノリで聞いています。「学校のお友達に聞いたんだ!」と嬉しそうなので、私がその歌の歌詞をプリントして渡すと覚えて楽しんでいました。そのあとの土日は休みだったので、ミミは自分で好きなことをやっていました。歌を歌う、ペットの猫と遊ぶ、叔父さんからもらった図書カードで好きなマンガを買って読破!この充実した休日でよく気分転換もできたし、元気も蓄えられたのでしょう。週明けの月曜はスムーズに登校できました。Upload By taekoいつのまにか自分で切り替えられるようになったんだねUpload By taeko月曜日、学校から帰宅すると「今日は少しだけ楽しかった」と学校のことを話してくれました。例の女の子とはどうなったんだろうと思いつつも、あえて私からは触れませんでした。それから1週間後、ミミとの会話の中でその女の子の名前がでたので、「そういえばあれからどうなった?」と聞きました。すると物を投げられたりはなく、言葉で言い合っているようです。それを話す時のミミの様子は明るくて、怒っている様子は皆無。よかった!先週の木曜日のことからミミは自分で切り替えることができたんだ!と安心しました。1年生の時だったら考えられないことです。すごく成長したんだなと思いました。私は、笑顔で「言い返したんだ~」と明るく相槌をうちました。これから、嫌なことを自分だけで消化することが増えるかもしれないけれど、嫌なことがあったら一人で抱え込まないで私に言ってね、なにかあったら助けるからね。話してくれてありがとう。執筆/taeko(監修:鈴木先生より)今の日本の教育では、学校や担任の教師の神経発達症に対する理解の乏しさが問題となっています。各市町村の教育委員会や医師会の学校医委員会などで現場の先生方と定期的に神経発達症に関する勉強会ができればいいのですが、教育現場の多忙さなどもあり、なかなか実現が難しいのが現状です。本人から親御さんへ学校の出来事を話すのが困難な場合は、連絡帳を通して伝えてあげればいいのですが、神経発達症に対する理解が乏しい担任の教師だとなかなかそれができていないことが多いのです。校長先生や支援の先生など誰か一人でも子どもに耳を傾けて聴いてくれる先生がいればいいのです。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年04月06日たくさんの困り事スバルは3歳で自閉スペクトラム症と診断されました。スバルは小さなことから大きなことまでたくさんの困り事を抱えていました。なかには成長や経験によって解決することもありました。しかし困り事は次から次へと現れ、なくなることはありませんでした。何度も「『コレ』ができるようになれば世の中で言うところの『普通』に追いつけるのに……」と思っていました。その考えは経験と共にゆっくりと溶けていき「スバルはスバル」と思えるようになるのですが、小さな頃は「追いつかなければ」という焦りが常にあった気がします。悩んだ末、特別支援学級(自閉症・情緒障害学級)へ幼稚園年長時のスバルの進路をどうするかという時期に、さんざん悩み、納得がいくまで何度も見学し、わが家はスバルの就学先として特別支援学級の自閉症・情緒障害学級を選びました。そして就学相談を経て無事に特別支援学級の自閉症・情緒障害学級への就学が決まりました。この頃のスバルは幼稚園の中で集団への指示が通らなかったり、指先や運動面で先生の補助が必要なほど不器用だったり、ちょっとずれたコミュニケーションを取ってしまったりという困り事を抱えていました。家や公園など少人数で過ごす時と比べて、集団の中に入ると爆発的に困り事が増えるスバルをずっと見てきたので、少人数で過ごせる特別支援学級はスバルに合っていると思いました。ただ自分自身が経験したことがない「特別支援学級」に少なからず不安はありました。その不安を解消するために何度も見学を重ねたのですが、実際に入学して、学校での様子を見ないことには完全に安心することはできませんでした。入学式前日、特別支援学級(自閉症・情緒障害学級)に入る新1年生のみ体育館へ集合入学式の前日の夕方、特別支援学級に入る新1年生は体育館に集合しました。翌日の入学式のために会場の準備が終わった体育館で、担任の先生から「明日ここで入学式をするんだよ」と説明がありました。「あそこの入り口から入ってきてこの椅子に……」と説明は続きましたが、スバルと新しいクラスメイト達はソワソワして集中していませんでした。我慢できなくなった1人がその場を離れたのを皮切りに、蜘蛛の子を散らすように数人がその場からいなくなりました。彼らが体育館の中で散り散りに何をしていたかというと、会場のチェックです。スバルも今がチャンスとばかりにその場でゆっくりと回転しながら、会場の全体の風景を360度目に焼きつけていました。新しいクラスメイトたちは、体育館の椅子を重点的にチェックする派、ステージのカーテンの裏をチェックする派、体育館をぐるりと一周する派、そしてそんな新しいクラスメイトの動きを観察する派がいるようでした。