ロックフェス『KITASAN ROLLING 2024』のタイムテーブルが決定した。『KITASAN ROLLING 2024』は、茨城、栃木、群馬の3県を1年ごとに巡って開催されるロックフェス。2年目となる今年は、群馬で行われる大型屋内フェス『TAKASAKI CITY ROCK FES.2024』(通称:タカサキロック)と同時開催される。ライブは「DARUMA STAGE」「KANNON STAGE」「STUDIO THEATER」の3つのステージで展開。Gメッセ群馬が会場となるステージのトリは、6月22日(土) が6月22日(土) がASIAN KUNG-FU GENERATION、23日(日) は[Alexandros]が務める。また、各日ライブ後にDJ TIMEが開催されることも決定。22日(土) にDJ RYOHEI(Mr.ふぉるて)、23日(日) に片平実(Getting Better)が出演する。会場は高崎芸術劇場スタジオシアターとなる。<イベント情報>『KITASAN ROLLING 2024』6月22日(土)・23日(日) Gメッセ群馬 / 高崎芸術劇場スタジオシアターOPEN 10:00 / START 11:00(END 20:00予定)【出演】■6月22日(土)Ivy to Fraudulent Game / 秋山黄色 / ASIAN KUNG-FU GENERATION / カネヨリマサル / キタニタツヤ / KEYTALK / the quiet room / Chevon / 須田景凪 / すりぃ / This is LAST / THE BACK HORN / Mr.ふぉるて / yama / ヤングスキニー / LACCO TOWER / O.A. The Gentle Flower. / DJ:DJ RYOHEI(Mr.ふぉるて)■6月23日(日)ammo / [Alexandros] / 岡崎体育 / オレンジスパイニクラブ / KANA-BOON / キュウソネコカミ / クジラ夜の街 / クリープハイプ / サバシスター / G-FREAK FACTORY / シンガーズハイ / the dadadadys / 羊文学 / HEY-SMITH / PEDRO / polly / O.A. Leaps and Bounds / DJ:片平実(Getting Better)【チケット】1日入場券:9,900円Gメッセ指定席付き1日入場券:12,900円※高校生以下対象・学生キャッシュバック(高校生:1,000円 / 小中学生:2,000円)ありチケットはこちら:公式サイト: CITY ROCK FES.2024:
2024年05月10日11月9日(土)・10日(日) 神奈川・ぴあアリーナMMにて『PIA MUSIC COMPLEX 2024』(通称:ぴあフェス)が開催されることが決定した。ぴあフェスは、これまで新木場・若洲公園にて夏の終わりである9月末から10月頭にかけて開催してきた野外フェス。2021年には、コロナ禍で規制がある中、ぴあアリーナMMで開催。今年は3年ぶりに会場をぴあアリーナMMに移し、開催時期を11月に変更して実施する。詳細は後日発表される。<イベント情報>『PIA MUSIC COMPLEX 2024』11月9日(土)・10日(日) 神奈川・ぴあアリーナMM公式サイト:
2024年05月10日加藤いづみが、6月7日(金) 東京・I’M A SHOWにてワンマンライブ『SAD BEAUTY』を開催する。『SAD BEAUTY』というタイトルは加藤が1998年にリリースしたアルバム名で、本ライブには同アルバムのプロデューサーの上田ケンジ、レコーディングにも参加したギタリストの西川進も出演する。開催のきっかけは、2022年に行われた小泉今日子のツアーでの加藤と上田の再会。これを機に、また一緒にやりたいね!と意気投合。同アルバムの録音に参加したギタリストの西川にもオファーし、今回のライブが実現した。3人のライブでの共演は20年以上ぶり。加藤は「一緒にやるのは同窓会のようで、楽しみにしてます!」とライブへの期待を寄せている。アルバム『SAD BEAUTY』は加藤7枚目のアルバム。直枝政太郎(CARNATION)の楽曲も加わり、それまでのソフィスティケートポップから、エッジを利かせた先鋭かつ攻めたポップに大胆にチェンジ。ファンの間でも賛否両論が巻き起こったアルバムとなっている。儚く切ない"SAD BEAUTY"というタイトルはデビューした頃からの自分に課したテーマだという。加藤は「それまでの自分を壊したくなったアルバムでもあります。間違いなく自分のターニングポイントになった作品です」と当時を振り返る。この頃の作品は最近のライブで演奏する機会がなかったそうで、あの頃の濃い時間を過ごしてきた仲間と共に「やれることは、やれるうちに、自身の聴きたい音楽をやろう!」と開催することになった。ライブでは『SAD BEAUTY』からはもちろん、8thアルバム『Spring-a-ring-a-ring』(1999) に収められた上田ケンジ・プロデュースの「元気でね、バイバイ」「切なく青い空のページ」も演奏。ほかにも代表作でもある「好きになって、よかった」(1993) や「ZERO」(1991)、「シャンプー」(1992) を披露予定で、90年代に発表した楽曲限定のライブになるとのこと。チケットは、5月11日(土) 10時より一般発売がスタート。加藤いづみ コメント動画<ライブ情報>『SAD BEAUTY』6月7日(金) 東京・I’M A SHOWOPEN 18:00 / START 19:00■メンバーBass&Band Master 上田ケンジGuitar 西川進Keyboards 渡辺シュンスケDrums 河村吉宏【チケット料金】全席指定:8,800円(税込)※1ドリンク代600円別チケット情報:加藤いづみ オフィシャルサイト:
2024年05月10日秋のキャンプイベント『AKABIRA CAMP BREAK 2024』が、9月21日(土)・22日(日) に北海道・赤平エルム高原リゾートで開催されることが決定した。今年で3回目の開催となる『AKABIRA CAMP BREAK』は、「深呼吸みたいな、ひとときを。」をキャッチコピーに、キャンプを楽しんだり、ゆらゆら揺れながら音楽に耳を傾けたりなど、日常から一旦ブレイクし、特別な時間を過ごすことができる秋のキャンプイベント。出演アーティストやコンテンツの詳細は後日発表される。また、5月11日(土) 正午より、通し入場券を2,000円割引で購入できるオフィシャル抽選先行がスタートする。<イベント情報>『AKABIRA CAMP BREAK 2024』会場:北海道・赤平エルム高原リゾート9月21日(土) OPEN9:00 / START12:009月22日(日) OPEN10:00 / START12:00■オフィシャル抽選先行:5月11日(土) 12:00~5月19日(日) 23:59()公式サイト:
2024年05月10日忘れらんねえよが2024年のゴールデンウィークの3日間(4月28日、5月1日、5月3日)、既存97曲と新曲3曲のトータル100曲をやり切る「全曲LIVE〜忘れらんねえよの曲ぜんぶやる〜」を開催した。ここでは最終日の下北沢・近道の模様をレポートする。そもそも「CからはじまるABC」「この高鳴りをなんと呼ぶ」「俺よ届け」がそれぞれYouTubeで100万回再生を突破したことを記念し、「この高鳴りをなんと呼ぶ」を約9時間の生配信中に100回歌唱するなど「100」にまつわるトライを積み重ねてきた柴田隆浩(Vo&Gt)。今回の100曲ライブは所属事務所のマネージャーの提案だったそうだが、シンプルに考えてしばらくライブで披露していない曲の復習、バンドでの練習はもとより、今となっては思い出したくない精神状態がフラッシュバックする時期の曲もあるだろう。単に体力の限界に挑戦する企画ではないのだ。ということは今の柴田はすべてを受け入れ俯瞰する精神状態にあるのかもしれない。柴田がギターを掲げるデザインのグッズTシャツを着込んだ人もかなりいて、しかも年齢層も厚いコアなファンが続々とフロアを埋めていく。各々の期待感で空気が満たされたところに、サポートメンバーのイガラシ(Ba / ヒトリエ)、ロマンチック☆安田(Gt / 爆弾ジョニー)、タイチサンダー(Ds / 爆弾ジョニー)が脱力した「ワタリドリ」([Alexandros])を鳴らし、スタッフに担がれた柴田がフロアからプロレス入場。お馴染みの光景だが、いきなりテンション爆上がりである。「始めましょうか、全曲ライブ最終日」と、覚悟の決まった第一声から比較的近作と言っていいであろう『週刊青春』から「君は電話に一切出ない」でロケットスタート。歌詞の一部を「お前らのことが好きだ」にアレンジして、その一体感ごと「僕らチェンジザワールド」に突入、「セイエス!」のシンガロングも勢い大きくなる。続く「YouTuberになればモテると聞いた」と、いわば一貫した非モテの表現と時代ごとのモチーフの変化を感じる。最初のMCでは初日にMCの時間配分を見誤り3時間超過したそうで、「あまり長くなるとスタッフが来なくなるからチャチャっとやります」と柴田。事実だけにより笑えてしまう。ロマンチック☆安田(Gt / 爆弾ジョニー)リリース時期は様々だが、共通するテーマごとのセクションで畳み掛けるセットリストは感情移入を促す。バンドマンのロマンが横溢する「今夜いますぐに」を発端に、「夜間飛行」のタイトルコールに上がる歓声の大きさに意図を汲んだファンとの気持ちの交信が見えないけれど、確かな絆を浮かび上がらせる。安田が空間的な音色を放ち、柴田がとつとつと言葉を重ねていく「東京」も素晴らしい。柴田曰く一回しか出せない“東京”というカードを切ったにも関わらず代表曲にはなっていないと自虐する。でも眼前のファンが今聴いてくれていることがうれしいのだと言う。いや、まだ可能性は大いに感じる名曲だと思うのだが。続いて今も昔も小さい自分を思わず笑ってしまうような曲の連投は「これだから最近の若者は最高なんだ」、「いやがらせのうた」と、最新作『いまも忘れらんねえよ。』から披露し、不思議と悟ったような、痩せ我慢のような歌詞が刺さる初期の名曲「パンクロッカーなんだよ」に時間を超えて接続する。マイクの音が割れるほど切実に絶唱する柴田は歌い終えると「ありがとう、俺!」と言い放った。自分が作ったものが未来の自分を救うのだ。忘れらんねえよ柴田隆浩(Vo&Gt)感動的なムードを転換するように菅田将暉の新作に自分の提供曲はないという確認?を挟み、GWど真ん中に結集するファンに「予定はねえのかー?」とうれしそうに聞き、同胞感を盛り上げる。いや、ライブハウスまで足を運ぶだけで十分アクティブじゃないかと祝うように次なるレパートリーは「踊れ引きこもり」。そしてタイチがクラッシュの「トミー・ガン」めいたドラミングで(曲自体の構成もクラッシュぽいが)「時間がないっす」に突入。タイトル通り、超ショートチューンなのも小気味いい。そして「バンドやろうぜ」のタイトルコールにはひときわ大きな歓声が上がる。めちゃくちゃ策を練って、それでも突き抜けられなかった時期の柴田の苦悩もないまぜになって昇華されるような、心の真ん中にあるようなこの曲に、今も感情移入してしまう。大袈裟なMCではなく、曲を積み上げることでしか伝わり得ない、このライブの手法が光る。タイチサンダー(Ds / 爆弾ジョニー)メンバーが袖にはけ、柴田が弾き語りで披露するのはボツCDからの「俺は金を借りていないような気がする」というレア選曲。そのボツCDを所有しているファンが挙手したことで、ちょっと羨望と尊敬の眼差し?が向けられていたフシも。別の曲が合体したキメラ的ナンバーだと柴田が言う通り、ダントツでシュールな曲だった。再登場したメンバーを紹介しつついじり(安田のジャケット姿を「ひとりだけビルボードのままのやつがいる」とか)、100曲ライブの実施に際し、「自分の曲ってほんとに変わってないんだな」と気づいたと話す柴田。受け入れるしかないと言うより、今は楽しそうだ。柴田は変わらないと言いつつ、曲のテーマが恋愛、人生の野望とかバンドをやることであったりと、いずれも言葉を濁せないものだけに曲がヒリヒリしたものになるのは当然で、絶対自分を偽れない人と対峙する状況に震える「いいひとどまり」と「プロポーズ」。そして歌詞の一部を「ゴールデンウィークなんてただの平日だろ」とアレンジして届けた「俺たちの日々」の、世間一般に背を向けることを決めた自分だけの戦いの意思に会場全体が溢れる感情を声や拍手に託していた。ほぼ折り返し地点で、柴田は次の曲を「この曲を出したらある人に怒られると思ったら、ライブに呼んでくれたり、自分たちのツアーに出てくれたり。バンドやってて良かったな」と、類は友を呼ぶじゃないが、神聖かまってちゃんと結果的に交流するきっかけになった「青年かまってちゃん」の愛の盲目、さらにグッとグランジなライブアレンジになり、妄想の1ミリの可能性がヒリヒリと刺さる「絶対ないとは言い切れない」と続く。堀北真希の吐いた息が今この空気かどうかは知らないが、ギターを持って鳴らすことで世界を変える歌にならないとは言えない。