【音楽通信】第156回目に登場するのは「黒夢」「sads」でも人気を博し、ソロとしても大活躍中で今年デビュー30周年を迎えた、ロック界のカリスマ、清春さん!テレビの歌番組で沢田研二さんら歌手に見入る【音楽通信】vol.1561994年にロックバンド「黒夢」のボーカリストとしてメジャーデビューし、そのオリジナリティあふれるパフォーマンスとメッセージ性の強い楽曲で人気を獲得した、清春さん。1999年には「sads」を結成。翌年にはドラマ『池袋ウエストゲートパーク』の主題歌「忘却の空」が大ヒットし、同曲を収録したアルバム『BABYLON』はオリコン1位を記録するなど大いに話題を呼びました。2003年には、DVDシングル「オーロラ」で清春としてソロデビュー。多くのアーティストからリスペクトを受け続けるなか、デビュー30周年を迎えた清春さんが、2024年3月20日にニューアルバム『ETERNAL』をリリースされたということで、音楽的なルーツなどを含めて、お話をうかがいました。――1994年にメジャーデビューしてから、今年デビュー30周年というアニバーサリーイヤーを迎えられましたね。30周年になりました。先日、アパレルブランドを独立してずっとやっている同世代の友人たちとご飯を食べていたら、「すごいっすよ!」と言われましたね。音楽的なことではなく、僕の美学的なスタンスをほめてくれて。大きい事務所に所属せず、ずっと個人オフィスを設けて活動している体制のなかで、30年間、音楽を続けてこられていることが本当にすごいと言われ、気分がよくなって帰ってきました(笑)。――確かにすごいことですよね。そんな清春さんが、まだ小さい頃や学生時代などに音楽にふれた思い出やきっかけはなんだったのですか?テレビの歌番組をよく観ていましたね。『ザ・ベストテン』(TBS系 1978年~1989年)や『ザ・トップテン』(日本テレビ系 1981年~1986年)というチャート式の歌番組があったんです。さらにいろいろな人が登場する『夜のヒットスタジオ』(フジテレビ系 1968年~1990年)も観ていて、僕の世代でいうと、沢田研二さん、西城秀樹さんに見入っていました。もう少し後の時代になるとバンドも出てくるんですが、その当時はまだ歌手の方が主流でしたね。男性歌手もメイクをしていましたし、髪が長くて、衣装も派手という姿を当たり前に受け入れていて。そういった姿も、僕らの世代からしたら違和感はありませんでした。沢田さんや西城さんは、自分が好きな洋楽アーティストをオマージュしてそういったメイクや衣装でやっていたのかもしれませんが、子どもの頃の僕らからすると、スターだからなんだと思っていて。以降は、少しずつ音楽シーンにバンドが出てきて、僕もバンドサウンドを聴くようになっていきました。――では、ご自身で音楽をやろうと思われたのはいつぐらいからに?僕は実家が岐阜県で田舎すぎたので、自分で音楽をやろうだなんてまず思わなくて。でも、高校生のときに社会見学や修学旅行などに行くバスのなかでカラオケをすることになって偶然歌うことになって、まわりからも「歌うまいじゃん!」と。友人から「バンドをやりたいからボーカルやってよ」と言われて、そのときはまだ興味がなかったんですが引き受けて、そこからロックとはなんだろうと勉強していきました。火がついたのは遅かったんです。新作は「ちょっと海外旅行をしているイメージ」――2024年3月20日に4年ぶりのニューアルバム『ETERNAL』をリリースされました。今作は清春さんの新しい姿を見せて聴かせてくださっている印象です。前作のアルバムを出したときは、ツアーでライブを2、3本やったらコロナ禍になって全公演が中止になったので、以降ずっとストリーミングライブを続けていて、そのなかで歌った新曲を集めたアルバムでもあります。そのストリーミングライブでは、まわりがライブハウスを使って配信していたように、僕らもそうしていました。だけど通常のお店も使うようになってくると、ドラムがそぐわなかったり、楽器が制限される場所があったりすることも。あと10年前ぐらいから、ロック的なものに惹かれなくなっていたところもありました。練習スタジオに行くと、バンドはギターアンプとベースアンプとドラムセットが置いてあるのが普通ですが、さんざんバンド活動をやってきたこともあって、いまのソロとしての僕はとっくにバンドではないし、必ずしもその形でやっていく必要はないんじゃないかなと思い始めてきて。そんなことを考えているうちに、今回のアルバムで使っているパーカッションやサックス、チェロといった、よりテクニックを要する楽器を演奏する人たちと知り合いました。その人たちと一緒に歌ってみたら、自分の歌が違ったように聴こえたんです。たとえるなら、ちょっと海外旅行をしているイメージ。現実にはずっと日本にいたんですが、ロックバンドとして音楽を始めた僕が違うテイストを味わうように、今回は海外に行って何年か暮らしていいよ、と言われているイメージの作品になりました。前作はわりとバンドらしい編成だったので、今作では変化を感じられるはずです。――アルバムタイトルの「ETERNAL」には、どのような思いが込められているのでしょうか。簡単に、僕らは永遠だよ、ということではなく。肉体が滅びたら、精神も滅びて、いずれ面影になって風化されるけれど、「この瞬間だけは永遠です」と言いたくて。この歌を聴いている瞬間、ライブをしている瞬間、みなさんが生きている瞬間。明日もあさっても1か月後も1年後も、本当に必ず来るかはわからない、だからこそ、いま意識のあるこの瞬間は永遠なんだよというアルバムです。いま55歳で、30年、音楽活動をやっているけど、あと何年ぐらいできるのかな?と終わり方を考えることも。歌の部分やステージでの振る舞いが、自分でイメージしているものと微妙にずれてきていると感じるときもあるんですよね。ステージに立っている自分と、あとで映像で観たときのイメージが一致していた時期もあったんですが、最近はたまにずれるときもあるなと。ただ、いまはまだ「ここいいじゃん!」と思える瞬間がたまにあって、映像で観てもそれを「永遠だな」と感じます。――その瞬間ごとの積み重ねが、生きるということでもありますよね。そうですね。知人にALSという難病と闘っている武藤将胤くんがいたり、前のアルバムではやまなみ工房という施設の知的障がい者のアーティストの方たちが描いたアートをジャケットにしたり、最近は震災のあった能登半島に支援に行ったり。音楽を作るにあたって、元気な人や健康な人、自由な人たちだけに刺さるのって、よくないと思ったんです。僕は元気なほうですが、明日がないかもしれない人もいるし、家がなくなってしまった人もいるから、いまこの瞬間を大事にしたい。それでいいんじゃないかと思うんですよね。約束もないし、期待もない。いろいろな人が僕のファンでいてくれて曲を聴いてくれているなかで、若い頃は恋愛の歌を書くだけでもよかったのかもしれませんが、いまはそう思う自分もいて。とくに落ち着いたとか、大人になったわけでもなくて、ただ状況が変わってきたという感じですね。自分の生きている状況やスペックに合わせて曲や歌詞を書くようになって、音もより肉感的といいますか、“生きている感じ”が出ればいいなと。アルバムでも、パーカッションがあることで躍動感が出せたりするのはよかったなと思っています。――収録曲の「霧」は、ダウンタウンさんのバラエティ番組『水曜日のダウンタウン』(TBS系 毎週水曜日午後10時)で2週にわたってクローズアップされました。ロックリスナーの方以外の一般層の方からも、反響が大きかったのではないですか。番組で取り上げられるのは3度目なんですよね。これまで取り上げていただいたときは、あっさりとした内容だったんです。それが3回目では長くなっていて。普段はたまに僕がテレビに出ることがあっても、まわりからとくに連絡が来ることはないんですが、今回はしばらく連絡がなかった人も連絡をくれたり、親からも連絡がありました(笑)。「なんで2週もやるのか?」と聞かれて、「知らないけど」って(笑)。――わが家でも家族で『水曜日のダウンタウン』を観ていましたし、家族でカラオケに行ったときに娘と一緒に「霧」を歌いました(笑)。そうやって思いがけないところで、子どもたち世代にも清春さんの歌が届くこともあるなと。そうですね。僕のことを知り得ない世代の人も、番組のおかげで当たり前のように「清春」と言ってくれている方がいるのはよかったです。まぁ番組で今回のような取り上げられ方をしても、何をされても、もうそんなに揺るがないというか。ツアーもそうですが、土台がきちんとしていないと、周年もないですし、その出来事のなかのひとつですね。長くやってきてよかったです。僕に興味を持ってくれた方も、ライブに来てくれたら、また違う印象を持たれることもあると思います。―今年の3月から2025年9月まで、1年間を通して60本もの「清春 debut 30th anniversary year TOUR 天使ノ詩 NEVER END EXTRA」を開催されています。オーストラリアでもツアーをまわられて、さらにはsads、黒夢としてのライブも行うそうですね。今年は30周年なので、僕が今までやってきたことを網羅できるようなツアーになっています。sadsと黒夢としてのライブもわずかにやるんですが、それ以外の部分でも、ファンと僕の間での思い出の場所となっている「この会場でライブをした」というデビューライブの場所だったり、長い時間のなかで思い入れのある場所へ再度行ったり。30年だからできるツアーになっていますね。「長年崇めてくれてありがとう」という気持ち――最後に、今後の抱負をお聞かせください。あまり抱負というものはないのですが、毎年、僕らがやることは一緒なんです。アルバムの話のときに、「ETERNAL」が何をさしているかを話しましたが、なんとなく自分のなかで決めたゴールから逆算して活動しているところがあると思います。それはファンの人たちとも共有していて。つまり僕と一緒に年を重ねていて、それがご自身の人生になっている。その人たちと、これからまたどういう旅をしていこうかなと。もちろんみなさんと一緒に住んでいるわけでもなく、ライブ会場で会うだけなんですが、いまはインターネットもあってつながりやすい時代。昔はライブしか接点がなかったのがよかったものの、いまはアーティスト側のことがわかりすぎる時代ですよね。昔はファンの気持ちを知るには、手紙しかなかったですから。ライブではアンケート用紙があって。音楽雑誌でも、おたよりコーナーとかあったじゃないですか?――ありましたね。私も音楽雑誌の編集者をしていたことがあるので、よくわかります。“清春さんが好きな人と文通をしたいです”みたいなね。そういった超アナログの時代にデビューして、30年経って、なんでも便利な時代になって。だけどファンの人たちと一緒に旅をするうえで、時代は変わっても、メインのところは何も変わらずに終われるんじゃないかなと思っています。僕らの世代のミュージシャンだと、同世代はたとえばHYDEくんとかもそうだと思いますが、ファンの人たちと絶対的にいい距離感がありますからね。崇めてくれるといいますか。最終的には、「長年そんなに崇めてくれてありがとうね」というような終わり方に向かえる気がしていて。だから、今後さらに何をするという明確な展望はないですが、またライブをやったり、アルバムを出したり、やれることをより素敵な方法で残していけたらいいなと思っています。取材後記デビュー30周年を迎えた清春さんがananwebに登場。「黒夢」「sads」、ソロ活動とその時代ごとに異彩を放つ清春さんは、今作でさらにエモーショナルに進化を遂げた音楽を聴かせてくれています。ツアー中のお忙しいなか、柔らかい物腰で、ひとつずつ丁寧にインタビューに応えてくださいました。そんな清春さんのニューアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね!取材、文・かわむらあみり写真・森好弘、石井麻木清春PROFILE1968年10月30日、岐阜県生まれ。A型。1994年、「黒夢」としてメジャーデビュー。独創性あふれるパフォーマンスとメッセージ性の強い楽曲で人気を博すなか、4年間で突然の無期限活動休止を発表。1999年、「sads」を結成。2000年、ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系)の主題歌となった「忘却の空」が大ヒットし、同曲を収録したアルバム『BABYLON』はオリコン1位を記録した。2003年、DVDシングル「オーロラ」で清春としてデビュー。2004年、「DAVID BOWIE A REALITY TOUR」大阪公演にオープニングアクトとして出演。2020年、自叙伝『清春』発売。2024年3月20日、ニューアルバム『ETERNAL』をリリース。InformationNew Release『ETERNAL』(収録曲)Disc-1(CD)01. Carnival of spirits02. SAINT03. RUTH04. ETERNAL05. 霧06. SWORD07. ロープ08. Interlude by DURAN09. 砂ノ河10. Interlude by タブゾンビ(SOIL&“PIMP”SESSIONS)&栗原健11. DESERT12. FRAGILE13. Interlude by 栗原健14. 狂おしい時を越えて15. sis16. 鼓動17. ETERNAL (reprise)2024年3月20日発売※収録曲は全形態共通。(通常盤)YCCW-10424(CD)¥3,300(税込)(初回生産限定盤)YCCW-10423/B(CD+Blu-ray)¥8,250(税込)*スリーブケース仕様。Disc-2(Blu-ray)「SAINT」Music Video、「ETERNAL」Music Video、「SAINT」Music Video Making Movie、『The Birthday』@恵比寿ガーデンホール (2022.10.30) 赤の永遠/アモーレ/グレージュ/悲歌/アロン/美学『下劣』@Zepp Shinjuku (2023.04.26) 少年/アモーレ/ガイア/妖艶/MARIA取材、文・かわむらあみり 写真・森好弘、石井麻木
2024年04月23日音楽フェス「山人音楽祭2024」が、2024年9月21日(土)・22日(日・祝)に群馬・前橋の日本トーターグリーンドーム前橋にて開催される。音楽フェス「山人音楽祭」とは2012年に「群馬ロックフェスティバル」スタートした「山人音楽祭」は、ロックバンド・G-FREAK FACTORY(ジー・フリーク・ファクトリー)が主宰を務める音楽フェス。2024年も同フェスの聖地となった日本トーターグリーンドーム前橋を舞台に、様々な国内アーティストがステージを盛り上げる。2024年は主宰のG-FREAK FACTORYのほか、Dragon AshやHUSKING BEE、HAWAIIAN6、四星球らが出演予定だ。出演アーティストAge Factory/ENTH/おとぼけビ〜バ〜/佐藤タイジ/G-FREAK FACTORY/SHADOWS/SHANK/上州弾語組合/四星球/DJダイノジ/TETORA/Dragon Ash/HUSKING BEE/バックドロップシンデレラ/HAWAIIAN6/プッシュプルポット/The BONEZ/LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS/ROTTENGRAFFTY/and more…※五十音順開催概要「山人音楽祭2024」開催日:2024年9月21日(土)・22日(日・祝)会場:日本トーターグリーンドーム前橋(群馬県前橋市岩神町1丁目2-1)チケットオフィシャルHP3次先行受付期間:4月10日(水)12:00~5月19日(日)23:59料金:・1日券8,800円・駐車場付 1日券(9/21) 10,000円・駐車場付 1日券(9/22) 10,000円・2日券 17,000円・駐車場付 2日券 19,400円※駐車場付チケットは、先行受付のみの取り扱い。
2024年04月21日【音楽通信】第155回目に登場するのは、音楽活動でも俳優活動でも、デビューから約30年の間ずっと第一線で活躍し続けている、及川光博さん!子どもの頃から振り付けしてステージに立っていた【音楽通信】vol.155ミュージシャンとしても、俳優としても、第一線で活躍し続けている、及川光博さん。1996年にアーティストとしてデビューして以降、そのキラキラとした存在感と王子様のような佇まいから、「ミッチー」という愛称とともに人気を博してきました。毎年のアルバムリリースや全国ツアー、さらに1998年には俳優活動をスタート。ドラマや映画などでもその姿を見ない日はないほど、ひっぱりだこなのは周知の通りです。そんな及川さんが、2024年4月24日に20作目となるアルバム『DON’T THINK,POP!!』をリリースされるということで、音楽的なルーツなどを含めて、お話をうかがいました。――幼少時は、どのような音楽環境でいらっしゃいましたか。子どもの頃は、アニメや戦隊ヒーローの主題歌を夢中で歌っていましたね。原体験としては、商店街の夏祭りのステージを覚えています。のど自慢大会のような催しがあって、そのステージで子どもながらに、バックダンサーを従えて歌っていました。5、6歳のときから、近所の子どもたちに振り付けをレクチャーしていたんです。――すでにエンターテイナーとしての才能が垣間見えていたんですね。ほめられるのがうれしくて。学芸会でも主役を演じましたね。小学校も高学年になると、『ザ・ベストテン』(TBS系 1978〜1989年)に代表される歌番組を当時はよく観ていて、沢田研二さん、郷ひろみさん、田原俊彦さんといった歌手の方が歌って踊る姿に夢中になりましたから。そして中学からは洋楽が大好きになって、マイケル・ジャクソンやプリンス、ロックバンドの洋楽を聴くようになって、いよいよ自分でもバンド活動を始めました。さらに、中学のときは演劇部だったこともあって、毎年学園祭のステージに立つようになりました。演劇部は高校でも入っていて、大学時代は俳優養成所に通いつつ、バンドざんまいの日々。ライブハウスで歌い小さな舞台にも出演していました。いま54歳なんですが、ほぼ40年間、音楽とお芝居をやっています。――どちらかのジャンルに偏ることなく、当初から表現すること、エンターテインメントがお好きだったのですね。そうです。音楽もお芝居もひっくるめたエンターテインメントをずっと愛し続けています。――1996年5月にシングル「モラリティー」でアーティストとしてデビューされ、1998年4月にはドラマ『WITH LOVE』で俳優活動も開始されました。デビューのきっかけは、アーティストでも役者でも、どちらでもよかったんですよね、いま思えば。チャンスをいただけて、本当にありがたかったです。駆け出しの頃は、よくも悪くも目立つことを意識していましたし、ナルシスティックな、キャラクター性を前面に打ち出すプロデュースをしていました。それで「王子様」のイメージで認知されて、ステージではバラの花を投げたりくわえたり、少女マンガ的な演出をしていましたね。――ではご自身で曲を作りたい、歌いたいと思われて、音楽制作を始めたのはいつ頃に?高校時代から、曲は自分でギターを弾きながら作っていました。80年代後半はバンドブームだったし、ミュージシャンに憧れました。ですが、高校生の頃は洋楽のダンスミュージックを演奏できるほどの技術はなかったんです。大学に入ってからは、ファンクやソウルといった演奏技術を必要とする音楽に目覚めていって。ちょっと自慢になっちゃうんですが、アマチュアバンドコンテストで優勝したこともあって。そんな成功経験も含めて、どんどんプロデビューを意識するようになりました。――アーティストとしても毎年リリースとツアーを欠かさず、俳優としても毎年連続ドラマにご出演されて、歌もお芝居も第一線で続けていらっしゃるのはすごいことですね。本当ですか?まあ、福山雅治さんか僕ぐらいじゃないかな……冗談ですよ(笑)!? どちらも自分の中で当たり前のことになっていますね。肩書きはどうであれ、二足のわらじこそ、私の職業という意識で続けています。――俳優業では、とくに『相棒 Season8』の2代目相棒・神戸尊役や、近年は『半沢直樹』の渡真利忍役といった大ヒットドラマが強く印象に残っている方も多そうです。ありがとうございます。ただ、たとえば『半沢直樹』にしても、最初から大ヒットドラマになるなんて想像もせず参加した作品。その都度、チャンスをいただいたら、欲張らずにコツコツと続けて、信頼と実績を重ねていくだけなんです。どんな仕事でも真摯に向き合っていれば、おのずと結果は出ますし、それが未来につながっていくのだと思っています。――俳優業でいえば、ヴィム・ヴェンダース製作総指揮による及川さんの初主演映画『クローンは故郷をめざす』(2009年公開)も印象深いです。文学的な作品ですよね。監督に熱烈にオファーされて出演したのですが、SFでありながら哲学的な物語でもあり。大変な撮影でしたけども、初主演作で初めて国際映画祭にお呼ばれもして(2006年度のサンダンス・NHK国際映像作家賞も受賞)、僕も印象深いです。新作は「何も考えずに楽しめるポップな作品」――2024年4月24日にアルバム『DON’T THINK,POP!!』をリリースされます。ご多忙のなか、いつごろから制作されていたのですか。アルバムは、昨年の9月頃から約半年の制作期間で作りました。とはいえ制作中も、ドラマ出演や映画の撮影をしていましたから、相当働いていると自負しています(笑)。昨年はアルバムをリリースしなかったので、そろそろ作らねばと。今回は、何も考えずに楽しめるポップな作品にしたいと思いました。やっぱりビート自体が楽しいものですし、ファンクや歌謡曲などいろいろなサウンドがありますが、音楽って本当に楽しい。20枚目のアルバムですが、まだまだ飽きないんですよね。あらためて、デビューできてよかったです。――とてもバイタリティにあふれていらっしゃって、ご多忙でも疲れることはないですか?疲れますよ(笑)。精魂込めて楽曲を作るために長時間集中しますし、レコーディングで歌い続ける体力も気力も限界はある。当然疲れるんですが、創作の高揚感と達成感のほうが大事。生きててよかったと思えるんです。完成した喜びは、かけがえのないもの。たとえば、中学や高校だったら3年で卒業という区切りがありますが、アルバム制作だとそれを作品ごとに味わえるといいますか。このアルバムを主軸としたツアーもあるので、毎年、毎作品ごとに思い出を心に刻んでいけるのが、僕の人生のいいところです。本当にファンの方やまわりのスタッフがいてこそ成立することなのですが、アルバムを出してツアーができるという、生きた証しを毎年発表できることがすごくうれしいですね。――このアルバムのタイトル『DON’T THINK,POP!!』は、一番表現したいことになりますか。そうです。なんか考え込んで内省的になったとて、未来はあまりいい方向に変わらないなと。僕はパリピじゃないので「DON’T THINK」といっても、感覚を研ぎ澄ませようよ、というニュアンスが大きいんです。そしてポップス主体のアルバムなので、弾けようという、ダブルミーニングですね。――アルバムのリード曲「Amazing Love」は、キャッチーでファンクで軽快な楽曲で、大人の恋心を歌っています。どのようなことを意識して歌詞を書かれましたか。これはネガティブからの逆ギレですね。Aメロの歌詞に書いている「もう人間やめたい」という心境から、いかに人生を謳歌するかという歌。恋愛に引っかけて書いていますけれども、自分で何か崇拝の対象、救いとなるものを見つけることが大切だというメッセージも込めていたり、込めていなかったり(笑)。世の中に“推し活”という言葉がありますが、推しの存在が生きる原動力になったり、辛いときの支えになったりしますよね。自分にとっての救いとなることを見つけようと、歌詞にも「救世主 Baby」と書いたのですが、それは世界を救う主ではなく、一人ひとりの毎日の救いのことを歌っています。救いがないと頑張れないじゃないですか。生きづらい世の中で、希望の光を見失わないようにという思いを込めて作りました。――「Amazing Love」では、ご自身初のアニメーションを駆使したミュージックビデオも制作されていますね。そう。“ミッチー”という概念でイラストを描いてもらいまして。3次元の2次元化が初めてなので、すべてお任せで作っていただきました。ツアーグッズにも展開しようと思っているので、ベイベーたち(ファンのみなさんたち)の反響も楽しみですね。――作詞と作曲を手がけていらっしゃる3曲目「敏感・センシビリティー」は小気味いいサウンドで若い世代への応援歌の側面も感じられます。ビートに言葉を乗せるため、英語に聴こえる日本語をちりばめた歌詞になっています。サウンドは、ブラスセクションとリズムセクションが主役。ストレートなファンクですね。サビの歌詞にある「悔やむよりも先に飛べ!」ということをもっとも伝えたい。限られた時間の中で、どう生きたって後悔は残るけど、それでも後悔しないようにいまを生きるべしというメッセージです。――続く4曲目「デジャヴと紫陽花」は、爽やかさとムーディさも感じます。シティポップの要素も入れて、叙情的でポエトリーな1曲になりました。――5曲目「恋の嵐」は恋が始まりそうなワクワク感と勢いのある、ポップで明るい楽曲です。これはアニソンを意識して作った楽曲で、たとえば女子アイドルグループとコラボできないかなとぼんやり考えながら作りました。さらに昭和の歌謡曲に対するリスペクトの思いもところどころに込めつつ。――メロディがどことなく懐かしい感じがしました。そうでしょう?どことなく松田聖子ちゃんぽい感じも入れていて。――6曲目「みず色ワンピース」は、歌詞に「ミッチーのワンマンショーに行くんでしょう?」と、パートナーがミッチーファンで、ジェラシーがありつつも包容力がある男として送り出すという視点の歌詞が面白いです。自分でも歌詞を書いていてニヤニヤしていたと思います(笑)。僕、歌詞を書くときはだいたい手書きで情景をイメージしながら書くので、この曲もニヤけていたかなと。僕のショーに参加するベイベーたちの彼氏の気持ちを初めて書いてみました。なぜかその気持ちを“ミッチー”が歌っているというパラドックス(笑)。僕の歌詞って、1曲まるまる聴かないと、ストーリー展開が読めないものが多いですね。――すべての楽曲において及川さんが作詞されていますし、楽曲作りもされることもありますが、そもそもどのように曲を仕上げているのですか。まずサビのメロディと歌詞を思いつくことが多いですね。お風呂でシャンプーしているときに思いついたりして(笑)、そこからストーリーを展開していく。そんな書き方ですね。ボイスレコーダーに歌って吹き込むとか、そんなハイテクなことはせず、浮かんだメロディや歌詞はギターを弾きながら、ノートやルーズリーフなどに手書きしていくんですよ。――インスピレーションがふっと降りてくるんですね。うん。でも、締め切りがなかったらいつまでもできないかな(笑)。あとは毎日を生きていて感じたことや見た景色、それからよくも悪くもメディアで気になったニュースがミックスされていく。歌詞はなるべくポジティブなワードに変換して、アウトプットするという感覚です。――7曲目「Dream Maker」はアッパーなロックサウンドです。ハードロックに乗せて、男のバカバカしいほどの情熱を歌っています。主人公がダイエットしたり、髪型を変えたり……なんとか女子のハートを射止めようとする恋心ですね。説明するほどの曲じゃないです(笑)。――ははは(笑)。8曲目「神サマお願い」はストレートに平和を歌っていらっしゃいますね。1曲ぐらいはしっかりと伝えようと。いつも人を笑顔にしたくて、歌って踊っているんですけども、この曲は珍しく怒りや嘆きを表現していますね。これはミッチーというよりも、及川光博個人の戦争やいじめに対する思い。ひねりをきかせず、まっすぐに思いを綴りました。――一変して、9曲目「フライドポテト<未来編>」はコミカルで元気になれる歌詞と楽曲です。おまけの曲ですね。気になった方は、前作『気まぐれサーカス』を聴いてみてください。その続編となっています(前作に「フライドポテト」という曲が収録)。基本はとにかく楽しんでいただきたいので、聴いて笑顔になってくれたらいいなと思って作っています。またそれをステージで表現するときは、心の充足感や開放感を感じていただけたらと全力を尽くしています。――収録曲の「Amazing Love」「Dream Maker」は、初回限定盤盤に付属するDVDとして、ダンスの振りを教える「流星光一郎」先生(及川さんが演じるダンサーキャラ)のミュージックビデオもありますね。流星先生は、1997年くらいからいるんですよ(笑)。だから、僕と同じくらいのキャリアで、ベイベーのみなさんも一緒に踊れるよう、振り付けのレクチャーをしています。流星先生は性別を超えたキャラクターで、もともとは確か『パパパパPUFFY』(テレビ朝日系 1997〜2002年)で、PUFFYのふたりに振り付けを教えるコントから生まれました。僕はソロで活動しているので、みなさんを飽きさせないように、いろいろなキャラクターを生み出しているんですよ(笑)。――ずっとアイデアがあふれて、工夫をされてきているのですね。それは俳優業においても感じることがあります。どこかで作り手側の視点を持っているので、演じている被写体ではあるんだけれども、台本を読んでどうしたらもっとこのシーンが面白くなるか、監督の要求に的確に答えられるかを考えて、工夫する。面白いですよ。逆にアーティストとしては、自分が何をやりたいか、どう表現したいかが最優先です。――表現することにおいて、音楽とお芝居の切り替えもさほど意識することはなく?音楽の表現ではわがままですし、主義主張ありきです。