先生は焦ることなく「こっちにピアノもあるよ」なんて案内をしてくれました。しばらくして先生が声をかけると1人、また1人と戻ってきて説明が再開されました。先ほどの様子とは打って変わって、集中して説明を聞いていました。もしこれが幼稚園の頃で、スバルが私の目の前で会場のチェックを始めたら慌てて止めていたと思います。「みんな座って先生の話を聞いているのに、何で1人回転してんの!」と……。スバルの回転のその先に、安心と集中があるのだとしても、私は1人だけ違う行動をするスバルを止めない訳にはいかない小心者なのです。ずっとそうしてきたのです。新しいクラスメイトの保護者たちはわが子が会場チェックを始めた時、一瞬焦り止めようとしましたが、先生も一緒に会場チェックをし始めたので「おたくも?」「あらおたくも?」と顔を見合わせ、そのまま見守る流れになりました。ほかの保護者が止めていないので、私もスバルを止めることはしませんでした。小心者なので。Upload By 星あかりその後は教室に移動し、自分の教室と自分の席をチェックしました。今度は先生が「先に教室を見て良いよ」と言ったので、それはそれは、くまなくチェックしていました。そして自分の席に着き、先生の話を真剣に聞きました。翌日の入学式で「途中で退出したくなったとき」「式の流れが分からなくなったとき」「じっとしていられなくなったとき」どうしたら良いかの説明がありました。「じっとしていましょう」「座っていましょう」「静かにしてましょう」ではない説明に驚くと共に、心が軽くなりました。先の見通しが立たないと不安になるスバルは、会場のチェックやもしものときの対応法を聞くことで安心を得たと思います。はたから見れば少し変わっている「スバルが安心できる行動」が許される環境に、私は安心しました。小学校の入学式当日そして迎えた入学式当日。スバルも新しいクラスメイトたちも拍子抜けするほど落ち着いて過ごし、無事に入学式は終わりました。入学式の後、保護者は体育館に残り、新1年生は体育館から教室に移動しました。通常学級と特別支援学級は校舎が違うので、それぞれの校舎へとつながる別の扉から退場していきました。Upload By 星あかり大多数の子とは別の扉から、ホッとした表情で退場するスバルの後ろ姿を見ながら「追いつくとか追いつかないとかではなく、そもそも別の道を歩いていたんだな」と妙に納得しました。それは悲観やあきらめではなく、これから始まる新生活への期待と安心でした。面白そうなクラスメイトと理解ある先生と一緒に、私たちが選択した安心できる環境でスバルはスバルの道を歩いていくんだな……と、感じた入学式でした。執筆/星あかり(監修:初川先生より)特別支援学級(自閉症・情緒障害学級)へ入学するスバルくんの、入学式準備・本番のエピソードをありがとうございます。新しい環境だと落ち着かない、不安で(体育館などに)入ることすらできないといったお子さんには、事前に会場や使用するトイレ、靴箱を見せていただいたり、段取りを説明していただいたりすることがよくあります(通常学級に入学する場合も学校によっては対応してくださいますので、お問合せしてみてください)。スバルくんのクラスでは、皆さんまとまって下見・事前説明が行われたのですね。クラスメイトとも顔を合わせる良き機会になったことと思います。新しい場所について、ひとしきり気になるものをチェックすることで、場自体や気になるものが何であるかを探索的に理解することができるので、安心でき、一度その探索を終えていれば本番の式では探索する必要もないので落ち着いて過ごすことができたのでしょう。保護者の方からすると、そうした前日の指導をする先生方の様子を見ることもでき、安心してお任せできそうだと感じられたことと思います。「途中で退出したくなったとき」「式の流れが分からなくなったとき」「じっとしていられなくなったとき」の説明もされたとのこと、何よりです。“礼儀正しくおとなしくしていなければならない”では、不安と緊張でいっぱいの新入生にはとてもつらいですね。そうした困ったときにどう先生にサインを出すか、どうすればいいかの説明があるのはさすがだなと感じました。小学校の入学式は一生に一度のものですし、それまでの園生活よりも児童や保護者、先生方がたくさん集う機会かもしれません。お子さんらもそうした晴れやかな場にわくわくすることもあるでしょうし、保護者の方にとってはいよいよ小学校入学ということで感慨もひとしおかもしれませんね。多少のトラブルがあっても、あとから振り返ればほほえましい思い出になるかもしれませんが、きっとその瞬間はひやひやハラハラされることでしょう。式自体はこのように予習・下見したり説明を受けたりすることで、少し心に余裕をもって臨めるといいですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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