絶妙な対照に柴田のスキルを見る。そのタイミングのMCで、柴田は今回の100曲ライブで改めて「全部同じこと言ってる」ことに気づいたと言った。「だから変わりません!」と続けた口調には自嘲も誇りもなく、ごくフラットに聞こえたのだ。それが15年続けてきた現在地ということなんだろう。続いて最近のナンバーである「悲しみよ歌になれ」が披露されたことで、MCの意味がさらに沁みた。歌詞通り、まさに泣き叫ぶように「生きていて良かったと泣ける日が」と歌い、ダメになりそうな夜にいる人を全力で肯定する「世界であんたはいちばん綺麗だ」でも絶唱を聴かせた。体力は全然ありそうだったが、歌うことが脳を恐ろしく揺らしているのは想像に難くない。ここまでギチギチに詰め込んで20曲。脳が酸欠になりそうだ。なのにである。「どんどん暗い沼に降りて行きましょう」と、猛烈な自己嫌悪が暴発するヘヴィチューン「ここじゃないけどいまなんだ」も渾身の絶唱。忘れに対する圧倒的な信頼の理由でもあるヘヴィネスから打って変わって、馬鹿馬鹿しさが加速する「風に吹かれて(毛が)」、忘れ流ミクスチャーでセルフラブの真髄をいく「俺を守りたい」、揃ってヘドバンするフロアのエネルギーに押される「あの子に俺が分かってたまるか」、を連投。この日何度目かの「サイコー!」が思わずこぼれた後の「うつくしいひと」の真っ直ぐさはまさに美しい以外の言葉がなかった。「残り8曲です。100曲しっかり練習してさ、聴きたくない曲もあるかと思ったけどそんなことないな」という柴田の感想に同意するフロア。そして「初日、2日目見た人はわかると思うけど、ここからエモいことになるんですよ」と、未演奏曲の濃さにステージ上もフロアもマグマが蠢くような期待感。明確に残りのレパートリーを把握しているファンも多いようで、爆発の準備万端なんである。柴田もすごいがファンもすごい。「すべての始まり」と曲振りをしてからの「音楽と人」、ハードコアパンクバンドばりの盛り上がりを見せる怒涛の2ビートナンバー「この街には君がいない」、そして「サンキューアイラブユー世界」では「お前らのことだからな!」と叫ぶ柴田。バンドをやること、もっと言えば生きるモチベーションに関わるレパートリーが続く。イガラシ(Ba / ヒトリエ)長いMCはほぼないままに95曲目を迎えたところで、柴田は「エモいMCやると思うんですけど言葉じゃダメなんだよね。歌なんですよ。歌えば救われる気がする」と、モチベーションとは?を歌にしたような「この高鳴りをなんと呼ぶ」を絶唱。曲中にメンバー紹介をしたものの「俺、ベースのイガラシ紹介したっけ?記憶喪失になってきた」と柴田。気力を体が覆しているのだろう。終盤の数曲はもはや気力勝負。ファンも吐露するように「明日とかどうでもいい」とシンガロングする同名曲。1stシングル「CからはじまるABC」と、代表曲で畳み掛ける。確かにもはやエモいMCは不要だ。本編ラストかつ98曲目はバンド名を冠した始まりの歌「忘れらんねえよ」をセット。ファンが灯すスマホのバックライトだけで十分明るいことが、なんだか比喩的で美しかった。程なくアンコールで戻ってきた4人が鳴らしたのは現在の最新作からミディアムのピアノナンバー「知ってら」だった。楽しい時や幸せな時はいつか終わってしまうことを知っているーー100曲を完走する直前にしっかり切なくなってしまった。そしてラストは「そっか、自由か。」曲の終わりに柴田が発した「お前ら全員、幸せになれ!」、その言葉が今の忘れらんねえよを象徴しているようだった。100曲完走のフィジカルなエネルギーはもとより、自分の作った曲すべてと向き合うエネルギーを想像すると目眩がする。この3日間が次の忘れらんねえよにきっと繋がっていくのだろう。Text:石角友香Photo:岩佐篤樹<公演情報>『全曲LIVE〜忘れらんねえよの曲ぜんぶやる〜』セットリスト■Day12024年4月28日下北沢 近道M1. ドストエフスキーを読んだと嘘をついたM2. 僕らパンクロックで生きていくんだM3. おつかれダーリンM4. 夢に出てくんなM5. いいから早よ布団から出て働け俺M6. 氏ね氏ね氏ねM7. 喝采M8. あいつロングシュート決めてM9. 歌詞書けなすぎて、朝M10. 美しいよM11. 俺の中のドラゴンM12. 体内ラブ〜大腸と小腸の恋〜M13. 紙がないM14. Happy birthday! とはいえ俺は誕生会に呼ばれていないM15. 犬人間M16. お前の話は聞いていないM17. ゾンビブルースM18. 俺にやさしくM19. 君は乾杯のとき俺とだけグラスを合わせなかったM20. 寝てらんねえよM21. ばかもののすべてM22. 7.1ozM23. 愛の無能M24. 花火M25. おしぼりを巻き寿司のイメージで食ったM26. バレーコードは握れないM27. 犬にしてくれM28. 戦う時はひとりだM29. 別れの歌M30. 君の音M31. 俺よ届けM32. 元カレ応援歌M33. 北極星■Day22024年5月1日下北沢 CLUB QUEM34. いいからM35. 明日晴れるといいなM36. 喜ばせたいんですM37. あんたなんだM38. ロックンロール体操M39. 中年かまってちゃんM40. 運動ができない君へM41. マイナビバイトの歌 2017M42. だんだんどんどんM43. 2時間なんもしなかったM44. そんなに大きな声で泣いてなんだか僕も悲しいじゃないかM45. 戦って勝ってこいM46. ZEROM47. みんなもともと精子M48. アワナビーゼーM49. あなたの背後に立っていたM50. ブログを覗き見るM51. 眠れぬ夜は君の名をググるよM52. 月に変わってお仕置きしてくれないかM53. バンドワゴンM54. ありのままで受験したら落ちたM55. 慶応ボーイになりたいM56. ピンクのアフロにカザールかけてM57. タイトルコールを見てたM58. なつみM59. ばかばっかM60. スマートなんかなりたくないM61. ハナノユメM62. アイラブ言うM63. だっせー恋ばっかしやがってM64. 新・俺よ届けM65. まだ知らない世界M66. いんきゃでわるいんきゃ■Day32024年5月3日下北沢 近道M67. 君は電話に一切出ないM68. 僕らチェンジザワールドM69. YouTuberになればモテると聞いたM70. 今夜いますぐにM71. 夜間飛行M72. 東京M73. これだから最近の若者は最高なんだM74. いやがらせのうたM75. パンクロッカーなんだよM76. 踊れ引きこもりM77. 時間がないっすM78. バンドやろうぜM79. 俺は金を借りてないような気がするM80. いいひとどまりM81. プロポーズM82. 俺たちの日々M83. 青年かまってちゃんM84. 絶対ないとは言い切れないM85. 悲しみよ歌になれM86. 世界であんたはいちばん綺麗だM87. ここじゃないけどいまなんだM88. 風に吹かれて(毛が)M89. 俺を守りたいM90. あの子に俺が分かってたまるかM91. うつくしいひとM92. 音楽と人M93. この街には君がいないM94. サンキューアイラブユー世界M95. この高鳴りをなんと呼ぶM96. 明日とかどうでもいいM97. CからはじまるABCM98. 忘れらんねえよM99. 知ってらM100. そっか、自由か。<ライブ情報>忘れらんねえよ『酒クズとツレ伝。』6月1日(土) F.A.D YOKOHAMA6月8日(土) 名古屋 CLUB UPSET6月9日(日) 千葉 LOOK6月30日(日) 仙台enn 2nd※全公演PK shampooとのツーマン忘れらんねえよ ツレ伝ツアー『夏の死闘』篇7月17日(水) 水戸LIGHT HOUSE7月18日(木) HEVEN’S ROCK宇都宮7月21日(日) 梅田Shangri-La7月23日(火) 渋谷CLUB QUATTROチケットはこちら:()オフィシャルサイト:
2024年05月10日人気シリーズの完全新作『猿の惑星/キングダム』が本日から公開されている。監督を務めたのは、『メイズ・ランナー』シリーズを成功に導いたウェス・ボールで、本作では新たな“はじまり”の物語を描いたと語る。物語の舞台は、いまから約300年後の未来。ウィルスによって猿が圧倒的な進化を遂げ、この惑星の“支配者”として君臨するようになった。一方、かつて支配者だった人間は退化し、猿たちから隠れて暮らしている。若い猿ノアは、強大な力で相手を支配する王国=キングダムの建設を目論むプロキシマス・シーザーの軍団によって村と仲間を奪われ、すべてを取り戻す旅に出る。彼はそこで人間の女性ノヴァに出会い、行動を共にするが、彼女はこの惑星の命運を左右する“ある秘密”を握っていた。これまでの『猿の惑星』シリーズは、進化を遂げた猿と、支配される人間の対立が描かれたが、本作では「人間と猿は共存できるのか?」という新たなテーマが据えられた。「このような物語になることは自然な流れだったと思います」とボール監督は振り返る。「観客は本作を観始めた時は『これは主人公ノアの物語なんだ』と思うかもしれませんが、観ていくうちに『これもまた人類と猿の物語なんだ』と気づくと思います。人間の女性ノヴァは、謎に満ちていてミステリアスなキャラクターとして登場し、その謎は少しずつ明かされていきます。ノアとノヴァは行動を共にし、やがてそこに緊張が生まれますが、相手に対してどのような態度をとるのかお互い決めきれていない。猿のノアは人間たちに対してどう振る舞うのか? 人間のノヴァは猿たちに対してどう行動するのか? そこには緊張だけでなく希望もあると思うのです」この物語は、人間と猿の立場が逆転してから数世代が経った時代が舞台になるため、人間が惑星の支配者だったことを経験していないキャラクターしかいない。猿は知能が高く、人間は動物のように生きている。それが普通の世界だ。しかし、そんな“普通”が揺さぶられる。「ノヴァは生まれた時から“猿とはこういうもの”とずっと教わってきてたのに、ノアの出現によって固定観念が完全に壊れるわけです。ノヴァはそこですぐに変化することはできないのですが、変化のはじまりは見てとれます。自分がそれまで教わり、世界はこういうものだと思っていたものが完全に壊れた時、彼女はどう行動するのか?ノアも旅を通じて、無垢な存在から別の道へと歩き始めます。ですから、この映画のノアのラストショットは“ある意図”をこめて描きました。彼の最初の表情から変化しているのを感じてもらえると思います」『猿の惑星』は、観客が“自分自身”を投影できるウェス・ボール監督映画は、仲間を取り戻すために強大な王国に立ち向かう猿ノアのドラマ、彼が出会った人間ノヴァのドラマが並行して描かれる。そのため、物語はキャラクターやアクションに“伴走”するように寄り添い、ノアとノヴァの視点を行き来する。「本能的にやっていることなので、自分で明晰に説明はできないのですが、常に“視点”について、カメラを置く位置について、そのショットの中で何が見えていて、何が見えないのかについては考え続けています。どの作品を撮る時でも観客が“体感”していると感じてもらえる視点を持ちたいと思うのです。さらに本作では視点をふたつ持つことを制作の初期の段階から決めていました。ある時点ではノアの視点から物語を描き、ある瞬間に彼が見ていたノヴァの視点にシフトする。ふたつの視点で最後まで描こうと思ったわけです」ノアとノヴァはそれぞれが大きな変化に向き合い、相手に対してどう振る舞うべきか揺れ動く。新しいキャラクター、新たな旅、新たな出会いと変化のはじまり。完全新作だけにその展開は予想がつかないものになる。「シーザーを主人公にした前三部作(『猿の惑星:創世記』『…新世紀』『…聖戦記』)は“終末”が描かれたと思います。シーザーの人生と物語の終末、人類が支配者だったそれまでの世界の終末。しかし、この作品から新しい章になります。つまり、これは”はじまり”の物語。猿と人間が複雑な関係をどう扱うのかが描かれるのです」興味深いのは、過去作でも神話を感じさせる描写を多用してきたボール監督が、『猿の惑星』という神話的なドラマの監督に就任したことだ。「そう言ってもらえるのはうれしいです。子どもの頃から古典的な英雄の旅や、神話的なドラマに魅了されてきましたし、私の映画のスタイルは神話的なもの、神秘的なドラマと相性が良いという自覚もあります。宮崎駿監督の作品にも普遍的なヒーローについての人間的な物語を描いたものがありますよね。私はそういう作品にもすごく惹かれるんです。この映画では特に“神話性”について話し合いました。シーザーの神話について、ノアの道のりについて考えましたし、いくつかの場面では神話を感じさせるような、主人公の運命を感じさせるようなショットを意識して入れています。『猿の惑星』の面白いところは、観客がスクリーンの世界に“自分自身”を投影して観ることができるところだと思います。観客のみなさんには映画館で観て、楽しんで、いろいろと考察してもらいたいです」『猿の惑星/キングダム』公開中(C)2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.