ドラマや映画の現場に行ったら、監督やプロデューサーの言うことをよく聞きますね。意識して切り替えるというよりも、役割。おそらく僕は、作品作り自体が好きなんです。ときどき本当に趣味なんだか仕事なんだかわからなくなる瞬間がありますね。――2024年5月3日からは「及川光博 ワンマンショーツアー2024『DON’T THINK, POP!!』」が開催されます。ツアーは毎年欠かしたことがないんです。勤勉でしょう(笑)?楽しいから続けられます。これから演出を考えていきますが、華やかな衣装を着て、よく踊りよくしゃべるステージになると思います。2024年という1年を忘れられないものにすべく、全力を尽くすのみですね。毎年ツアーをして、それがライブ映像作品にもなりますし、デビューして以来、ちゃんと生きている実感が常にあります。うれしいですね。ちなみに毎回、ワンマンショーでのテーマカラーを決めているのですが、2024年はスカイブルーです。ベイベーたちも、毎年のテーマカラーに沿ったコーディネートでおしゃれしてコンサートに来てくれるんです。みなさんもぜひ、水色コーデで遊びにきてください!アーティストとして長く続けることが目標――お話は変わりますが、お休みのときはどんなふうに過ごしていますか。友人と飲んだり食べたりするぐらいです。休みといっても、洗濯したりアニメ鑑賞したりしていると1日はあっという間に終わるので、仕事のために疲れを取るのがメインですね。もしも長期で休みが取れたら、もっと別のこともできるんでしょうけど。結局は、休みの日でもマネージャーから連絡が来ますし、休みではないと(笑)。――そのお忙しいなかでクオリティの高い作品をいつも届けていらっしゃるというのは、やはり基本的にお仕事がお好きなのですね?お好きです(笑)。生みの苦しみや撮影のハードスケジュールなどがあっても、やりきって完成してしまうと、喜びに変わるんです。――及川さんのように生き生きとエネルギッシュに毎日を過ごすために、何かアドバイスをいただけますか。とにかく笑顔を意識することですね。楽しくなくても、口角を上げる。とはいえ、作り笑顔で生きるわけではないですよ。笑顔で人と対することによって風向きは変わりますから。空気が穏やかになり、交渉もしやすくなるんです。不愉快な思いをする確率が減るので、笑顔を心がけることは大事。あとは自分の欠点を意識すると、大きなミスを生まないです。自分の欠点を意識して行動することによって、周囲に迷惑をかけないことが大事。そうすると、必然的に信頼されて、人脈も広がる。結果、生き生きと過ごせるのではないかと思います。――いつもスマートな印象の及川さんですが、健康で過ごすためにライフスタイルで気をつけていることはありますか。糖質の摂りすぎ、ですね。年を重ねるごとに健康を意識しますが、ジムに通ったりもしないので、食事に気をつけるくらいですよ。あとは本当にステージでは2時間から3時間踊っているので、そこである程度鍛えられているんだと思います。――音楽活動は2024年で29年目となり、30周年も間近です。アーティストとして、そして個人的な今後の抱負を最後に教えてください。アーティストとしては、とにかく長く続けることが目標です。これが一番の野望ですね。ずっと音楽には関わっていきたい。そして個人的には、ゆとりを持ちたいです。いつまでたっても中学生みたいなことを考えてバタバタ働いているので、年相応の大人のゆとりを身につけたいな。――どのあたりが大人じゃないんですか?それは……いつまでたっても清濁の濁を呑みこめないところでしょうか。大人なら清濁併せて呑めないといけないのに、50代になっても未熟だな、青臭いなと思います。――そこも魅力なのかもしれないですよね?そう言っていただけるとありがたいんですけども、もうちょっと大人の色気や円熟味を出したい。「渋い」って言われたいですね(笑)。取材後記涼しげな瞳でスタイリッシュな印象のある、及川光博さんがananwebに登場。取材の日はよいお天気だったものの東京に強風が吹いていた日で、ご挨拶してすぐに「風が強かったけど、大丈夫でしたか?」とお気遣いをしてくださる及川さん。なんと紳士的で素敵なミッチー!ジャンルレスにご活躍されているのは、そのお人柄も関係あるのだろうなと思いました。そんな及川さんのニューアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね!取材、文・かわむらあみり及川光博PROFILE1969年10月24日、東京都生まれ。蠍座。B型。1996年にシングル「モラリティー」でアーティストとしてデビュー。独自の音楽性とその個性が注目を集め、1998年にドラマ『WITH LOVE』で俳優活動をスタート。以後、多くのアルバムリリースや毎年全国ツアーを行うとともに、ドラマ、映画、CMなどで活躍し、現在に至る。主な出演作に、ドラマ『白い巨塔』(2004年)、『相棒』シリーズ(2009〜2012年)、『半沢直樹』(2013年・2020年)、『グランメゾン東京』(2019年)、『ドラゴン桜』(2021年)、『最愛』(2021年)、『霊媒探偵・城塚翡翠』(2022年)、『女神の教室 〜リーガル青春白書〜』(2022年)、『御手洗家、炎上する』(2023年)。映画『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』(2015年)、『七つの会議』(2019年)、『引っ越し大名!』(2019年)、『桜のような僕の恋人』(2022年)ほか。2024年4月24日、ニューアルバム『DON’T THINK, POP!!』をリリース。5月3日より全国を巡るワンマンショーツアー2024「DON’T THINK, POP!!」スタート。InformationNew Release『DON’T THINK,POP!!』(収録曲)01. DON’T THINK,POP!!02. Amazing Love03. 敏感・センシビリティー04. デジャヴと紫陽花05. 恋の嵐06. みず色ワンピース07. Dream Maker08. 神サマお願い09. フライドポテト<未来編>2024年4月24日発売*収録曲は全形態共通。(通常盤)VICL-65958(CD)¥3,300(税込)(初回生産限定盤)VIZL-2309(CD+DVD+Photobook)¥5,720(税込)(セブンネットショッピング限定セット)00THN-42213¥9,900(税込)※初回限定盤+特製お弁当箱「DON’T THINK, EAT!!」(セブンネット限定特典:アクリルキーホルダー)【Blu-ray収録内容】※初回限定盤のみAmazing Love[Music Video]/ Let’s DanceAmazing Love / Let’s DanceDream Maker取材、文・かわむらあみり
2024年04月18日今年、創業76年を迎えるにしむら珈琲店は、2024年3月13日(水)からコーヒー豆の定期便をスタートします。にしむら珈琲店のコーヒー定期便とは地元神戸を中心に9店舗を構える「にしむら珈琲店」では全店で1日に約8,000杯の珈琲をお客さまにご提供しています。世界中の生産地から取り寄せられる生豆はそれぞれの銘柄の最上級のランクの物を選りすぐり、1868年にドイツで創立された「プロバット社」の焙煎機を使用し、2か所の工房で自社焙煎しています。ベテランの職人が長年積み上げてきた経験と知識、感覚を頼りに、農作物である豆の個性や特徴を最大限に引き出せるよう五感を研ぎ澄ませて日々調整しています。珈琲店の味わいを自宅に居ながら楽しめる定期便です。■定期便の概要定期便ではにしむら珈琲店の顔とも言える定番の「にしむらオリジナルブレンド」と、「月替わりのストレートコーヒー」の2種類(200g×2)をクロネコゆうパケットにてお届けします。粉挽きでのお届けを希望される場合は、ご利用の器具に合わせ4種類の挽き目からお選びいただけます。毎月月末までのお申し込みで、翌月の第2金曜日に発送します。以降は毎月定期的に自宅のポストにコーヒーが届きます。スキップや途中解約も可能です。■定期便のメリット・毎回の注文の手間が省けます・ポストに投函され、受取りの手間が不要です・職歴60年の職人を筆頭にベテランの職人が焙煎した珈琲を自宅に居ながら味わえます・普段手に取らないような色々な種類の珈琲を試すことができます・珈琲についての読み物とプチギフトが付いてきますそして、特筆すべき特典は6か月継続ごとに「にしむら珈琲店」のオリジナルブレンドを注文いただける珈琲チケットが2枚付いてくることです。普段は気軽に自宅で喫茶店と同じ珈琲を…、そしてたまには店舗でプロが淹れた珈琲を召し上がっていただける、そんな二度美味しいにしむら珈琲店の「コーヒーの定期便」です。有効期限はありませんので、神戸旅行の際にお使いいただくことや、神戸や大阪近郊のご友人にお渡しいただくことも可能です。■商品情報商品名称:「コーヒー定期便200g×2袋」商品内容:「にしむらオリジナルブレンド200g」+「月替わりのストレートコーヒー200g」商品価格: 3,650円(税込)(出典元の情報/画像より一部抜粋)(最新情報や詳細は公式サイトをご確認ください)※出典:プレスリリース
2024年03月15日【音楽通信】第154回目に登場するのは、平成から令和へと時代を駆け抜け続けている、日本を代表するアイドルグループ「AKB48」から、グループを代表して、柏木由紀さんが登場!楽しくやってきたからこんなに長くいられた柏木由紀(かしわぎゆき)。ニックネームは「ゆきりん」。1991年7月15日、鹿児島県生まれ。AKB48チームBのメンバー。3期生。【音楽通信】vol.154秋元康さんが総合プロデューサーを務め、東京の秋葉原を拠点に2005年から活躍している、AKB48。2006年にメジャー・デビューし、同年末には「NHK紅白歌合戦」に初出場。以降、シングルのミリオンセールスを記録するなど、名実ともに日本を代表するアイドルグループとなったことは周知の通りです。2023年10月の日本武道館公演では、AKB48を初期の頃から支え続け、後進メンバーのみなさんにとっても憧れの存在であるレジェンドアイドルの柏木由紀さんが、グループからの卒業を発表しました。そんなAKB48が2024年3月13日に63枚目のシングル「カラコンウインク」をリリースされるということで、AKB48を代表して、柏木由紀さんにお話をうかがいました。――柏木さんは2007年にAKB48の3期生として加入し、2009年にチームBの初代キャプテンを務め、2010年には派生ユニット「フレンチ・キス」を結成。さらに2013年にソロ歌手デビューも果たされました。AKB48そしてアイドルシーンを牽引されてきましたが、アイドル人生17年間を振り返ってみていかがですか。あっという間でしたね。17年と聞いても長かった感じがしなくて、本当に「え? そんなに経ってたんだ」という感覚です。体感でいうと7年ぐらいですね(笑)。ただ、みんなを引っ張っていったり、先陣を切るようになったのは、ここ2、3年ぐらいのことかなと。加入したときはまだ後輩の立場で先輩もいましたし、それこそ自分がセンターになったこともなかったので、AKBを背負っているとまでは思えていないところもありました。私がいてもいなくてもAKB48は成立するだろうけど、ずっと「いなきゃ困る存在になりたい」と思いながら活動してきて。振り返っても、めちゃくちゃ楽しくやってきたからこそ、こんなに長くいられたのかなと実感しています。――柏木さんは2007年に15歳でAKB48に加入され、現在32歳になられましたね。そもそも音楽と出合ったきっかけやアイドルになろうと思った理由はなんでしょうか。音楽との出合いは、幼稚園の頃でした。通園バスに描かれていたキャラクターが気に入り、自分も乗りたくて、その通園バスを出している音楽幼稚園に通わせてもらうようになりました。そこではピアノなどの楽器や歌を習っていたので、いつも音楽が身近にありましたね。小学校でも部活動で吹奏楽部に入りましたし、音楽がすごく好きだったんです。そして小学生の頃、母にモーニング娘。さんのコンサートに連れていってもらって、そこからハロプロの虜になりました。中学生になると、ハロプロが好きすぎるがゆえに「そっち側(アイドル側)にちょっと行ってみたいな」と思うようになり、さらに当時、同年代の女の子がアイドルとしてテレビに出ているのを観て、ちょっとチャレンジしてみたい気持ちがわいてきて。中学3年生のときにAKB48のオーディションに合格して、アイドルになりました。――あらためてご卒業を決めたのは、いつ頃だったのでしょうか。1年前ぐらいです。AKB48でいろいろなことをやることができた達成感と、思いがけないことにもう一度青春ができたことに十分満足して。いまのAKB48のメンバーとすごく仲良くなれて日々楽しいので、このメンバーたちに卒業を見送ってほしいと思ったんです。もうやり残したことはないですし、みんなに任せられると思ったので、卒業するならいまだと思って、決めました。――今後はAKB48を見守りながら、ご自身はソロ活動をするお考えも?やはり歌うことやステージに立つことはすごく好きなので、AKB48を卒業してからも、ソロとして歌手活動はやっていけたらなと。でも、アーティストになります、というよりも、いまの延長線がいいです。何歳になっても、なるべくアイドルっぽさを残してやっていけたらいいなと、いまの段階では思いますね。最後に単独センター曲で思い残すことなく卒業――2024年3月13日に、柏木さんの卒業シングルとなる63枚目の「カラコンウインク」がリリースされます。表題曲でセンターを飾るのは、小嶋陽菜さんとのWセンターだった2015年発売のシングル以来2度目で、単独のセンターは初とのことですね。そうなんです。センターに関しては、唯一この17年間かなっていなかった夢でした。これまでセンターをやりたいとはハードルが高くてなかなか言えなかったですし、いつかやれたらなあとは思いながらも、無理だろうなとあきらめながら17年間やってきていたので、最後のシングルでまさか単独のセンターをやらせていただけるなんて。しかも、私が加入した当時のAKB48をちょっと思い出させながらも、現代にアップデートしたような楽曲になっているので、最後にこの曲でセンターを務めることができて、本当に思い残すことなく卒業できると思いました。――秋元康さんの歌詞も印象的な片想いの気持ちを綴ったラブソングですが、歌われる際にはどのようなことを意識していますか。まず歌詞について、AKB48の楽曲では一人称が男性目線の「僕」となることが多いんですが、「カラコンウインク」は女の子目線の楽曲という点で珍しいです。また、私がデビューした当時は音楽番組がたくさんありました。そんななかでAKB48の存在を視聴者のかたに覚えてもらいたい、印象を残したい、と自分でいろいろと考えて編み出したのが、番組出演で歌うほんの数秒の中でウインクをすること。秋元先生も、“AKB48の中でウインクといえば柏木”と思ってくださっているようで、そういったことをイメージして歌詞を作っていってくださったのだと思います。そしてカラコンも、いまは男女問わずつけるかたも多くて、身近なものになっていますよね。私も音楽番組やコンサートなど、ここぞというときにカラコンをつけるとテンションが上がるので、そういういまの時代にあった単語も入っています。歌詞の世界観としては、女性が片思いの男性にアピールしたい気持ちが綴られています。恋愛もそうですが、これは私自身AKB48にいて、みなさんに対して思っていたことでもあるんですよ。相手に気づいてほしい、アピールしたいという気持ちは、この歌詞の女の子ともすごく重なる感じがするので、私はそういう気持ちで歌っています。――ミュージックビデオでは、色彩豊かなお花に囲まれながら、花吹雪が舞うなかパフォーマンスをされていますが、振り付けのポイントはありますか。フォーメーションが目まぐるしく変わるので、私を中心に後輩たちがいっぱい動いてくれています。タイトルにもあるウインクがたくさんちりばめられているので、やはりメンバーのウインクがポイントですね。さらに曲の最後に一瞬、手で「yuki」とローマ字で作っていたり、私のYouTubeチャンネル『ゆきりんワールド』でも言っている「寝ても覚めてもゆきりんワールド、夢中にさせちゃうぞ」というキャッチフレーズが振り付けでも入っていたり。これらがポイントですね。――今作には、小栗有以さんや向井地美音さんほか、初の選抜入りを果たした16期生の長友彩海さん、17期研究生の水島美結さん、18期研究生の秋山由奈さん、八木愛月さんらも歌唱メンバーに抜擢されました。後輩メンバーのみなさんはやはり柏木さんの卒業ソングなのでより身が引き締まっているのでは?自分自身を振り返っても、みんな選抜に入りたい気持ちが強いのはすごくわかるんです。入ったメンバーが、私の最後の曲で選抜に初めて入れてうれしい、というようなことを言ってくれるんですが、そういう声をもらえると私も本当にうれしい。でも、みんな気をつかわずに、自分が一番だという気持ちでやってほしいですね。――今作のミュージックビデオでは、お花がたくさん出てきて奇麗ですが、植物園のような場所なのでしょうか。いえ、実はまったく何もない場所にお花を持ち込んでやってくださったセットなんですよ。1月初旬の寒い中、栃木県に行って、2日間に分けて撮影しました。夜中の3時ぐらいに栃木に着いて、5時からメイクして。コンディション的にはあまりよくなかったんですが、最後の撮影だし、センターだしと、むくまないように塩分を抜いたり、朝もう1回シャワーを浴びてシャキッとしていったり。なるべくベストのコンディションで臨めるようにして、あとは寒さとの戦いでした。衣装では足が出ますし、薄着なので中にも着込めなくて本当に寒い中、みんなが私の最後のシングルだからとすごく盛り上げてくれる雰囲気があって。それがとてもありがたかったですね。ミュージックビデオの撮影は、もう何百回もしてきたのに、「ああ、最後なんだな」と感慨深いものになりました。いろいろなかたが良い作品にしようと思ってくれている気持ちが伝わって、本当に幸せでしたね。――シングルの初回限定盤[TYPE-A]には、柏木さんのソロ曲「最後の最後まで」が収録されています。「まさかこんな長くここにいさせてくれて最後の最後までありがとう」など、秋元さんの歌詞は、柏木さんの心情を表しているように感じました。秋元先生にはとくに気持ちを話したわけではないのですが、まさに私が思っている、言葉ではなかなか伝えられないことを歌詞に入れてくれました。いままで先輩が卒業するときに、ソロで卒業ソングをもらって歌っているメンバーをいっぱい見てきて、自分が卒業するときはどうなるんだろう?と思っていたらこの曲をいただいて。この歌詞はほかのメンバーでは歌えないといいますか、長くいたからこその曲をもらえて、すごくうれしいです。ここにいさせてもらったという気持ちが大きいですし、本当にみんなのことが好きで。ファンのかたのことはもちろん、いまのAKB48のメンバーのことも大好きなので、そういう気持ちもちりばめられているんです。最後のコンサートなどで歌うと、きっとジーンとくるんだろうなあと思いますね。――2024年3月16日と3月17日の2日間、「AKB48春コンサート2024 inぴあアリーナMM」が開催されます。1日目は柏木さんの卒業コンサートですし、その後、4月には劇場でも卒業公演が予定されていますね。1日目の卒業コンサートは、ほとんど全部自分でプロデュースしたような内容になります。みんなが好きなAKB48、みんなが好きな柏木由紀みたいなものがテーマ。私がやりたい曲やチャレンジしたい曲ではなく、もうこれは外せないなとか、これは最後に絶対歌っておかないとみたいな曲を選んでいったんですが、もう収まりきれなくて(笑)。やはり17年間のいろんな思い出が楽曲にはあるので、そこから迷いに迷って厳選しました。私が辿ってきたAKB48の歴史が伝わるような内容になっています。2日目は、私は1曲しか出ないんです。卒業コンサートは1日目でも2日目でもどちらでもよかったんですが、10年ぐらい前のAKB48にいたメンバーは私が卒業したら誰もいなくなるので、先に私の卒業コンサートをして、次の日にいまのAKB48を見てもらいたくて、この順番にしました。4月の卒業公演の内容はまだ決まっていませんが、まずは3月のコンサートを頑張りたいですね。みんなが楽しいAKB48を作っていってほしい――お話はかわりますが、普段、おやすみのときはどのようにお過ごしですか。ほとんど寝ていますね(笑)。目覚ましをかけないで寝られるのがすごく幸せなので、午後まで寝ることも。あとは美容室に行ったり、まつげパーマをかけたり、皮膚科に行ったり。1日中外出するようなことは、年に何回かしかないです。休日でも、どうしても仕事につながる動き方をしてしまうので、卒業したらそれを変えたいなと思っています。――ananの美容・ヘルス&ECOサイト「ananBeauty+」では、『ぞっこんビューティライフ』という連載をされていましたね。もともと美容にお詳しいのですか。いえ、20代後半頃から興味を持ち始めました。AKB48は人数が多く、自分でメイクをするので、仕事の延長線でいろいろと調べているうち、いいものがだんだんわかってきて。美容情報を調べることは、けっこう趣味になるレベルで好きだなと感じて、20代後半ぐらいからいろいろと試すようになりました。――最近、お気に入りのコスメはありますか?うーん、ありすぎますね(笑)。いわゆるデパコス、韓国コスメ、ドラッグストアのプチプラなど、全部試して使うんです。だから、お気に入りのものもすぐ変わっちゃいます。いつもSNSをチェックしたり、雑誌を見たり、気になるものをどんどん試していて。普段は一軍のポーチを持ち歩いていて、二軍のコスメは引き出しにいっぱい入っています。毎日、その日の服装とかに合わせてコスメを入れ替えるのもめちゃくちゃ楽しい時間で、すごく好きなんですよね。――ファッションでは、取り入れているコーディネイトなどはあるのでしょうか。いま32歳で、何を着ると一番いいのか、服装が難しくなってきている気がするんです。ただ、コンサバのような奇麗めファッションがずっと好きで着ていたんですが、私服で握手会もするので、もしかしたらファンのかたが求めているような服装に、無意識に自分で寄っていっているのかも…と感じたことがあって。だから最近は、表に出るときはワンピースなどの奇麗で可愛いものをチョイスしますが、普段はデニムにトレーナーやパーカを合わせたりします。両極端のファッションかもしれないですが、どっちも好き。買うときも、心がときめいた服を買うので、ジャンルを決めずにいろいろなテイストの服を着ますね。――ずっとスレンダーな印象の柏木さんですが、ダイエットには無縁ですよね。10年ぐらい前に糖質オフダイエットをしたんですが、その後いっぱい食べてリバウンドした経験があるので、なるべく極端なダイエットはしないようにしています。でも、いまはAKB48の最後で注目してもらえる機会が増えたことで、ボディメイクも頑張りたいなと。それで、いまは小麦を抜いています。とにかく麺類とパンがこの世で一番好きなんですが、体を絞るためにも、好きなものを我慢したら頑張ってる感があるなと思って(笑)。12月からやっていて、卒業までは頑張ろうと。いままでは偏った食生活だったんですが、そうやって意識するようになってからは、お肉も野菜もおいしくなって、バランスのいい食事がとれています。――いろいろなお話をありがとうございました。最後に、柏木さんご自身のこれからの抱負と、AKB48の今後についてもメッセージをお願いします。17年間、人生の半分以上を「AKB48の柏木由紀」として過ごしてきたので、そうではなくなる自分が、実はまだ明確に想像できていないんです。でも、卒業後が楽しみな気持ちも大きいですね。音楽も続けたいですし、いただけるお仕事があったら頑張りたいです。あまり目標は立てず、目の前のことを楽しくやっていったら、気づくと長くやっていたというのが自分に向いてる気がしています。今後も大きい目標を立てずに、仕事もプライベートも毎日楽しくゴキゲンでできたらいいなというのが、個人的な抱負ですね。AKB48については、たとえばどうなるかわからなくてもとりあえずやってみる、何事も元気に一生懸命やるといった昔から続いている精神は、私からも十分みんなに伝えきったかなと。私が卒業した後は、いままでのAKB48はこうだから…などではなく、みんなが楽しいと思えるAKB48をどんどん作っていってほしいですね。取材後記国民的アイドルグループ「AKB48」として第一線で活躍し、“ゆきりん”と呼ばれ年齢や性別問わず幅広く親しまれている柏木由紀さんが、ananwebに登場。取材現場に現れたときから、華やかなオーラをまとい、その場を明るくしてくださる柏木さん。インタビューでもキュートな笑顔を見せ、撮影でカメラマンからウインクをリクエストされると、「楽曲に合わせて動いてないとウインクできなくて」と心苦しそうにされていた姿も印象的でした。そんな柏木さんの卒業ソングでもあるAKB48のニューシングルをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね!写真・園山友基取材、文・かわむらあみりAKB48PROFILE秋元康さんが総合プロデューサーを務め、「会いに行けるアイドル」をコンセプトに、秋葉原にあるAKB48劇場を拠点として2005年より始動した、AKB48。2006年2月、シングル「桜の花びらたち」でインディーズデビュー。同年10月、シングル「会いたかった」でメジャー・デビュー。「AKB48選抜総選挙」「リクエストアワー」といったファン参加型イベントや、シングルのミリオンセールスを通して、日本を代表するアイドルグループへと成長した。現在、6つのチーム(A・K・B・4・8・研究生)で構成。歌とダンスやトークから構成される劇場公演をはじめ、テレビやラジオ番組、雑誌、イベントに出演するなど多方面で活躍。2023年10月発売のシングル「久しぶりのリップグロス」は、オリコン週間シングルランキングにて47作連続で1位を獲得。「女性アーティストによるシングル連続1位獲得作品数」「女性アーティストによるシングル通算1位獲得作品数」を更新した。AKB48の姉妹グループは、国内に5グループ(SKE48・NMB48・HKT48・NGT48・STU48)、さらに海外に6グループ(JKT48・BNK48・MNL48・AKB48 TeamSH・AKB48 TeamTP・CGM48)と、世界各国で活動している。2024年3月13日、63枚目のシングル「カラコンウインク」をリリース。InformationNew Release「カラコンウインク」(収録曲)01. カラコンウインク/All Stars02. 星が消えないうちに/AKB48 U-20選抜03. ライオンを狙え!/Universe Girls04. カラコンウインク(Instrumental)05. 星が消えないうちに(Instrumental)06. ライオンを狙え!(Instrumental)2024年3月13日発売※全5形態での発売。1曲目と2曲目のみ共通楽曲。※全形態ジャケットビジュアルが異なります。※封入特典:応募抽選シリアルナンバー券封入。(初回限定盤[TYPE-A])UPCH-89562(CD+Blu-ray)¥1,900(税込)※3曲目は「最後の最後まで」柏木由紀、6曲目は同曲のInstrumentalを収録。【Blu-ray】MXまつり AKB48「アイドルなんかじゃなかったら」発売記念コンサート/~古参も新規も大集合!なんでもありのAKBでっせスペシャル~/AKB参上!/初日/どうしても君が好きだ/アイドルなんかじゃなかったら(初回限定盤[TYPE-B])UPCH-89563(CD+Blu-ray)¥1,900(税込)※3曲目は「パパに言えない夜」AKB48 17期研究生、6曲目は同曲のInstrumentalを収録。【Blu-ray】MXまつり AKB48「アイドルなんかじゃなかったら」発売記念コンサート/〜劇場公演曲リクエストアワーセットリストベスト30~/In any way/君は僕を覚えてるかな?/知ったかぶりのその下に/アイドルなんかじゃなかったら(初回限定盤[TYPE-C])UPCH-89564(CD+Blu-ray)¥1,900(税込)※3曲目は「マチビト」AKB48 18期研究生、6曲目は同曲のInstrumentalを収録。【Blu-ray】MXまつり AKB48「アイドルなんかじゃなかったら」発売記念コンサート/〜アイドルになってよかった〜/アイドルなんかじゃなかったら/ラベンダーフィールド/全力反抗期/Do the dance!(通常盤)UPCH-80607(CD)¥1,100(税込)封入特典:オリジナルトレカ1種をランダム封入。(Official Shop盤)PRON-5111(CD)¥1,100(税込)※収録曲は「通常盤」と同じ。AKB48 Official Shop限定商品。※特典:「個別握手会」「オンラインお話し会」参加権利。外付け特典:生写真1種をランダム同梱。写真・園山友基 取材、文・かわむらあみり