2024年05月10日陶芸、彫刻、建築、音楽など多様な領域で国際的に活躍するシアスター・ゲイツの展覧会『シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝』が9月1日(日) まで森美術館で開催中だ。アフリカ系アメリカ人のルーツとともに、日本文化からの影響も色濃い。愛知県常滑市で陶芸を学ぶために2004年に来日し、「国際芸術祭 あいち2022」では常滑の旧住宅を音楽・ウェルネス・陶芸研究のためのプラットフォーム「ザ・リスニング・ハウス」として再生し、多くの人を楽しませた。「常滑は私を変え、より良いアーティストになるために刺激を受けた、世界で最も重要な場所のひとつ」だとゲイツは語る。1973年、アメリカ・シカゴ生まれ、在住のゲイツは、イギリスの雑誌『ArtReview』が毎年発表するランキング「Power 100」の上位アーティスト。ニューミュージアム(ニューヨーク)など欧米の美術館や国際展での発表が続く中、待望の日本初個展が実現した。「アフロ民藝」とは、文化的ハイブリディティ(混合性)を追求してきたゲイツが、アメリカでの「ブラック・イズ・ビューティフル」運動と、日本の民藝運動という2つの重要な運動を反映する、芸術的で知的な試みだ。宗教哲学者・柳宗悦が民衆の手による日常的な工芸品に「美」を見出した民藝運動を知的・社会的運動と捉えて共鳴している。そのうえで同展はブラックアートと民藝の関係にとどまらず、「ものづくりと友情を通じて、人が文化の持つ可能性に身をゆだねたときに、何が起こるかを示すもの」だと語る。それでは「神聖な空間」「ブラック・ライブラリー&ブラック・スペース」「ブラックネス」「年表」「アフロ民藝」の5章からなる展覧会を見ていこう。ゲイツにとって音楽や儀礼、詩、彫刻や作陶は神聖なものに触れるためのスピリチュアルな行為。第1章「神聖な空間」は「美の神殿」をイメージし、自作とともに、彼が尊敬するつくり手の作品をインスタレーションした。入口には、民藝という言葉の起点となった江戸時代の僧侶・木喰上人による木彫。ゲイツが屋根にタールを塗る職人だった父に習った技術を生かした「タール・ペインティング」シリーズの作品もある。木喰上人《玉津嶋大明神》1807年シアスター・ゲイツ《年老いた屋根職人による古い屋根》2021年次の部屋の床に敷き詰められているのは、常滑の水野製陶園ラボで制作された1万4000個のレンガ。かつてアメリカでは煉瓦職人の多くが黒人や有色人種の労働者だった歴史も想起される。江戸〜明治期の歌人で陶芸家・尼僧の太田垣蓮月の掛軸。アフリカ系アメリカ人リチャード・ハントの彫刻。抽象表現主義的なゲイツのクロス状の作品は、白人のアーティストを中心に美術史が紡がれたことや、ベトナム戦争時、アメリカ人兵士に黒人が多かったことなどさまざまな解釈を誘う。1台のハモンドオルガンB-3と7個のレスリースピーカーを設置した《ヘブンリー・コード》では、毎週日曜にはオルガン演奏のパフォーマンスが行われる。意味が多重に想像される「もの」と、それぞれの違いを超えて人々が集える「空間」の組み合わせが特徴的だ。京都の香老舗・松栄堂の調香師とともにつくった香の彫刻《黒人仏教徒の香りの実践》(2024年)と《人型I》(2023年)シアスター・ゲイツ《アーモリークロス#2》2022年シアスター・ゲイツ《ヘブンリー・コード》2022年。記者内覧会ではゲイツのバンド「ザ・ブラック・モンクス」のパフォーマンスが行われたゲイツにとって「蒐集」も表現方法のひとつ。第2章「ブラック・ライブラリー&ブラック・スペース」ではものに宿る記憶を語り継ぐ。ゲイツが収集した黒人の歴史にまつわる約2万冊の本をシカゴから移送し、日本語の書籍と合わせてライブラリーを設置。また、公民権運動期に黒人のアイデンティティ確立に重要な役割を果たした出版社「ジョンソン・パブリッシング・カンパニー」の廃業後、雑誌や写真、家具などを買い取ってアーカイブ。観客も閲覧できる。さらに、ゲイツの建築プロジェクトから「リビルド・ファウンデーション」の活動を紹介。シカゴのサウス・サイド地区の廃墟40軒を買い取り、人々が集える文化施設やカフェにつくり変えるなど地域再生にも貢献している。第2章「ブラック・ライブラリー」展示風景第2章「ブラック・スペース」展示風景。ジョンソン・パブリック・カンパニーのアーカイブ展示第3章「ブラックネス」では、「ブラックネス(黒人であること)の複雑な状況から生まれる葛藤とともに、黒人文化のあらゆる表現とそこにある真実を映し出す。サウス・サイド地区の今は取り壊された教会でゲイツのバンド「ザ・ブラック・モンクス」が行ったパフォーマンスを撮影した映像では、都市開発によって教会が壊される問題を問う。デトロイトの小学校の体育館の床を組み合わせた抽象的な絵画。タールに代わり屋根補修剤として使われるアスファルトとポリマーの「工業用トーチダウン」を用いたタール・ペインティング。アメリカの黒人陶芸からアフリカ・日本・朝鮮・中国の陶芸に着想を得た陶磁器シリーズ。いずれも力強く美しい。映像作品《避け所と殉教者の日々は遥か昔のこと》2014年 展示風景《基本的なルール》2015年《7つの歌》2022年《ドリス様式神殿のためのブラック・ベッセル(黒い器)》2022-2023年第4章「年表」では、常滑の歴史、民藝の歴史、アメリカ黒人文化史とゲイツ個人史をひとつの時間軸で並べている。そして最終章「アフロ民藝」の展示スペースは圧巻だ。古常滑を研究しながら制作した陶芸家・小出芳弘(1941-2022年)から受け継いだ約2万点ものコレクションを展示。氷山の形をしたミラーボールが回るディスコのような空間に、明治〜昭和初期、酒屋で少量買いする客への貸し容器「貧乏徳利」1000本を並べたインスタレーション《みんなで酒を飲もう》などを設置した。常滑の澤田酒造とコラボし、ゲイツの名にかけたオリジナル日本酒「門」もつくった。常滑の陶芸家・小出芳弘コレクション第5章「アフロ民藝」展示風景長野県「山翠舎」の協力で古民家の古材を什器に使用。雪の重みによる根曲りの木を天井の梁に利用した「鉄砲梁」を再利用したゲイツが提案する「ハイブリッド」は、膨大なアーカイブとコラボレーションに裏打ちされ、その背景にある一人ひとりの存在を示す。分断する世界を諦めず、違いを認め、共感から新しいものを創り出そうと語りかけている。取材・文:白坂由里撮影:編集部<開催概要>『シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝』2024年4月24日(水)~9月1日(日)、森美術館にて開催公式サイト:
2024年05月10日PERSONZの結成40周年を記念したニューアルバム『40th FLOWERS』が、6月19日(水) にリリースされる。本作は通常盤に加え、40周年を彩る豪華盤も発売予定。豪華盤にはCDのほかに、特別コンテンツが封入されたDLカードや、本作限定のオリジナルデザインTシャツなどの特典が付属する。特にDLカードには、6月から始まるツアー『「40th FLOWERS」 PERSONZ 40th Anniversary Tour 2024』で着用するライブ衣装を身に纏い、アルバム収録曲から数曲を演奏した「40周年記念SPECIAL STUDIO SESSION」の映像が収録される予定だ。また、アルバムの制作秘話やツアーに向けた意気込み、40周年を迎えての想いなど、今のPERSONZを感じることができるメイキングインタビューも収録予定。さらに直筆サイン入りポストカードも封入される。豪華盤は完全受注生産限定となっており、受付期間は5月15日(水) まで。併せてヴォーカルのJILLからコメントが到着した。■JILL コメント「40th FLOWERS」PERSONZ 40th Anniversary 202440番目の花。私たちは1984年に夢の咲く花の種を見つけ毎年、違う花を咲かせて来ました。最初に咲いた花は、翌年も見事に再生し新たな芽が伸び、花が咲き花は散り、また芽吹きそこから思いがけない大輪の花となりました。その後、時に、花は枯れそうになり時に、花は叫びをあげ時に、花は鮮やかな色彩を纏いながら気がつけば、40年の歳月が過ぎようとしています。振り返れば、39の花があり咲き続けた花は全て美しく素晴らしかった。どの花もメンバーの日々の丁寧なケアとあたたかいPERSONZマニアの深い愛情により土にしっかり根を張り新たな芽を生み続けいつも大きな青空に向かい穏やかな日差しの中咲き誇る花でした40番目に咲く花はどんな花なのでしょう。今、新しい花は育っています。2024年には、必ず見たこともない花を4人で咲かせてお見せ致しましょう。そしてステージから見る客席には花束のような笑顔を見せてくれるPERSONZマニアがいてくれるでしょう。LOVE IS THE FLOWERYOU’VE GOT TO LET GROW(John Lennon)FLOWER OF LIFE2024-2025PERSONZ 40TH ANNIVERSARY YEARS<リリース情報>PERSONZ ニューアルバム『40th FLOWERS』豪華盤6月19日(水) リリース※完全生産限定盤CD:13,200円【特典】・コンテンツDLカード(40周年記念SPECIAL STUDIO SESSION 映像予定)・40周年記念Tシャツ (VAPSTORE限定盤)※サイズは全4種類ございます。・直筆サイン入りポストカード予約受注期間:5月15日(水) 23:59まで※完全受注生産限定となります。予約リンク:のチケット情報:()公式サイト:
2024年05月10日5月10日(金) よりHulu、5月15日(水) よりU-NEXTにて日本初配信される映画『ナース・キリング ~死への誘い~』の本編映像が公開された。本作は、住み込みの女性看護師が一家を危険に招く、実際の事件に基づいたサスペンススリラー。シングルファーザーのリアムは、発作を起こし自宅での静養が必要な娘のために、住み込みの女性看護師ビクトリアを雇う。美しくて献身的な彼女の姿にリアムは魅かれていくが、娘の症状は一向に回復せず、発作を繰り返してしまう。不審に思ったリアムはビクトリアの過去を調べ始め、やがて驚きの事実を知ることになる。公開されたのは、シングルファーザーのリアムが娘のコリーンの療養を目的とした在宅看護師の面接をするシーン。映像では、看護師ビクトリアの親身な態度にリアムとコリーンが心を許していく様や、妻を亡くしたリアムに寄りそう献身的なビクトリアの姿が。しかし一方で、ビクトリアが亡くなったリアムの妻の写真を盗む姿が映し出されており、ビクトリアの裏の顔を捉えた本編映像となっている。『ナース・キリング ~死への誘い~』本編映像<作品情報>『ナース・キリング ~死への誘い~』『ナース・キリング ~死への誘い~』ビジュアル5月10日(金) Hulu、15日(水) U-NEXTにて日本初配信監督:ピーター・サリヴァン■出演ビクトリア:アリソン・マカティーリアム:ジェレミー・ジョン・ウェルズコリーン:ヘイリー・グレイビバリー:アリッサ・フィロラモ(C)2024 A&E Television Networks. All Rights Reserved.
2024年05月10日1987年にイギリスで初演され、日本でも再演を繰り返すゴシック・ホラーの傑作『ウーマン・イン・ブラック』。8度目となる今回の上演には、若い俳優役に初参加の向井理が、中年の弁護士キップス役に9年ぶり二度目となる勝村政信がキャスティングされた。舞台共演は初ながら、プライベートでは親交があるという向井と勝村。ふたり芝居という濃密な空間で、どんな新たな恐怖の世界を生み出してくれるのか。稽古初日を控えるふたりに、作品への想いを聞かせてもらった。このふたりで、このコラボでしか出来ない俳優とキップスを――脚本を読まれての初見の印象、作品としての魅力を教えてください。向井なにか不穏な空気はあるのですが、なかなかそれが見えてこないまま、どんなラストが待っているのかと期待しながら読み進めました。結果すごくゾッとするようなお話で、非常にうまく出来た戯曲だなと。まぁやる側としては大変だと思いますけど(笑)。どれだけあの世界観にお客様を引っ張り込めるか。それ次第で、作品の面白みはだいぶ変わってくるだろうなと感じました。――その難しさ、面白みを、すでに勝村さんは9年前に体験されたかと思います。勝村そうですね。本当によく出来た作品で、基本的な演出はもちろん決まっていますから。お客さんも僕らも、演出家(=ロビン・ハーフォード)の魔法にすでにかかってしまっているというか、安心して怖がってくださいといった感じです(笑)。――中年弁護士の身にかつて起きた恐ろしい出来事を、若い俳優が劇中劇のスタイルで演じていく本作。それぞれの役どころについて、現段階ではどのように捉えていますか?向井もちろん僕は若き日のキップスを演じてはいますが、俳優というのがパーソナリティとしてあるので、まずはそこから作っていこうと思っています。特に冒頭部分は、俳優である自分が弁護士のキップスに芝居を教える、いわゆる教える側と教わる側というわかりやすい関係性だと思うので。わりと上から目線と言いますか、ちょっと生意気だったり、プライドが高いところがあってもいいんじゃないかなと。実際勝村さん演じるキップスに、ちょっとイラっとするシーンもありますしね。そこから徐々にいろいろなキャラクターが見えてくる人物だと思うので、あまり最初から固めずに進めていきたいと思っています。勝村弁護士キップスは過去に本当に恐ろしい思いをして、傷ついて、未だトラウマでうなされている人ですよね。で、それをなんとか払拭しようと自分なりに考え、再び同じ体験をして葬ろうとしている。だから向井くん演じる俳優に、とにかくすがっていて。演じるに当たっては、前回の経験が自分の中に残っているので、それに近いものにはなっていくと思います。ただ向井くんとのコラボによってなにかが生まれたら、それはこのふたりでしか出来ないもの。前回は岡田将生くんと僕でしたが、その時も演出家から言われたんです。「このふたりでやっていただければ、それがキップスと俳優になりますよ」と。確かにその通りだと思いますし、それこそ一緒に舞台をやる楽しみだと思います。エンターテインメントとしていかに楽しんでもらえるかを追求して――向井さんが本作に参加されるのは今回が初です。オファーを受ける際に決め手となったことは?向井それはやっぱり勝村さんと芝居が出来るっていうのが一番で!(笑)勝村(笑)。向井ごめんなさい、嘘です。いや嘘じゃないですけど(笑)、これまで映像で一度くらいしか共演したことがなかった勝村さんと、ここ最近立て続けにご一緒することがあって。さらに舞台でふたり芝居なんて、これもなにかの縁だなと。あと僕にとって舞台はやらないといけないもので、中でもこれはかなりハードルの高い作品だと思うんです。初めてのふたり芝居でもありますし。ただやるからにはやはり、挑戦しがいのあるものをやりたいと思うんですよね。――ちなみに勝村さんと向井さんは、サッカー仲間でもあると伺いました。勝村ええ。僕から誘ってはみたものの、向井くんがセンターバックだったってことに驚いて。もっとイケイケの点取り屋だと思っていたので。向井いや、全然(笑)。勝村昔から僕は、芝居とサッカーってほとんど同じだと思っているんです。で、バックの人ってよく周りが見えているので、芝居もうまい人が多い。まさに向井くんはそういうタイプの役者で、周りが見えているし、NGも出さないんです。向井勝村さんこそいつも台詞覚え完璧ですよ。勝村それは若いころ、泣きながら覚えたのが染みついているせい(笑)。向井(笑)――ピッチからステージへと舞台を変えたおふたりが、どんなプレイを見せてくれるのか、今から非常に楽しみです。勝村向井くんとこんなにちゃんと舞台で共演させていただくのは初めてなので、自分でもどうなるか想像出来ません。ただこのふたりで作り上げる雰囲気みたいなものが自分でも楽しみですし、それをお客様にも楽しんでいただけたらと思います。向井勝村さんも僕も、お客様を楽しませたいって気持ちが結構強いタイプだと思うんです。エンターテインメントとしてどう楽しんでもらえるかっていう。稽古場ではそのためのアイデアがどんどん出てくると思うので、その空間に身を委ねてさえもらえれば、今まで見たことのない世界を味わっていただけると思います。取材・文:野上瑠美子<公演情報>パルコ・プロデュース2024『ウーマン・イン・ブラック』原作:スーザン・ヒル脚色:スティーブン・マラトレット翻訳:小田島恒志演出:ロビン・ハーフォード/アントニー・イーデン出演:向井理勝村政信【東京公演】2024年6月9日(日)~6月30日(日)会場:PACRO劇場【大阪公演】2024年7月5日(金)~2024年7月8日(月)会場:森ノ宮ピロティホール【北九州公演】2024年7月13日(土)・14日(日)会場:J:COM北九州芸術劇場 大ホール【愛知公演】2024年7月19日(金)~7月21日(日)会場:東海市芸術劇場 大ホールチケット情報:()公式サイト:
2024年05月10日『FUJI ROCK FESTIVAL ’24』が、7月26日(金) から28日(日) に新潟・苗場スキー場で開催される。このたび、オフィシャルグッズの事前受注販売がスタートした。今年はTシャツやタオルといった定番アイテムに加え、苗場での開催25周年を記念して、出演者名入りTシャツが初めて事前販売に登場。また、フジロックに出演する電気グルーヴ、MAN WITH A MISSION、THE BAWDIES、HEY-SMITH、クリープハイプ、マカロニえんぴつとのコラボデザインTシャツや、「オリジナルトレー」の2024バージョン、初登場となる「カップホルダー」などがラインナップされている。受付期間は5月19日(日) まで。商品の発送は6月末を予定している。『FUJI ROCK FESTIVAL ’24』オフィシャルグッズストア:<イベント情報>『FUJI ROCK FESTIVAL ’24』7月26日(金)~28日(日) 新潟・苗場スキー場チケット情報:()公式サイト:
2024年05月10日『デューン 砂の惑星PART2』のデジタルリリースが6月5日(水)、デジタルレンタル、4K ULTRA HD、Blu-ray、DVDの販売およびBlu-ray、DVDレンタルが7月3日(水) にスタートする。本作は、その惑星を制する者が全宇宙を制すると言われる惑星デューンを舞台に壮大な宇宙戦争を描いた『デューン 砂の惑星』の続編。ハルコンネン家の策略により一族全員を殺され、唯一生き残ったアトレイデス家の後継者・ポールの復讐が描かれる。販売形態は全5種類。初回仕様には、64分にも及ぶ映像特典を収録したBlu-rayに加え、36Pビジュアルブックレット&キャラクターカードセット(全12種)の特典を封入。アラキスの砂漠にサンドワームが映える初回限定生産のスチールブック仕様もリリースされる。主人公ポールを演じたティモシー・シャラメをはじめとしたオールスターキャストの吹替キャストには、前作より続投の入野自由のほか新キャラクターに木村昴や早見沙織などの豪華声優陣が顔を揃えた。併せて、デジタル販売限定の特典映像「キャストが語る撮影の思い出」、デジタル&Blu-rayの特典映像として収録される「フェイド=ラウサを演じる」「衣装で作る世界観」の映像も公開。「キャストが語る撮影の思い出」ではシャラメ、ゼンデイヤやスタッフが役柄について語るインタビュー、「フェイド=ラウサを演じる」ではドゥニ・ヴィルヌーヴ監督とフェイド役のオースティン・バトラー、ハルコンネン男爵役のステラン・スカルスガルドがセット内で話し合う様子や、フェイドが咆哮する撮影シーンなど貴重な舞台裏の映像、そして「衣装で作る世界観」では細部までこだわり作られた衣装について、キャストが絶賛する姿が収められている。『デューン 砂の惑星PART2』特典映像<リリース情報>『デューン 砂の惑星PART2』『デューン 砂の惑星PART2』ジャケット6月5日(水) よりデジタル販売開始7月3日(水) より4K UHD、Blu-ray&DVD発売開始、Blu-ray&DVDレンタル、デジタルレンタル開始●【初回限定生産】4K ULTRA HD&Blu-rayセットスチールブック仕様(2枚組/ブックレット&キャラクターカード全12種セット付)価格:9,680円(税込)●【初回仕様】4K ULTRA HD&Blu-rayセット(2枚組/ブックレット&キャラクターカード全12種セット付)価格:8,580円(税込)●【初回仕様】Blu-ray&DVDセット(2枚組/ブックレット&キャラクターカード全12種セット付)価格:6,380円(税込)●Blu-ray&DVDセット価格:5,280円(税込)●Blu-ray&DVDレンタル ●デジタル販売 ●デジタルレンタル【Blu-ray映像特典(64分)】・チャコブサ語の特訓・フレメンの世界を創る・“砂の惑星”での撮影・ソプター 新たなマシーン・サンドワーム乗り・フェイド=ラウサを演じる・衣装で作る世界観・進化したデューンの音楽公式サイト: Warner Bros. Entertainment Inc. and Legendary. All rights reserved.