2024年03月12日【音楽通信】第153回目に登場するのは、10歳の頃からライブ活動を展開し、SNSでも話題を呼んだシンガー、三阪咲(みさかさき)さん!コンテストで優勝したことで歌手を目指す【音楽通信】vol.153幼少の頃から音楽に親しみ、11歳の頃に歌手を目指すようになって以降、路上ライブやライブハウスなどでも積極的に音楽活動を行なってきた、シンガーの三阪咲さん。路上ライブなどの音楽活動の様子がYouTubeやSNSなどを通じて徐々に広がり、TikTokでは「三阪咲」関連の動画再生数が約6億回と爆発的に視聴され、YouTubeの歌唱動画も関連動画は合計約6000万再生を超えるほど注目を集め、2021年にデビューしました。そんな三阪さんが、2024年2月16日にデジタルシングル「tamerai」を配信リリースされたということで、音楽的なルーツなどを含めて、お話をうかがいました。――幼い頃はどのような音楽環境でしたか。父は高校生の頃からバンドをしていましたし、母も音大を卒業していてピアノをやっていたので、音楽が身近な家庭に育ちました。父が車の中でSuperflyさんやコブクロさん、宇多田ヒカルさんなどの曲をよくかけていたため、4歳ぐらいの頃にはそういった曲を覚えて全部フルで歌っていたらしく、自然と音楽が好きになりました。――お母さまの影響で、三阪さんも習い事としてピアノを始めたんですよね。そうです。小学生の頃から、姉と一緒にピアノを習っていました。小学校ではアフタースクールでダンスもやり始めました。そこでは外部からダンスの先生が来て、週に一度何かを習う場になっていて。その後、その先生が別で行なっているダンススクールに誘ってくださって、友達と一緒に通うようになり、ヒップホップやタップダンスを習っていたら、いつの間にかダンスが好きになっていました。――習い事が増えていったのですね。はい。小学校4年生ぐらいで、納戸に眠っていた父のギターを引っ張り出して弾いてみたり。最初は独学で練習していましたが、父から「習いに行ってみたら?」とすすめられてギターを習うようになって。その後、小学校6年生の頃にはドラムにも興味を持ったので、習うようになりました。――音楽的なことにご興味があるというのは、もともと環境が整っていたのも大きかったのでしょうか。私が「やりたい」と言ったことに関して、とても協力的な両親だったので、いろいろなことができましたね。小学生の頃は、親から誕生日プレゼントに毎回違うアーティストのアルバムをもらったりと、音楽に触れる機会がたくさんありました。――歌に興味をお持ちになったのはいつ頃でしょうか。通っていたダンススクールの先生に、ダンスだけではなくボーカルも習うスクールを紹介されて。ボーカルとダンスを一緒にやると半額になると言われ、歌もやるようになりました。そのボーカル&ダンススクールでは、全国の生徒たちが受けるコンテストがあったのですが、出場したら優勝したんです。習い始めてから3か月ぐらいのことだったので、「もしかして才能があるんじゃないかな」と、そこから真剣に歌をやるようになりました。最初は歌の練習ばかりしていたんですが、小学校5年生の頃には「もっとたくさんの人に歌を聴いてもらいたい」と、ライブハウスでのライブにカバー曲を歌って出るようになって。でも、ライブはチケットを買った人じゃないと来られないので、もっと拡散力のあるものをやりたいなと思い、路上ライブを始めて、オリジナル曲も作るようになりました。――そういったご活動の末、2021年11月にデジタルEP「I am ME」でデビューされました。デビュー以前と以降で心境の変化はありましたか。ちょうどコロナ禍でデビューが延期になってしまった経緯がありまして。そうしたこともあり、当時からいまに至るまでメジャーやインディーズというスタイルにはこだわっていません。でも、時期としてはそれが高校生から20歳になったあたりだったので、自分自身の考え方や、ライフスタイルの中で大事にしているもの、聴く音楽などに変化はあったと思います。昭和歌謡のいなたさを大事にした新曲――2024年2月16日にニューシングル「tamerai」を配信リリースされました。昨年の10月ぐらいにはできていた曲なのですが、これまで連続で楽曲をリリースしていたなかで、この曲は連続リリースの最後に持ってこようとあたためていたものです。歌詞については、1週間で仕上げました。――歌詞を書かれる際、どのように形作っていきますか。夏の終わりぐらいに私が昭和の歌謡曲にハマり、そんなテイストの曲を歌おうとなって。デモを聴いた瞬間に「この曲だ」と即決しました。曲が先にあるので、歌詞はどうやって書いていくか決めていなかったんですが、昔の曲はストレートでどこかいなたさ(素朴な印象)があると感じたので、そのいなたさを大事にしたいと思って書き上げていきました。――いつも曲を選んでから、歌詞をご自身で書かれるそうですが、すぐに言葉は浮かんでくるものでしょうか。いや、全然浮かんでこないです(笑)。歌詞を先に書いているわけではないので、曲が先にあると、メロディに合わせて文字数も決められてくるんですよね。いままで書き溜めたものがハマるわけではないので難しいのですが、そのぶん歌詞が完成したときの達成感や愛着はすごいです。――昭和世代だと、この曲のシンセサイザーの響きなども懐かしい感じがすると思いますが、いまの10代や20代の方には新鮮で耳に残るサウンドと歌詞ですよね。ありがとうございます。もともとこの曲のデモのタイトルが「ためらい」でした。その言葉を入れるつもりはなかったんですが、歌詞を書いていると、いろいろと試行錯誤することがけっこうあって。あらためて「ためらい」という言葉を見るとすごくいいなと思い、歌詞の頭に持ってきたら、ストーリーが自然と広がっていきました。恋愛において相手の言葉や仕草ひとつで、ためらうことや躊躇することは多いので、そんな世界観を歌詞にして、昭和っぽいサウンド感で表現しています。――歌唱面について、意識して歌われているところは?いままでは力強く歌うことが多かったんです。でも今回は、歌う前に松田聖子さんをはじめとした昭和歌謡を聴き込んでいたら、柔らかさの中に力強さや意志みたいなものがある歌声をしている方が多いなと気付いて。なので、私もそういったことを意識して歌いました。――いつもそうやって曲には研究してから入っていくのでしょうか。そうですね。歌声も楽器だと思っている部分があるので、曲によって歌声を変えたり、ちょっと癖をつけてみたり。いつもある程度、歌い方の方向性を決めています。今回はとくに現代っぽくないけど現代の曲という、難しい感じもありました。昔の曲は、歌もいまほど修正していませんし、しかもテンポもけっこう個性があって。たとえば松田聖子さんの「赤いスイートピー」は、頭の「春色の汽車に~」のところはオンテンポではなかったりするんですよ。いま聴くとちょっと遅いように思うところもあるんですが、それが逆に、私たちに余白を与えてくれているように思えて。いまはすごくはやいサウンド感で、楽器もぎゅうぎゅうに入っていたりと、完璧さのある曲が主流であるように思いますが、あえてそうではなく、昭和歌謡のようにちょっとルーズな曲のほうが逆に切なく感じるんじゃないかなと。いろいろと意識してレコーディングしました。――2024年3月31日に東京のEX THEATER ROPPONGIでワンマンライブ「SAKI MISAKA ONE MAN LIVE 2024 “一心同体メモリーズ”」を開催されます。どのようなステージに?セットリストも決め終わって、やりたいことはチーム内で話しました。会場となるEX THEATER ROPPONGIは、もともと新型コロナウイルス感染拡大の影響で全公演中止になった、高校2年生のときにまわるはずだったツアーのファイナル予定の場所で。また、その後、無観客ライブと言う形で、初めて立ったステージでもあるんです。だからこそ、いつものライブ会場とはまた違う、悔しい思い出がたくさんある場所。今回“一心同体メモリーズ”というタイトルにしたのは、これまでライブができなかったり、無観客だったりしましたが、ここでようやくファンのみなさんと一心同体となって、良い思い出を共有したいという思いからなんです。音楽が好きというパッションで取り組んでいく――お話は変わりますが、音楽活動以外のときは、どんなふうに過ごしていますか?以前、趣味と特技はお菓子作りとおっしゃっていましたが、最近は何を作りましたか。バレンタインにチョコを作りました。お世話になっているスタッフの方に渡そうと思っていたのですが、結局、持ってくるのを忘れてしまい、そのままになりましたが(笑)。最近引っ越して、家にいることが大好きになって、料理も毎日していますね。あとは、こねるところからパン作りもしていて。小学校の頃に料理教室とパン教室に通っていたぐらいパン作りが好きなんです。――小学生のときは、楽器もダンスも習って、さらに料理教室とパン教室にも通ってと、アクティブですね!振り返ってみれば、アクティブな小学生ですね(笑)。――得意料理はなんでしょうか?私は基本、和食しか作らないんです。肉じゃがが得意ですね。――和食はヘルシーな印象ですが、健康面も意識しているのでしょうか。ダイエットなど気をつけていることはありますか。ダイエットといえば、昨年の夏、5キロぐらい体重を落としました。その頃は食事や運動にすごく気をつけていて、毎日、朝昼晩の食事内容をアプリに記録して1日の摂取カロリーを計算していたこともあります。さらになわとびなどの運動もして、トレーニングの先生にも見てもらって。一度5キロ落とすと、以降はそこまで増えなくなったので、いまはあまり気にしていませんが、「いつまでに何キロ落とす」など、目標を掲げるのは大事だと思います。でも私の場合、食事を減らしすぎると筋力が落ちるようで、そうならないためにトレーナーさんと一緒にダイエットしていました。――ではファッションでは何か普段意識して取り入れているものはあるのでしょうか。ファッションのメインになるのは、だいたい靴ですね。あとは帽子。上と下の色合いをそろえたりはしています。サッカーのプレミアリーグが好きで、イングランドの好きなチームのニットをかぶったり、マフラーをしたり。そういう感じでコーディネートを組んで楽しんでいます。――いろいろなお話をありがとうございました。最後に、アーティストとしての今後の抱負を教えてください。ひとまず3月31日のワンマンライブを成功させたいです。このライブは私の中でのひとつの区切りでもあり、大事なステージになるので、そこをめがけて頑張りたい。さらに、今年は音楽に対して、ポジティブな気持ちを大事にしたいですね。10歳の頃からライブをしているので、知らない間に、音楽が好きということよりも「やらなきゃいけない」という思いが上回る瞬間があって。そうではなく、純粋に音楽が好きというパッションで取り組んでいきたいですね。取材後記幅広い楽曲を歌いこなしパワフルな歌声を聴かせてくれる、シンガーの三阪咲さんがananwebに登場。小さな頃から音楽に触れる環境で育ち、さらに現在はお菓子作りもお料理も得意だという、魅力にあふれた三阪さんは快活にインタビューに応えてくださいました。そんな三阪さんのニューシングルをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。取材、文・かわむらあみり三阪咲PROFILE2003年4月23日、大阪府生まれ。SNSをきっかけに注目を集め、高校サッカーのテーマソングや、恋愛リアリティーショーのテーマソングを担当するなど、Z世代や若年層を中心に注目を集める女性シンガー。2021年11月、デビューEP「I am ME」を配信リリース。2022年3月、高校生最後のライブ「Saki Misaka LJK GRADUATION LIVE ~夢のZeppで卒業式するってよ~」を神奈川・KT Zepp YOKOHAMAにて開催。2024年2月16日、デジタルシングル「tamerai」配信リリース。3月31日、東京・EX THEATER ROPPONGIにてワンマンライブ「SAKI MISAKA ONE MAN LIVE 2024 “一心同体メモリーズ”」を開催。InformationNew Release「tamerai」2024年2月16日配信リリース取材、文・かわむらあみり
2024年02月28日【音楽通信】第152回目に登場するのは、椿の花のように愛らしく、個性豊かなメンバーが集まるハロー!プロジェクトのアイドルグループ、つばきファクトリー!みんなで素敵なグループを作っていきたいリーダー 新沼希空。1999年10月20日、愛知県生まれ。O型。趣味は洋服屋巡り、アイドル鑑賞。【音楽通信】vol.1522015年4月に結成され、2017年にメジャーデビューした、つばきファクトリー。同年には第59回『輝く!日本レコード大賞』最優秀新人賞を受賞するなど、名実ともにパワーアップし続けている、ハロー!プロジェクトのアイドルグループです。2021年7月には4人のメンバーが加入。2023年4月には浅倉樹々さんが、11月には初代リーダー山岸理子さんと岸本ゆめのさんがつばきファクトリーとハロー!プロジェクトを卒業。新沼希空(にいぬま・きそら)さんが2代目リーダーとなりましたが、今春のコンサートツアーをもって卒業と芸能界の引退を発表。新体制の9人グループとして活躍していたところ、2月初旬に3人の新メンバー加入が発表されました。そんなつばきファクトリーが、2024年2月21日に約2年9か月ぶりとなる3rdアルバム『3rd Moment』をリリースされるということで、メンバーを代表して新リーダーの新沼さん、河西結心(かさい・ゆうみ)さん、福田真琳(ふくだ・まりん)さんにお話をうかがいました。※ananwebの取材は2024年1月下旬に行われました。――まずはお名前と座右の銘など、自己紹介からお願いします。新沼つばきファクトリーのリーダー、新沼希空、24歳です。座右の銘は「誠心誠意」です。河西河西結心、20歳です。座右の銘は「七転び八起き」です。福田福田真琳、19歳です。座右の銘は「置かれた場所で咲きなさい」です。河西結心。2003年7月30日、山梨県生まれ。O型。趣味は踊ること、寝ること。――2023年は3名の卒業がありました。あらためてみなさんの現在のお気持ちから教えてください。新沼昨年卒業した3人は、結成当初からずっと一緒に活動してきたメンバーだったのですが、まさか1年で3人も卒業すると思っていませんでした。最初に(浅倉)樹々ちゃんの卒業があったときに悲しい気持ちもありましたが、それでももっと大きいグループになりたいと思いながら活動していたら、また2人の卒業が決まって…。私自身も昨年の春ツアーを経て、メンバーそれぞれに個性が出てきて、頼もしいと感じられる”シュンカン”が増えてきました。そのことから、新しい道に進もうと決意しました。3人が大切に守ってきてくれたこの「つばきファクトリー」というグループをみんなで大切に作り上げていきたい気持ちがあって、ずっと続いていくグループになれるように卒業まで限られた時間になりますが、全力で取り組んでいきたいと思います。河西先輩方に比べると私はグループ歴が浅い中での3人の卒業だったので、最初に浅倉さんが卒業したときは初めての卒業者だったこともあり、どうグループが変化していくのか不安でしたね。それでも、好きな浅倉さんが私たちに教えてくれたことを、卒業されたあとにもいかせるようにと前向きな気持ちになれた部分もあったのですが、その後に岸本さんと山岸さんの卒業となり、驚きのほうが勝って。すごく変化がある1年でした。リーダーが新沼さんになって、グループの雰囲気も変わった感じもありますし、先輩方に教えていただいたことを忘れずにつなげていきたいです。福田真琳。2004年10月18日、長崎県生まれ。AB型。趣味は食べること、バイオリンをひくこと。福田「つばきファクトリー」は一人ひとりの個性が違っていて、違っているからこそ、それぞれの持っている役割みたいなものが大きい気がしていて。なので、3人の先輩方が別の道に進まれたことは心の中にすごく大きな穴があいたような出来事でしたが、御三方は新たに自分がやりたいことを見つけて卒業されたので、そういう自分がやりたいことを追求する姿勢はすごくかっこいいなと。私にとっては、いまやりたいことが「つばきファクトリー」なので、卒業された先輩方のように、大好きなこのグループに貢献できるよう頑張りたいです。――「つばきファクトリー」結成時から在籍の新沼さんが新リーダーとなりました。今春のコンサートツアーをもって卒業と芸能界引退を発表された新沼さんですが、それまでグループをまとめるリーダーとしてのお気持ちはいかがでしょうか。新沼いままで(山岸)理子ちゃんがリーダーとして私たちを支えてきてくれたので、私のなかではまだリーダーは理子ちゃんのような感覚があるんです。だから、いまはリーダーという名前をいただいていますが、理子ちゃんみたいなことができているかと思うと、まだまだなのかなと。卒業まで、できる限りのことに挑戦していって、グループを盛り上げていきたいと思います。あとはリーダーといった立場などは関係なく、「つばきファクトリー」や活動に対して強い気持ちを持っているメンバーが多いので、それぞれが率先して動いてくれたり、いろいろなことをしてくれたりしています。みんなでグループを作っている、という感じが私は好きなので、一緒に素敵なグループを作っていきたいです。「つばきファクトリー」の歴史も感じるアルバム写真左から、河西結心、福田真琳、新沼希空。――2024年2月21日に3rdアルバム『3rd Moment』をリリースされます。8thシングルから最新シングルまでのシングル全12曲と、浅倉さん・山岸さん・岸本さんの卒業曲やライブで披露している曲の初音源化や新曲など盛りだくさんな内容ですね。新沼そうなんです。まず“リトキャメ”(2021年加入の河西、福田、八木栞、豫風瑠乃の4名を指す言葉「リトルキャメリアン」の略)がグループに入ってから、まだアルバムを発売していなかったので、いまの体制で発売できることがすごくうれしくて。さらに、アルバムのために新曲をたくさんいただいたので、多彩なジャンルの楽曲を歌えることもすごくありがたいです。河西私たちが加入してからの初めてのアルバムで、新曲をいただく度に振り幅が広がるように感じましたし、今回も初めて挑戦するような楽曲が多かったので、成長を感じることができるアルバムになっています。3名の卒業曲も収録されているので、「つばきファクトリー」の歴史も感じていただけると思います。福田私たちが入ってからのライブの新曲だったり、シングルの曲が入っていたりと、楽しんでいただけるアルバムです。私個人としては、「つばきファクトリー」の最初のアルバム『first bloom』(2018年発売)と2枚目のアルバム『2nd STEP』(2021年発売)をファンの立場として買っていたのですが…。新沼え~!知らなかった(笑)。河西そうなんだね。福田はい(笑)。車の中で曲をかけたりしていたので、そんなグループのアルバムに自分の声が入るんだなって、加入してからけっこう経つんですが、あらためて「やったー!」という気持ちになって(微笑)。また卒業された御三方の曲もあるのですが、卒業されても私自身ファンとしていまも応援しているので、ファンという立場からしたら、すごくうれしい特典だと思いました。このアルバムひとつで、「つばきファクトリー」の成長もわかりますし、さまざまな色に染まれるのだという魅力を感じていただけるはずです。――では続いて4曲ある新曲のうち、まず「Power Flower ~今こそ一丸となれ~」の聴きどころから教えてください。新沼湘南乃風のSHOCK EYEさんに作詞作曲していただいた楽曲です。最初に聴いたときは、ラップが入っていて、パンチのきいた楽曲だなと思ったんですが、歌詞を読んでみると「つばきファクトリー」をこれからどんどん世界に向けて大きくしていくぞ!というようなSHOCK EYEさんらしい熱い思いが書かれている歌詞だなあと。SHOCK EYEさんから楽曲を提供していただくのは3曲目になるのですが、私たちのことをすごく考えて書いてくださった歌詞で、愛を感じたので大切に歌っていきたいです。今回、私は初めてラップパートがあるのですが、イメージ的に私がラップを歌うようには見えないと思うんですよね(笑)。そういう面でも、新しい自分も出せる楽曲になるんじゃないかなと、披露するのが楽しみです。ライブに欠かせない1曲になっていくといいなと。――では新曲「Stay free & Stay tuned」は?河西この楽曲は「つばきファクトリー」にたくさんの楽曲を提供してくださっている中島卓偉さんの作詞作曲で、いまの「つばきファクトリー」にぴったりな印象の曲。歌詞には「不揃い過ぎると わかっているけど それが魅力 それがむしろ うちらのストロングスタイル」とあって。個性あふれるメンバーがいるからこそ、それが魅力的だよということを書いてくださったのかなと。前向きな歌詞ですし、聴いていても「頑張ってやるぞ!」という気持ちになれる、アップテンポで楽しい楽曲なので、コンサートで盛り上がりたいです。そして私の好きな部分があって、それは歌詞にはないんですが、新沼さんがあおりで「カモンエブリバディ!」と言うところがあるんですよ。そこが好き!新沼そこ(微笑)。この楽曲の序盤に入るあおりのレコーディングがあって、そのパートを録音したときに、普段ライブでも私はあおり担当ではないので、絶対自分の声が使われないと思ったんですよ。その様子を見ていたほかのメンバー数人も、私があおっているなんて「面白い~」みたいな感じで(笑)。すると、まさか私の担当に決まったので、全力でやってやろうと(笑)。河西ここが好きなんです(笑)。意外性があるところも、聴きどころだなと思います。――さらに新曲「EZPZ!!」はいかがですか?福田すごく軽快で爽やかな曲調で、これまでありそうでなかったような楽曲です。失恋ソングなんですが、これまでも失恋の曲はあったもののどちらかというと歌詞の女性像がちょっと大人の女性が多かったような印象があって。でもこの楽曲では、学生ぐらいの女の子の失恋曲になっています。同世代の方にも聴いてほしいですし、失恋したけど頑張ろうというポジティブな気持ちになれる楽曲です。――では、もうひとつの新曲「雨宿りのエピローグ」は?新沼こちらは女性の奥底の気持ちを歌詞に書き写すイメージのある山崎あおいさんの作詞なのですが、私はすごく山崎さんが作る楽曲が好きなんです。これも恋愛の楽曲で、少しアニソンっぽい印象も。私がハロー!プロジェクトに入ったきっかけとなったオーディションの課題曲が℃-uteさんの「悲しき雨降り」という楽曲で、その曲に少し似ている感じもして、懐かしくなりました。とくに女性に聴いてほしい楽曲ですね。――アルバムや新曲のお話をありがとうございました。ちなみに現在は年初から「Hello! Project 2024 Winter ~THREE OF US~」と題した全国ツアーで各地をまわっていますが、手応えはいかがですか。河西「THREE OF US」とあるように、モーニング娘。さんとBEYOOOOONDSさんと3グループで各地をまわらせていただいています。ほかのグループの方のいいところを吸収できるいい機会になるんじゃないかなとも思うので、私たちを初めて観る方にも「つばきファクトリー」を知っていただけるように頑張っていきたいなと。この冬で団結力も強くなったことを感じとれるので、さらに全員で成長していきたいですね。新沼2グループのファンを奪うぐらいの気持ちで、ツアーをまわっていけたらなと思っています。――3月10日には、千葉県の市川市文化会館で「つばきファクトリー メジャーデビュー7周年記念ライブ『ReALIZE』」も開催されますが、どのようなステージになりますか。新沼私たちはメジャーデビュー日が2月22日なんですが、ありがたいことに毎年ファンのみなさんと一緒にデビューをお祝いするイベントをやらせていただいていて、今年もお祝いイベントを行います。昨年は、ファンのみなさんにはサプライズで、生バンド体制でのコンサートを行いました。今年の内容はまだ話せなくて……ですが、今回もすごくスペシャルなライブになると思うので、喜んでいただけるのではないかなと。昨年来てくださった方にも、この1年の成長を感じてもらえるようなライブにしたいですね。それぞれも活動して素敵なグループになる――お話はかわりますが、おやすみのときはどのようにお過ごしですか。新沼神社やパワースポットに行くことがすごく好きなので、おやすみがあればひとりで気になる神社に行って、御朱印をいただいたりして、リラックスしています。あとは最近、サウナも好き。もともと暑いのはあまり得意ではなかったのですが、試しにサウナに行ってみたら、ひとりでぼーっと入っているだけでリラックスできて、自分には合っているなと感じたので、個室サウナとかに行ってみたり。そこで、ライブツアーの歌詞を覚えることもあります(笑)。――いいですね。神社などに行かれるというお話もありましたが、今年は初詣も行かれましたか?新沼自分の住んでいる地域の神社に行きました。違う日には、(河西)結心ちゃんと一緒に鎌倉のほうの神社に行って、人がすごかったですが素敵な景色や建物を観ることができて、よかったです。河西ふたりで鎌倉の鶴岡八幡宮や長谷寺などをまわって楽しかったですね。東京でおやすみを過ごすときは、神社仏閣を訪れたりします。長いおやすみがあるときは、山梨県の実家に帰って、愛猫のみみちゃんと遊ぶことが多いかな。あとはひとりで最近、近所のおいしいご飯屋さんを探して行ってみようかなって。いろんなことに興味があるので、人におすすめされたこともすぐやってみます。福田私はおやすみの日といえば、のんびりしていますね。ひとりで好きな食べ物を食べながら、ゆったりと映画やドラマやテレビを観たりしています。あとは連休があったら、私も結心ちゃんと同じく、実家へ帰りますね。長崎なのですが、学生時代に行っていた場所にもう一度行ってみて、その魅力を再度味わうことにも最近ハマっていて、それをブログで書いたり発信したりするのが小さな楽しみになっています。――ちなみに好きなドラマやお気に入りの映画などはあるのですか?福田ドラマは、「相棒」シリーズや「BORDER」といった刑事ドラマが好きですね。映画だと「ハリー・ポッター」シリーズは何回も観てしまいます。――では、2024年が始まったばかりなので、まず個人的な抱負をおひとりずつ聞かせてください。新沼個人の目標は、笑顔でいることです。普段ずっと口角が下がっているタイプなのですが、やはり口角が上がっていたほうがまず可愛いですし、印象もいいでしょうし、笑顔でいるといろんな運気が上がって幸運がやってくると思うので、どんなときでも笑顔でいるようにしたいです。河西私は“自称”ではない、観光大使になりたいです。地元の山梨県の観光大使を目指して、自称をつけて活動し始めたんですが、昨年は地元のラジオやテレビなどに出演することができて、夢のような出来事でした。もっと山梨県にも「つばきファクトリーを」知っていただけるように、さらにファンのみなさんにも山梨県の良さをたくさん伝えたいので、今年は脱・自称観光大使を頑張りたいです。福田私は初心を忘れずに、応援してくださっているファンの方を逃がさないことと、新たなファンの方を獲得したいという思いがまずあります。あとは、発信する力を伸ばしていきたい。いつも興味があることがあっても、自分にはできないんじゃないかな、とネガティブな気持ちになってしまって、心の中でやりたいことを止めてしまうことが多いので、今年は自分からもどんどん動いて、グループのために頑張れる1年にしたいです。個人的には、いま手をつけている語学や少し弾ける楽器が中途半端なままなので、腕を磨いて極めていきたいですね。――最後に、リーダーの新沼さんから「つばきファクトリー」としての今後の抱負をお願いします。新沼今年もそうですが、今後もずっと、「つばきファクトリー」というアイドルグループをもっとたくさんの方に知ってもらいたいです。3月のメジャーデビュー7周年記念ライブは“ReALIZE”というタイトルがついているんですが、単語に「気づく」という意味もあるので、世界中の人に「つばきファクトリー」のことを気づいてもらいたいですし、そんな存在になるのが夢。きっとメンバー一人ひとりがもっと大きいグループになりたいと思っているはずなので、それぞれもグループのために活動して、素敵なグループになっていきたいです。取材後記今回、「つばきファクトリー」の新沼希空さん、河西結心さん、福田真琳さんの3名がananwebに登場。取材中も和やかな空気に包まれながら、楽しく撮影とインタビューをさせていただきました。新たな門出となる新沼さん、これからもグループを支えていく河西さん、福田さんをはじめとした「つばきファクトリー」のニューアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね!写真・大内カオリ取材、文・かわむらあみりつばきファクトリーPROFILE2015年4月、小片リサ、山岸理子、新沼希空、谷本安美、岸本ゆめの、浅倉樹々でハロー!プロジェクト研修生内ユニットとして結成。2016年8月、小野瑞歩、小野田紗栞、秋山眞緒の3名が加入。2017年2月、シングル「初恋サンライズ/Just Try!/うるわしのカメリア」でメジャーデビュー。同年、第50回日本有線大賞 新人賞、第59回『輝く!日本レコード大賞』最優秀新人賞受賞。2021年7月、河西結心、八木栞、福田真琳、豫風瑠乃の4名が加入し、新体制となる。2023年4月に浅倉樹々が、11月に初代リーダー山岸理子と岸本ゆめのが卒業。山岸卒業後、リーダーは新沼希空、サブリーダーは谷本安美が務める。2024年2月21日、3rdアルバム『3rd Moment』をリリース。3月10日には、千葉の市川市文化会館大ホールで「つばきファクトリー メジャーデビュー7周年記念ライブ『ReALIZE』」を開催。InformationNew Release『3rd Moment』(Disc1 収録曲)01.涙のヒロイン降板劇02.ガラクタDIAMOND03. 約束・連絡・記念日04.アドレナリン・ダメ05.弱さじゃないよ、恋は06.アイドル天職音頭07.間違いじゃない 泣いたりしない08.スキップ・スキップ・スキップ09.君と僕の絆 feat.KIKI10.勇気 It’s my Life!11.妄想だけならフリーダム12.でも…いいよ(Disc2 収録曲)01.Power Flower ~今こそ一丸となれ~02.Stay free & Stay tuned03.七分咲きのつづき04.EZPZ!!05.サマー・チャレンジャー06.雨宿りのエピローグ07.アタシリズム08.君と僕の絆09.You’re My Friend feat.KIKI / 浅倉樹々10.かっちょ良い歌 / 山岸理子11.BE / 岸本ゆめの2024年2月21日発売*収録曲は全形態共通。*全種CD2枚組。(通常盤A)EEPCE-7820~1(2CD)¥3,850(初回生産限定盤A)EPCE-7814~6(2CD+Blu-ray)¥7,700*初回生産限定盤AのBlu-rayには8~11枚目シングルのMV、収録されていない別バージョンMV、岸本ゆめの歌唱動画、アルバムジャケット写真メイキング映像等を収録。(初回生産限定盤B)EPCE-7817~9(2CD+Blu-ray)¥7,700*初回生産限定盤BのBlu-rayには2023年8月24日に河口湖ステラシアターで行われた「つばきファクトリーの夏祭り2023 ~灼熱~」を収録。写真・大内カオリ 取材、文・かわむらあみり
2024年02月17日【音楽通信】第151回目に登場するのは、TikTokに投稿した楽曲が大バズりし、音楽シーンに彗星の如く現れた20歳のシンガーソングライター、なとりさん!高校卒業間際から音楽活動をスタート【音楽通信】vol.1512021年5月から音楽活動をスタートした、現在20歳のシンガーソングライター、なとりさん。エレクトロミュージックから和楽器、バンドサウンドまで取り入れた楽曲を、独自の艶やかなウィスパーボイスで歌っています。2022年5月に投稿した楽曲「Overdose」はTikTokでの関連動画が約500,000個、総再生回数は20億回を超える大反響。Billboardのストリーミングソングチャートでは、歴代6位タイの速さで1億回突破を達成し、国外まで知名度を広げました。さらに今年、Adoさんが「Overdose」をカバーしたYouTubeも話題に。素顔を明かしていないため、なとりさんの音世界を表現するイラストがキービジュアルとなっているミステリアスなところも、惹きつけられる要素のひとつです。そんななとりさんが、2023年12月20日に、1stアルバム『劇場』をリリースされたということで、音楽的なルーツなどを含めて、お話をうかがいました。――小さい頃に音楽に出会ったきっかけや、よく聴いていた音楽から教えてください。物心が付く前から、ひとまわり上の姉がORANGE RANGEが大好きで、家でずっと曲をかけていたことを覚えています。母も音楽が好きで、アカペラグループに入って歌っていたこともあって、ゴスペラーズをよく聴いていました。姉や母の好きな音楽が、僕の音楽的なルーツとなっているといえそうです。音楽を始める前、いまのネット発の音楽の入り口は、米津玄師さんでした。米津さんから影響を受け、いろいろな音楽を聴いていくようになりました。その後、高校2年生の時に、キタニタツヤさんの音楽を聴くようになって。きっと僕の曲の中にも無意識のうちにそのエッセンスが入っているだろうなと思うほど、キタニさんの曲を聴き込みました。そしてキタニさんの音楽に出会ったことで、音楽を始めました。――キタニさんの影響で、現在のようにご自身で作詞作曲されるようになったのですか。もともと「音楽がしたい」と思うようになったときに、キタニさんのYouTubeを観ていたんです。パソコンの画面を映しながら、打ち込み、DTMで作曲をするというライブ配信があり、スマホでも作曲ができることを知って。それが高校卒業間際ぐらいの時期だったので、そこから自分でも曲を作るようになりました。――とくに楽器に触れる機会はなく、最初から打ち込みでの曲作りとなったのですね?そうです。中学2年生ぐらいのときに、母親がギターを始めたこともあり、僕も褒められたいがために始めたことがあって。そのタイミングで米津さんの音楽を聴いていたので「この曲を弾いてみたい」と思って弾いたこともありましたね。――活動開始から1年後にTikTokに投稿された「Overdose」が大反響を呼び、大きな手応えを感じたのではないかと思うのですが、いつ頃から将来は音楽の道でやっていく、と決意されましたか。実は活動開始のときに、僕は就職していました。働きながら好きな音楽をやって、「ちょっと売れればいいな」ぐらいに思っていて。そのぐらいのテンションで投稿した曲がバズり、急にいろいろなところから反響がきたため、自信を持つよりも、むしろ自信をなくしてしまったんです。「僕は音楽的な下積みがないのに、こんなにすごいところにいていいのか」と。音楽を作るモチベーションが下がるきっかけにもなって、これだけ反響のある曲をこれから作り続けないといけないのか、とものすごく怖くなって悩むようになりました。ただ、活動を始めて1か月ぐらいで、運良く反響をもらった曲があって。そのときにいくつかのメジャーレーベルの方からお声をかけてもらったことがきっかけとなって、今年の3月に「フライデーナイト」という曲をソニーから配信しました。この曲は、SpotifyブランドCMソングにも起用していただいたのですが、初めてのCM曲だったので「めっちゃ仕事してる~!」という感覚にもなりました(笑)。――「フライデー・ナイト」のミュージックビデオは、現在700万再生となっていますし、なとりさんの勢いを感じます。とはいえ、音楽活動でやっていくとなると大変なことも。当時、ご家族やまわりの方から何か反応はありましたか。最初はとても心配されましたね。家族に「『Overdose』がバズってる」という言い方をしても、「なんかちょっと聴いてもらえたんだね」というぐらいの反応でした(苦笑)。その後、本当に「Overdose」を配信することになって、家族からようやく認めてもらえましたが、ずっと音楽を仕事として続けていけるかはわからないからいろいろ考えてね、とも言われて。理解されるまではしんどかったですが、音楽活動一本でいきたいと押し切りました。1stアルバムは「つくづく良い作品になった」――2023年12月20日に1stアルバム『劇場』をリリースされましたが、仕上がってみていかがでしょうか。自分を褒めるようで気恥ずかしいのですが、よく頑張ったなあって(笑)。つくづく良い作品になったな、と心の底から感じていますね。ほかに今年の思い出がないぐらい、ずっとアルバムの作品作りに没頭していました。僕のこの1年の音楽がたくさん詰まっている作品なので、たくさん聴いていただきたいですし、ヒットしてほしいと思っています。――タイトル曲の1曲目「劇場」に込めた想いから教えてください。この曲は「Overdose」がバズる前に作ったので、まだ僕の曲がほとんど聴かれていない時期だったんです。ちょうど仕事でも上司に腹が立っていて、私生活もうまくいかなくてものすごく悩んでいた時期に、デモとして作った曲。本当に僕のもっともパーソナルな闇の部分を凝縮して作った曲なんですよ。“闇を書く”というのは、「なとり」という音楽の中で、すごく大事にしている部分でもあって。その一番濃いものをたくさん聴いてほしいと思ったんです。さらにアルバムを作るとなったときに、「劇場」というタイトルはひとつの作品としてまとまりがいい。なので、これを1曲目に選ぶことで、これから「なとり」の劇場が始まるよ、という意味合いも込めています。――先ほどもお話を聞いた3曲目「Overdose」は、ご自身にとってどんな存在でしょうか。まったく僕の曲を聴いてもらえていない時期に、自分のやりたい曲はいったん置いておいて、まずは入り口になる曲がないといつまでも聴いてもらえないと考えました。そこで、自分のやりたいことを無視して、当時一番TikTokで受けている層に対してアプローチした楽曲が「Overdose」です。自分の中でトレンドを分析し、出てきた4つのキーワードを全部踏襲しようと意識して作っていったところ、想定以上の反響があって。人生を変えた曲になりました。――作られたときは19歳ぐらいですか?19歳です。ふっとメロディが降りてきた感覚があって、新鮮なうちに届けたいと、一気に作っていったことがすごく印象に残っている曲でもありますね。――ということは、曲を作られる際に冷静に分析する視点と、ぱっと湧いたイマジネーションとのかけ合わせのような感じで、曲作りをすることが多いんですか。この曲は特殊です。僕の曲の中では新しいジャンルといいますか、作り方も、楽曲の雰囲気も、いつもとは違いますね。通常は、日頃から映画やドラマや漫画などの作品から着想を得ることが多くて。または影響を受けた楽曲からエッセンスを取り入れることがスタンダードな作り方なので、「Overdose」はとにかくバズを狙って作るという新しい作り方をしました。――リードトラックの6曲目「Sleepwalk」は耳馴染みがいい曲ながら、ときどき鳴る違和感のある音にハッとするユニークさもあります。ときどきミュージックビデオを作るときに、この曲のイメージがどうやったら伝わるかな、と考えると「ホラーゲームの世界観は伝わりやすい」と思ったことがありました。さらに自分のルーツはホラーゲームだと気づいて。そんなホラーゲームをコンセプトにした曲が、この「Sleepwalk」です。キャッチーなメロディの中に、ちょっと不穏な音をところどころに配置して、ホラーゲームのような違和感があるものをポップスとして消化させながらまとめました。――7曲目「金木犀」についても教えてください。この曲は人生で初めて作った曲です。曲作りをしながら「なんかめちゃくちゃいい曲だな」と自分でも手応えがあって、みんなに聴いてもらいたいという気持になりました。そこで「音楽を作りたい」という思いが鮮明になっていって。曲が完成してからは、信頼できる友達や母親に聴かせてみるとみんな良い曲だと言ってくれて、さらに音楽を作りたい気持ちが強くなりました。この1ヵ月後に、初めてネットに曲を投稿して公開に踏み切った思い出深い曲です。――8曲目「夜の歯車」は、シンプルでいて胸に染み入るバラードですね。兄の結婚式に向けて作った曲です。家族で夜ご飯を食べているときに、父親が冗談半分に「兄夫婦のために曲を作ったら」と言ってきたのですが、そういう形で曲を作ったことがなかったので、作ってみようかなと。アコースティックな曲で胸があたたかくなるような歌詞になりました。――もちろん、お兄さんは曲を聴いて感動されましたよね?いや、結局、聴かせてないですね(苦笑)。あまり兄に向けた曲だと言うのも、恥ずかしくなってしまって……。――なんと!もったいないので、お兄さまにはぜひアルバムを聴いてほしいです。では続いて、9曲目「エウレカ」は、ほかとは毛色が違う、アグレッシヴなロックサウンドです。受ける層に向けて作った曲のあとに、この「エウレカ」以降、いまも自分がやりたい曲を作らせていただいていて。僕はボカロを通ってきた人間ですが、ロックサウンドが大好きなので、なとりはこういう曲もできる、ということを聴いてほしいと思って作ったんですよね。曲作りの際お話ししましたが、たぶん好きな映画や漫画から着想を得てできた曲。僕の厨二病のような部分をそのまま表現していて、音作りにもこだわって作りました。――ちなみに歌唱面では、何か意識されていることはあるのでしょうか?僕のボーカルで一番の武器は、たぶん音域だと思っていて。かなり低いところにあるので、ほかのアーティストとどう差をつけるか、違いを見せるかを意識しています。そして息の成分がたっぷりの歌声なので、このふたつの特徴を持つアーティストは、いまのポップス界には僕しかいないのかなと。この点を重点的に出せるように楽曲を作ったり、レコーディングでもより良くなるようディレクションをしてもらったりしています。――2024年2月にはシクレットショー、3月には東京のZepp Haneda、4月には大阪のZepp Osaka Baysideで『“なとり”1st ONE-MAN LIVE「劇場」』と題した初ワンマン公演がありますが、どんなステージになりますか。まだどれも構成中なのですが、シークレットショーは3月からのワンマン公演の前に、アルバム『劇場』を少し披露するような短い時間でのショーになる予定です。3月と4月のワンマン公演は、バンドメンバーと一緒に『劇場』の世界を濃縮した演奏と演出をしたステージになるかなと。いまは音楽以外の余計な情報を出したくないので、顔を出していないのですが、そこはライブでもやはり軸に置くかもしれないですね。あとはアルバムと同じく、ステージでも『劇場』というコンセプトは壊さないようにしたいと思っています。もっとたくさんの人にいろんな曲を聴いてほしい――お話は変わりますが、おやすみの日はどんなふうに過ごしていますか。漫画が好きなので、いま漫画アプリ「マガポケ」(少年マガジン公式無料漫画アプリ)をすごく推しています。この漫画アプリの作品は、だいたい読んでいますね。あとは古着も見に行くことがあります。音楽活動に通じているんですが、新しく買った服を着て曲を作る、というのが日課になっていますね。――では、アルバムだと収録曲数ぶんの新しい服があるという?どうだろうなあ(笑)。着こなし方にもよるんですが、曲ごとに服を変えると、わりと気持ちが入るといいますか。ある種、それが仕事着のような感覚で着ているかもしれないです。――気分によって服を選ぶのか、クールな曲を作ろうと思ったらクールな服など、そのテイストのファッションに身を包み…ということでしょうか。「この曲のミュージックビデオはこういう服で出たい」というイメージが浮かびやすいんですよね、イラストなので実写では作っていないんですけど(笑)。たとえば「Overdose」のときは、もしも実写を撮るなら、僕は黒のセットアップを着て出たいというイメージがあって。わざわざ黒のセットアップを着て、わざわざネクタイを付けて、「Overdose」を作っていました。だから、実家のクローゼットの中には、服がたくさんあります。――曲作り以外では、どんなテイストのファッションが本来お好きなんですか。きれいめ系ですね。スラックスをよくはきますし、レイヤードの服もすごく好きです。お気に入りの水色のシャツがあるので、その水色のシャツに合わせていろいろな組み合わせをしています。――18歳から音楽活動されて19歳で転機が訪れ、現在20歳になったということで、10代を振り返ってみて、そして20代でやってみたいことは?10代であまり音楽理論などを知らないまま活動を始めましたが、自分の音楽が形になってきたいま、改めて音楽の勉強をするようになりました。これからもさまざまな音楽をたくさん吸収していきたいです……って、ちょっとかたいかな(笑)。10代は、無駄なところで生意気な部分がすごくあって、変な自信を持っていました。これからは変な自信ではなく、ちゃんと中身を濃くして、本当の自信を身につけたいですね。――では最後に、シンガーソングライターとしての今後の抱負を教えてください。もっとたくさんの人にいろんな曲を聴いてもらいたいので、これからもずっと音楽を届けていきたいと思っています。取材後記TikTokへの投稿から一躍脚光を浴びたシンガーソングライターなとりさんがananwebに初登場してくださいました。SNSから誕生したニューカマーとして、多くのリスナーを魅了するなとりさん。初めてのアルバムに込めた思いをたっぷりと聞かせてくれました。時に冷静にシーンを分析し、時に音楽的な欲求のままに曲作りをし、20代もたくさんの楽曲を聴かせてくれることでしょう。そんななとりさんの1stアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。取材、文・かわむらあみりなとりPROFILE2021年5月より活動開始。2022年5月、投稿した「Overdose」はTikTok上の関連動画が約500,000個、総再生回数は20億回を超え、“歌ってみた”などのカバーで若年層からの支持を集めている。Billboardのストリーミングソングチャートでは、歴代6位タイの速さでの1億回突破を達成し、国外まで知名度を広げた。2023年3月、SpotifyブランドCMソングに「フライデー・ナイト」が起用され、ミュージックビデオは700万再生を突破。12月20日、1stアルバム『劇場』をリリース。InformationNew Release『劇場』(収録曲)01.劇場02.食卓03.猿芝居04.Overdose05.フライデー・ナイト06.Sleepwalk07.金木犀08.夜の歯車09.エウレカ10.Cult.11.ラブソング12.ターミナル13.カーテンコール2023年12月20日発売(完全生産限定盤)SRCL-12665¥5,500 (税込)*ジャケットアートボード仕様+ブックレット+オリジナルトランプ+CDほか。取材、文・かわむらあみり
2023年12月20日【音楽通信】第150回目に登場するのは、数々のヒット作を世に送り出し、12月8日にデビュー25周年イヤーを迎えるシンガーの倉木麻衣さん!マイケル・ジャクソンがきっかけで歌手を目指す【音楽通信】vol.150今年デビュー25周年というアニバーサリーイヤーを迎える、倉木麻衣さん。1999年、16歳の時に「Mai-K」名義にてシングル「Baby I Like」で全米デビューを果たし、続いて「倉木麻衣」としてシングル「Love, Day After Tomorrow」で日本デビューしました。同曲はミリオンセラーを記録し、1stアルバム『delicious way』は400万枚を超えるメガヒット。続く作品も続々と大ヒットを記録するなど、これまでに数々の大ヒット作を世に送り出してきました。さらに近年では、音楽活動のほか、社会貢献活動なども行っているという倉木さん。そんな倉木さんが、2023年10月28日にシングル「Unraveling Love 〜少しの勇気〜」を配信リリースされたということで、音楽的なルーツなども含めて、お話をうかがいました。――あらためまして、子どもの頃の音楽との出会いや、影響を受けたアーティストから教えてください。家族が音楽好きということもあり、4歳の頃から母の勧めでピアノを習っていましたが、歌うことも大好きで。テレビやラジオから流れてくる演歌から歌謡曲、ポップス、アニメソングなどのいろいろなジャンルの歌を口ずさんでいましたね。中学校では、合唱部に入部したり、よくカラオケに行ったりもしていました。当時は、洋楽を聴いている人が少なかったのですが、家族が洋楽好きだったこともあって、マイケル・ジャクソン、マライヤ・キャリーをはじめR&Bなどもよく聴いていて、その歌い方をまねて歌っているような子どもでしたね。初めて買ったアルバムは、ホイットニー・ヒューストンの『そよ風の贈り物』(1985年発売)でした。――とくに洋楽がお好きだった倉木さんが、実際にシンガーになろうと思ったきっかけはなんでしたか?中学生の頃に、マイケル・ジャクソンのミュージック・ビデオ集やムーンウォークを見て衝撃を受け、「音楽で人を感動させる歌手になりたい」と思ったのがきっかけとなり、本格的に歌手を目指そうと思いました。それからカセットテープに自分の歌を録音してデモテープを作りはじめて、音楽事務所に送ったり、オーディションを受けたりしたことで、デビューへとつながりました。――1999年10月「Mai-K」名義にてシングル「Baby I Like」で16歳で全米デビュー、同年12月に「倉木麻衣」としてシングル「Love, Day After Tomorrow」で日本デビューされ、以降の作品も大ヒット作となりましたね。デビュー当時はまだ高校生でしたが、デビューの実感や手応えは感じていましたか。あまり実感はなかったですね(笑)。デビュー前も、学校が終わるとレコーディングスタジオに行って、学校の宿題やテスト勉強をしながら海外デビューアルバムなどのレコーディング制作をしたり、高校生の夏休みに初海外のボストンでレコーディングしたり。デビュー後も、音楽活動と学生生活の両立で無我夢中な日々を送っていました。ただ、デビュー後は、自分よりも先生や友達やクラスのみんなが、デビューしたことに驚いていましたね(笑)。とはいえ、デビュー前と後も生活スタイルは変わらず、学校生活を中心とした日々を送らせていただいていました。デビュー前にお世話になった先生方や友達は、時を経たいまも、ライブに来てくれるなど、ずっと応援してくれています。当時は、テレビやメディアにほとんど出ていなかったので、デビューしてもあまり実感がなく、ラジオでデビュー曲「Love, Day After Tomorrow」が流れてきたり、CDショップでCDが並んでいたりするのを見て、そこでデビューしたことをなんとなく実感するような日々でした。ライブをするようになってから、たくさんの方に楽曲を聴いていただけて愛していただけているんだと、やっと「歌手になったんだ!」という実感が湧いた感じです。――2023年12月8日にデビュー25周年イヤーに入りますが、これまでを振り返って、率直なお気持ちは?諦めないでいてよかった、と思いますね。大好きな音楽を通して、夢や希望、愛と感謝で、みなさんとつながっている25年という奇跡のような月日を過ごさせていただいて、「愛がとうございます(倉木さんの「ありがとうございます」の最大級の言葉)」という気持ちでいっぱいです。またわくわく、どきどきしながら、新しい歌を作って、少しでもみなさんのお役に立ちたいですね。『名探偵コナン』の世界に寄り添い自由に作った新曲――2023年10月28日にはシングル「Unraveling Love ~少しの勇気~」を配信リリースされました。アニメ『名探偵コナン』(読売テレビ・日本テレビ系 毎週土曜 午後6:00)の主題歌でもあり、倉木麻衣さんが作詞を手がけていますが、どのようにイメージされて形作っていかれましたか。今回、『名探偵コナン』の恋愛観に寄り添えるように、イメージを膨らませて制作していきました。どの主人公の恋愛を歌っているかは、聴いていただいたみなさんがそれぞれ自由に感じてくださったらうれしいですね。感情があふれだすようなたたみかけるメロディで、シティポップとプチロックを融合させたちょっと懐かしさも感じられるサウンドに、ドキドキ感を表現する鼓動音も入れて、面白い感じに仕上がっています。タイトルをつけるときに「Unraveling Love」か「少しの勇気」か、どちらのタイトルがいいか、みなさんに質問を投げかけたんです。結果として、両方とも人気があったため「Unraveling Love ~少しの勇気~」とつけました(笑)。――倉木さんと『名探偵コナン』のコラボレーションは26作目となり、2017年には当時記録していた21作品で、同一アーティストが歌唱するアニメシリーズのテーマソング最多数を記録したとして、ギネス世界記録にも認定されましたね。『名探偵コナン』が誕生してからずっと、コナンくんは永遠の憧れであり、家族でもあり、この作品を通してみなさんと長年一緒につながってこられていることは幸せです。大人から子どもまで、世界中のみなさんに愛されている『名探偵コナン』の楽曲を長年にわたり担当させていただき、とても光栄に思っていますし、感謝の気持ちでいっぱいです。そしてまた光栄なことに、ギネス認定をいただきましたが、大好きなアニメ『名探偵コナン』を通してつながっているみなさんとの認定でもあると思っています。これからも新たな歌を届けられることを私自身、楽しみにしていますし、パワーアップしていくアニメの世界観に寄り添って、楽しんで聴いていただけるように作っていきたいと思います。――『名探偵コナン』の2019年放送のSP版『名探偵コナン 紅の修学旅行編』では、ご本人役でアニメに登場されたこともある倉木さんですが、印象深かった放送回やお好きなキャラクターはありますか。印象深い放送回はたくさんあってひとつに絞れませんが、初めて『名探偵コナン』の楽曲を担当した「Secret of my heart」がオンエアされたときや“倉木麻衣”役として声優にチャレンジさせていただいた放送回は、特別な宝物となった思い出深い回となっています。どのキャラクターもそれぞれ愛らしくてかわいくて好きですが……やっぱり、コナンくんが一番好きですね。――主題歌ということで、作者の青山剛昌先生や制作の方から曲について何かリクエストはあったのでしょうか。いつもどのように曲作りをされていますか。リクエストがあるときもありますが、テレビ放送の場合は、『名探偵コナン』の世界観を自分なりにイメージしながら、制作をさせていただいています。今回はリクエストというより、いまの『名探偵コナン』の世界観に寄り添いながら、自由に制作させていただきました。そういった作り方もある一方、自分のアルバムを制作するときは、発信したいテーマを決めてから制作していきますね。歌詞を先に作る詞先で作成する曲もありますが、メロディを何度も聴いて、そのメロディからインスパイアされて言葉選びをして作成することも多いです。――今作は大人っぽいダンスナンバーですが、サウンドの第一印象や、歌唱する際に意識していることはありますか。クールかつ、スリリングで、たたみかけるサビのメロディがクセになる感じで面白くて。日本語以外のほかの言語で歌ってもハマるようなメロディなので、いつかトライしてみたいなという印象です。感情があふれだすようなサビは、メロディのグルーヴ感に気をつけながら歌っていきました。――2023年11月15日にライブ映像作品「Mai Kuraki Premium Symphonic Concert 2022」を発売されますね。そして現在、全国4都市をめぐる「billboard classics Mai Kuraki Premium Symphonic Concert 2023」と題したツアーを開催中ですが、どのようなステージになりますか。今回は、みなさんからリクエストをいただきながら選曲した、会場ごとに違う歌唱曲もあるんです。そのときどきに生み出される、一夜限りのスペシャルサウンドを体感していただけると思います。楽曲によっては一緒に大合唱したり、グッズでご用意しているペンライトを使って会場を照らしたり、みなさんと一体となって生み出す参加型のコンサートになっていて。また、フルオーケストラサウンドでもあるので、美しく温かな音色に癒やされながら、コンサートをぜひお楽しみいただけたらと思っています。新たな試みを通して楽しめる空間をシェアしたい――お話は変わりますが、おやすみのときはどのようにお過ごしですか。自然がある場所や動物が大好きなので、愛犬と散歩したり、音楽を聴いたり、素敵な公園やカフェでゆっくり歌詞を考えたり。ゆったりと過ごしていると、いろいろなインスピレーションが湧いてくるので、一人時間を大切にしています。――デビューから変わらぬ美しさの倉木さんですが、美容法やダイエットなどは意識されますか。10代や20代の頃は思春期だったこともあり、周りと比較したり、周りからも言われたりして、痩せていないといけない、きれいじゃないといけないと気にしていました。そこで無理なダイエットをして我慢を続けていたら、美しさとはかけはなれ、体調も崩してしまい……。自分を愛さずに痛めつけていたことに気づきました。その辛い経験があったからこそ、いまは栄養バランス、睡眠、運動と、ストレスフリーな生活を心がけるようになりましたね。それぞれ思う美しさは違うから「比較するのはやめよう」と気づいたことで、自分を愛するよう心がけることができるようになりました。笑顔でいられないときも、そんな自分を認めてあげて、「心を愛する」という美しさで満たすことから始めてみる大切さに気づいて。いいときも、そうでないときも、そのときどきの自分をまるごと受け入れて愛する。年齢を重ねても、心身ともに「ラブ&ピース」を心がけて、何より自分の気持ちに正直でいられることが、自分にとっての美しさだと。そんな自分と愛してくれる人を大切にして、心の美しさを失わないように生きていけたらいいなと思ってはいますね。最近は、大好きなことに夢中になったりときめいたり、どんなときもユーモアを忘れず思いっきり笑うという、楽観的な生き方をすることでいきいきと美しくいられると、来年90歳になる祖母を見て思うようになりましたね(笑)。――音楽活動と並行して、カンボジアに寺子屋を建設するなどの社会貢献活動や、母校の立命館大学で客員教授として講義もされたそうですが、違うフィールドでの活動をされてみていかがですか。それぞれ違うフィールドですが、すべて愛でつながっている活動でもあるかなと思っています。音楽を通して私にできる社会貢献であったり、立命館大学でも自分の経験を元に学生のみなさんとディスカッションを行うこともあったり。学生のみなさんは一人ひとり、素晴らしいアイデアや意見を持っていて、私が勉強になることもあります。どんな場所でも、誰かのためにお役に立てたらという“アンコンディショナルラブ(無条件の愛)”の精神を持って、みなさんと笑顔でつながっていけるよう引き続き取り組んでいきたいですね。――12月からはデビュー25周年イヤーとなりますが、今後の抱負を教えてください。25周年、ありがとうございます。応援してくださるみなさん、愛がとうございます。私自身、まだ叶えられていない夢を叶えていけるように、新たな試みを通して、みなさんと楽しめる空間をシェアしていきたいですね。これからもライブや新曲を楽しんでいただけるよう、みなさんの健康と幸せをいつも心から願っています。おたがいに、心身ともに元気でいましょう!取材後記いまもなおデビュー時の鮮烈な印象がある、シンガーの倉木麻衣さん。耳にすっと馴染んでいく柔らかくて艶やかな歌声は、時にやさしく、時に力強く響きます。20年ほど前に取材させていただいて以来、今回はananwebにご登場くださいました。12月からは『名探偵コナン』の新エンディングテーマも担当することが発表された倉木さん。我が家でも『名探偵コナン』は家族で大好きなアニメなので、倉木さんの新曲もすっかり定番に。そんな倉木さんのニューシングルをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。取材、文・かわむらあみり倉木麻衣PROFILE1982年10月28日生まれ。1999年10月「Mai-K」名義でシングル「Baby I Like」で全米デビュー、同年12月「倉木麻衣」としてシングル「Love, Day After Tomorrow」で日本デビュー。以降も精力的に音楽活動を続けるなか、近年は被災地支援やカンボジアの子どもたちに教育の場を提供する寺子屋を設立するなど、社会活動も行っている。2023年10月28日にシングル「Unraveling Love 〜少しの勇気〜」を配信リリース。InformationNew Release「Unraveling Love ~少しの勇気~」2023年10月28日配信リリースNew ReleaseDVD & Blu-ray『Mai Kuraki Premium Symphonic Concert 2022』~1部~【PRELUDE】01. Secret of my heart02. 風のららら~Sea wind03. 儚さ04. Time after time ~花舞う街で~05. 渡月橋 ~君 想ふ~06. Be Proud ~we make new history~07. Reach for the sky08. Smile~2部~【ベートーヴェン:ピアノソナタ第14番「月光」】09. 冷たい海10. Proof of being alive11. Can you feel my heart ~Ballad ver.~12. ひとりじゃない13. 明日へ架ける橋14. Wake me upEC1.always2023年11月15日(DVD)VNBM-7038¥8,800(税込)(Blu-ray)VNXM-7038¥9,900(税込)パッケージ内容:3方背ケース、フォトブックレット、4つ折りミニポスター、ピクチャーレーベル/[CD] ライブ音源 from Mai Kuraki Premium Symphonic Concert 2022 selected by Mai-K : 01.明日へ架ける橋 02.風のららら〜Sea wind 03.ひとりじゃない 04.渡月橋 ~君 想ふ~ 05.Proof of being alive取材、文・かわむらあみり