2024年05月10日8月23日(金) から25日(日) に山口・山口きらら博記念公園で開催される野外音楽フェス『10th WILD BUNCH FEST. 2024』の出演アーティストが発表された。10回目の節目を迎える今年は、初日にVaundy、BE:FIRST、マキシマム ザ ホルモン、2日目にサカナクション、SUPER BEAVER、Saucy Dog、3日目にマカロニえんぴつ、[Alexandros]、THE ORAL CIGARETTESといった63組のアーティストが出演する。チケットは、最速先行(先着)が本日5月10日(金) 18時より開始される。<イベント情報>『10th WILD BUNCH FEST. 2024』8月23日(金)~25日(日) 山口・山口きらら博記念公園開場10:00 / 開演11:30 / 終演20:00(予定)【出演】※50音順■8月23日(金)新しい学校のリーダーズimaseOmoinotakeキタニタツヤケプラKen YokoyamaサバシスターSiMシャイトープ水曜日のカンパネラVaundyBE:FIRST羊文学FOMAREブランデー戦記BLUE ENCOUNTHEY-SMITHマキシマム ザ ホルモン宮本浩次Lucky KilimanjaroWurtS■8月24日(土)AIAile The Shotaammo川崎鷹也キュウソネコカミクリープハイプgo!go!vanillasConton CandySaucy DogサカナクションSUPER BEAVERsumikaChilli Beans.TempalayなきごとNEEねぐせ。フレデリックPEDRObokula.緑黄色社会■8月25日(日)[Alexandros]打首獄門同好会THE ORAL CIGARETTESオレンジスパイニクラブ神はサイコロを振らないKroiChevonSIX LOUNGETani YuukiチョーキューメイTOMOODragon AshNovelbright花冷え。ハンブレッダーズ04 Limited SazabysMY FIRST STORYマカロニえんぴつMakiマルシィヤングスキニー■オフィシャル最速先行(先着):5月10日(金) 18:00〜5月31日(金) 23:59公式サイト:
2024年05月10日リズムよくシャッターを切る音が重なる。レンズに捉えられた2人はぞくりとするほど色っぽい。独特の緊張感に包まれた中、不意にその空気が緩む瞬間があった。それが、セットチェンジのとき。カメラマンから「座ってください」と指示が飛ぶと、スタッフが椅子を用意する前に、福士蒼汰がわざと空気椅子のポーズをする。そのおどけた仕草に、松本まりかも思わず笑い声をあげた。飾らない、素顔の2人がそこにいた。5月17日(金) 公開の映画『湖の女たち』でW主演を務める福士蒼汰と松本まりか。2人が演じるのは、歪んだ支配欲を抱く若手刑事・圭介と、圭介の冷たい視線に恍惚を覚える介護士の佳代。目の前でにこやかに笑っている2人と同一人物が演じているとは思えない。パブリックイメージを覆す、倒錯した関係性に観客は衝撃を覚えるだろう。役者として新境地を切り開いた2人に、圭介と佳代として生きた日々を振り返ってもらった。チャレンジングな作品なので周りの方々が気を遣ってくださいました――普段仮面をかぶって隠している人間の欲がさらけ出されたような描写が数多くありました。この役を引き受けるのには覚悟が必要だったと思うのですが、やってみようと思った一番の決め手は何だったのでしょうか。福士いつかこういった作品にも挑戦してみたいと思っていました。お話をいただいたのが29歳のときだったのですが、それまでエンタメ作品に出演させていただくことが多かったので、違うこともやってみたいなという思いが自分の中で沸々としていた。だから、このお話をいただいた時は、躊躇うことなく受け入れられたんです。チャレンジングな作品ではあるので、周りの方々が気を遣ってくださっていました。松本私も福士くんと同じで、このお話が来たときは、バラエティーとか、すごくポップな作品をやっていて。こういう作品をやれるところに行きたいけど、自分の現実と乖離しているし、という状況だったんですね。そんな中、(監督を務める大森)立嗣さんが「佳代をまりかでやりたい」とおっしゃってくださって。立嗣さんが覚悟を持って挑む作品の重要な役を私に任せてくださる。それだけで、台本を読む前にやりたいと思いました。――内容に対する抵抗はそんなになかったんですね。福士僕は抵抗はありませんでした。自然と導かれるように現場に立っていたように思います。松本私はむしろ台本を読んでから逡巡しました。正直、自分の理解が追いつかなくて、やりたいけど、やれる自信がなかったんです。でも、本能的に行きたい場所だったし、そこに立った景色が見たいという欲求が、できるかどうかわからないという不安を上回っていた。未知のものに立ち向かいたい気持ちが、私をあの場所へ連れて行ってくれました。これほど極限状態に行ける作品とめぐり会えることはそうない――壮絶だったのは、佳代が四つん這いになってこれまでの経歴を圭介に告白するシーンです。答えるのも大変なシーンかもしれませんが、あの場面を少し振り返っていただけますか。松本極限状態でした。役と同化する感じで、自分も追いつめられているけど、佳代も追いつめられているから、それではそれでいいやと思うしかないというか。抜けられない沼の中にいて、どんどん深みにハマっていくような感覚でした。早く抜け出して楽になりたいんです。でも、佳代が同じ状況なら、私もこの感覚をそのまま持っていってやろうと。――そこには、佳代と同じような、ある種の恍惚もあるのでしょうか。松本キツかったからこそ、そう感じていたのではないかと思います。そこまで極限状態に行かせてくれる作品とめぐり会えることもそうないですし、この作品はそれほどの作品でした。作品に力がなければ、極限までは行けない。それだけの作品にめぐり会えた喜びはあった気がします。――圭介は、佳代の告白を聞きながら瞼に涙をためていました。あの涙はト書き通りですか。福士実はあまり覚えていないんです。松本ト書きには書いてなかったですね。福士自分の中でそういう心理状態に持っていかれていたのだと思います。佳代に向けて言った言葉が、全部自分に返ってくるような感じがして。圭介は、佳代にすべてをさらけ出させようとする。でもそれは同時に自分の開示でもあったのではないかと思います。佳代を通して自分を見つめているようなシーンです。嫌われる覚悟で距離を保っていました――映画の中では緊迫した関係だったので、素のお2人がなごやかな雰囲気でちょっとホッとしています(笑)。松本でもね、撮影中は、福士くんのこと嫌いでした(笑)。福士今回は現場で雑談などは一切交わさず、嫌われる覚悟で距離を保ちました。松本ほとんど話さなかった。福士僕は人とお話しすることが好きで。現場でも自分から積極的に話しかけるタイプなんです。でも今回は、現場で僕が笑顔を見せたら圭介という人物が完成しない気がして。今思い返せば本当に申し訳ない気持ちになるのですが、松本さんに対してだけ距離を置いていました。松本嫌いだった〜(笑)。でもそれがいいというか。サディスティックなんだけど、色っぽくて惹かれちゃう。福士さんって優しくて爽やかなイメージがありますけど、私は本当はこういう人だっていまだに疑っています(笑)。福士僕が本当に圭介のような人物だと思われるんですか?松本仮の姿です(笑)。でもそれが魅力なんですよ。むしろもっとそういう顔を見せてほしい(笑)。福士そう言っていただけるようになってよかったです。――ハードな役だったと思いますが、もう一度この役を演じられるとしたら、やりたいですか。福士この先の圭介には興味があります。この先どういう人生を送っていくのか想像がつかないので、彼の今後を演じられるなら面白そうです。松本私はやりたいです。本当に追いつめられましたけど、その先に見えるもの、手にするものがものすごく大きかったので。この映画をやるまで、様々なことに追われる日々で、何を見ても美しいと感じられなくなっていて。でも、この映画のラストが朝焼けのシーンなんですけど、撮影当日、湖の前で朝日を逆光に準備しているスタッフさんを見て、久しぶりに心から美しいと思ったんです。それは、私が今まで見てきた中で一番美しい景色でした。そして、自分の限界に挑戦しなければ見られない景色でした。あのとき、明確に思ったんです、ここにいたいって。あの美しさに出会えるなら、また佳代という役をやりたい。今度は、あのときとは違う目線で演じられるかもしれないですしね。底なし沼にいる感覚は最近までありました――本作の湖は、どこにも行けない閉塞感や、いろんなことを象徴しているように感じました。お2人の中にも、湖のような感情はありますか。松本全然あるな。福士知りたいです。松本ずっと混沌としていたので(笑)。私はそれを湖ではなく、沼と表現していたんですけど。売れない時期は底なし沼に自分が溺れて、誰にも見つけてもらえないような感覚でした。別に苦労話をしたいわけではないし、それを苦労だと思っていないけど、底なし沼にいる感覚は、本当につい最近までずっとありましたね。福士撮影期間中に、琵琶湖を船でまわらせていただいたのですが、琵琶湖は一番深いところで水深100mくらいあるらしくて。底に沈んだ昔のものが、網などに引っかかって出てくることがあるそうなんです。でもそれだけ深いと、水圧の関係で水面に上がっていく途中で泡みたいに溶けたり爆発してしまうこともある。その話を聞いたときに、なんて面白いんだろうと思いました。きっと原作の吉田(修一)先生もそういう象徴として湖を用いたのではないかと。――福士さんにも、そういう気持ちがあると。福士あるんだと思います。湖は、海や川と違って、流れがないから堆積する。それは、僕たちの行きづまる感覚に似ていて。掘り起こされた瞬間に爆発するのも、僕らの感情に通じるものだと思います。自分の中で鬱積していたものが、ある瞬間に何かの弾みで表に出る。大抵そういう感情はネガティブなものだと思いますが、でもそれが表出された瞬間は、ある種発散に似ていて気持ち良かったりするんですよね。――俳優というのは、そんな湖の底に沈めた感情を引きずり出して表現する仕事でもあります。そうした仕事を生業にしていることへの業を、今回やってみて感じましたか。松本(「どう?」という視線で福士を見つめる)福士……感じました!感じたというより、大森監督がそれを引き出してくれました。大森監督は、台詞に対して心から言いたくなったタイミングで言ってほしいという監督。極論、そういう感情になるまで言わなくてもいいという意味なんです。これは心の扉を開いて、その奥にあるものを引っ張り出してくる作業ですし、一番手前の扉では物足りない。何重にもなっている鍵を開けた先にあるものを、大森監督は見たがっている。監督のおかげで、否応なく役者の業を突きつけられている感覚になりました。松本今回の作品がまさにそうですけど、こういう場を与えられたときに、尻込みしながらも挑戦したいと思ってしまうことがすべてなんですよね。これだけ役者という仕事を続けながら、いまだに私はこれができると自信満々に言えるものが何もない。そのくせにお芝居以上の快感を得られるものが見つからないままなんです。演技をしていても、最高潮だと思える瞬間なんて滅多になくて。でも、時折、そう思える瞬間がある。その一瞬に、私はずっと病みつきになっているんです。きっとその瞬間こそが、私が生きていると思える瞬間。一瞬の快感を味わいたくて、お芝居を続けているところがあるかもしれません。取材・文:横川良明撮影:映美福士蒼汰スタイリング:オク トシヒロヘアメイク:佐鳥麻子松本まりかスタイリング:コギソマナ(io)ヘアメイク:桑野泰成(ilumini.)衣装協力(※すべて税込価格):トップス¥18700,プリーツパンツ¥61600/HATRAピアス¥231000/メシカジャパン(メシカ)サンダル/スタイリスト私物ぴあアプリ限定!アプリで応募プレゼント福士さん・松本さんのサイン入りポラを2名様に!【応募方法】1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。こちら() からもダウンロードできます2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!<作品情報>『湖の女たち』5月17日(金) より全国公開『湖の女たち』ポスタービジュアル公式サイト: 映画「湖の女たち」製作委員会
2024年05月10日8月に北海道と東京で上演される、ハイバイ『ワレワレのモロモロ2024 札幌東京編』の詳細が発表された。ハイバイは劇作家・演出家の岩井秀人が主宰を務める劇団。『ワレワレのモロモロ』は参加者が自分の身に起こった話を書き、それをそのまま演劇化して本人を中心に演じる企画で、これまで地方劇場や高校・大学、教育機関など全国で開催を続け、開催地は延べ30カ所、参加者は延べ550名以上にわたる。さいたまゴールドシアター編やフランス・ジュヌビリエ編など、世代や国境を超えて上演を重ねた岩井のライフワークとなる企画だ。今回は「札幌」と「東京」それぞれの地から選りすぐりの実話エピソードが集結。北海道・札幌に新しくオープンするジョブキタ北八劇場で約3週間の滞在制作、公演を経て、約2年ぶりにハイバイ公演として東京凱旋公演が行われる。出演者は板垣雄亮、足立信彦、滝沢めぐみ、南雲大輔、納谷真大の5名が名を連ねた。『ワレワレのモロモロ2024 札幌東京編』は、2024年8月8日(木) から11日(日) にジョブキタ北八劇場、8月14日(水) から18日(日) に東京・ザ・スズナリで上演される。また8月8日(木)・9日(金) の終演後には、本公演の企画や滞在制作についてのアフタートークを実施。他の上演回のチケットを持っている人も、本イベントに限り参加することができる。■岩井秀人 コメント岩井です。ワレワレのモロモロでございます。個人的にはいつも通りの「そいつはヒデー!!(涙笑)」なものもありつつ、さらに射程の広いものが題材になっていて、味わい深いものになりそうです。なかなか日常では触れることができない「宗教」についてや、「資本主義のはしごを必死に登った」体験が語られます。僕自身、世代的(70年代生)にもあまり能動的に話題にしてきづらかったものを扱えることが楽しいです。これを機に、いろんなことを明るく話題に取り上げていける世の中になったらいいなと思いつつ、本番まで楽しくやっていこうと思っております。お楽しみに!<公演情報>ハイバイ『ワレワレのモロモロ2024 札幌東京編』構成・演出・脚色:岩井秀人出演:板垣雄亮、足立信彦、滝沢めぐみ、南雲大輔、納谷真大【札幌公演】日程:2024年8月8日(木)〜11日(日)会場:ジョブキタ北八劇場■アフタートーク8月8日(木) 19:00回 納谷真大(ジョブキタ北八劇場芸術監督)×岩井秀人8月9日(金) 19:00回 出演者×岩井秀人※終演後に開催。※公演チケットをお持ちの方のみ参加いただけます。※他の上演回のチケットをお持ちの方も終演後に入場いただけます。【東京公演】日程:2024年8月14日(水)〜18日(日)会場:ザ・スズナリ一般発売:6月1日(土) 10:00チケット情報(東京公演のみ):()特設サイト:
2024年05月10日7月より東京・大阪・愛知・広島で上演される、iaku『流れんな』の新ビジュアルと主宰の横山拓也よりコメントが到着した。2013年から2014年にかけて4都市で上演された本作。初演では上田一軒が演出を担当したが、10年ぶりに再演される今回の公演では横山自身が演出。iakuの初期話題作『流れんな』を全編広島弁に改稿してお届けする。■横山拓也 コメント2013年から2014年にかけて4都市で上演した『流れんな』を10年ぶりに再演します。初演では上田一軒さんが演出を担いましたが、今回は横山自身の演出です。再演では、貝漁で栄える港町の食堂に集う人物たちの濃度を上げようと、主に広島出身の俳優陣で固め、全編広島弁に改稿しました。『流れんな』は、海洋汚染や企業の隠蔽体質といった社会的な問題、また、出生前診断や生体肝移植における倫理的な問題など、現在においても解決をみない諸問題が多数描かれています。再演にあたり、作品に散りばめられた多岐に渡る要素を、現在の認識・感覚でとらえ直し、新たな視点で取り組みたいと思っています。iakuの作風を決定づけたとも言える本作を、今の自分がどう立ち上げるのか。稽古場で俳優たちと一緒に考察し、楽しみながら創作したい思います。ご来場、心よりお待ちしています。<公演情報>iaku『流れんな』作・演出:横山拓也出演:異儀田夏葉、今村裕次郎(小松台東)、近藤フク(ペンギンプルペイルパイルズ)、松尾敢太郎(劇団あはひ)、宮地綾<東京公演>7月11日(木)~21日(日)会場:下北沢 ザ・スズナリ【チケット】(全席指定)一般発売:5月25日(土) 10:00~前売:5,500円当日:6,000円U-25(25歳以下):2,200円高校生以下:1,100円※「U-25」及び「高校生以下」は、当日年齢を確認できるものを提示※未就学児入場不可<大阪公演>7月25日(木)~29日(月)会場:インディペンデントシアター2nd【チケット】(全席指定)一般発売:5月25日(土) 10:00~前売:4,500円当日:5,000円U-25(25歳以下):2,200円高校生以下:1,100円※「U-25」及び「高校生以下」は、当日年齢を確認できるものを提示※未就学児入場不可<愛知公演>8月3日(土)~4日(日)会場:メニコン シアターAoi【チケット】(日時指定・整理番号付自由席)一般発売:5月25日(土) 10:00~前売・当日共:4,500円U-25(25歳以下)前売・当日共:1,000円障がい者割引 前売・当日共:2,000円※「U-25」は、当日年齢を確認できるものを提示※未就学児入場不可※障がい者割引は、障害者手帳をお持ちの方がご購入いただけます。当日会場にて手帳などをご提示ください。介助が必要な場合、介助の方は1名様のみ無料です。(電話・窓口受付のみ対応)<広島公演>「凪の演劇祭〜HIROSHIMA シアターフェスティバル 2024〜」参加9月6日(金)~8日(日)会場:JMSアステールプラザ 多目的スタジオ【チケット】(日時指定・整理番号付自由席)一般発売:7月7日(日)10:00~前売:3,500円当日:4,000円U-25(25歳以下):2,200円高校生以下:1,100円※「U-25」及び「高校生以下」は、当日年齢を確認できるものを提示※未就学児入場不可
2024年05月10日映画『アンダー・ユア・ベッド』の本編映像が公開された。2019年に高良健吾主演で実写化された映画を韓国でリメイクした本作。監督は本作が韓国デビュー作となるSABUが務め、孤独な人生を送る男・ジフン役をイ・ジフン、ジフンが長い間一途に思い続ける女性・イェウン役をイ・ユヌ、暴力を振るうイェウンの夫役をシン・スハンがそれぞれ演じる。今回公開されたのは、本作唯一の静穏な瞬間を捉えた本編映像。イェウンの家を特定し、彼女を追って同じ町に観賞魚店を構えたジフン。偶然にも彼女が店を訪れ再会するもジフンのことを一切覚えていなかった。夫の嫉妬心で家族や友だちと会うことすら許されないイェウンは、毎日夫からの性暴力に怯えて過ごす日々。そんな空間に、心が休める場所が欲しいと観賞魚を飼おうと思ったが、水槽と観賞魚で約10万ウォン(日本円で約1万円)の値段に驚き、諦めようとしていた。彼女の力になりたいと思ったジフンは、売れないセットがあるからそれをタダで譲る代わりにエサを必ずこのお店で買うように、という条件で、観賞魚を譲ることになった。彼らを再び引き合わせたネオングッピー。実は大学生時代に彼女と一度だけ言葉を交わした際、趣味のネオングッピーを飼ってみたいと言われたことをジフンは忘れたことはなかった。また自分のことを思い出してくれることを願い、ネオングッピーを持って、彼女の家を訪れる。毎日夫からの激しい暴力と暴言の生活に苦しんでいたイェウンはネオングッピーを見るや否や、忘れかけていた幸せを思い出したように、ほんの一瞬だけ笑顔を見せる。彼女の笑顔を目の前で見たジフンは、以前味わった幸せの感触を体中に感じる。映像にはその幸せを再び味わいたいと、彼女への執着心が加速するジフンの姿が捉えられている。映画『アンダー・ユア・ベッド』本編映像<作品情報>『アンダー・ユア・ベッド』5月31日(金) 公開公式サイト: Mystery Pictures, ALL RIGHTS RESERVED
2024年05月10日古美術の充実したコレクションを誇る東京・南青山の根津美術館は、自館の収蔵品を様々な視点からひもとく企画展を定期的に開催している。 6月1日(土)から7月15日(月・祝)まで開催される今回の企画展の着眼点は「数字」。『古美術かぞえうた』という愛らしいタイトルのもと、名前に数字が織り込まれた多彩な収蔵品が勢揃いする。ものの数量や分量、順序や回数を表す数字は、確かに私たちの身のまわりにあふれている。そして、古美術作品の名前でも、数字をともなうものは少なくないのだとか。意味があって名前に織り込まれた数字は、その作品の特徴を端的に示すものだが、その数字が意味する内容は一様ではない。ときに形を意味したり、技法を示唆したり、作品の形式を表したり……。同展は、そうした作品名の中にある数字に注目することで、作品の鑑賞や理解の糸口になることを期待して企画されたという。例えば、花を生ける窓がひとつの花入は「一重切(いちじゅうぎり)」と呼ばれるが、これは数字が花入の形式を表しているもの。釉薬を用いて焼成する陶器の「三彩」や「五彩」は色の数を表すと同時に、技法にも関わっている。「四方鉢」や「六角鉢」のように、四角や六角の器の形を表すものもあれば、乱世を避けて隠居した4人の老人を描く《商山四晧図(しょうざんしこうず)》や《七夕図》のように、中国の故事にちなむ画題もある。また、《五徳義書巻(ごとくぎしょかん)》のように、儒教で説く5つの重要な道徳観念を記したものや、中国の名勝「瀟湘八景(しょうしょうはっけい)」のように、決まった組み合わせを示すものもある。なかでも長大な数字をもつのは、《百万塔》。奈良時代に死者を弔うために実際に100万基の小塔がつくられ、10寺院に10万基ずつが納められたが、現在は一部が残るのみで、1基でも「百万塔」と呼ばれるのだという。《織部縞文四方鉢》 美濃日本・桃山~江戸時代17世紀根津美術館蔵数字をきっかけに、こうした解説を読んでいくと、作品の理解が深まるのが同展の大きな魅力だ。また登場する作品が書や絵画、陶磁や漆工、金工、木竹工など多岐にわたる点も楽しみなところだろう。なお、同時開催の小企画展『江戸→東京 -駆け抜ける工芸-』と『季夏の茶の湯』では、明治期の漆工と金工、そして季節の茶道具も堪能することができる。《青井戸茶碗銘 凉及》 朝鮮・朝鮮時代16世紀根津美術館蔵<開催概要>企画展『古美術かぞえうた―名前に数字がある作品―』会期:2024年6月1日(土)~7月15日(月・祝)会場:根津美術館時間:10:00~17:00休館日:月曜(7月15日は開館)料金:一般1,300円、大高1,000円※日時指定予約制公式サイト:
2024年05月10日ドラマ『パム&トミー』で共演したセバスチャン・スタンとリリー・ジェームズが、新作映画で再び夫婦を演じることになった。ホラー映画で、タイトルは『Let the Evil Go West』。ある物を拾ってきてから幻覚に悩まされるようになった夫を見て、妻は悪魔が家にやってきたのだと確信するという物語。監督は『胸騒ぎ』のクリスチャン・タフドルップ。スタンの次回公開作は、今年のサンダンス映画祭でお披露目された『A Different Man』。また、今月のカンヌ映画祭で上映される『The Apprentice』では、若い頃のドナルド・トランプを演じる。ジェームズの次回公開作は、犯罪コメディ『Greedy People』。文=猿渡由紀
2024年05月10日RHYMESTERが、ライブイベント『キングオブステージ in サンリオピューロランド 2024』を6月30日(日) に東京・サンリオピューロランド1階 フェアリーランドシアターで開催することが決定した。今年で3年目を迎える『キングオブステージ in サンリオピューロランド』は、サンリオおよびサンリオピューロランドとのコラボレーション企画でスタートした人気イベント。チケットにはサンリオピューロランドのデイパスポートに来場予約とイベント入場料が含まれていることもあり子ども連れの参加者も多く、チケットは毎回即完売を記録している。今年も前回同様2部制のそれぞれ1時間程の公演で、ゲストキャラクターのサプライズ出演も予定されている。昨年まではRHYMESTERと「ぐでたま」とのコラボレーション・アートワークやグッズが話題となったが、今年は宇多丸はバッドばつ丸、Mummy-Dはポチャッコ、DJ JINはハンギョドンと新しくコラボレートしており、こちらも話題となりそうだ。チケットの抽選受付は、5月15日(水) 正午よりスタートする。<イベント情報>キングオブステージ in サンリオピューロランド 20246月30日(日) 東京・サンリオピューロランド1階 フェアリーランドシアター1部:開場14:00 / 開演14:302部:開場16:30 / 開演17:00※どちらのステージも1時間程度(予定)出演:RHYMESTERRHYMESTER 公式サイト:
2024年05月10日ジョージ・ミラーが監督を務める映画『マッドマックス:フュリオサ』のファイナル予告が公開された。本作では、シャーリーズ・セロンが演じた『マッドマックス』サーガ最強の戦士フュリオサの怒りの“原点”が、アニャ・テイラー=ジョイと、『マイティ・ソー』シリーズでおなじみのクリス・ヘムズワースの共演で描かれる。公開された映像では、フュリオサ(アニャ・テイラー=ジョイ)の宿敵であるはずのディメンタス将軍(クリス・ヘムズワース)が、足を引きずりながら車を追いかけるシーンから始まる。ディメンタス将軍率いる数えきれないほどの謎のバイク集団、大迫力のドリフトなどのカーアクションに加え、顔に真っ黒なグリースを塗ったフュリオサが彼を追い詰め、ライフルを構えるシーンも見ることができる。また前作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の爆走カーチェイスシーンが“逆再生”で盛り込まれる壮大な演出も。さらに、前作でも話題となった圧倒的スケールで描かれるカーアクションがさらにパワーアップしており、映像の後半には、禍々しい黒いグライダーで空を飛ぶ敵との空中戦、前作でも登場した超大型トレーラーのウォー・タンクの後部に設置した秘密兵器、火炎放射器による爆炎攻撃など、息もつかせぬ怒涛のアクションが凝縮されている。加えて注目なのは、覚悟を決めたフュリオサの眼力。復讐を誓った仇に肉薄する彼女の表情は、まさに“怒りの戦士”。その爆誕の瞬間と、人生を賭けた壮絶なフュリオサの復讐の行方も見どころとなりそうだ。併せて、新たな場面写真が公開された。フュリオサが車から飛び出す姿は、戦いに向かうまさに怒りの戦士そのもの。そして彼女がその手に持つ銃は、前作でマックスがフュリオサから奪った銃に酷似している。さらに、5月31日(金) の公開日より3週連続で入場者プレゼント「日本限定!スペシャルアート・ステッカー」(全3種)が配布されることが決定。公開1週目から配布される第1弾のステッカーのビジュアルは、ディメンタス将軍が大手を広げて乗り込んでいる巨大なモンスターカーが火を噴き、その前に“バズカット”“義手”“銃”で戦闘準備万端のフュリオサが構える、まさに本作を象徴するような構図が印象的なデザインとなっている。なお本ステッカーの裏面のQRコードを読み込むことで、各ステッカーのビジュアルのスマホ用壁紙がダウンロードできる。『マッドマックス:フュリオサ』入場者プレゼント「日本限定!スペシャルアート・ステッカー」第1弾デザインそして新作公開に合わせ、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』がテレビ東京「午後のロードショー」で6月3日(月) 13時40分から放送される予定だ。『マッドマックス:フュリオサ』ファイナル予告<作品情報>『マッドマックス:フュリオサ』5月31日(金) 公開公式サイト: 2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.IMAX(R) is a registered trademark of IMAX Corporation.Dolby Cinema is a registered trademark of Dolby Laboratories.
2024年05月10日2023年8月にNHK総合で放送されたドラマ『アナウンサーたちの戦争』の映画化が決定。併せて2024年8月に公開されることが発表となった。本作では、太平洋戦争中のラジオ放送に携わったアナウンサーたちの葛藤と苦悩が事実をもとに描かれる。開戦ニュースと玉音放送の両方を担当した伝説のアナウンサー・和田信賢役で森田剛、女性アナウンサーの草分け的存在である和田実枝子役で橋本愛、開戦臨時ニュースを読み一躍名をあげた若手アナウンサー・館野守男役で高良健吾、開戦後に派遣されたマニラ局ではナンバー2として局長を支えた米良忠麿役で安田顕、戦後もNHKを代表するスポーツアナとして活躍し、野球殿堂入りを果たした志村正順役で大東駿介、秘密裏にベトナムに派遣され、偽ニュースで敵軍を攪乱する謀略放送に従事したアナウンサー・今福祝役で浜野謙太が出演する。また、終戦の年に特攻隊員として飛び立つ朝倉寿喜役を水上恒司、和田実枝子と同期入局した赤沼ツヤ役を藤原さくら、多くのアナウンサーが戦争をあおる情熱的な“雄叫び調アナウンス”になっていく中で、「宣伝・情熱は危険だ」と勇気ある苦言を呈し続けた川添照夫役を中島歩、集金係からアナウンサーに転身した長笠原栄風役を渋川清彦、日本放送協会で海外放送を担当していた番組制作のホープ・並河亮役を眞島秀和、ラジオ放送開始の1925年に入局した中村茂役を遠山俊也、野球や相撲など日本のスポーツ実況放送の原型を作ったアナウンサー・松内則三役を古舘寛治、1945年4月に情報局五代目総裁に就任した下村宏役を小日向文世が演じる。また、森田演じる和田信賢の魂の叫びが垣間見える、本作のティザービジュアルが公開された。■森田剛 コメント終わった話ではなく、今生きている自分たちの話だと思います。言葉の重さ、命の重さを受け取ってもらいたいです。そして多くの人の目に触れてほしいと思っています。■橋本愛 コメントこのたび映画館で上映されること、心から嬉しく思います。戦争のために、私たちの命も、メディアも、すべてが支配されることの恐ろしさ、そして憤りを感じながら演じたことを思い出します。今も世界を見渡せば、そのあまりの残酷さに胸が張り裂けそうになります。スタッフもキャストも、きっと全員が全身全霊を込めて取り組んだ作品です。どうか届きますように。■高良健吾 コメント言霊という言葉があるように、言葉には凄まじい力があります。その言葉がどのように扱われ、利用され、皆が信じていたものが崩れていったのか、この作品に関わる事で、役を演じる事で、自分自身苦しい想いをした事を今でも思い出します。今は結果が分かっているからこそ、戦時中の事を様々な考えで、言葉で意見する事ができますが、当時生きていた人たちは今を必死に生きていくしかなかった。『アナウンサーたちの戦争』は今の世に必要な作品です。アナウンサーという職業を選ばなかった、遠くに感じている方にも響くものが必ずあります。当時放送されたものとは違う編集で劇場公開されます。是非劇場でご覧下さい。■安田顕 コメント“言葉”という、誰もが持っているものが人を救ったり時には凶器になったりすることを突き付けられる作品です。学徒出陣。かつて、旧国立競技場で行われたそのイベントの実況を拒否したアナウンサー役の森田剛さんが、誰もいない雨の中、魂の言葉を吐露する箇所があります。この作品のその一片に、そこの森田剛さんの魂の芝居に、心打たれました。学徒が、出陣したんです。子どもを、出兵させたんです。人を、殺しに行かせたんです。そこに、右も左も、上も下も、ありません。それを肝に銘じたはずの戦後80年の只中に、この国の我々は生きています。この作品が届いて欲しいと願うのは、とにもかくにも、その一片に至るシークエンスです。あの瞬間を遺そうとする森田剛さんの演技です。嘔吐に至るほどの言霊をぶち撒けるあなたの芝居に、感情を揺さぶられました。ありがとう!!私的な言葉を、公に伝えてしまい、すみません。いつかメールアドレス教えてください(笑)。日常の何気ない言葉の積み重ねに、その先があります。争いごとが他人事ではなくなってきた現代だからこそ、過去を知り今を見つめ、未来を考えるきっかけになることを願います。是非、劇場でご覧ください。■大東駿介 コメント戦争が過去の話ではない、他人事ではすまない“今”を生きる人間として、放送に携わる人間として、痛いほど、恐ろしいほど感情移入した作品です。アナウンサー志村正順氏のアナウンス音源から伝わる当時の“今”をしっかりこの作品に宿したつもりです。是非劇場で受け止めて頂きたいです。■浜野謙太 コメント『おかえりモネ』でご一緒した一木(正恵/演出)さんからは並々ならぬ拘りを感じた。僕は主だった役ではないが全力で付いて行こうと思った。行き着けば、自分たちへの痛烈な批判になりうる表現は痛々しいけど、ダイレクトに人の心を打つと思う。この作品がそうだ。そこにはやり残された反省、現在の僕たちにも身につまされる事があるからだ。脚本を読んだ時、涙が止まらなかったし撮影時は幸せだった。ここに参加出来た事、とても光栄に思います。■水上恒司 コメントドラマから劇場版へ。このような流れに成った作品に携わったのは今作品が初めてであり、改めて作り手と見て下さる多くの方々のパワーを感じました。私事でありますが、特攻隊員の役を人生で3度演じさせて頂きました。戦争を語る上で特攻隊員は切っても切れない存在ですが、まだまだフォーカスを当てるべき存在は沢山あると考えます。今回はアナウンサー、です。和田信賢の壮絶な葛藤を体感してください。■藤原さくら コメント圧倒的な「声の力」「言葉の力」を前に、当時の人々が突き動かされていくのを丁寧に描いたドラマが映画になりました。あの力強いアナウンサーたちの声や眼差しを劇場で目の当たりにすることで、より深いところまでやさしさも、恐ろしさも、胸に染み渡っていく体験になると思います。私が演じたツヤは、厳しい戦争の中、最後まで諦めずに女性のアナウンスを届けようとした女性でした。強く、カッコよく、しなやかなツヤのように私も在りたいです。ぜひ劇場で。■中島歩 コメントこの作品が描く時代から現在に至るまで、報道というものは実に多様に姿を変えていきました。しかしその本質は変わっていないように感じます。それどころかその影響力や効果は益々強くなっているのではないでしょうか。この作品は現実に起きたことに基づいています。僕はこの作品に関わったことで報道の危うさを感じ、報道と自分の関係を改めて考え直しました。戦争の影響が広がる今にこそぜひご覧になってみてください。■渋川清彦 コメントそれぞれの武器で、それぞれのやり方で闘っていく。銃や戦車や爆弾ではなく。当時の事を想像したり今も残っている音に少し触れてみたりと、勉強になりました。そしてまた素晴らしい監督にめぐり逢え、またひとつ財産が増えました。最後に、戦争のない世になりますように。■眞島秀和 コメントメディアに関わる先人たちの苦しみを描いた本作に参加出来たことは、俳優として光栄です。劇場での上映も楽しみにしております。■遠山俊也 コメント改めて観ました、「エンターテイメントとして面白い!楽しんでください!!」と単純には言えませんでした。登場人物はみんな良かれと思って行動している、良い方に向かえと言葉を発している。悪い人はひとりもいないのに悪魔は生まれてくる。でも私は、この後味の悪さを感じていたい、「信用できる言葉」とはなんなのかを考えたい。当時よりさらに深刻で複雑で難解かもしれない今、現在だからこそお薦めしたい真実の作品です。■古舘寛治 コメント劇場公開おめでとうございます。このような意義深い作品がテレビ放送だけでなく劇場でも公開される。素晴らしいことです。人は個人では誰もが戦争を嫌うのに、それが社会になるとやがて戦争に傾いていき、個もそれに加担し協力せざるを得なくなる。その不可思議を誰もが考え続けることが大切なのではないか?それを促す役目を物語は担える。そんな作者の気概が伝わってくるような作品です。ぜひ!■小日向文世 コメントラジオは、困っている人に呼びかけられる、知らない国の知らない人たちにいろんなことが伝えられるという思いで始まり、アナウンサーたちが「前畑頑張れ!」のオリンピック中継など華々しく活躍するようになりました。一方で、アナウンサーたちが戦争という時代に巻き込まれ、散り散りになっていく歴史もありました。戦争がなくならない今の時代だからこそ、いろんな思いで見ていただけたらと思います。<作品情報>『劇場版 アナウンサーたちの戦争』2024年8月公開(C)2023 NHK
2024年05月10日KinKi Kidsの堂本剛が主演を務める映画『まる』が、2024年10月に公開されることが決定した。堂本が映画で主演を務めるのは、1997年に公開された『金田一少年の事件簿 上海魚人伝説』以来27年ぶり。近年では音楽活動が中心となっていたが、荻上直子監督と企画プロデューサーから約2年間にわたる熱烈オファーを受け、「自分が必要とされている役なら」と心を動かされ出演に至ったという。今回堂本が演じるのは、美大卒だがアートで身を立てられず、人気現代美術家のアシスタントをしている男・沢田。独立する気配もなければ、そんな気力さえも失って、言われたことを淡々とこなすことに慣れてしまっている。ある日、通勤途中に事故に遭い、腕の怪我が原因で職を失う。部屋に帰ると床には蟻が1匹。その蟻に導かれるように描いた〇(まる)を発端に、日常が〇に浸食され始める奇想天外な物語だ。これまで自らストーリーを進めていく役柄の多かった堂本が、不思議な事態に巻き込まれていくキャラクターで、27年ぶりの主演にして新境地を魅せる。併せて、2種類のティザービジュアルと特報映像も公開となった。ティザービジュアル(メイン)は、沢田が住む街を背景に撮り下ろした写真を使用。巨大な〇に飲み込まれそうな沢田の上に、「ある日突然、〇が迫ってきた」という言葉が微妙に歪んだ形で添えられている。またキャラクターバージョンでは、沢田らしい虚無感のある表情が収められている。デザインは、A24作品の日本版ビジュアル(『ミッドサマー』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)、荻上監督の初期作品『バーバー吉野』『めがね』『トイレット』などを手がけるデザイナー・大島依提亜が担当。グラフィカルで普遍的な〇の形を日常的な実写風景、人物と組み合せる事で不思議な作品世界を表現した。また特報映像には、日常が〇に浸食され、いつしか〇に囚われはじめる沢田の様子が映し出されていく。最後には襲い掛かる奇妙な出来事に対して、「すごっ」とどこか他人事のような沢田の一幕も。いつの間にか観ているこちらの心までぐるぐる回り出すような、不思議な世界観を纏った内容となっている。■堂本剛 コメント主演でお芝居させていただくのは久しぶりです。寝不足で誰のために何のために働いているのかも考えられない毎日を過ごしている主人公の沢田。だから顔色も良くはない、目の下にはクマ、顔の筋肉も動いていない。自分本来の心で人生を柔らかく生きて描きたいままに画を描くこと。これが叶えば良いだけなのに、人は自分を誰かと比べ、審査し、点数のようなものを付ける。孤独だということをそれこそ理解できずにそうしてしまう人も多いのだろう。孤独を感じていなければ人はそうならないだろう。頼んでもいないのに人は人の生き方や道にそうする事で我が身や我が心が安心するのだろう。ならばそれに付き合うこともまた人生か?と、沢田なりに人々の孤独に漂ってみている。きっと正しくないしもはや楽しくもないことはわかっているが、いらぬ優しさがそうさせてしまうのかも知れない。そんな沢田を演じるうえでいろいろを整えることをやめて崩すイメージで演じさせていただきました。共演者の皆様がとても優しく接して下さいました。荻上監督をはじめスタッフの皆様も大変優しく接して下さいました。そのことがいちばん嬉しくて幸せでした。「人は人に優しく生きることができる」を叶え合い大切な一日を繰り返し完成した作品『まる』。まるという言葉や文字を皆様はどう捉えてこの作品を楽しんでいただけるか興味深いところです。劇中でもたくさんまるを描きました。細部に渡る隅々まで。たくさんたくさん描きました。世の中が平和を諦めずに平和を作ることへ時間や命を繋げてほしいと想いを込めて「。」■監督・脚本:荻上直子 コメント撮影中の1カ月間、純度の高い無色透明な塊、みたいなもののそばにいるような気持ちでした。もし彼のタマシイが見えたら、きっとそんな感じなのだろうと思う。混じり気のないどこまでもどこまでも透明な珠(たま)。映画『まる』特報映像<作品情報>映画『まる』2024年10月公開公式サイト: Asmik Ace, Inc.