2023年11月21日【音楽通信】第149回目に登場するのは、新しい時代のディープファンクバンド「在日ファンク」のボーカルでリーダーの、浜野謙太さん!ジェームス・ブラウンのすごさに気づいた浜野謙太。1981年8月5日、神奈川県生まれ。在日ファンクのフロントマンで、俳優としても活躍中。【音楽通信】vol.1492007年に結成された7人組のファンクバンド、在日ファンクのボーカル兼リーダーであり、放送中の大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合毎週日曜午後8時)や映画など俳優活動でも知られる、浜野謙太さん。そんな浜野さんが中心となる在日ファンクが、2023年11月1日に6枚目のアルバム『在ライフ』をリリースされるということで、音楽的なルーツや俳優活動についてなど、お話をうかがいました。――浜野さんが音楽に出会ったきっかけから教えてください。小さい頃から、自宅には父のジャズのレコードが置いてあったのでそれを聴いて、僕もジャズのビッグバンドを好きになりました。でも、好きになったのはマイケル・ジャクソンのプロデューサーをしていたクインシー・ジョーンズが、初心者向けに出したビッグバンドのレコード。めちゃくちゃカッコよくてずっと聴いてました。中学校では吹奏楽部に入って管楽器を始めて、高校では「絶対観たほうがいい」と勧められた映画『ブルースブラザーズ』(1981年公開/劇中にブルースの巨匠レイ・チャールズやジェームス・ブラウンらも登場するミュージカルコメディ映画)に出会いました。映画では、白人の主人公ふたりがブラックミュージックを聴いて「神のお告げ」だとなるのですが、すごいんですよね。黒人以外、白人だとしてもブラックミュージックをやっていいんだということが、素敵に表現されています。――最初にされた楽器は、トロンボーンですよね?そうです。大学ではジャズ研究会に入りました。バンドは「SAKEROCK」(2015年に解散したインストゥルメンタルバンド)もやっていましたが、もう少しちゃんとブラックミュージックをやりたい気持ちもあって、ジェームス・ブラウンのコピーバンドもやっていたんです。バンドをやるうちにさらにジェームス・ブラウンのすごさに気づいて、彼が亡くなったときに、日本でもファンクを打ち立てようとバンド「在日ファンク」をやろうと決めました。――音楽活動は20年以上になりますが、振り返ってみていかがですか。また、バンド活動と並行して、2006年の映画『ハチミツとクローバー』で初めて俳優業へと進出されましたね。うかうかしていたら40歳を越えていて、20年なんて、本当にアッという間でした。俳優業は、最初はハマっていなかったんですよね。『ハチミツとクローバー』では櫻井翔くんとはお話しできたので、その出会いだけ唯一よかったです。実際にちゃんとお芝居に向き合えたと思ったのは、2011年の映画『婚前特急』からです。――『婚前特急』では、第33回ヨコハマ映画祭で最優秀新人賞も受賞されましたよね。はい、そのぐらいお芝居することがすごく楽しかったんです。2時間通して、ちゃんとキャラクターを作るからこそ、一瞬の呟きが面白かったりするわけで。音楽でも、1曲の中で緩急があって、ちょっとしたことがとても響いたり。「楽譜と台本は似ているな」と気づいて、それからは、お芝居も全部楽しくなりました。ーー浜野さんが織田信長の息子・織田信雄を演じている大河ドラマ『どうする家康』も話題です。大河ドラマは特殊なんですよね。1話から40話まであるとして、キャラを作ろうにも、自分の出演するところだけしか台本をもらわないんです。ただ、実在するその時代の人物がいるわけで、調べていくとめちゃくちゃ面白い。もともと戦国時代も好きなので、歴史を調べて役とのつながりを見つけたときはうれしいものです。――いまは映画『アナログ』も公開されていますね。僕が『アナログ』でよかったと感じることは、ニノ(二宮和也さん)と桐谷健太くんに挟まれて、お芝居できたことですね。やっぱり手練れの彼らと共演できるのは、すごく楽しいんです。カメラがまわった瞬間に世界が広がるといいますか。ニノは寸前まで全然違う話をしていても、カメラがまわるとパッと役に切り替わるんですよね。そういえば、『婚前特急』の主演だった吉高由里子ちゃんもそんな感じでした。撮影の時期に亡くなったマイケル・ジャクソンのまねを休憩中にずっとやっていたのに、撮影がスタートした後に、スッと役に入っていて。「すごい」と思いましたし、どのような状況にいても関係ないんだなと思いましたね。5年で成長したメンバーとうまく作れた最新作――2023年11月1日にニューアルバム『在ライフ』をリリースされます。前作から5年ぶりとなった新作ですね。この5年の間に、自分なりに濃密な時間を過ごしていました。僕は3年前に椎骨動脈乖離という症状が出て、生まれて初めての入院を経験して。歌うことについて制限もあったので、バンドや音楽はやり方によっては有限なんだ、表現自体が無限じゃないと気づきました。その後はコロナ禍で、リモートで演奏することもありましたし、自分の家族にもちゃんと向き合うことができました。――そういった経験などもすべて、今作につながっていったのですね。すべて地続きです。メンバーもそれぞれ家族と向き合ったり、ギターの仰木亮彦はSTUTS、トランペットの村上基はレキシやsumikaといったほかのミュージシャンのサポートをしたり、それぞれの成長があったと思うんですよね。それで、また会えたのが、よかった。もしかすると全然考え方が違うと解散するバンドもいると思うんですが、僕らはまた一緒にできる糸口を見つけたというぐらい、ソロ活動のような期間を経ての新作です。――ファンのみなさんも待っていたはずです。もしかしたら寝ているかもしれないので、「始めるよ!」と叩き起こさないといけない(笑)。メンバーみんなのライフを経て、ここに来たんですよね。マイライフと共にこのアルバムに集結していて、成長したメンバーとうまく作れた1枚です。……初めて『在ライフ』の説明がきちんとできたかもしれないです(微笑)。――アルバムの4曲目「平和 feat.七尾旅人」、5曲目の「滞ってる feat.高岩遼」はそれぞれゲストボーカルを迎えていますね。「平和」は、曲ができてから、構想は大きいけれど僕らだと言い切れないかもしれないとなって、七尾旅人さんに頼みました。旅人さんとは現場的なつながりはなかったんですが、SNSなどで考え方は拝見していて、「この人とできればこの曲は化けるのでは」とピンときたんです。「滞ってる」は、昨年出演させてもらった舞台『室温~夜の音楽~』の演出・河原雅彦さんからの依頼で、在日ファンクが舞台用に作った曲のうちのひとつですが、今回、もっとブラッシュアップできないかと考えて。そこで、(ヒップホップチームSANABAGUN.ほかで活動する)高岩くんとデュエットというアイデアになりました。――8曲目「クーポン」は浜野さん作詞作曲の斬新でユニークな曲ですね。最初に作った曲なんです。ドラムの永田真毅から、「とりあえず1曲を作れ」と言われて、1曲仕上げよう!と勢いで、パッションのまま作りました。そこで生まれたのは、クーポンに対しての怒りです。この曲、ちょっとふざけているなあって思いますか?――いえ、ファンクにカッコよく怒っているなあと思いました(笑)。ははは(笑)。僕はクーポンって、いまはそんなにお得じゃないものもあって、もうゼロ円に近くなるクーポンはないから、もっと大盤振舞してほしいと思って作ったんですよね。――10曲目「おすし」は、トロンボーンのジェントル久保田さんが作詞、在日ファンクのみなさんでの作曲です。最近、s**t kingzや鈴木雅之さんに曲を提供したんですが、それぞれ歌詞は僕とジェントル久保田の共作でもあって。今回のアルバムでも、ジェントル久保田に1曲歌詞を作ってもらうことにしました。いままでの作品では僕が曲を作っていたんですが、今回は曲によって、メンバー何人かで作っていて、「おすし」はスタジオセッションで30分でできた曲です。――浜野さんご自身は、いつもどのように曲作りをしているのですか。やっぱり、テーマが先にきますね。それこそ「クーポン」を思いついたときには、僕が怒っている事柄に対しての曲を作るなんてどうなのか、と考えてしまったりもしましたが、作り上げていくうちに言いたいことが通底するといいますか。最初に思ったテーマをかっこよく聴かせれば、結果ちゃんと自分の考え方が伝わる曲になるという実感です。MIDI鍵盤で曲を作っています。――11月には、東名阪で「アルバム『在ライフ』リリース記念ワンマンツアー」があります。歌や演奏はもちろん、浜野さんのキレのあるダンスも見どころですが、どのようなステージに?アルバムの曲を中心に、過去曲も披露する予定なので、ライブに来ていただいたらみなさんが楽しめると思いますよ。今回のツアーでは、「いかにメンバーがプレジャーな状態になるか」という流れを意識して、いまいろいろと組み立てている最中です。「来年はたくさんライブをしたいです」――お話は変わりますが、おやすみのときはどんなふうにお過ごしですか。在日ファンクの動画を作ったりしています。――ご自身で動画編集もしているんですね。それはお仕事ではなく、オフに入るという?けっこう楽しいんですよ(笑)。おじさんしか映っていないんで、動画をご覧になる方々にどうやって「かわいい」と思ってもらえるかなと試行錯誤していて。お菓子を食べているところを撮ったり、焼き鳥を食べているところを撮ったり。焼き鳥を食べるときはビールじゃなくて、ノンアルコールビールを飲んでいるからいいかと思ったら、けっこうおじさんの居酒屋感が出ちゃってとか(笑)。そういうことを考えていると、すごく楽しくて。――在日ファンクのYouTubeを観ても、楽しさが伝わります。ありがとうございます。あとは、たまに子どもふたりと一緒にご飯を作ることもありますね、チャーハンとか唐揚げとかぐらいですが。お弁当を持って、代々木公園にピクニックに行くこともあって、子どもたちは公園で自転車を借りることもあります。この間は、レジャーシートをひいてご飯を食べていたら、子どもが「おすし、おすし」と踊り始めて、「その振り付けいいね!」と、完全に公私混同しています(笑)。――浜野さんのインスタグラムにも「おすし」を息子さんと踊っている動画などもアップされていますね。とても楽しそうです。息子は小4なんですが、ダンスを習っていて、踊るのが好きなんです。「おすし」の振り付けをしてもらいました。――いいですね。そういえば、今日はお気に入りのコーデュロイのシャツを着てきていただいたということで、おしゃれです。ピンクのシャツが珍しくて、前から大事に着ています。妻(モデルのAGATHAさん)はファッションが好きなので、昔はコーディネートを見てもらっていました。最近は「好きな服を着たらいいよ」と言われるので、セオリーみたいなものを壊し始めているといいますか、そういう時代なのかなという感じもしています。――いろいろなお話をありがとうございました。最後に、今後の抱負を教えてください。来年はたくさんライブをしたいです。僕はサブカル方面のバンドとして出てきた人間なので、ある意味、ゆるさも特徴だと思っていたんです。でも、そんなに高くなくていいから、近い目標へ向けて誠実にやっていこうかなと。まずは在日ファンクのツーマンイベントを考えているので、楽しみにしていただきたいですね。取材後記ジェイムス・ブラウンからの流れを汲むファンクを日本にいながら、再認識しようというディープファンクバンドの、在日ファンク。今回、ananwebにはボーカルでリーダーの浜野謙太さんが登場してくださいました。マガジンハウスで撮影とインタビューを行うこととなり、取材時間に颯爽とスタジオへ。終始おだやかにご対応くださり、撮影時に披露してくださったステップも素敵でした。そんな浜野さんのいる在日ファンクのニューアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。写真・園山友基取材、文・かわむらあみり在日ファンクPROFILE浜野謙太(Vo)、村上啓太(B)、仰木亮彦(G)、永田真毅(Dr)、橋本剛秀(A.Sax)、ジェントル久保田(Trb)、村上基(Trp)の7人からなるディープファンクバンド、在日ファンク。2007年にバンド結成。インディーズで活動後、2014年にメジャーデビュー。2017年にカクバリズムに移籍し、コンスタントに作品を発表し、ライブ活動を展開。2023年11月1日、ニューアルバム『在ライフ』をリリース。「アルバム『在ライフ』リリース記念ワンマンツアー」を11月19日に東京・渋谷 WWW X、11月25日大阪・大阪 十三246 LIVEHOUSE GABU、11月26日愛知・名古屋 新栄Shangri-Laで開催。InformationNew Release『在ライフ』(収録曲)01. 今から本気02. 在来外来03. ハラワラナイト04. 平和 feat.七尾旅人05. 滞ってる feat.高岩遼06. いけしゃあしゃあ07. 身に起こる08. クーポン09. いつもどおり10. おすし2023年11月1日発売(通常盤)DDCK-1078¥3,300(税込)写真・園山友基 取材、文・かわむらあみり
2023年11月13日一般社団法人日本音楽能力検定協会(所在地:東京都新宿区、代表理事:大塚 博一)は、日本全国の楽器奏者、音楽関係者を対象とした『音楽能力検定』(以下 音楽検定)の提供を2022年10月1日に開始し、約1年で受検者が“3万人”を突破いたしました。「音楽検定」URL: 音楽検定■提供背景昨今まで日本には明確な音楽の基準が設けられていませんでした。そのため日本に存在する音楽レッスンは玉石混淆で、きちんと音楽を学んだプロの方の素晴らしいレッスンもたくさんある一方で、特に何の実績もないアマチュアの方がレッスン教室を開き、ご自身の考えに偏ったレッスンを行っていることも現実です。もちろんお金を払う生徒様が納得して通っていらっしゃるのであれば問題はないのですが、残念ながら中にはそうでないレッスン教室も散見されるようです。レッスン教室だけでなく音楽でプロを目指す方、あるいは趣味として楽しむ方にとっても、ご自身の実力や理解度がどの程度なのかを知るための基準がありませんでした。音楽検定では初級者~プロレベルまでを5段階に分け、受検者様の実力を審査させていただきます。科目はボーカル、ギター、ベース、ピアノ、ドラム、楽譜読み書き、ヴァイオリン、トランペット、ウクレレなど多岐にわたり、全国の楽器奏者、レッスン講師、バンドマン、学校の音楽教員やお子様にも多くご受検いただいております。ピアノ■検定の特徴*全科目オンライン受検可能従来の英語検定や漢字検定は指定の日時に指定の会場で行われておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響や時代の変化もあり、音楽検定は全てオンラインでご受検いただけます。<筆記試験>ご希望の日時にメールにて問題用紙・解答用紙を送付いたします。制限時間内に記入済みの解答用紙をご返信いただきます。<実技試験>筆記試験合格から1週間以内に、ご自身で撮影した演奏動画をメールにてご送付いただきます。音程、リズム、表現力など様々な角度から審査させていただくため、できるだけタイプの違う2曲をお選びください。*全科目1~5級1級(プロの中でも群を抜く実力) ※超絶技巧と言えるレベルの演奏ができる2級(プロ) ※難易度の高い曲を余裕を持って表現力豊かに演奏できる3級(上級者) ※難易度の高い曲を演奏できる4級(中級者) ※比較的難易度の高い曲を演奏できる5級(初級者) ※簡単な曲を演奏できる音楽検定告知フライヤー■受験の流れHPお申し込みフォームからご希望の科目・級・日時をお申し込み後、検定料をお振込いただきます。お振込確認後に受検番号を発行し、試験当日に問題用紙・解答用紙をPDFにてお送りします。筆記試験合格通知とともに実技試験のご案内を差し上げますので、1週間以内に演奏動画をご送付いただき、数日以内に合否の発表を行います。*HPからお申し込み(科目・級・日時)*検定料お振込*受検番号発行*筆記試験*実技試験*合否発表■検定概要サービス名: 音楽検定提供開始日: 2022年10月1日料金 : 3,300円(5級)、4,400円(4級)、5,500円(3級)、6,600円(2級)、1級(7,700円) ※税込み申込方法 : ホームページお申し込みフォームよりURL : 音楽検定ロゴ■法人概要商号 : 一般社団法人日本音楽能力検定協会代表者 : 代表理事 大塚 博一所在地 : 〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目14番9-1101設立 : 2022年9月事業内容: 音楽能力検定の実施および運営資本金 : 1,000万円URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年11月09日【音楽通信】第148回目に登場するのは、菅野美穂さんの主演ドラマに新曲を書き下ろして話題を呼んでいる、シンガーソングライターの矢井田 瞳さん!19歳でのアコースティックギターとの出会いが転機【音楽通信】vol.148大学生のときにメジャーデビューを果たし、2ndシングル「My Sweet Darlin’」が大ヒット。サビで「Darlin’,Darlin’」と歌うフレーズから“ダリダリ旋風”を巻き起こし、1stアルバム『daiya-monde』はアルバムランキング初登場1位を獲得、ミリオンセラーとなった矢井田 瞳さん。以降もコンスタントに楽曲リリースや国内外でのツアーを行い、現在デビュー24年目を迎えた矢井田さんが、2023年10月19日、ニューシングル「アイノロイ」を配信リリースされたということで、音楽的なルーツなどを含めて、お話をうかがいました。――幼少期は、どんなふうに音楽とふれあっていましたか。幼い頃、私自身は主に水泳を習っていて、スポーツばっかりしていました。そんななかでも父が音楽好きだったので、家ではリビングにいると常に音楽が流れていましたね。父がスナックで歌う曲の練習をするために音楽をかけていた、という環境で育ちました。音楽自体は、大学に入ったときに、アコースティックギターに出会ったことが大きな出来事で、その後の人生の道が決まったところがあります。それまではスポーツや勉強ばかりの日々だったのですが、大学に入って解放感を得て、これまでと全然違うことをやりたくなったときに、音楽そして楽器をやってみたいと思ったんですよね。友人が休憩時間にエレキギターを弾いている姿を見ると、いつもよりカッコよく見えて、「これはギターのマジックだ」と(笑)。いろんな魅力がある楽器なんだろうなと感じたんです。さっそくアコースティックギターを買ってきて、コードブックを見て、ゆっくりと簡単なコードを初めて弾いたときに「ビビビッ!」と衝撃がきたんです。「私、これを一生できるかも」と直感で思ったんですよ、まだ何も弾けないのに(笑)。でも、本当にそう思ったことがきっかけで、それまでは歌うことや音楽を聴くことが好きなだけでしたが、本格的に曲を作ってみたい、楽器を弾いてみたいとのめり込んでいきました。――ギターで曲作りもされるようになって、そのまま音楽活動もスタートされて?はい。アコースティックギターを練習しはじめて、ギターコードを3、4個ぐらい弾けるようになったときに、覚えたてのストロークとスリーコードでずっと弾いていたら、聴いたことのないメロディを歌っていることに気づいて。それがとっても楽しくて、どんどん曲作りにハマっていきました。私は学生時代、表向きには「明るくて元気な子」と友達には思われていたようなのですが、実は本当はそうじゃないと思う自分もいて。思春期だったからかもしれないですが、まわりが思う自分像と一致しないことにモヤモヤしていました。そんなとき、ギターを持ち、吐き出せていない感情を新しいメロディにのせて歌うとすごくすっきりして。醜い感情や汚い感情も作品にしてしまえば、落としどころとして気分がよかったところもあったのだと思います。――2000年にインディーズデビュー後、メジャーデビューもされました。10月には2ndシングル「My Sweet Darlin’」が大ヒット。19歳でギターを手にされてから3年後にはデビューして大ブレイクと、順調なスタートを切られましたね。いまから思うと、相当なスーパーラッキーガールでした。デビューしたときは大学4年生で、「My Sweet Darlin’」のサビを覚えてくださった方が私を見かけると、「ダリダリの人だ」と言ってくださってうれしかったです。ただ、ちょうど卒論の時期で毎日図書館に行って引きこもっていたので、あまり外の世界のことがわからないまま、ときどき東京に行ってお仕事をしていた状況だったので、デビューの実感はそんなにありませんでした。矛盾も前向きなパワーに変えられるような新曲――2023年10月19日に、ニューシングル「アイノロイ」を配信リリースされました。同日からスタートした、菅野美穂さん主演ドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』(テレビ朝日系 毎週木曜午後9時)の主題歌として書き下ろされたそうですね。ドラマ主題歌が決まるかもしれないという時期と、新しいサウンドでこれからまたチャレンジしていきたいと私たち音楽チームで話していた時期が、偶然一致したんです。オファーをいただき、まずは原作の漫画「ゆりあ先生の赤い糸」(入江喜和)を読むところから入りました。――歌詞の世界にイメージを凝縮していくのは難しそうですが、どんなふうに作っていかれたのでしょうか。主人公となる、ゆりあ先生の繊細さと大胆さ、優しさと強さが共存している感じや、憎しみさえも前向きなパワーに変えるという、いろいろなことの表裏が合体している強さを楽曲で表現できたらいいなと考えて。前向きに生きるという一面だけではなく、後ろ向きな日々もあるなか、その矛盾や心の憂鬱さえも、前向きなパワーに変えられるような曲にしたいと作っていきました。――タイトルからして、相反するような「アイ」と「ノロイ」がくっつくという……。そうなんです。愛情の愛も、呪いも、ぽつんと単体では存在しえないといいますか、つながっているもの。だからそういう意味では、「アイ」と「ノロイ」は背中合わせの言葉なのではないかなと思ったんです。たとえば、すごく愛する人からかけられた呪いだったら、とても苦しくても、ちょっとうれしいかもしれないですし(笑)。背中合わせのこのタイトルにしました。――サウンドプロデューサーにYaffle(ヤッフル)さんを迎えられましたね。Yaffleさんは、爽やかなんだけど芯が太いような、ふたつのことが共存しているサウンドを作る人だなと、ずっと注目していたんです。いつかご一緒できたらと思っていたので、今回、ご一緒できてうれしいです。――「アイノロイ」が主題歌となるドラマにおいて、主演の菅野美穂さんは、「矢井田さんの歌声と、素晴らしい楽曲に胸が震えました」と絶賛のコメントを寄せていますが、以前トーク番組でご一緒されたことがあるそうですね?もう2006年のことで、17年経っていますが、昔『グータンヌーボ』(フジテレビ系)という女性出演者が集まってトークをする番組で、菅野さんとご一緒したことがありました。集合場所のお店に行ったら、本当にマネージャーもスタッフも誰もいなくて。あまりバラエティ番組に出たことがなかったので、どうしようと不安になっていたら、菅野さんはいろいろな現場でご活躍されて慣れていらっしゃったのでリードしてくださって。そのときは、菅野さんと優香さんと私の3人でトークをさせていただきました。――懐かしいですね。ところで、新曲はドラマ主題歌としてお茶の間でも流れていますが、聴き手の方の心にどう響いてほしいでしょうか。たくましく人生を生き抜いてほしいという思いがあったので、くよくよしているというよりかは、「よし、やるぞ!」と決めた人たちを思い浮かべながら書きました。なので、そういう人たちの背中をちょっとでも押せるような曲になってくれたら、うれしいですね。――今回はドラマ主題歌ということでの書き下ろし楽曲ですが、そもそもどのように曲作りをされているのですか。基本的には今回同様、ギターの弾き語りから曲を作っていくことが一番多いです。ギターで曲を何曲か作っている時期が2、3か月続くと、似たような発想が増えてくるので、それを切り替えるためにも、あまり弾けないピアノを触ってみたり、リズムから曲を書いてみたりしています。――あとからメロディの世界観に合わせて歌詞をつけていくのですか?最初に曲だけ作って、あとから歌詞をはめていく作業が苦しすぎるので、なるべくメロディだけ先行にならないように、「この曲で伝えたいテーマは何か」「このメロディが呼んでいる言葉は何か」を同時に考えながら、歌詞も作り上げています。――11月には東京と神戸でプラネタリウムツアー「LIVE in the DARK tour w/矢井田 瞳」を開催されるそうですね。プラネタリウムと合わせたライブはどのようなステージになるのでしょうか。私自身、初めてのライブ体験なんですが、すごいことになりそうです(笑)。プラネタリウムで星空が映る球体に、たとえば曲に合わせた映像を一緒に作り上げて、映し出してくださるようです。普段のライブ会場は少し暗いとはいえ、ステージからは見えてはいるんですが、このプラネタリウムツアーでは、暗闇と音楽というものが大事。暗闇では耳の神経も研ぎ澄まされるので、その感覚も楽しんでいただくようなライブになりそうです。――スペシャルな空間になりそうですね。私もこれまで意識していなかった歌詞の聴こえ方ができそうです。でも、歌詞を間違えないように気をつけようと(笑)。普段と環境が違うので、一番を歌いながら星空を見上げて「うわぁ」と圧倒されて、二番を歌うはずがもう一回一番を歌ってしまったり(笑)。そういうことも含めて、新しいライブ体験になるので、楽しみにしています。これからの音楽人生も少しずつ歩んでいきたい――お話は変わりますが、おやすみの日はどんなふうにお過ごしですか。お仕事をしているとき以外は、ほとんど家族と一緒に過ごしていますね。唯一、平日のお昼だけ自由に動ける時間があるので、お気に入りのお店にひとりでランチを食べに行くこともあります。とはいえ、毎日外でランチなんて贅沢もできないので、週に1回は「あそこのランチを食べに行こう」と、息抜きしていますね。――ご家族ということで、お子様もいらっしゃいますが、普段はお仕事と育児や家事をどのように両立されていますか。母親になってからは、自分の時間はこういうふうに使おうと思った通りに、24時間1秒もいかない(苦笑)。なので、仕事と家庭と趣味をこういうバランスで両立させようみたいなことを決めるのもやめましたし、全部が一緒で、時にぐちゃぐちゃです(笑)。あとは予定をたくさん入れないで、常に6、7割ぐらいにしていて、何かあったときに親としてすぐ動けるように、スケジュールを少しあけておくようになりました。――わかります(笑)。子どもがいると、こちらがいくら予定を立てても、全部ひっくり返ることなんてざらですよね(笑)。どっちでもいいよ、というふうにしておくと安心。なので、「私は今から曲を書くので集中したいです」と、部屋に入って楽曲制作をするということもなく。娘がリビングで遊んでいて、私は横でギターを弾きながら曲を書いていて、すごく集中力が高まってきたときに、「晩ごはん何?」と言ってきたり(笑)。急に友達を連れてきて家がカオスになったり(笑)。とはいえ、気にせず曲を書き続けて、家族の歌もあったりします。――お子さんもアーティストになりたい、というようなことは?いまのところその感じはないですね。でも、私がゼロからものを作っている姿を幼い頃から見ているので、娘も何かを作るということはすごく好きです。工作なり、フィギュアなり、売っているものを買うんじゃなくて、「あ、これ作りたい」と粘土など買ってきて、一から作っていますね。――素敵ですね。では、矢井田さんご自身が美容面で気をつけていることはりますか。気をつけなきゃと思いながらもなかなかできないんですが、一番自分に合っているのは、化粧水を洗面所だけじゃなく、もう1箇所ぐらいに置いておいて、気がついたときにちょっとスキンケアをすることぐらいですね。――いろいろなお話をありがとうございました。では最後に、今後の抱負を教えてください。「アイノロイ」で、これまでにはない、新しい矢井田 瞳の一面をYaffleさんやみなさんに引き出していただけた感じがあります。そんなふうにこれからの音楽人生でも、また新たな側面をお見せできるように、少しずつ歩んでいけたらいいですね。取材後記デビュー24年目を迎えたシンガーソングライターの矢井田 瞳さん。晴れた日の昼下がり、ananwebの取材をさせていただき、心地よいお天気に負けない明るいエネルギーで撮影もインタビューも応えてくださいました。ママになっても変わらずご活躍の矢井田さんのニューシングルをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。写真・園山友基取材、文・かわむらあみりヘアメイク・太田瑛絵矢井田 瞳PROFILE1978年、大阪生まれ。シンガー・ソングライター。通称“ヤイコ”。19歳でギターと出会い曲作りを始める。2000年5月、関西限定シングル「Howling」でインディーズデビュー。7月、1stシングル「B’coz I Love You」でメジャーデビュー。2ndシングル「My Sweet Darlin’」が大ヒット。10月にリリースした1stアルバム『daiya-monde』は初登場1位を獲得、ミリオンセラーとなる。その後も数々のヒット曲を世に送りだし、全国ツアーの開催やイベント出演等、精力的なライブ活動を行う。また国内の活動に並行して、UKレーベルからもリリース、UKツアーを成功に収めた。2023年7月から全国8ヶ所でアコースティックツアー『ギターとハーモニカと』を開催、「8月15日=ヤイコの日」に千秋楽を迎える。10月19日、ニューシングル「アイノロイ」を配信リリース。InformationNew Release「アイノロイ」2023年10月19日配信リリース写真・園山友基 取材、文・かわむらあみり ヘアメイク・太田瑛絵