2024年05月10日TRICERATOPSの和田唱が、4年ぶりのソロアルバム『BIRDMAN』を5月15日(水) に配信リリースすることが決定した。『BIRDMAN』は、ドラムとストリングス以外のすべての楽器を自身で演奏し、あくまでも“フルアルバム”という形式にこだわり、全11曲をレコーディングしたセルフプロデュース作。デビューから27年、音楽への愛情を注ぎ込み、キャリアを拡げてきた和田が、今描きたい世界をふんだんに詰め込んだ意欲作となっている。また、和田ひとりでステージを展開させるワンマンライヴ『一人宇宙旅行-MEETING BIRDMAN-』が、5月26日(日) の愛知・名古屋JAMMIN’を皮切りに、5月31日(金) の大阪・梅田BananaHall、6月2日(日) の東京・品川Club eXで開催される。ライヴ会場では本作のCD販売(一般流通は未定)も予定されている。そして本日5月9日(木) 夜より、アルバム収録曲のミュージックビデオ計3作品が、5月15日の配信リリース日までに連続公開される予定だ。<リリース情報>和田唱 3rdソロアルバム『BIRDMAN』5月15日(水) 配信リリース※5月26日(日) よりツアー会場限定でCD発売和田唱『BIRDMAN』ジャケット【収録曲】1. まだ?2. UR3D3. Bleed...4. E.T.5. Stay6. Boy7. 終身刑8. シニカル期9. 鳥10. クロノロジー11. ごめんねの効能<ツアー情報>和田唱『一人宇宙旅行 2024 -MEETING BIRDMAN-』5月26日(日) 愛知・名古屋JAMMIN’5月31日(金) 大阪・梅田BananaHall6月2日(日) 東京・品川Club eXTRICERATOPS 公式サイト:
2024年05月09日20世紀美術、とりわけシュルレアリスムの画家たちに強い影響を与えた画家、ジョルジョ・デ・キリコ。彼の作品が100点以上展示される大回顧展『デ・キリコ展』が東京都美術館で4月27日(土) に開幕。8月29日(木) まで開催されている。イタリア人の両親のもと、ギリシャで生まれ育ったジョルジョ・デ・キリコ(1888〜1978)。父の死後に移り住んだミュンヘンで美術を学んだデ・キリコは、ニーチェの哲学や、アルノルト・ベックリン、マックス・クリンガーらの作品に大きな影響を受け、「形而上絵画」と名付けた作品群で世界中から注目を集める存在となっていく。同展は作風を変遷させながらも、自らの美を追求したデ・キリコの全貌を5章構成で迫る回顧展だ。展示室内にはデ・キリコの作品をイメージしたアーチ型の門が設えられた場所もあり、展示空間からもその作品世界を追体験することができる。展示風景より (C) Giorgio de Chirico, by SIAE 2024デ・キリコは生涯にわたって何百枚もの自画像、肖像画を描いた。第1章「自画像・肖像画」では彼の多様な画風について、自画像や肖像画の変遷でたどっていく。《弟の肖像》は、のちにアルベルト・サヴィニオの名前で作家・劇作家・作曲家として活躍する実弟の肖像画。デ・キリコが象徴主義の画家、アルノルト・ベックリンの強い影響を受けていた頃に古典的な肖像画の形式に則って描いたものだ。この約50年後に描いた《17世紀の衣装をまとった公園での自画像》は、バロック時代の衣装を身に着けた自分自身を描いている。《弟の肖像》1910年 ベルリン国立美術館蔵(C) Photo Scala, Firenze / bpk, Bildagentur fuer Kunst, Kultur und Geschichte, Berlin(C) Giorgio de Chirico, by SIAE 2024《17世紀の衣装をまとった公園での自画像》1959年 ジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団蔵 (C) Fondazione Giorgio e Isa de Chirico, Roma(C) Giorgio de Chirico, by SIAE 2024第2章「形而上絵画」は、彼の代名詞とも言える「形而上絵画」について取り上げる。「形而上(メタフィジックス)」とは、哲学において、形のないもの、形を超えたもの、つまり思考や精神、概念などを示す言葉だ。1910年のある日、見慣れたフィレンツェのサンタ・クローチェ広場を見たとき、まるで初めて見る景色であるかのような感覚に襲われたデ・キリコは、この「啓示」をきっかけに、歪んだ遠近法用いたり、脈絡のないモチーフを配置した広場や室内、マヌカン(マネキン)などを描き始める。わかりやすいモチーフや構図を使っていながらも、どこか現実離れした不穏で神秘的な雰囲気を醸し出すこれらの作品を、後に自ら「形而上絵画」と名付けたのだ。アーケードや長く伸びる影、雲ひとつないのに不穏な青空などを描いたイタリア広場のシリーズをデ・キリコは数多く描いている。この謎めいた作品群に、詩人で小説家、評論家のギヨーム・アポリネールや若きシュルレアリストたちはたちまち魅了されていった。《バラ色の塔のあるイタリア広場》1934年頃トレント・エ・ロヴェレート近現代美術館蔵(L.F.コレクションより長期貸与)(C) Archivio Fotografico e Mediateca Mart(C) Giorgio de Chirico, by SIAE 2024《イタリア広場(詩人の記念碑)》1969年ジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団蔵(C) Fondazione Giorgio e Isa de Chirico, Roma(C) Giorgio de Chirico, by SIAE 2024第一次世界大戦勃発にともない、パリからイタリアのフェッラーラに移り住んだデ・キリコは、「形而上的室内」と呼ばれる室内空間を描くようになり、その後、マヌカンをモチーフにいた作品を生み出していく。《福音書的な静物Ⅰ》1916年大阪中之島美術館蔵(C) Giorgio de Chirico, by SIAE 2024《形而上的なミューズたち》1918年カステッロ・ディ・リヴォリ現代美術館(フランチェスコ・フェデリコ・チェッルーティ美術財団より長期貸与)(C) Castello di Rivoli Museo d’Arte Contemporanea, Rivoli-Turin, long-term loan from Fondazione Cerruti(C) Giorgio de Chirico, by SIAE 2024《予言者》1914-15年ニューヨーク近代美術館(James Thrall Soby Bequest)(C) Digital image, The Museum of Modern Art, New York / Scala, Firenze(C) Giorgio de Chirico, by SIAE 2024同展では、各章の合間にデ・キリコの絵画以外の活動も紹介している。彫刻や舞台芸術においてもデ・キリコは精力的に活動を行っていた。展示風景よりデ・キリコによる彫刻群 (C) Giorgio de Chirico, by SIAE 2024バレエ『ブルネッラ』衣装1931年上演ジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団蔵(C) Giorgio de Chirico, by SIAE 20241920年代に入ると、徐々に古典主義的な表現を取り入れ始めるが、そのことに対して多くのシュルレアリストたちは反発し、デ・キリコと袂を分かつこととなる。第3章「1920年代の展開」、第4章「伝統的な絵画への回帰『秩序への回帰』から『ネオ・バロック』へ」では、デ・キリコの新しい表現、そして伝統的な絵画への回帰を取り上げる。左:《谷間の家具》1928年ナーマド・コレクション(C) Giorgio de Chirico, by SIAE 2024右:《谷間の家具》1927年トレント・エ・ロヴェレート近現代美術館(L.F.コレクションより長期貸与)(C) Archivio Fotografico e Mediateca Mart(C) Giorgio de Chirico, by SIAE 2024デ・キリコは1920代頃からルネサンス期の作品に、1940年代にはバロック期に傾倒し、自らの作品も西洋絵画の伝統的な様式へと回帰していく。《風景の中で水浴する女たちと赤い布》1945年ジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団蔵(C) Fondazione Giorgio e Isa de Chirico, Roma(C) Giorgio de Chirico, by SIAE 2024そして、最終章となる第5章「新形而上絵画」は、最晩年、1960年代後半以降について取り上げる。「形而上絵画」から始まり、古典絵画へと回帰していったデ・キリコは、その後、さらにそれまでの経験をふまえた「新形而上絵画」と呼ばれる新しい画風を切り開き、亡くなるまでの10年にわたって描き続けた。「新形而上絵画」では、かつての形而上絵画にあった寂しさや寂寥感は薄れ、よりいっそう謎めいた作品が増えている。《オデュッセウスの帰還》1968年ジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団(C) Fondazione Giorgio e Isa de Chirico, Roma(C) Giorgio de Chirico, by SIAE 2024《瞑想する人》1971年ジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団蔵(C) Fondazione Giorgio e Isa de Chirico, Roma(C) Giorgio de Chirico, by SIAE 2024若い時期に脚光を浴びながらも、そのスタイルに甘んじず、批判を浴びながらも自らの芸術を追求し続けてきたデ・キリコ。世界各地から集った約100点以上もの作品で、その画業を通覧できる貴重な機会だ。彼が作り出す不思議な世界をしっかりと目に焼き付けよう。取材・文・撮影:浦島茂世<開催概要>『デ・キリコ展』2024年4月27日(土)~8月29日(木)、東京都美術館にて開催公式サイト:チケット情報:()
2024年05月09日『王様戦隊キングオージャー』では感情を表に出さない氷雪の国王リタ・カニスカを演じた平川結月。そんな彼女の1st 写真集『ゆづき。』が5月2日に発売された。無邪気な表情や物憂げな表情など、ドキッとするほど距離が近いプライベート感あふれる魅力が詰まった写真の数々は彼女にとっても自信作のよう。「これを見て私に沼ってほしい」といたずらっぽく笑う平川結月に『ゆづき。』に込めた思いや、1年間リタとして過ごした日々について話を聞いた。「平川結月ってこんな人だよ」と知っていただける1冊──1st 写真集『ゆづき。』について、「私の名刺代わりとなるような1冊になったら嬉しいです」とコメントされていましたね。『王様戦隊キングオージャー』をきっかけに私のことを知ってくださった方が多いと思うんですが、私が演じたリタ・カニスカは顔の下半分が隠れているうえ感情をあまり見せないキャラクターだったんです。だからこそ、写真集では素の自分も出して「平川結月ってこんな人だよ」とみなさんに知っていただけるような1冊にしたいという思いがありました。──それで「名刺」という言葉が出てきたのですね。写真集の情報が解禁されたときには、SNSでもファンの方たちから多くの声があがっていました。写真集を出すのが初めてなので未知数なところが多く、「どんな反応があるだろう?」と結構不安でしたが(苦笑)、ありがたいことにたくさんの反響をいただいて。楽しみにしてくださっている様子が私もすごく嬉しかったですし、みなさんの元に早くお届けしたいなと思いました。──撮影の際に被写体として意識したことなどはありましたか?秋田と東京都内で撮影しましたが、一貫してあんまり撮影だと思って挑んでいなかったというか……私自身が撮られたことに気づいていなかった写真もあります(笑)。本当に自然体の私を切り取っていただいたなので、「より良い写真集にしたい」という思いはもちろんありましたが、頑張ったというよりはその場を楽しんだ感覚のほうが近いです。とてもリラックスして撮影に臨めました。──フォトグラファーの前康輔さんとは事前にやり取りがあったのでしょうか?撮影に入る前に一度打ち合わせみたいな感じでお食事をさせていただきました。そのときから、写真集の話よりも世間話のほうが断然多かったんです(笑)。すごく和やかにお話ししていただいて、その雰囲気のまま撮影に挑めたので、すごくありがたかったです。私は元々、撮影ってすごく緊張して身構えてしまうタイプなんですが、撮っているときも前さんが色々とお話ししてくださったので、とてもリラックスしてのびのびと撮影に臨めました。東京の街を散歩する私に遭遇するかも!?──秋田での撮影を選んだのはなぜでしょう?『王様戦隊キングオージャー』のリタが雪に関して縁のある役だったというのも理由のひとつですし……熊本出身なので、人生で一面の雪景色というのを見たことがなかったのも大きいです。初めてのものに触れた瞬間の表情を写真集に収めることができたら、きっと良い記念になるだろうなと思って雪のある場所を選びました。──雪景色のなかにたたずむ写真がすごく素敵でした。辺り一面真っ白で壮大な景色が広がっていて、雪景色を見たことがない私にとっては「ここって日本なの!?」と思うぐらい圧倒されましたし、自然のパワーを感じました。でも、雪のなかを歩くのって大変じゃないですか。雪道に慣れていなさすぎて、一歩一歩踏みしめながら慎重に歩いていたのですっごく筋肉痛になりました(笑)。そんなところも楽しかったです。──特にお気に入りのロケーションは?どれもお気に入りですが……湖で撮影したものですかね。背景に雪がかかった山が連なっていて、湖にその山々が反射しているんです。とても壮大なロケーションなので、見どころのひとつになっていると思います。──衣装やヘアメイクもいろんなバリエーションがありますね。プライベートでは黒や白ばかりを着ていますし、髪の毛もいつもストレートなので、私自身もすごく新鮮でした。衣装やヘアメイクも含めて、新しい平川結月をみなさんにも見ていただけるんじゃないかなと思います。──都内の撮影ではボーリングをやっている姿も。得意なのでしょうか?得意なはずだったんですけど……撮影の日は調子が悪かったみたいです(笑)。カメラマンの前さんとガチで対決して負けました(笑)。──都内パートでは休日を過ごしている素の平川さんが想像できるような写真も多いですが、実際にはプライベートで何をすることが多いですか?散歩がすごく好きなので、休みの日はよく散歩をしています。仕事やプライベートで湧き出た感情を、散歩の時間に整理したりリセットすることが多いです。散歩中にコーヒーをテイクアウトしてベンチに座って飲んでみたり。「あのとき、ああだったなあ」と、心に引っかかっている気持ちを掘り起こして整理して、その場にポンって置いて帰るイメージですかね…。そういう意味でも散歩は私にとって、すごく大事な時間です。──東京の街を散歩する平川さんに遭遇するかもしれませんね(笑)。電車に乗って知らない駅で降りて、そこを歩くのが好きなので……あるかもしれないです(笑)。