2023年10月26日京都銘菓「つぶあん入り生八つ橋おたべ」や「京ばあむ」などを製造・販売する株式会社美十が2023年11月11日(土)10時に京都市南区にオープンする、京都最大級となるお菓子のミュージアム「atelier(アトリエ)京ばあむ」の概要が決まりましたのでお知らせします。「京ばあむ」は、“新しい京都ならではの洋菓子をつくりたい”との想いから、2008年に販売を開始しました。発売からの累計販売数は1,500万個(2023年3月末現在)を超え、日本人の約8人に1人の方にお買い求めいただく商品へと成長しています。atelier京ばあむは、美十の旗艦店として京都やお菓子への理解を深める役割を担っており、施設内には「京都」「抹茶」「バームクーヘン」を感じる仕掛けを随所に盛り込みました。層を重ねるバームクーヘンのように、何度も訪れたいと思っていただけるよう“楽しみ”を提供します。また、京都やお菓子の魅力を発信する拠点として、京都洛南エリアの観光活性化にも貢献していくことを目指しています。atelier京ばあむ 注目ポイント1.味わう「京ばあむ」と同じ原料を使用したスイーツや「京ばあむ」をアレンジしたオリジナルの限定スイーツプレートをラインアップ。1Fと3Fにて提供するスイーツ類は、今年3月に開催された2年に一度フランスで開催されるパティシエの世界大会「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」の日本予選A 部門(シェア・デザートとアメ細工のピエスモンテ)にて優勝し、日本代表に選出されたシェフパティシエ的場勇志がプロデュースしました。物販商品では、atelier京ばあむ限定デザイン箱、エントランスにたたずむトチの木をイメージした「トチの木パイ」など、同施設限定商品を数多く取り揃えています。2.学ぶ世界一おいしいバームクーヘンを創るために作ったatelier京ばあむ。2Fの工場に設置した見学通路からは、その「おいしさ」を作り出す製造工程を見学できます。さらに、京ばあむの工程についてイラスト入りで紹介するとともに、実際に使用していた道具を展示しています。3.体験する訪れるたびに新しい何かを感じてもらいたい。そんな想いからatelier京ばあむでは、階段や通路、壁や床そして天井、さらに什器までいたるところに京都や京ばあむを感じる空間を設けました。洋菓子の中に和の要素を含む京ばあむにちなみ、随所に施された空間演出も見どころです。施設全体で京ばあむの世界観を体感できます。また来春より、京ばあむに関連した様々な体験メニューを展開していく予定です。内装設計は、乃村工藝社A.N.D.の小坂竜氏、グラフィックデザインは6Dの木住野彰悟氏が監修。◎施設概要■施設名:atelier京ばあむ■住所:京都市南区西九条高畠町1■開店日時:2023年11月11日(土)10:00■延床面積:約3,300平米■営業時間:【1F:Shop】【2F:工場見学】10:00-18:00【3F:カフェ】11:00-18:00(ラストオーダー17:30)■定休日:なし■Instagram:@kyo_baum■決済手段:現金、クレジット、電子マネー、コード決済(paypayのみ)■アクセス情報:【電車】近鉄京都線「十条駅」から西へ徒歩10分【バス】京都市バス16系統・19系統・42系統「市民防災センター前」より徒歩2分【車】名神高速道路京都南ICより10分■駐車場台数:約40台(近隣駐車場含む)■その他:授乳室設置(3F、1部屋)(出典元の情報/画像より一部抜粋)(最新情報や詳細は公式サイトをご確認ください)※出典:プレスリリース
2023年10月24日京都銘菓「つぶあん入り生八つ橋おたべ」や「京ばあむ」などを製造・販売する株式会社美十(本社:京都府京都市、代表取締役社長CEO:酒井宏彰、以下「美十」)が2023年11月11日(土)10時に京都市南区にオープンする、京都最大級となるお菓子のミュージアム「atelier(アトリエ)京ばあむ」の概要が決まりましたのでお知らせします。「京ばあむ」は、“新しい京都ならではの洋菓子をつくりたい”との想いから、2008年に販売を開始しました。発売からの累計販売数は1,500万個(2023年3月末現在)を超え、日本人の約8人に1人の方にお買い求めいただく商品へと成長しています。atelier京ばあむは、美十の旗艦店として京都やお菓子への理解を深める役割を担っており、施設内には「京都」「抹茶」「バームクーヘン」を感じる仕掛けを随所に盛り込みました。層を重ねるバームクーヘンのように、何度も訪れたいと思っていただけるよう“楽しみ”を提供します。また、京都やお菓子の魅力を発信する拠点として、京都洛南エリアの観光活性化にも貢献していくことを目指しています。■ ≪atelier京ばあむ注目ポイント≫1.味わう「京ばあむ」と同じ原料を使用したスイーツや「京ばあむ」をアレンジしたオリジナルの限定スイーツプレートをラインアップ。1Fと3Fにて提供するスイーツ類は、今年3月に開催された2年に一度フランスで開催されるパティシエの世界大会「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」の日本予選A 部門(シェア・デザートとアメ細工のピエスモンテ)にて優勝し、日本代表に選出されたシェフパティシエ的場勇志がプロデュースしました。物販商品では、atelier京ばあむ限定デザイン箱、エントランスにたたずむトチの木をイメージした「トチの木パイ」など、同施設限定商品を数多く取り揃えています。2.学ぶ世界一おいしいバームクーヘンを創るために作ったatelier京ばあむ。2Fの工場に設置した見学通路からは、その「おいしさ」を作り出す製造工程を見学できます。さらに、京ばあむの工程についてイラスト入りで紹介するとともに、実際に使用していた道具を展示しています。3.体験する訪れるたびに新しい何かを感じてもらいたい。そんな想いからatelier京ばあむでは、階段や通路、壁や床そして天井、さらに什器までいたるところに京都や京ばあむを感じる空間を設けました。洋菓子の中に和の要素を含む京ばあむにちなみ、随所に施された空間演出も見どころです。施設全体で京ばあむの世界観を体感できます。また来春より、京ばあむに関連した様々な体験メニューを展開していく予定です。内装設計は、乃村工藝社A.N.D.の小坂竜氏、グラフィックデザインは6Dの木住野彰悟氏が監修。■ ≪1.味わう≫■1F:『洋菓子工房』で新たなatelier京ばあむ限定スイーツを開発!既存施設より広げた洋菓子工房は、美十の様々な菓子類の開発拠点となります。1Fでは「京ばあむ」と同じ京都産宇治抹茶を使用したスイーツをはじめ、素材の味を生かしたスイーツをラインアップします。すべてatelier京ばあむ限定商品です。盆地すふれ 1,188円京都産宇治抹茶・北海道産小麦粉に十勝産小豆・日本名水百選瓜割の水を使用した、京都の地形から着想を得たスフレです。ふんわり、しっとり食感のスフレに、碁盤と京の文字を焼印します。京ばあむロール 1,512円「京ばあむ」と同じ京都産宇治抹茶を使用したロールケーキです。抹茶生地と豆乳生地の中に、抹茶のバタークリームを詰めました。京ばあむとは異なる三層を楽しめます。セレブレーション京ばあむ 4,320円大小異なる京ばあむを重ね、フルーツやバタークリームをトッピングした、記念日におすすめの彩り鮮やかな京ばあむです。※価格はすべて税込(10%)です。※上記の商品は、すべて持ち帰り専用商品となります。■1F:プレゼントにも最適な限定パッケージ誕生!新フレーバー「京ばあむほうじ茶味」も日常使いにも、ギフトにも使っていただきたいと考え、atelier京ばあむ限定パッケージを用意しました。「京ばあむを深める」デザインを意識した、一つ一つ手に取りたくなるようなパッケージです。また、お客さまからご要望の多かったミニサイズの京ばあむを1個入りから用意しました。atelier京ばあむのシンボル「トチの木」から着想を得た「トチの木パイ」等、同施設限定商品を数多くラインアップします。美十では、仕入れた原料を余すことなく活用することを常々考え続けています。そこで今回、契約農家で栽培されたお茶の葉を使用する「京ばあむ」に加え、お茶の茎をほうじ茶に仕上げて使用した「ほうじ茶味」を発売します。京ばあむ
2023年10月19日【音楽通信】第147回目に登場するのは、音楽映画『キリエのうた』で主人公のキリエ役に大抜擢され、この度「Kyrie(キリエ)」名義の1stアルバム『DEBUT』をリリースする、アイナ・ジ・エンドさん!小さい頃からまわりには音楽があふれていた【音楽通信】vol.1472023年10月13日から公開される監督:岩井俊二×音楽:小林武史による音楽映画『キリエのうた』の主役に大抜擢され、銀幕デビューを果たしたアイナ・ジ・エンドさん。今年6月に2015年から所属していたBiSHが解散し、現在はソロ活動を本格化させているなか、初主演作『キリエのうた』では歌うことでしか“声”が出せない路上ミュージシャン「Kyrie(キリエ)」を演じることに。その「Kyrie(キリエ)」として歌う1stアルバム『DEBUT』が10月18日にリリースされるということで、音楽的なルーツなどを含めて、お話をうかがいました。――まずは、あらためて幼い頃の音楽環境から教えてください。母はアイドル歌手をしていたことがあって家でもよく歌っていましたし、父はギタリストをしていたこともあったので、小さい頃からいつもまわりには音楽があふれていました。歌だけではなく、4歳からダンスを習っていたので、生まれたときからそういう環境だったのはありがたいですね。歌もダンスも身近にあったので、ここまでくることができました。――芸能界に入る前に、影響を受けたアーティストはいらっしゃるんですか?たくさんいます。なかでもBUMP OF CHICKEN、YUIさんや加藤ミリヤさん、ジェシー・ジェイというイギリスの女性シンガーやビョークを深く聴いていました。もしもこのなかの誰かの楽曲をイントロクイズにしてもすぐ答えられるぐらい(笑)、好きです。――2015年3月にBiSHを結成され、2016年5月にメジャーデビューし、2023年6月29日に東京ドーム公演で解散されました。8年間のグループ活動は、アイナさんにとって糧となりましたか。もちろん糧になりました。グループ活動は、年頃の女の子が集まって過ごすのでモヤモヤしてしまう時期もあったり、逆に女同士でなんでもぶつかり合えたり、楽しい空間もあったり。いろいろな時期を8年間過ごしてきたので、人としてかなり強くなったという自負はありますね。この8年間はなんの後悔もない日々だったと思います。――グループ活動中の2021年から、全作詞作曲の1stソロアルバム『THE END』を発売するなどソロ活動をされてきました。いまはソロアーティストとしてはもちろん、俳優業も。グループに在籍しながらのソロとまったくのおひとりとしての活動の違いを実感することはありますか。私はBiSHにいる時期に、椎名林檎さんや尾崎豊さんのカバーソングをテレビの歌番組で歌う機会をいただけることがありました。その出演時に歌う私の姿を見て、「BiSHのあの子、歌がヘタだったな」とか「2度とテレビに出るな」というようなことをネットで書かれたりすることもあって、ただ単に私がひとりで出ているだけでもBiSHの顔に泥を塗るような気持ちになっていたんですよね。逆に、「BiSHのあの子の歌いいよね、聴いてみよう」と、褒められたときはすごく嬉しいです。だから、よくも悪くもずっとBiSHがつきまとっていたところ、解散してからはBiSHという看板がないので、何をしでかしても全部自分の責任。自由になった感覚です。こうしてインタビューを受けさせていただくときもそうで、BiSHの曲だと自分の着眼点はここだけどほかのメンバーだとこうだろうな、と考えて発言することも。それは勉強になりましたが、いまはいい意味でも悪い意味でも、自分だけのこと。すごく話しやすいです。もちろんね、さびしさはそれと同じぶんありますけども。――アイナさんの心に羽が生えたんですね。そうかも! 心境の変化は、自由になったことが一番大きいですね。岩井俊二×小林武史×アイナ・ジ・エンドによる名作――10月18日に「Kyrie」としてのアルバム『DEBUT』をリリースされます。すべての楽曲を小林武史さんがサウンドプロデュースし、劇中で流れる音楽とは異なるアレンジでアルバムに収録された作品ですが、アイナさんも作詞作曲に携われていますね。映画主演だけではなく、Kyrieとしての音楽制作もあるとお話を聞かれたときは、まずどう思われましたか?実は映画の主演を務めさせていただく段階で「曲を作っていつかアルバムにできたらいいよね」という話も出ていたんです。でも、ここまで完成された作品を作ることができるとは考えていなかったですし、小林さんもプロデュースなどに加わってくださるなんて夢のようで、本当にうれしかったです。――以前、別の機会に『キリエのうた』のお話を聞かせていただくことがありましたが、岩井俊二監督は「アイナはすごいんです」と小林さんに紹介されたとおっしゃっていました。2曲目「ひとりが好き」は岩井監督のリリックの「るるる」「ららら」というワードも印象的ですし、心地良いメロディの作曲はアイナさん、かわいいアレンジは小林さんですが、どのように作っていかれたのですか。「ひとりが好き」は初めて台本をいただいたときに、すでに5番ぐらいまで岩井監督が歌詞を書いていたんです。大事なシーンで歌う曲なので、大事な曲だと思って、まず自分のなかで歌詞を咀嚼することから始めました。そしてメロディを考えて、パズルを組み立てるように言葉を並べていってできた曲です。岩井監督の言葉が、メロディを呼んでくれた感じでした。――この「ひとりが好き」や「幻影」「ヒカリに」の3曲は、岩井監督との共作ですが、監督との作品作りはいかがでしたか。“Kyrieとして歌う”ということで、岩井監督からアドバイスをいただいたり、逆にアイナさんから提案したりすることもあったのでしょうか?ありました。歌詞ができてからまず岩井監督に預けて、修正があったら教えてくださいとお伝えしていたので、そのお返事をいただいて修正してというふうに仕上げていったこともありました。撮影の合間も、岩井監督はギターやピアノも弾けるのでコードを教えてくださったりと、私よりも圧倒的に音楽的知識をお持ちです。――アイナさんご自身の曲作りは、主にギターで作っていかれるのですか。そうです。コードはわからないので、ポロンとギターを鳴らして好きな音を並べたうえで、ボイスメモにとってDTMに落としていくというスタイルです。自分の曲の作り方もさまざまなんですが、ギターで作った曲は「キリエのうた」が初めてでした。――それまではどのように作曲していんでしょう?DTMで打ち込んでみたり、口で全部歌ってあとでコードをつけたり、いろいろなやり方で作っていました。ギターで曲を作ることはやったことがなかったので、今回、きっかけをくださったなと思います。――音楽制作において、一番ご苦労されたところはあるんでしょうか。撮影時期が、ちょうどBiSHの解散までのラストスパートの時期だったので、とにかく忙しくて。2本同時にツアーをまわったり、夏は個人でジャニス・ジョプリンを努めた主演舞台があったり。ひと息つく間もなく1年が過ぎ去っていくなかでの曲作りだったので、毎日1、2時間しか寝ていなくて、精神的にも追いつめられたことはありました。――大変でしたね。でも倒れることなく作品が完成しました。人間うまくできてるんだな、と思ったんですが、限界に近づいてくると勝手に病気になるんですよね。「休みなさい」というカラダからのサインがちゃんとくるので、サインに気づいて、そのときどきでできることをやっていけば、どんなに忙しくても自分の逃げ場所を作ることができるんです。そう気づいてからは、曲作りが少し楽になりました。――アイナさんが作詞作曲された5曲目「ずるいよな」は、劇中でも歌うシーンが印象的でしたが、どのように作っていかれましたか。実は「ずるいよな」だけ、すでに2020年にできていた曲です。すごく大切な曲すぎて、いままで世に出していなかったんですよ、生半可な気持ちでは出せないと。でも今回、岩井監督の作品に出演させていただくと決まり、「ここで絶対に出したい、ここで輝くためにできた曲だったんだな」と思って発表しました。――ということは、発表された「ずるいよな」は当時のお気持ちが曲に込められていると?そうですね。大切なお姉ちゃんのような存在だった方が亡くなった時にできた曲です。映画『キリエのうた』も松村北斗さん演じる夏彦にとって大切な人をずっと追い求めている、勝手にいなくなってずるいよな、という心情ととても合うと感じて。むしろいまから夏彦の気持ちになって曲を書くより、この「ずるいよな」という曲がこの時を待っていてくれたんじゃないかというぐらいぴったりだったので、はめこみました。――導かれて完成した曲なんですね。本当に……人の死というものは、自分が思っているよりも、とても重い。実際にその立場になっているときにしか書いてはいけないんだと思いました。だから「ずるいよな」は自分にとっては、思い出の深い曲です。――11曲目「燃え尽きる月」はストリングスとピアノに彩られた楽曲で、サビに向かい静寂からとてもパワフルに聴こえてきます。ベーシストとして参加している、なかむらしょーこちゃんという人がいるんですが、ピアノもギターも弾ける人で。あるとき、美しいピアノを弾いてくれて「アイナちゃん、これにメロディつけたら?」と送ってくれて。1週間ぐらい毎日パソコンに向き合って、そのピアノにメロディをのせて、歌詞も書いては消してを繰り返して生まれたのが「燃え尽きる月」です。Kyrieは普段声が出せないので、本当に声を出して歌った瞬間、きっとシャウトのようになってしまうのではないかな、声がしゃがれるんじゃないかなと思って、終わりとサビは叫ぶように歌っています。――Kyrieとして歌っているけれど、アイナさんでもあるわけですが、歌唱法もやっぱり違ったんですね。全然違っていたかもしれないですね。Kyrieとして歌うことがなかったら「燃え尽きる月」の歌い方は生まれなかったかも。Kyrieとアイナ・ジ・エンドの差別化ということは、自分でもまだわからなくて。歌っているときの心情は私の心ひとつしかないので、いまもまだモヤモヤしています(苦笑)。――そう思うと、より一層かつてない作品に仕上がっているんですね。アイナさんが作詞作曲された曲、岩井監督との共作、小林さんが作られた曲などバリエーションがありますが、ご自身で全部作った曲のほうが気持ちが入るというようなことはあるんですか。私は歌が好きだから、誰のどの歌でも楽しくて、心も声もざわめき出すんですよね。楽しい、というのも面白おかしいという意味ではなく、生きている感覚を得られるという意味での楽しさ。だから、小林さんが作ってくれた歌なんて、生きていて歌えると思っていなかったので、本当にうれしくて。「もらったもの」という小林さんが手がけた女性キーの曲が収録されているんですが、どう考えても小林さんの心情のような歌詞で……まあ、違うと思いますけれども(笑)。ただ、歌う際には小林さんが歌っているように、とぼとぼ男性のように歌いたいと思ったのがきっかけで4つぐらいキーを下げたんですよ。私は小林さんが歌っていると思って歌っているんですが、そういうことも本当に楽しくて。だから、小林さんが作った曲でも、自分が作った曲でも何も変わらず、全身全霊で歌っています。――劇中ではKyrieの青いワンピースも印象的でしたが、アルバムのジャケ写も青いドレスですね。“Kyrieブルー”といいますか。劇中で広瀬すずさん演じるイッコさんが、初めて服を買いにKyrieを連れ出していった際、「これなんてどう?」と青いワンピースをかざしてくれるんです。初めて買ってもらった衣装がブルーで、Kyrieも大切にする色として、ジャケ写でもブルーの衣装を着ています。――『キリエのうた』に続いて、岩井監督自らリメイクした1992年制作の深夜ドラマ『夏至物語』の【完全版】で主演されたそうですね。再度のお芝居はいかがでしたか。まず『夏至物語』自体は、1992年と同じような雰囲気のところもありますし、不思議なお話でした。演じるのも、すごくやりやすかったです。多分、岩井監督と感性が似ているからそう思えたのだと感じますが、岩井監督の現場しか経験したことがないので、ほかの方とご一緒したら本当は女優に向いていないとなるかも。――いえいえ、天性のものがあるからこその抜擢です。さらに初めて組むのが岩井監督の現場というのは、とてもスペシャルなことですね?スペシャルですね。自分でも、そう思います。一瞬たりとも腐らないように生きていきたい――お話は変わりますが、最近、オフの日はどのように過ごされましたか。ダンスと歌を習いにアメリカに行きました。行って本当によかったですし、やっぱり「自由に生きよう」と思いました。――それは好きな先生がいらっしゃる?妹の好きな先生がアメリカにいるので、私はついていきました。L.A.とN.Y.に行ったんですが、L.A.では人と目が合うと笑ってくれたりと、なんかいいなあ、日本でもやろうって思って。最近、人と目が合うと自然に微笑むことができる自分がいて、自分の中での変化がありましたね。――充実されている感じがします。学びに行かれながらも、リフレッシュもできたんですね。リフレッシュできました。でも『キリエのうた』の公開前だったからか、心はずっとKyrieでしたね。映画が公開されて、落ち着いたら、ひとりでまたどこかに旅に行きたいなと思っています。――お洋服などもアメリカで買ってきたりしたのでしょうか。普段はどんなファッションがお好きなのですか。古着屋さんをたくさんまわって、服も買ってきました。ファッションは、シンプルなものが好きなんですが、少し気の利いたものが好きで。――気の利いたというのはどんなものに?たとえばですが、白いTシャツと黒いズボンだったら、ネックレスは世界にひとつだけの友達が作ってくれたビーズのネックレスをするだとか。そこでありふれたものをつけないんです。シンプルな服に合わせるんであれば、靴に色を入れるとか、スカーフを巻くとか。誰にも気づかれない程度の気遣いというのが、自分のなかでのファッションの好きなところです。古着にしても、まわりは誰もわからなくても、こだわりの昔のミリタリーのものを着るとテンションが上がります(笑)。――素敵ですね。美容面では、気をつけていることはありますか。気をつけたい時期はがんばれるんですが、どうでもいいとなったら、何もしないです(笑)。食事でも、納豆とご飯と味噌汁をめっちゃ食べる時期があるのに、朝から晩までファーストフードばっかりというときも。美容情報は冗談抜きで、美容室に行っても「anan」をガチ読みしています。ただ、昔は断食してダイエットしたこともあったんですが、容姿や体型を追求するのは難しいですよね。心がすさんでいったら元も子もないので、まずは心の安定が一番だと思っていて、無理をしないようにしています。――今後も役者のお話があったら、また取り組まれますか?してみたいですね。でも今回、広瀬すずちゃんと松村北斗さんがいてくれたから演技ができたので……。ふたりがお芝居の教科書なので、私ひとりでも戦っていけるぜ! というような誇らしげなマインドはまったくないので、お仕事をいただけたらがんばってみたいです。今回はお芝居でありながらも、少し歌を歌わせていただいているので、やっぱり歌が自分の主軸ではありますね。――いろいろなお話をありがとうございました! 最後に、アーティストとしての抱負をお聞かせください。腐らないようにしたいです。自分のまわりにいる人は全然腐っていないし、最高の人がいっぱいいるんですが、せわしない東京で生きていて、なんだか毎日何かに追われていて。大きく深呼吸できずに眠ることがあると、「このまますぐ死ぬかもな」と思うんですよ。でも「それではもったいない」と思ったときに、一瞬たりとも「腐ってはいけない」と。忙しさにまみれてありふれたことを言って、そつなくこなして、自分の本心を隠して生きていくのって、すごくもったいないし不健全。なので、なるべく心を丸出しにして、人さまに迷惑をかけない程度に生きていけば、腐らないでいけるかな、いい歌詞も書けるんじゃないかな、と。腐らないように生きていこうと思います。取材後記アーティストとしての実力はもちろんのこと、初主演映画『キリエのうた』ではひときわ光彩を放つ、アイナ・ジ・エンドさん。以前、岩井俊二監督にお話をうかがった際、偶然あるバンドのオンラインライブにゲスト参加していたアイナさんに衝撃を受けて主役に抜擢したと話されていたのですが、それも納得の存在感です。小林武史さんも音楽に携わり、傑作が誕生しました。そんなアイナさんの「Kyrie」としての1stアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。取材、文・かわむらあみりアイナ・ジ・エンドPROFILE2015年“楽器を持たないパンクバンド”「BiSH」のメンバーとして始動、翌年メジャーデビュー。ほぼ全曲の振付も担当。2021年、全作詞作曲の1stソロアルバム『THE END』を発売、ソロ活動を本格化。2022年、ブロードウェイミュージカル「ジャニス」で主演のジャニス・ジョプリン役を務める。2023年6月、BiSH解散。現在はソロとして活動中。2023年10月13日より音楽映画『キリエのうた』公開。10月18日、「Kyrie」名義での1stアルバム『DEBUT』をリリース。InformationNew Release『DEBUT』(収録曲)01.キリエ〜序曲02.ひとりが好き03.幻影04.宙彩(ソライロ)になって05.ずるいよな06.名前のない街07.ヒカリに08.前髪上げたくない09.虹色クジラ10.もらったもの11.燃え尽きる月12.キリエ・憐れみの讃歌2023年10月18日発売*収録曲は全形態共通。(CDのみ)AVCD-63505¥3,850(税込)(CD+DVD)AVCD-63503¥6,050 (税込)【DVD収録内容】01.キリエ・憐れみの讃歌-Music Video-02.Kyrie『DEBUT』 Making Movie -Special Contents(CD+Blu-ray)AVCD-63504¥6,050 (税込)【Blu-ray収録内容】01.キリエ・憐れみの讃歌-Music Video-02.Kyrie『DEBUT』 Making Movie -Special ContentsNew Release「『キリエのうた』オリジナル・サウンドトラック 〜路花〜』2023年10月18日発売(収録曲)[DISC1] Music by 小林武史01 .BLUE & GREEN LIGHT02. PREMONITION03. Christ ist erstanden (ユーデンケーニッヒ)I (Gut Guitar)04. REVELATION05. PREMONITION Ⅱ06. 時のかけら07. Christ ist erstanden (ユーデンケーニッヒ) II (Piano)08. BAD DEVELOPMENT09. いくつかの出会い (Piano)10. Christ ist erstanden (ユーデンケーニッヒ) Ⅲ (Cello & Piano)11. DEEP CONFUSION12. JAZZY LIGHT CITY13. いくつかの出会い (Gut Guitar)14. Christ ist erstanden (ユーデンケーニッヒ) Ⅳ (Lute & Viol)15. Christ ist erstanden (ユーデンケーニッヒ) Ⅴ (Psaltery & Voice) ※Vocal: Hana Hope16. 憐れみの讃歌・海17. ホワイト ラスト シーン[DISC2] V.A.01. Christ ist erstanden:ヴェリタス城星学園中学校・高等学校02. Midnight Zoo(天王寺動物園 2011):御手洗礼(七尾旅人)03. 名前のない街/邂逅:Kyrie(アイナ・ジ・エンド)04. 帰れない二人:安藤裕子05. FUN:大塚 愛06. Attachment:花澤香菜07. 名前のない街/雨模様:Kyrie(アイナ・ジ・エンド)08. 燃え尽きる月:Kyrie(アイナ・ジ・エンド)09. 憐れみの讃歌/風琴:Kyrie(アイナ・ジ・エンド)10. 前髪上げたくない:Kyrie(アイナ・ジ・エンド)11. 幻影:Kyrie(アイナ・ジ・エンド)12. Lazy:仲村宗悟13. ずるいよな:Kyrie(アイナ・ジ・エンド)14. ひとりが好き:Kyrie(アイナ・ジ・エンド)15. AM11:00:acane and 松坂珈琲(笠原秀幸)16. あなたとのキス:集団パラリラ17. 春の音:橋本桃子18. 憐れみの讃歌/路上主義:Kyrie(アイナ・ジ・エンド)19. 虹色クジラ:Kyrie(アイナ・ジ・エンド)20. 音痴の聖歌:御手洗礼(七尾旅人) & 小塚路花(矢山花)(2CD)AVCD-63527/8¥4,400(税込)『キリエのうた』Information原作・脚本・監督 岩井俊二企画・プロデュース 紀伊宗之(『孤狼の血』シリーズ『シン・仮面ライダー』『リボルバー・リリー』ほか)出演者:アイナ・ジ・エンド松村北斗黑木華/広瀬すず2023年10月13日(金)全国公開制作:ロックウェルアイズ配給:東映©︎2023 Kyrie Film Band取材、文・かわむらあみり