上京して5年くらい経ちますが、コロナ禍もあったのでまだ見ぬ街はたくさんあります。そういったところに今後もふらっと行ってみたいと思っているので、まさにこの写真集に写っているような私がいるかもしれません。自分に制限をかけず「とりあえずやってみる」──先ほどお話に出てきたように、『王様戦隊キングオージャー』で演じたリタは感情の起伏をあまり見せないキャラクターでしたが、ギャップという意味では王様たちのなかでは一番振り幅が大きかったと思います。そうですね。リタのキャラクターに関しては、脚本や監督の演出ですごく面白く膨らませていただいたなと思っています。それでもやっぱり根本にあるのは、裁判長としての自分、国王としての自分、リタ・カニスカとしての自分という3つの顔であって、それらが重ならざるを得ない状況で出てくる矛盾やもどかしさがリタのギャップを生み出しているんじゃないかなと演じながら思っていました。──その根本があるから、必然的にリタのギャップが引き出された?そうだと思います。それに、ほかの王様たちがすごく自分勝手にガチャガチャ動いてあっちこっちで色々始めるので(笑)、それを見ていたら自然とリタも反応してしまいますよね。──パイロット監督の上堀内(佳寿也)さんと仕事をしてみてどのように感じましたか?妥協をしないというか……最後の最後まで、最後のワンカットまで、より良いものやさらに面白いものをつくろうと追求される監督なので、私もそこに必死で食らいついていく感じでした。──監督とのやり取りのなかで今後も忘れないでおきたいことなどは?「とりあえずやってみる」ということを学びました。相手の出方を探ってしまったり、「こうやってみようかな?いや、やっぱりやらないでおこう」と自分自身をコントロールしてしまう部分が私にはあって。私のそういう性格を上堀内監督はきっと気づいていたんでしょうね。「こっちでいくらでも修正できるんだから、とりあえず1回やってみなよ」と言ってくださって、その言葉にすごく救われました。一歩踏み出す勇気を『王様戦隊キングオージャー』での1年間で鍛えていただいたなあと思っています。──表情が見えにくいリタでしたが、目や眉の動きなど、とても細かいところまでお芝居されていた印象でした。1年間リタを演じたことで改めて気づいたのが「すべての動作にはちゃんと意味がある」ということでした。それってリタを演じたからこそ、より強く感じることができたんだと思います。不動を貫いているけれど、動いていないわけではない。止まっていることにも何かしら意味があるし、何をするにも「絶対にそうしないといけない」とリタが思った理由が必ずあるので、「なぜ今リタはこうしたいのか」とか「なぜリタはこうしちゃったのか」といったことを深く考えるきっかけになりました。──戦闘シーンに声を入れるアフレコは、最初みなさん苦戦するといいますが?そうですね……リタに関しては、第一章(第26話まで)はそこまで戦闘シーンに声を入れることがなかったんですが、第二章からは結構声を入れるようになったんです。その理由について、監督から「第一章から2年経って、リタは強くなったんだ」と説明を受けました。その“強さ”というのも、戦いに強いだけでなく、王として、ひとりの人間としてリタは強くなったんだなという実感があったので、それをどう声に乗せて伝えたらいいのか……最初は難しかったです。回数を重ねることで、徐々に表現できるようになっていったと思います。──スーツアクターの方とのコミュニケーションも特撮ならではですよね。パピヨンオージャーを演じる蜂須賀(祐一)さんとは現場でなかなか会うタイミングがないので、会えたときにはキャラクターのイメージの共有や、「何話のここってこうだよね」みたいなすり合わせは結構やっていました。「何話のあそこはこうやっておいたから、アフレコでこういう感じにしておいてくれる?」とか、意見を交換しながら一緒にキャラクターを作り上げた感じがありましたし、たくさん殺陣を教えていただいたりもしたので、1年間ずっと支えていただきました。──生身でのアクションも多かったですからね。そうなんです。大きな剣を使うので扱いがすごく大変で、蜂須賀さんに剣の握り方から振り方まで、全部教えていただきました。子どもたちの応援に感じた「ヒーローの偉大さ」──生身でのアクションといえば、Gロッソでのキャストも登場する素面ショーがありますが、実際にファンのみなさんを目の前にしてどのようなことを感じましたか?テレビシリーズが放送されている間はイベントなどでファンのみなさんとお会いする機会が少なかったんですが、撮影が終わってGロッソで直接みなさんとお会いしたことで「1年間応援していただいたんだな」と改めて実感できました。──小さいお子さんたちがステージに向かって応援する姿も印象的ですよね。そうなんです。小さいお子さんが一生懸命応援してくれているのを見ると、ヒーローの偉大さを強く感じて自分自身も気が引き締まる思いです。5月19日まで全国を回るファイナルライブツアーも続くので、1年間応援してくださった方々に元気や勇気、感謝を伝えることができるといいなと強く思います。──改めて振り返っていただいて、1年間の撮影が終わった瞬間にはどんなことを思ったのでしょうか?まずは「終わった!」という達成感でした。我ながらよく1年間休まずにやり通せたなという思いと同時に、寂しさも少しありました。ただ、その後もイベントでみんなと会う予定があったので、そこまで「寂しい!」という感じではなかったんですが……Gロッソでファンの方が泣いていたりするんですよね。それを見たときに「ああ、本当に終わっていくんだな」と思いました。全部終わったときにはきっと、すごく寂しくなるんだろうなと思っています。──ファンの方たちもきっとリタロスになっていると思いますが、その寂しさを埋めるように1st 写真集『ゆづき。』が発売されるということですね。そうなると嬉しいです。私がまだみなさんにお見せできていなかった一面をこの写真集に込めることができたので、今まで以上に私のことを知っていただける1冊になっていると思います。『ゆづき。』を手に取って「こんな一面もあるんだ」と新たに発見して、沼っていただけたら嬉しいですね(笑)。それくらい自信作です!──ちなみに、写真集をご自身で見て「自分ってこんなところがあったんだ」と思った一面は?笑っている写真が多いので、いつもヘラヘラしているんだなと思いました(笑)。そのあたりも……見どころかな!?取材・文:とみたまい撮影:映美ヘアメイク:田村直子(GiGGLE)スタイリング:川上舞乃ぴあアプリ限定!アプリで応募プレゼント平川さんのサイン入りポラを2名様にプレゼント!【応募方法】1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。こちら(0398d288-f768-431a-87f2-3cb45b0c4719) からもダウンロードできます2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!平川結月1st写真集『ゆづき。』好評発売中!
2024年05月09日8月25日(日) に長崎・長崎市稲佐山公園野外ステージで開催される野外フェス『Sky Jamboree 2024 ~one pray in nagasaki~』の全出演者が発表された。『Sky Jamboree』は、今年で24回目の開催となる長崎の夏の風物詩。すでに発表済みの10-FEET、ストレイテナー、SiM、WurtSの4組に加え、このたびELLEGARDEN、マキシマム ザ ホルモン、SUPER BEAVER、go!go!vanillas、サバシスターの出演が決定した。チケットは、5月16日(木) 17時から放送のFM長崎「Colors」内でFM長崎“宇宙最速”先行販売(先着)を実施。またイベント公式サイトでは、5月17日(金) 10時から5月23日(木) まで抽選先行受付が行われる。<イベント情報>『Sky Jamboree 2024 ~one pray in nagasaki~』8月25日(日) 長崎・長崎市稲佐山公園野外ステージ開場10:00 / 開演11:00※雨天決行(荒天中止)出演:10-FEET/ストレイテナー/ELLEGARDEN/マキシマム ザ ホルモン/SUPER BEAVER/SiM/go!go!vanillas/WurtS/サバシスター公式サイト:
2024年05月09日現在公開中の映画『オッペンハイマー』の観客動員100万人突破記念トークイベントが5月7日(火)、新宿ピカデリーにて行われた。本作は、第二次世界大戦下、世界の運命を握った天才科学者J・ロバート・オッペンハイマーの栄光と没落の生涯を実話にもとづいて描いたクリストファー・ノーラン監督最新作。第96回アカデミー賞で作品賞・監督賞をはじめ最多7部門を受賞し、公開から37日となる5月4日に観客動員100万人越えを達成、興行収入は16億円を突破し、2024年公開洋画作品No.1を記録している。スペシャルゲストには、来日時の講演に参加してオッペンハイマー本人に会ったこともあり、現在は世界平和アピール七人委員会のメンバーでもある慶應義塾大学名誉教授・小沼通二氏と、映画『オッペンハイマー』の字幕監修を担当した京都大学大学院理学研究科教授・橋本幸士氏のふたりが登壇した。字幕を監修した橋本氏は、「字幕監修で何度も観ましたが、毎回新しい視点があり、自分の原点に返らされる作品。初めて観た時には物理学者を辞めようかと思いました。科学の兵器転用について自分のなかに内省の意識があり、それに蓋をして生きてきたことに気が付きました。多くの科学者の心の蓋を外し、各人が作品を観てどう感じたかや、科学の価値や社会的意義、責任について語り合っていくきっかけをくれた」と作品を受けとめた。今回で3回目の鑑賞という小沼氏は、観るたびに印象と感想が変わったそうで、「無駄がない。オッペンハイマーの聴聞会に関してある程度知っていたつもりだったが、知らないこともあった。過去の出来事と思う一方で、いや、これは過去の話としてしまっていいのだろうか」と作品が投げかける普遍的なテーマについても言及した。また、1960年に来日したオッペンハイマーの講演に参加した経験を持つ小沼氏は、「今でもその会場の様子が目に浮かびます。当時、彼は50代でしたが、肩を丸めた、ひどく疲れたくたびれたおじいさんだなというのが最初の印象。その頃には聴聞会も終わっていましたから、痛めつけられたんだろうな」と、『オッペンハイマー』の大きな見せ場のひとつである「聴聞会」によって、オッペンハイマー自身がいかに傷つけられたかを慮るコメントも。さらに小沼氏は、1955年に出版されたオッペンハイマー編「科学50年史―20世紀の科学」の貴重な翻訳本も持参。オッペンハイマーが執筆した序文を当時大学院生だった小沼氏が翻訳し、彼の文章を初めて日本に紹介した人物であることも明かした。京都大学の物理学科で『オッペンハイマー』を語り合う会を開催したという橋本氏は、「原爆に関する教育がしっかりとされている日本では、原爆と科学について素直に感じたことを口にしてはいけないような雰囲気があるが、この映画は科学者に深く考える機会を提供した。これからの科学を皆で議論するような雰囲気を、日本の科学者たちの間で醸成していく機会になったと思う」と若い科学者たちに与えた影響を語った。最後に小沼氏は、日本の現在の状況などと絡めながら「この作品で描かれることを他人事だと思わないで、過去の話であると同時に現代の日本にも通じる、決して蔑ろにしてはならないテーマが描かれており、学ぶべきことがたくさんある」と締めくくった。『オッペンハイマー』公開中(C) Universal Pictures. All Rights Reserved.
2024年05月09日太平洋戦争下の広島県呉市を舞台に、つつましく生きる人々の日常を丁寧かつコミカルに描く、こうの史代の漫画『この世界の片隅に』。これまでに度々アニメ化・ドラマ化されてきた名作がミュージカルとなって、本日5月9日(木)に東京・日生劇場で開幕する。音楽を手掛けるのは、シンガーソングライターとして「手紙~拝啓 十五の君へ~」などのヒット曲を放ったのちの2014年に一切の活動を休止し、アメリカの音楽大学に留学したアンジェラ・アキ。当時からミュージカル作家になる夢を語っていた彼女が、オファーが来る前から原作漫画を読んでいて大好きだったという本作で、10年ぶりの活動再開を果たした。アンジェラ自身が本作の楽曲を歌ったアルバムが、開幕に先駆けて既に発売されており、聴いた上でミュージカル観劇に臨むという楽しみ方もできそうだ。脚本・演出は、『四月は君の嘘』『のだめカンタービレ』でも漫画のミュージカル化に携わってきた上田一豪。自身が主宰する劇団TipTapでもオリジナルミュージカルを作・演出し続けている上、『キューティ・ブロンド』『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』『ネクスト・トゥ・ノーマル』など翻訳ミュージカルの演出でも確かな手腕を発揮している実力派だ。広島市から呉市に嫁いでくる「ボーっとした」主人公・すずをWキャストで演じるのは、有名ミュージカルのヒロイン役をほとんど総なめにしてきた昆夏美と、歌手として活動する傍ら舞台俳優としても読売演劇大賞・杉村春子賞に輝くなど高い評価を得ている大原櫻子。すずの夫・周作役には海宝直人と村井良大、すずの友人・リンに役は平野綾と桜井玲香、周作の姉・径子役には音月桂と、演技力・歌唱力ともども申し分ないキャストが揃った。時系列に沿って淡々とエピソードが綴られていく原作を、果たして2~3時間の物語にどうまとめ上げるのか。そして自己主張が決して激しいとは言えない登場人物たちは、一体どんな形で歌うのか。予想はつかないが、ミュージカルへの情熱と実績を併せ持ったこの面々なら、ミュージカルならではの『この世界の片隅に』を作り上げてくれるに違いない。「アンジェラ・アキ sings『この世界の片隅に』」全曲FLASH文:熊田音子昆夏美さん・大原櫻子さん×海宝直人さん・村井良大さんインタビューも掲載中!()<公演情報>ミュージカル『この世界の片隅に』原作:こうの史代音楽:アンジェラ・アキ脚本・演出:上田一豪出演:浦野すず:昆夏美/大原櫻子(Wキャスト)北條周作:海宝直人/村井良大(Wキャスト)白木リン:平野綾/桜井玲香(Wキャスト)水原哲:小野塚勇人/小林 唯(Wキャスト)浦野すみ:小向なる黒村径子:音月桂白木美貴子 川口竜也 加藤潤一飯野めぐみ 家塚敦子 伽藍琳 小林遼介 鈴木結加里 高瀬雄史 丹宗立峰中山昇 般若愛実 東倫太朗 舩山智香子 古川隼大 麦嶋真帆桑原広佳 澤田杏菜 嶋瀬晴大村つばき 鞆琉那 増田梨沙【東京公演】2024年5月9日(木)~5月30日(木)会場:日生劇場【全国ツアー公演】6月6日(木)~6月9日(日) 北海道公演 札幌文化芸術劇場hitaru6月15日(土)・16日(日) 岩手公演 トーサイクラシックホール岩手大ホール(岩手県民会館)6月22日(土)・23日(日) 新潟公演 新潟県民会館大ホール6月28日(金)~30日(日) 愛知公演 御園座7月6日(土)・7日(日) 長野公演 まつもと市民芸術館7月13日(土)・14日(日) 茨城公演 水戸市民会館グロービスホール7月18日(木)~21日(日) 大阪公演 SkyシアターMBS7月27日(土)・28日(日) 広島公演 呉信用金庫ホールチケット情報:()公式サイト:
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