2023年10月12日【音楽通信】第146回目に登場するのは、バラエティ番組でも大活躍中の渋谷凪咲さんが卒業を発表した、大阪を拠点とするアイドルグループ、NMB48!卒業を決めたのは、ドラマ出演がきっかけ【音楽通信】vol.146秋元康さんが総合プロデューサーを務め、大阪の難波を拠点に活躍しているアイドルグループ、NMB48。2011年7月、シングル「絶滅黒髪少女」でメジャーデビューして以降、じわじわと全国へ人気が拡大し続けています。そんなNMB48の中心的メンバーであり、近年は個人での活動でバラエティ番組などでのウィットに富むコメントでも知られる渋谷凪咲(しぶやなぎさ)さんが、2023年8月の劇場公演でグループの卒業を発表。2023年10月4日には、渋谷さんの卒業を記念した28枚目のニューシングル「渚サイコー!」をリリースされたということで、今回は渋谷さん、山本望叶(やまもとみかな)さん、上西怜(じょうにしれい)さん、青原和花(あおばらわか)さんにお話をうかがいました。――おひとりずつ自己紹介からお願いします。渋谷NMB48に加入して11年目の渋谷凪咲です。上西8年目になりました上西怜です。山本6年目の山本望叶です。青原まだ加入して9ヵ月の青原和花です。――みなさまよろしくお願いします。まずは渋谷さんが卒業発表をされたということで、あらためて卒業を決めたきっかけや現在の心境からお聞かせください。渋谷卒業を決めたきっかけは、今年、ドラマ『だが、情熱はある』(日本テレビ系)に出演させていただいたことです。お芝居が難しくて全然できなかったんですが、できないということでさえ、すごく楽しくて毎日ワクワクして。「ここでもっと勉強して成長したい」と思ったときに、それはNMB48に加入したときと同じような感情だと気づいたんです。加入したばかりのときは歌もダンスも全然できなくて、怒られてばかりだったんですが、できないことさえも楽しめてこれまで11年間やってこられました。そうやって本気でやってきたアイドルのように、今度は熱くなれるお芝居というお仕事に新たに出会えたので、ぜひ向き合ってみたいと感じて。また、たくさんの共演者の方々とご一緒させていただくなかで、年齢に関係なく、みなさんとてもキラキラされていて、会うたびにパワーをいただけるんですよね。それは好きなこと、やりたいことに全力で、心からお仕事を楽しんでいらっしゃるからで。私もそういうふうに心がときめいたときに、ときめいた場所に行ってみたいなと。ずっと輝き続けられる人になりたくて、卒業を決めました。――渋谷さんが卒業すると聞いたとき、上西さん、山本さん、青原さんはどのように感じましたか?上西ステージで卒業発表していらっしゃる凪咲さんを見て、そこで初めてしっかりと実感しました。私の中で凪咲さんの存在がすごく大きかったんだと、あらためて気づいたら、さみしくなって……。でも、小嶋花梨ちゃんがみんなを代表して「ありがとう」という感謝の言葉を凪咲さんに伝えている様子を見て、私も悲しむのではなく、感謝の気持ちで見送らないとダメだなと。卒業までの期間、いっぱい思い出を作りたいです。山本卒業発表されたときの劇場公演に一緒に出演させていただいていたのですが、卒業の言葉を聞いた瞬間、やっぱりさびしい気持ちが一番大きかったです。でも、「次の夢に向かってがんばりたい」という凪咲さんの言葉を聞いて、背中を押すことが私たちの役目だと思い直しました。青原私は凪咲さんの卒業発表を知ったときは、もう驚きすぎてしばらく何も考えられないくらい落ち込みました。いまもライブでご一緒させていただきながら、日に日にさみしくなっています。渋谷凪咲らしさにあふれたニューシングル渋谷凪咲。1996年8月25日、大阪府生まれ。A型。164cm。将来の夢は女優さん。――2023年10月4日に28枚目のシングル「渚サイコー!」をリリースされました。渋谷凪咲さんのお名前から「渚」というワードが入っている卒業ソングですが、このタイトルや歌詞の第一印象はいかがでしたか。渋谷まず、めっちゃ笑っちゃいましたね(笑)。本当にシンプルでまっすぐなタイトルが面白くて、でもこれだけうれしいタイトルはないですよね。名前の漢字は違っていても「渚サイコー!」と秋元先生からいただけたこともうれしいですし、歌詞も本当に私のことが表されていて。いままでNMB48で11年間、自分らしく生きてきたなかで、いろんな方にイメージしていただいている渋谷凪咲がしっかり表れています。一般的に卒業ソングというと、しんみりしたり、切なくも美しい感じになったりするのかなと思っていたんですが、それよりもみんなが笑顔いっぱいで歌える曲になっていてすごいなって。自分の人生のテーマ曲をいただけたような喜びがあります。――上西さん、山本さんはいかがですか。上西ライブでも披露させていただいたんですが、凪咲さんのことを思いながら歌える楽曲で、まだ卒業していないのに泣きそうになる瞬間もあって、歌詞の切なさが心に響いています。卒業コンサートで歌ったら、私自身はもちろん、ファンの方もちょっと泣いちゃうかも。でも悲しい泣きではなくて、笑い泣きできるといいますか、凪咲さんにぴったりな楽曲ですよね。山本ライブで歌っている最中は、振り付けやフォーメーションなどいろいろと気にしないといけないのに、歌詞が素敵すぎて気を取られてしまうぐらいです。ライブでもファンの方が一緒に踊ってくださって、それが本当にうれしくて。今後凪咲さんが卒業された後も、ライブで毎回歌う定番曲になったらいいなと思います。――青原さんは、加入して9ヵ月で今回のシングルに初選抜されましたね。青原まさか自分を選抜メンバーに選んでいただけるとは!聞いたときはとてもびっくりしましたけど、初選抜の曲が凪咲さんの卒業シングルで一緒に歌えることが本当にうれしいです。卒業されるまでにたくさんのことを学びたいです。――「渚サイコー!」の振り付けはSEKAI NO OWARIの「Habit」などを手掛けたボーイズダンスチームのパワーパフボーイズが担当したそうですね。渋谷そうなんです。いまTikTokでメンバー全員が「渚サイコー!」のルンルンダンスというものを披露していて、1日1回投稿するようにしています。可愛くてまねしやすい振り付けなので、みなさんにも踊っていただけたらいいなあと。――ミュージックビデオの撮影で印象的だったことはありましたか。渋谷卒業後一歩踏み出すことや葛藤といった心境を表現するため、ひとりのシーンを撮影させていただいたのですが、その際、赤いドレスを着て海辺に行ったんです。そこでは撮影前日から、ずっと大雨が続いていたのですが、その撮影の時間だけ太陽が出て晴れて、また次の日から雨になって。しかも、撮影が終わったとたんに雨がまた降ってきたので、天気も味方してくれたようで、すごくうれしかったですね。上西怜。2001年5月28日、滋賀県生まれ。A型。154.5cm。将来の夢は芯の強い女性になること。上西全員で協力して作る、すごく体力を使うダンスのシーンがあって、撮影の前にダンスの先生も含めたメンバーみんなで円陣を組んだんです。いままでたくさんのシングルに参加させていただいてきましたが、初めて円陣を組んだところ、そのパワーなのかどうかわからないんですが、まったく疲れなくて。凪咲さんが真ん中にいてくださるからこそ、みんな笑顔で踊れて心がひとつになれました。山本全員の撮影シーンが終わった後に、空に虹がかかったので、この曲は絶対大ヒットする!と。天候にも恵まれて、凪咲さんの力だと思いました。青原凪咲さんをみんなで見送るシーンがあるんですが、全員が笑顔で、いつもの仲良しのNMB48の雰囲気がそのままそのシーンに表れていました。また、先ほど怜さんもおっしゃられていたんですが、凪咲さんが真ん中にいてくださることで全体の雰囲気もより明るくなっているように感じました。――カップリングの「人生は長いんだ/渋谷凪咲 with かまいたち,ダイアン,見取り図」は、渋谷さんの親交のあるお笑い芸人さんが参加されたフォーク調の軽やかな楽曲ですね。渋谷かまいたちさん、ダイアンさん、見取り図さんには、この11年間本当にお世話になって感謝しています。みなさんがいなかったらいまの自分はないぐらい引き上げていただいた11年間ですし、アイドル人生最後で最大のわがままだと思って、ご一緒に…と楽曲をお願いさせていただいたところ、本当に快く「凪咲のためになるんやったら」とOKしていただいて。大人気のみなさんが集まることなんて奇跡ですし、本当にありがたくて、幸せです。――ミュージックビデオでは、かまいたちの濱家隆一さんがギターを弾いていて驚きました。渋谷本当に濱家さんがギターを弾かれていて。「やるならコードもちゃんと覚えるわ」と、ずっとギターの練習をしてくださいました。みなさんのスケジュールが合うのが、とある日の午後10時から深夜2時までの4時間だけだったのですが、その前もみなさんずっとお仕事が詰まっているなか、急いで来てくださって。撮影中はすごく楽しくて、「青春やなあ」というような、あったかくて優しい笑顔があふれていて、本当にありがたいことだなと。11年間がんばってよかったと幸せに浸っていました。こうしてみなさんとご一緒させていただけたのも、NMB48に入ったからなので、あらためてNMB48に入ってよかったと思いました。さらにミュージックビデオでは、ずっとやりたかった横揺れする夢も叶いました(笑)。みんなチェックの衣装でそろえたりと、まるでチェッカーズのようで、私の大好きな昭和レトロな感じも入っているんですよ(笑)。また歌詞が上京がテーマになっているので、これまで私が大阪から東京に来るときに利用するなど思い出が詰まっている品川駅で撮影したり、新幹線ごしに歌ったりするシーンも。ダイアンさんたちも大阪から上京されていますし、聴いてくださるみなさんにとっても、どこか心に響くところがあって、優しく背中を押すことができる曲になったらいいなと思っています。――カップリングといえば、「Type-A」にはチームNの新曲「ジンクスとゲンカツギ」が収録されています。渋谷この曲はミステリアスで、イントロから不思議な世界観に引き込まれます。「ジンクス」をこれから「ゲンカツギ」という言葉に変えようというような歌詞なんですが、秋元先生からこの言葉を教えていただけてよかったなあと。――Type-BにはチームMの新曲「職員室に行くべきか?」が収録されています。上西大人になりたくないと思いながらも、主人公が成長していくような歌詞で。その歌詞に合わせて、どんどん大人の階段を登っていくようなイメージの振り付けになっています。私自身も、たまに反抗的な態度を取ってしまったり、まわりから「子どもと大人の間だね」と言われることがたまにあるので、自分に重ねて聴けるところも。同じように悩んでいる方にとっても、背中をそっと押してもらえるような歌詞になっているんじゃないかなと思います。――渋谷さんの卒業コンサートが12月にあるんですよね?渋谷はい、2日間あります。「NMB48 渋谷凪咲卒業コンサート day1」が12月16日に、「NMB48 渋谷凪咲卒業コンサート day2」が12月17日に、両日ともAsueアリーナ大阪で開催されます。まだセットリストなどは詳しく決まっていないんですが、2日間あるので1日目はお祭りのよう感じで、2日目は自分らしく、みなさんと笑い合えるような卒業コンサートにできたらと考えています。上西きっと凪咲さんらしい笑いあり、涙ありのライブになりそうだなと。すごくさびしいんですが、楽しみな気持ちもいっぱいです。山本卒業コンサートは、そのメンバーのアイドル人生の集大成ですし、全部が詰まったその人らしいにセットリストになっているので、凪咲さんの卒業コンサートがどんなライブになるのか、いまから楽しみにしています。青原凪咲さんは本当に面白くて笑顔がすごく素敵なので、ちょっとしんみりしてしまったり、いろんな感情になりそうですが、がんばりたいですね。NMB48はきれいなだけではない“魂のアイドル”山本望叶。2002年3月11日、山口県生まれ。B型。162.1cm。将来の夢はスターになること。――お話は変わりますが、最近、おやすみのときはどんなふうに過ごしていますか。渋谷私はずっとやりたかった乗馬に行きました。もともと戦国時代や時代劇などが好きで、武将が本気で命を賭けて戦うところがめっちゃかっこいいなあと憧れていて。武将がさっそうと馬に乗っている姿を見て「乗馬がしてみたい」と、乗馬体験をしに行きました。――実際に、乗馬されてみてどうでしたか?渋谷難しかったですね。私は恐怖心がほとんどなくて、スカイダイビングやバンジージャンプもすぐ飛べるぐらいなんです。馬に乗って走るときに、足で馬のおなかをぽんっと蹴って進んだりするんですが、蹴るのを躊躇してしまって……。するとインストラクターの方から「乗る人は王様という気持ちでいないと人にとっても馬にとってもよくないです」と学ばせていただいて、それからはしっかり自分も女武将として、覚悟を持ちました。馬に乗っているときは「自分は武将なんだ」という気持ちを持ちつつ、馬が進んだら「よしよし」とちゃんと褒めてあげるんですよね。乗馬体験は、私が芸能生活において、これからもいろいろな場所で覚悟を決めていくときの心構えにも通じていると感じました。今後、申し訳ないな、と思うこともたくさんあると思うんです。でも、その場所に行ったからには「自分は選ばれた人なんだ」と自覚を持って挑ませてもらおうと。そして、すべてのことに対して「ありがとうございます」という、感謝の気持ちを伝えていきたいです。上西おやすみといえば、そのたびに家の掃除をしています。ライブの期間は掃除ができなくて、どんどん部屋が散らかってしまうんですが、部屋の汚れは心の乱れだと思うので。掃除するだけで心もすごくスッキリします。あとはもう秋になるので、部屋の模様替えもして、どんどん自分の好きな部屋になっていくのが楽しいですね。山本私はうさぎカフェに行くのが好きで、よく行くところがあるんですが、お気に入りのウサちゃんがいるんです。そのウサちゃんに会いに行くことが、私の癒やしの時間なんですよね。一人暮らしで、うさぎが飼いたくても飼えないので、カフェに行ってその欲を満たしています(笑)。渋谷通ってるんだね?山本通って癒やされています。青原和花。2004年1月6日、大阪府生まれ。A型。155.5cm。将来の夢は世界中の人に笑顔や希望を与えられる人になること。青原私はライブのリハーサル期間があって、なかなかゆっくりできる時間が少なかったので、1日やすみがあると寝ています。母に、本当に心配されるくらいで、この前なんて1回も起きることなく18時間ずっと寝ていました。渋谷NMB48に入りたてのときは、私もそうやったなあ。生活リズムや体力の使い方などもう全然変わるから。出会う人の数もライブで聴く音も浴びる光も、すべて日常生活では味わえない感動をもらっているぶん、慣れていくまではけっこうしんどかったなって。最初の頃は、カラダにまだ免疫がついていなくて、私もめっちゃ寝ていましたね。――いろいろなお話をありがとうございました。では最後に、渋谷さんから今後の抱負をお願いします。渋谷ananwebをご覧の皆さんのなかには、NMB48の名前は聞いたことがあるけれど、それほど知らないという方もたくさんいらっしゃると思うので、今回を機会に少しでも私たちにご興味を持っていただけたらうれしいです。NMB48は大阪のアイドルということで、面白いこともしたり、泥臭くさいライブをしたり。みんな汗だくになりながらも、笑顔いっぱいに楽しく踊っている姿はとても魅力的。そんなきれいなだけではない“魂のアイドル”というところも見ていただきたいですね。実際に現場に行きたいとなったら、私の卒業コンサートやクリスマスライブもあるので、お友達を誘って来ていただけたら、絶対に後悔させないと誓います。そして私のことを知ってくださっている方がいるとしたらうれしいですが、NMB48のYouTubeでは「渚サイコー!」のミュージックビデオも観ることができるので、大喜利だけじゃなく、11年間アイドルをやってきた姿もぜひ観ていただければと。これからもNMB48を応援よろしくお願いします。取材後記大阪の難波から全国へと人気が広がっているNMB48。今回ananwebでは渋谷凪咲さん、上西怜さん、山本望叶さん、青原和花さんの4人にインタビューさせていただきました。渋谷さんが乗馬で「女武将として覚悟を持ちました」と話され、その心構えはこの先の芸能生活での覚悟にも繋がるのだというマインドをうかがい、感銘。魂のアイドルグループ、NMB48はこれからも多くの方を笑顔にするに違いありません。そんなNMB48のニューシングルをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。取材、文・かわむらあみり写真すべて©UNIVERSAL MUSIC LLC.NMB48PROFILE秋元康さんが総合プロデューサーを務めるアイドルグループ、NMB48(エヌエムビーフォーティーエイト)。東京・秋葉原のAKB48、名古屋・栄のSKE48に続いて、大阪・難波に誕生し、拠点としている。“会いに行けるアイドル”をコンセプトに、2010年10月に活動開始。2011年7月、シングル「絶滅黒髪少女」でメジャーデビュー。2023年3月にニューアルバム『NMB13』、10月4日にニューシングル「渚サイコー!」をリリース。12月16日(13:30より)「NMB48 渋谷凪咲卒業コンサート day1」、17日(16:00より)「NMB48 渋谷凪咲卒業コンサート day2」を両日とも大阪・Asueアリーナ大阪で開催。12月16日(18:00より)「NMB48 クリスマスパーティー 2023」も実施。InformationNew Release『渚サイコー!』(収録曲)01. 渚サイコー!02. 人生は長いんだ / 渋谷凪咲 with ダイアン、かまいたち、見取り図03. ジンクスとゲンカツギ / Team N04. 渚サイコー! (off vocal ver.)05. 人生は長いんだ (off vocal ver.)06. ジンクスとゲンカツギ / Team N (off vocal ver.)2022年10月4日発売※通常盤は3曲目・6曲目以外は全形態共通。※通常盤は初回プレス限定封入特典として、オリジナル生写真(全メンバー57種のうち1枚をランダム封入)あり。(通常盤 Type-A)UMCK-5735(CD+DVD)¥1,676(税込)【DVD収録内容】「渚サイコー!」 (ミュージックビデオ)、「渚サイコー! 」(ミュージックビデオのメイキング)、「渚サイコー!」 (ジャケット撮影のメイキング)(通常盤 Type-B)UMCK-5736(CD+DVD)¥1,676(税込)※3曲目は「職員室に行くべきか? / Team M」、6曲目は「職員室に行くべきか? / Team M (off vocal ver.)」を収録。【DVD収録内容】「渚サイコー!」 (ミュージックビデオ)、「人生は長いんだ」 (ミュージックビデオ)(通常盤 Type-C)UMCK-5737(CD+DVD)¥1,676(税込)※3曲目は「恋のヘタレ / Team BII」、6曲目は「恋のヘタレ / Team BII (off vocal ver.)」を収録。【DVD収録内容】「渚サイコー!」 (ミュージックビデオ)、NMB48 Summer Fes. 2023 〜アッチッチーム祭り〜:「命のへそ / Team N」、「なぜ、僕は立ち上がるのか? / Team M」、「スワンボート / Team BⅡ」、「蕾たち / 9期研究生」(劇場版)PDCS-5005(CD)¥1,047(税込)(収録曲)01.渚サイコー!02.人生は長いんだ / 渋谷凪咲 with ダイアン, かまいたち, 見取り図)03.人生は長いんだ / 渋谷凪咲04.渚サイコー!(off vocal ver.)05.人生は長いんだ(off vocal ver.)取材、文・かわむらあみり
2023年10月05日【音楽通信】第145回目に登場するのは、ダンサー史上初めて日本武道館単独ダンスライブ公演を即日完売させた、結成15周年の世界的ダンスパフォーマンスグループ、s**t kingz(シットキングス)!ダンスに出会った4人が「s**t kingz」になる写真左から、NOPPO、shoji、kazuki、Oguri。【音楽通信】vol.145アメリカ最大のダンスコンテスト「BODY ROCK」で、2010年と2011年に連続優勝した、世界が注目するダンスパフォーマンスグループ、通称「シッキン」ことs**t kingzのみなさん。世界各国からオファーが殺到し、これまで20か国以上を訪問したほか、三浦大知さん、BLACKPINK、BE:FIRSTなど国内外のアーティストの振付楽曲はなんと400曲以上という引っ張りだこのコレオグラファーとしても知られるなど、国内外から絶大な支持を得ています。日本ダンス界のパイオニアとして、常に表現者として挑み続けるs**t kingzが、2023年9月8日に“見るダンス映像アルバム”の2作目となる『踊救急箱(オドキュウキュウバコ)』をリリースされるということで、みなさんにお話をうかがいました。――まずおひとりずつ、ダンスを始めたきっかけとともに自己紹介からお願いします。OguriOguriです。小学校の頃、安室奈美恵さんやSPEED、DA PUMPといった歌って踊るアーティストの人気が高く、僕も好きになって振り付けのまねをしていました。ただ、そこからダンスに踏み出すには、身近にダンスをやっている人もいない時代だったこともあり、そのままになっていたんです。高校1年生の時に、小学校のときにはなかったインターネットが出てきて、そこでダンスを習いたくて検索してみたら、近くにスタジオがあることがわかり、行ったらどハマり。ダンスには、出会うべくして出会いました。影響を受けたダンサーはいっぱいいますが、しいて言うならs**t kingz結成のきっかけにもなったショーン・エバリストというアメリカのダンサーのダンスは当時、ものすごく新鮮で「こういうダンスしたい」という目標でしたね。shoji僕は大学からダンスを始めて、誰かに憧れるというよりは、踊れることそのものに憧れていました。さまざまなクラブなどにダンサーを見に行ったり、少しずつネットでいろいろなダンサーを検索したり、発見するとワクワクして。当初はとにかく僕も「踊れるようになりたいな」という気持ちだけで、ダンスを始めました。shoji/s**t kingzのリーダー。類まれなる発想力と実行力はダンス界だけでなく、多くの業界関係者に影響大。俳優「持田将史」として2020年にTBS日曜劇場『半沢直樹』、NHK連続テレビ小説『エール』に出演。――なぜそんなに踊れるようになりたいと思われたのでしょうか。shojiそもそも音楽が好きなんですが、当時はまわりもそんなにダンスをやってきたことがない世代で、みんなで手探りで練習すること自体が、すごく楽しかったんですよね。お互いに刺激しあって、練習して、みんなで頑張ってできるようになろうという環境そのものがすごくワクワクしたんです。NOPPOダンスも、入りやすいヒップホップやジャズでもなく、レゲエから始めたんでしょう?振り切り方がすごい(笑)。shojiそうだね(笑)。当時少しずつレゲエがクラブでもかかり始めていて、レゲエだけのイベントも開かれるようになって、その盛り上がり始める流れに入って開拓している感じも楽しかったというか。日本の中でまだ完成しきっていない世界に入っていく感じがあったかもしれないね。kazuki僕は兄もダンサーなんですが、兄が小学生の頃にダンスをやりたいと言い出したことが、ダンスをするようになったきっかけです。地元が神奈川県にある湘南の田舎町で、近くにダンススタジオがなく、両親が隣町ぐらいまで踊れる人を探して、公民館でダンスのクラスのようなものを兄のために開いたんですよね。みんな踊れないんですが、最低5人はいないとクラスを開けないので、親と兄と兄の友達といった具合に人を集めて、身内だけでレッスンしているのを見ていました。僕も踊りたかったんですが、年齢制限があったので入れなくて。その間、ダンスしたい気持ちがどんどん大きくなって、その後参加できるようになってからは、兄のまねをしてダンスを始めました。みんなで踊ることが楽しくて、毎週レッスンの日は楽しかったです。kazuki/幼少の時期から才能を発揮、ジャンルの垣根を超えたダンススタイルに定評あり。群を抜く振付力・演出力でK-POPアーティストや木村拓哉、Nissyなどの大規模ライブの演出を数々担当。――お兄さん以外にkazukiさんが影響を受けたダンサーの方はいるのでしょうか。kazuki小中学生の頃はまだYouTubeもなかった時代なので、テレビで芸能人が踊っている姿ぐらいしか見る機会はなくて、東京のダンス状況も知りませんでしたね。ただ、ダンスをするようになってNOPPOと出会った頃ぐらいからは、ダンサーっていっぱいいるんだなとわかったときがあって。僕は湘南の中でも田舎町に住んでいるというお話をしましたが、NOPPOは湘南の中でも都会のほうに住んでいて(笑)。その都会のダンススタジオ主催のコンテストに僕は仲間と出て、NOPPOはそのスタジオのレッスン生としてコンテストにも出ていて、いろんな世界があるんだなと子どもながらに思って、それからはNOPPOと同じスタジオに通うようになりました。NOPPO僕は妹が先に家の近くのダンススクールでダンスを始めて、僕もやってみようかなと、小学校からダンスを始めました。当時はスタジオというものがなく、公民館を借りてレッスンをしていたんですが、習うというよりも遊ぶ感覚でしたね。ダンス以外の時間も友達と一緒にいると楽しくて、ずっと続けていました。その公民館で教えてくれていたダンスの先生はパワフルかつ社交的で、どんどんそのスクールは大きくなっていって、先ほどお話していたようにあとからkazukiが入ってきたり、いろいろなジャンルの先生に出会えたり、ダンスの大会でアメリカへ行ったりとさまざまな経験をさせてもらいました。その先生はいまもダンスをやっていて、湘南では有名なダンススタジオの設立者になって、BE:FIRSTのSOTAもそのダンススタジオ出身です。その設立者の先生のパワーのおかげで、僕も何も考えることなくダンスに夢中になれましたね。NOPPO/恵まれた長身、静と動を兼ね備えた緩急のあるダンススタイルで国内外のファンも多い。俳優「増田昇太」として、Eテレ『天才てれびくん Hello,』に得意のパントマイムで敵役として出演。――みなさんそれぞれの志のもと、kazukiさんがショーン・エバリストのような作品を作るユニットをやろうと2007年に「s**t kingz」を結成されて、今年結成15周年を迎えられました。この15年でとくに印象に残っている出来事はありますか。shojiなんだろうな、いっぱいあるよね?kazukiそうだね、難しいね。Oguriやっぱり海外での活動は、一番印象的ですね。まさか自分たちが海外でも活動するようになるとは結成当初は思っていなかったんですが、アメリカや憧れていたダンススタジオでワークショップをしたり、しかも憧れていた先生がそれを受けに来たり。シッキンのみんなで見ていたYouTube動画のダンスレッスンを受けに行ったら、そこでショーに誘われて一緒にショーに出演したこともあって、これまで信じられないことばかりの海外活動でした。shoji本当、海外は行ってみないとわからないことだらけだったね。Oguri/ロック、ジャズ、バレエ、タップなど幅広いジャンルをカバー。スキルだけでなく、見るものを惹きつけるグルーヴが魅力のダンサー。表現力を活かした演劇の舞台でも俳優「小栗基裕」として活躍中。Oguriあとは10年前に自分たちの舞台を初めて公演したことが、すごくシッキンとしての在り方を大きく変えた、印象に残った出来事です。ダンサーがダンスイベントにただ出演するだけではなく、自分たちで公演を企画して、舞台で自分たちだけの作品をやるということが、すごく大きな活動となりました。――では、15周年を迎えた率直なお気持ちは?shoji実は15年経ったという感覚はまったくないんです。気づいたら15年経っていて、いろいろなことを毎日やっていると、たとえば最初の5周年なんていっさい気づいていなくて(笑)。かろうじて10周年は写真を撮ってイベントもやったんですが、そのぐらいの感じです。ただ、節目があると、あらためて自分たちの活動を振り返ることができるのはうれしいこと。今年は15周年の終わりに武道館公演も決まって、きっと思い出に残るものになって、あとでこの公演があったからこそとまた思える日が来るんだろうなと思うと、いまからもう楽しみです。アニバーサリーだからさらに応援したいと思ってくださる方もいらっしゃるので、そういう意味でもすごく15周年はうれしいですね。ただ、メンバーで「もう15年やってるよね」という話をすることは一度もないです(笑)。NOPPOそう、今度の休みはいつかな? ぐらいしか話していないかも(笑)。ライブがもっと華やかになるための最新作――2023年9月8日にリリースされる『踊救急箱』を作ろうと思った理由はなんでしょうか。kazuki昨年は舞台をやっていたんですが、舞台で披露するための新曲をたくさん用意して挑んでいて。その都度、ライブではやりたいパフォーマンスが変わってくるので、ライブがもっと華やかになるように多彩なパフォーマスができる曲たちを作ろうという話から“見るダンス映像アルバム”の2作目を作ろうということになりました。shojiライブに向けての作品ですね。――収録曲の「No End feat.三浦大知」は、10月に開催されるs**t kingz 日本武道館単独ライブ「THE s**t」のテーマ曲で、3年ぶりの三浦大知さんとのコラボ曲ですね。Oguri大知とはずっと一緒に曲を作りたいと思っていたんです。大知とシッキンの付き合いは10年以上で、まわりの方は「盟友」と言ってくださるんですが、一緒に走り抜けてきて、年齢も近くて。今回、シッキンにとって特別なタイミングでコラボできたのは、僕たちにとっても非常に大きなことです。「これからまだまだ行くぞ!」というようにさらに先を見た攻めた楽曲ができて、それもシッキンや三浦大知らしい。どこでも満足できない、「もっと」と刺激を求める姿勢がそのまま曲に表れているので、すごく好きな曲。毎回、パフォーマンスをするときも気合が入ります。――映像では、闘志が燃えているようなマグマの間から、シッキンのみなさんが降臨するカッコいい作品ですね。Oguriこれまでの世界をぶち壊して、さらに新しい世界を作ってやる、という壊す力と生み出す力が共存した世界を表現しています。少し退廃的ながらエネルギーにあふれている熱量をダンスに、映像に落とし込みました。――アルバムに収録された新曲は、メンバー4人それぞれがプロデュースされている楽曲です。まずOguriさんがプロデュースされた「Bright feat.渡辺大知」は、バラードで、おひとりずつ衣装も設定も違って踊るというよりもお芝居されているような印象の新鮮な映像ですね。Oguriそうなんです。いままでやっていないような楽曲を映像にしたいと思って作りました。小さい頃からバンドサウンドやフォーキーなサウンドにグッとくることがあって、たとえばウルフルズのような世界観も好きで、ボーカルは強いよりはいい意味で弱さや情けなさや愛らしさがあるボーカルがいいなと思ったときに、渡辺大知さんがすごくいいなと。以前、渡辺さんが出演された舞台を拝見したとき、歌声に聴き惚れて、自分の楽曲を作る機会があれば歌ってほしいと声をかけさせていただきました。負けをテーマにしている楽曲なんですが、負けている人はすごく魅力的。負けたことを全面で受け止められる人がすごくかっこいいから、そういうキャラクターのある映像にしたいと考えて、曲や映像のテーマを渡辺さんとたくさん話し合って、完成しました。――kazukさんがプロデュースされた「KID feat. LEO(ALI)」はどのようなことを意識して作りましたか。kazukiこの曲は「ライブで一番輝く曲にしたい」と思って作りました。そもそもライブで映えるためには、どうしても僕らを照明で照らさなくてはいけないですよね。暗がりの中で歌っていても響くけれど、ダンスは視覚的なものなので、暗がりの中で踊っても見えなかったら意味がないシーンが多いから、どうしても照明のパターンが似たり寄ったりになることが腑に落ちない部分も。そのバリエーションの少なさを払拭するためにも、そしてお客さんとダンス以外でシンプルに盛り上がれる楽しい曲を作りたいと“タオルをまわす楽曲”として、作っていって。LEOさんとは面識がなかったんですが、魂で歌っているような歌声やパフォーマンスがかっこいいとSNSで知っていて、今回オファーをするとすぐOKの返事をいただきました。1度目に仕上げてくれた楽曲があったのですが、説明が足りなくてもう1度となって、僕の抽象的な説明にもすごく理解をしてくれて、この楽曲ができました。それからさらにブラッシュアップして、最終的にはイメージしていた通りの楽曲になっています。大事なサビのパフォーマンスでは、いっさい踊らずにタオルをまわしているだけで、それ以外のパートもタオルを使ってうまくダンスできないかと思って作ったので、ライブで披露することが楽しみですね。――shojiさんがプロデュースされた「Get on the floor feat.MaL, ACHARU & Dread MC」はどのような点を意識して作られましたか。shoji今回、ライブを見据えて作ったアルバムでありながら、一番ライブを見据えていない楽曲を作ったのが僕なんですけど(笑)。昔、クラブでシッキンが踊るときは、出番が5分といった短い時間だったので、その5分で体力を使い切るような作品をずっと踊っていた時期がありました。でも、最近そこまで激しい曲はなかったかもとふと思い、あらためて「5分で体力を使い切るような踊りを作ろう」と思って作ったのが「Get on the floor」なので、みんながライブで踊りたくないと言っています(笑)。Oguri・kazuki・noppo笑。shoji約2時間あるライブのどこにこの曲を入れれば、みんなが最後までステージに立っていられるんだろうと心配になるぐらい、激しい曲ができました。もともとアフリカの音楽が好きなので、大好きなリズムに乗って、こうして体力を使い切る曲ができて、僕は大満足です(笑)。――ではライブでどこにこの曲が入るのか楽しみにしています(笑)。shojiはい、最後まで全員が立っていられたら奇跡だと思って、みなさん見届けていただけたらうれしいです。――NOPPOさんがプロデュースされた「Live like you’re dancing feat.ZIN」はいかがでしょうか。NOPPOこれもライブを見据えて作った楽曲で、この曲を聴いてきてくださるみなさんもカラダが揺れてしまうような楽曲にしました。当初、実はZINくんともうひとりボーカルを依頼する方を悩んでいて、最終的にOguriにも相談して「ZINくんのほうが低音とファルセットの高音の感じがすごく色気があって、高低差も素敵でいいのでは」と言ってくれたことが決め手になりました。ZINくんにお願いさせていただくと、こころよく受けていただいて。ZINくんはシッキンのことも知ってくれていて、この曲のミーティングをしたその3時間後には、もう歌入りの曲を仮ですぐ出してくれました。――はやいですね!NOPPOそう(笑)、そのスピード感もかっこよくて、ほぼ仮と変わらないぐらいの楽曲が完成しました。ZINくんは天才肌で、思いを音楽に作り上げる精度の高さを感じています。映像は、ソロで全部プロデュースできる曲であれば、普段は僕らができないようなチャレンジをひとつ入れたくて、鏡を使うような手のかかるものを入れてみたり。もともと物を使いながら踊るのも好きだったので、パントマイムみたいなものも入れてみたりと、チャレンジした楽曲でもあります。ダンスの新しい楽しさを発見し続けたい――9月8日からは、全国7都市をまわる『s**t kingz Dance Live Tour 2023「踊ピポ」」ツアーを行い、10月25日には『s**t kingz Dance Live in 日本武道館「THE s**t」』公演が開催されます。Oguri「踊ピポ」は“とにかく楽しい”を掲げてやり通したいです。日本武道館公演では、15年間僕らが積み上げたものを一度、全部吐き出す場所。未来はいろいろなことが待ち受けているけれど、次に進むためにもこの武道館という特別な場所で、s**t kingzと僕らを応援してくれているみんなと全部を出し切って、次に進めたらいいなと思っています。shoji最近s**t kingzを知ってくださった方も多いなか、まだ僕らのライブへ来たことがない方もたくさんいらっしゃるんですよ。この間『音楽の日』というイベントのテレビ出演をさせていただいたことをきっかけに、s**t kingzを知って「踊ピポ」のライブチケットを買ったという方とかもいらっしゃるようで、すごくうれしくて。そういう初めてライブに来る方々にとっても最高の入り口になる、ダンスのいろんな楽しみ方が味わえる場所が「踊ピポ」なので、気楽に遊びに来てほしいですね。日本武道館は“祭り”。最高の“打ち上げ花火”をぶちかましていきたいです!kazuki「踊ピポ」は久しぶりの生バンドを引き連れての全国ツアーで、アルバム『踊救急箱』が出るタイミングなので、この曲たちを中心にいろいろな演出を広げていきたいなと。そして多くの方が知っているような曲はやるつもりですし、期待を裏切らない内容なので、楽しみに来てほしいですね。武道館公演は……(しばらく悩んでから)打ち上げ花火です(笑)!Oguri・shoji・noppo笑。NOPPO「踊ピポ」は3人と同じ気持ちですし(笑)、僕らのダンスをみんなに知ってもらえるツアーになりますし、みんなでカラダを動かして踊って楽しむライブになります。武道館は……打ち上げ花火(笑)!――では最後に、リーダーのshojiさんから「s**t kingz」の今後の抱負を教えてください。shojiきっと今度は20周年を迎えたときには、まったく違うことをしていたら楽しいだろうなと思っていて。もちろんダンスを軸に活動をすることは変わりませんが、いままでも舞台をやったり、10周年で初めて生バンドを引き連れてビルボードでライブをやったり、15周年は日本武道館の単独公演だったり。節目ごとにいろいろな挑戦をしてきましたが、次に20周年となったときには「s**t kingzはこんなこともやってるんだな」と感じてもらえるように、常に形を変えながら、ダンスの新しい楽しさを発見し続けていけるグループでいたいと思っています。取材後記日本のダンス界を牽引してきた、世界が注目するダンスパフォーマンスグループのs**t kingzのみなさん。撮影する際、少し動きのある写真も撮りたいんですと相談すると、「いいですよ!」と快く引き受けてくださり、いろいろなポーズをとってくださったカットも。笑顔でインタビューに応えてくださるときは穏やかに、ひとたびポーズをとればビシッとカッコよくキメてくださる瞬発力と大人の魅力に脱帽です。そんなs**t kingzのニューアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。写真・園山友基 取材、文・かわむらあみりs**t kingzPROFILEshoji、kazuki、NOPPO、Oguriの4人からなる、世界が注目するダンスパフォーマンスグループ、s**t kingz。オリジナルの舞台公演は毎回大好評で、2018年秋の第4作目となる「The Library」では、全国7都市、全30公演を実施。2020年6月には初のオンラインライブを成功させ、世界12の国と地域からの視聴で話題となる。2021年1月には、ダンサー発としては異例の全曲オリジナル楽曲で作り上げる「見るダンス映像アルバム」となる『FLYING FIRST PENGUIN』(Blu-ray)を発売、歌唱しないダンスアーティストとしてテレビ朝日「MUSIC STATION」に出演した。2023年9月8日に“見るダンス映像アルバム”の2作目となる『踊救急箱』をリリース。9月8日から全国7都市をまわる『s**t kingz Dance Live Tour 2023「踊ピポ」」ツアー、10月25日は『s**t kingz Dance Live in 日本武道館「THE s**t」』公演を開催。InformationNew Release『踊救急箱』(収録曲)1.「えがお! feat.PES」2.「TRASH TALK feat.Novel Core」3.「衝動DO feat.在日ファンク」4.「Get on the floor feat. MaL,ACHARU & DREAD MC」shojiプロデュース5.「KID feat.LEO(ALI)」kazukiプロデュース6.「Bright feat.渡辺大知」Oguriプロデュース7.「Live like you’re dancing feat.ZIN」NOPPOプロデュース8.「心躍らせて feat.上野大樹」9.「No End feat.三浦大知」2023年9月8日発売(通常盤)GTCG-0787(Blu-ray)¥6,050(税込)発売・販売元:アミューズ【内容】Blu-ray収録曲(本編9曲+特典映像)、歌詞カード【特典映像】120分を超える豪華内容を収録1/1.5年分のシッキン密着映像2/ディレクターズカット版ダンス映像(完全数量限定盤)GTCG-0786(Blu-ray)¥16,500(税込)発売・販売元:アミューズ*豪華BOX仕様。【内容】1.Blu-ray(本編9曲+特典映像)※通常盤と同じ2.歌詞カード3.フォトブック(36P)4.オリジナルカセットプレイヤー5.カセットテープ(A面:踊救急箱メガリミックス/B面:シッキンベストメガリミックス)6.オリジナルアイマスク7.ポストカード(5枚)8.オリジナルカレンダー(2024年1月〜12月)9.オリジナルBOX【特典映像】120分を超える豪華内容を収録1/1.5年分のシッキン密着映像2/ディレクターズカット版ダンス映像写真・園山友基 取材、文・かわむらあみり
2023年09月02日株式会社プレマシード(本社:東京都渋谷区、代表取締役:岩田 彰人)は、通信制高校比較・資料請求ポータルサイト「Go通信制高校」( )を2023年8月7日(月)にリニューアルしました。Go通信制高校_トップページ通信制高校の生徒数はコロナ禍で19万人から24万人に急増しています。理由は、学校に行かなくても勉強できることに多くの生徒が気付いたからです。同時に、不登校になった生徒の受け皿にもなっています。多くの生徒が通信制高校やサポート校に魅力を感じて入学していますが、一方で通信制高校にはネガティブなイメージがつきまとい、入学を躊躇する生徒もいます。これは通信制高校のイメージが30年前から変わっていないためです。また、生徒一人ひとりの課題を解決する多様性のある学びや生活の支援を受けられることが通信制高校とサポート校のメリットですが、各学校の特徴が明確に伝わっておらず学校選びでミスマッチも起きています。このような現状を踏まえ、プレマシードはサイトをリニューアルして誰もが自分に合っている学校を選べる仕組みを整えました。学校や専門家に取材して得た「通信制高校のリアル」を伝えると共に、サイト内の利便性を向上させ最適な学校探しを実現しています。■「Go通信制高校」リニューアルのポイント1. テーマ別通信制高校まとめGo通信制高校_テーマ別まとめこのコンテンツでは(1)中高生の悩みや疑問、(2)学校生活や学び方、(3)やりたいこと、という3つのカテゴリーを設け、計80テーマの記事を掲載しています。それぞれの記事から夢を叶えられる学校や相談に乗ってくれる学校への導線をつくっており、将来的には100テーマ以上に更新する予定です。(1) 中高生の悩みや疑問「不登校だけど高校に進学して大学を目指したい」「今すぐ転入したい」「学費が高くなく、サポートが充実した学校に行きたい」など、中高生が目の前にある問題や将来への不安を解決するためのテーマをまとめています。(2) 学校生活や学び方「通信制高校に入って友達をつくり、恋愛もしたい」「通学したいけど、体調に不安があるから自分のペースで通える学校を探したい」など、学校生活や学び方に関するテーマをまとめています。(3) やりたいこと通信制高校に通いながら留学やダンス、プログラミングを学びたいという学生に向けたテーマをまとめています。好きなことを学ぶと前向きになり、共通の好きなことがあれば友達もできやすくなります。将来の夢も具体化するため、高校時代から専門的なことが学べる学校の取り組みやサポートを紹介しています。2. 通信制高校からのメッセージGo通信制高校_通信制高校からのメッセージこのコンテンツでは通信制高校やサポート校の学校長やキャンパス長、教員の方々にそれぞれの学校の理念(ビジョン)、使命(ミッション)、価値(バリュー)、文化(カルチャー)を語ってもらっています。学校選びでは学校の雰囲気や環境が重要なポイントになります。雰囲気や環境を知るには学校に訪問することが望ましいですが、興味のある学校すべてを訪問するのは大変です。そこで、学校の雰囲気や環境を形成している先生たちの想いを知り、各学校の特色を把握できるようになっています。3. 通信制高校の疑問や悩みGo通信制高校_通信制高校の悩みや疑問このコンテンツでは20名の専門家に協力してもらい、約50の疑問や悩みに対して解決方法や手順を提示しています。専門家が監修した正確な情報を届けることで緊急性の高い悩みにも明解な回答を用意している点が特徴です。まだまだ多くの疑問や悩みに応えていく必要があるため、今後も拡充を予定しています。<おわりに>今回のリニューアルでは、これら3つのコンテンツをすべてTOPページの目立つ位置に配置しました。専門家の協力のもと学生たちの知りたいことや悩みに答え、いまの通信制高校の取り組みを知ってもらうことで従来のイメージからの改善を図っています。また、各学校の特色や雰囲気を把握してもらい、ミスマッチなどの学校選びにおける課題解決を目指しています。Go通信制高校では今後もさまざまな情報を追加・更新しながら通信制高校とサポート校の認知拡大に努め、誰もが自分らしく学べる環境づくりを推進していきます。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年08月30日【音楽通信】第144回目に登場するのは、俳優としても歌手としても活躍し続け、デビュー10 周年というアニバーサリーイヤーを迎えた、大原櫻子さん!母の誕生日に歌を贈ったことで歌が好きになる【音楽通信】vol.1442013年に映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』の全国ヒロインオーディションで5,000人の中から抜擢され、スクリーンデビューと同時に、劇中バンドとしてCDデビューを果たした大原櫻子さん。2014年にはシングル「サンキュー」で、本格的にシンガーとしてデビュー以降、歌手活動とともに役者としても数々のテレビドラマや舞台へ出演。2013年の俳優&歌手デビュー、2014年のソロデビューからそれぞれ10周年となります。そんな大原櫻子さんが、2023年8月30日にミニアルバム『スポットライト』をリリースされるということで、音楽的なルーツなどを含めて、お話をうかがいました。――あらためて、音楽に出会ったきっかけから教えてください。子どもの頃、家族は松田聖子さんを聴いていて私も好きになったり、家族でカラオケに行って初めて私が歌ったのは「青い珊瑚礁」だったり。なかでも、いまもよく覚えているのは、小学生のときに初めて「歌で人は感動してくれるんだ」と実感したときのことです。母の誕生日に、「今日は誕生日プレゼントに歌を歌います」とBoAさんの曲「Every Heart -ミンナノキモチ-」(2002年)を歌ったら、「いいねえ」と母が言ってくれたことがきっかけで、歌を歌うことが好きになりました。――大原さんが芸能の道を志したのは、小学校の頃に観た海外版のミュージカル『アニー』に影響を受けたそうですが、親しみやすい日本の作品ではなく外国のミュージカルに惹かれたのはなぜなのでしょうか。不思議なんですが、小さい頃からアメリカの映画が大好きだったんです。当時、たまたまテレビをつけたら、海外版のミュージカル『アニー』が放送されていて。すぐに録画をして、その後もビデオを何度も観るようになりました。アニーが歌っていたテーマソング「トゥモロー」を歌いたい! と思ってまだ英語がよくわからないなりに、歌詞を聴きながら全部カタカナに直して、歌えるように練習していました。――まだ子どもの頃に、英語の歌を聴いて歌詞をカタカナにして書いて、自分で歌ってみるとは賢いお子さんだったんですね。いえいえ、わからないなりにまとめていただけなんですよ。でもそれ以降、ミュージカルの英語の歌は全部自分なりに訳して歌っていましたね。あとはBoAさんの曲もそのときよく聴かせていただいていたので、韓国の曲も聴いてカタカナに直して、韓国語の歌にも頑張って挑戦していました。――すごいですね。その後、2013年には映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』で俳優とCDの同時デビューをされました。劇中バンド「MUSH&Co.」として、ボーカルを大原櫻子さん、ギターを吉沢亮さん、ドラムを森永悠希さんというメンバーでしたね。そうです。このときのこともすごく覚えていて、まだ人前であまり歌うことがなかったんですが、映画の撮影で野外のステージで歌うシーンがあって。初めて1500人ぐらいのお客さんの前で歌ったんです。しかも、雨もちょっと降っていて、寒くて手がかじかんでいたので、カットがかかる度に吉沢さんと森永さんと一緒に、お湯に手をつけたりしてほぐしていました。――印象深い出来事だったんですね。もともと歌でもデビューするとは聞いていなかったから、より印象深くて(笑)。映画のオーディションに受かって、さらに3人で本当にデビューするとは思っていなかったんです。CDのジャケット撮影をしたときも自分の顔が前面に出たデザインで、吉沢さんと森友さんは私の頭の後ろからちょこっとのぞいているというデザインで驚きました(笑)。発売されたときに、タワーレコードで1日店長をさせていただいたんですが、ショップにCDとして自分の顔が並んでいて…。――「MUSH&Co.」のCDのジャケット写真は、大原さんのお顔のアップなのでインパクトがあったのですね。そして、2014年11月にシングル「サンキュー」で本格的にシンガーとしてデビューされました。俳優と歌手デビューから、10周年となりますね。はい、あっという間の10年でした。ただ、17歳から20歳までは記憶がないぐらい、駆け抜けていたように思います。唯一初めてのレコーディングは全部覚えていますが、初めての映画、初めてのドラマ、初めてのラジオ…と初めての経験がいっぱいで、力の抜き方もわからない。だから、毎日全力でやっていましたね。――最初の3年間は覚えていないぐらい忙しかったということは、4年目ぐらいからオンとオフのメリハリがついてきたんですか?そうですね、映画、歌、ドラマと携わらせていただくなかで、20歳でやっと舞台にも出演させていただくようになって。岸谷五朗さんと寺脇康文さんの演劇ユニット、地球ゴージャスさんの演劇が初舞台となり、公演期間に20歳を迎えたので、この頃からは初めてのことが少なくなって落ち着いてきました。「シンプルな大原櫻子になった感覚」の新作――2023年8月30日に、ミニアルバム『スポットライト』をリリースされます。まず1曲目「寂しいの色」は、7月に先行配信されたピアノから始まるしっとりとしたナンバーですね。「寂しいの色」は、これまであまり歌ったことのないメロディで、ミニアルバムのためにさまざまな曲を聴かせていただいた中でも突出して「この曲を歌ったら新しい自分が見えそうだな」と感じた楽曲です。仮歌を歌った段階で、自分のカラダへの染み込み方がいままでとちょっと違う感覚もありましたし、新しい私を発信できる曲なので、収録しました。――2曲目「Hello My Fave」は、一転してアップテンポなナンバーです。すごく元気な曲ですし、最初に曲を聴いた段階で、私が歌ったらのびやかな曲になるなあと思いました。ライブでみんなと一緒に踊る曲もたくさんあるんですが、コロナ禍を経て、いまどんどん声出しが解禁していて、またみんなで歌う喜びをすごく感じているんです。そこで、またライブで盛り上がるような曲が欲しくて、この曲を選びました。――3曲目「どうして」は、片想いの心情が伝わる楽曲です。これも最初に仮の曲が来たときにほかの候補曲をいろいろと聴くなかで、この曲のサビの「どうしてこんなにも」というフレーズがずっと頭の中でまわっていて、気がついたら口ずさんでいるような楽曲でした。歌詞はその「どうして」というフレーズが頭に残っていたのもあり、片想いの歌詞をもっと広げて作っていって。切なさがありながら、でもメロディラインはネガティブな感じじゃないところも、この曲の好きなところです。――4曲目「JUMP」は、今年6月に配信リリースされたデジタルシングルのポップな曲です。「JUMP」はライブでも解禁をしまして、今回も歌詞を(元チャットモンチーのメンバーで作家の)高橋久美子さんに書いていただいています。10周年となると、これまで楽しいことも苦しいこともさまざまなことがあるなかで、いつもライブに行けばファンのみんなが笑顔をくれて、ファンのみんなが私を照らしてくれる太陽のような存在だと伝えたい気持ちを高橋さんにも伝えて、歌詞を書いていただきました。――5曲目「星の日」は、昔の出来事に思いを馳せる曲ですね。最初に曲を聴いたときに、大切な人との思い出を振り返る曲だと感じて、聴く方にとっても友達や大切な人との思い出をあらめて振り返るような曲になればと。(元ねごとのメンバーでシンガー、作詞家の)蒼山幸子さんに歌詞を書いていただいたんですが、うまく言葉にできないけれど思っていたことをちゃんと歌詞で言ってくださる方。この曲の歌詞だと「あの頃のばかな季節」とあって、それだけで友達とわいわい過ごしていた日々をすごく思い出すように感じています。――6曲目「bitter sweet cinéma」はミニアルバムのリード曲ですね。ミュージックビデオもストーリー性のあるものでした。タイトルにもシネマとありますが、ミュージックビデオでも映画館で撮影するなど、少し映画っぽく撮影しているシーンもあります。私がデビューしたのが、それこそ映画のオーディションで、映画という存在がまず大きくて。この曲を最初に聴いたときに、すごくキラッと明るいメロディに、切なさや悲しさも含まれている歌詞を見て、なんだか人間の人生を描いているなと感じました。私のお仕事も、キラキラして見えるかもしれないけれども、裏では毎日の努力があって、それこそ悲しい日も苦しみもあるという人間くささこそが、人生。まさに映画は、ひとつの物語があって、そういった人間模様を歌でもミュージックビデオでも表現できたんじゃないかなと思います。この曲は、映画の主人公になったような気持ちで歌いました。10年後の私だからこそ、歌える曲になりました。――聴き手にはどのように今作を聴いてほしいでしょうか。今回は、J-POPの最前線で活躍する制作陣が参加してくださっていて、新しい方との曲という部分で、歌の表現もこの1枚ですごく変わった感覚がありました。だからこそ、難しかった部分もあるんですが、出来上がりを1曲ずつ聴いてみると、私らしさが引き出されたと思いました。いままでずっと聴いてくださっている方には、「こんなふうにも表現するんだ!?」という驚きももしかしたら感じられるんじゃないかなと。10年間にやってきたいろいろな技術や考え方があったうえで、いままでもしかすると必要のないことも歌に入ってしまっていたところが、今回は、そういった余計なものが削ぎ落とされて、シンプルな大原櫻子になった感覚ですね。――2023年10月からは、Zeppツアー2023「大原櫻子10(点)灯式」を全国で開催されます。前回のツアーではシングル曲を多く演奏していたのですが、今回はミニアルバムの曲も絶対やりたいですし、新しい楽曲を歌うことになりそうという部分では、お客さんは新鮮だと思います。このミニアルバムが10周年イヤーのスタートになる作品なので、前回とはガラッと構成を変えていきたいですね。10周年以降も感謝を伝えながら楽曲を届けたい――8月3日から、松田元太(Travis Japan)さんとW主演されているドラマ『結婚予定日』(MBSほか毎週木曜深夜0時59分ほか)が放送されていますが、撮影は順調ですか?とても順調に進んでいます。ただ、松田さんとは、息が合わないようにするための息の合わせ方をすごく勉強しています(笑)。というのも、同じ会社に務める関係性の役なのですが、松田さんはエースだけどミステリアスな役どころで、私は恋に不器用なOLという役。なので、同じテンションの関係性ではない役というところがすごく難しくて。監督いわく「会話のリズムが成り立たないほうが正しい」というふたりなので、あえて息が合わないように意識しています。――ドラマでしっかり拝見しますね。撮影や歌手活動などご多忙だと思いますが、おやすみの日はどんなふうにお過ごしなのでしょうか。やすみの日でもだいたい8時か9時ぐらいには起きていますね。朝ご飯を作って、食べて、運動して、お昼ぐらいから「何しようかな?」という感じになります(笑)。それからは友達と会ったり、マッサージなどカラダのメンテナンスに行ったり、映画を観たり。あとはコロナ禍以降、家でできることをしようと料理が好きになったので、何かしらの料理を作っていますね。――最近作った料理はなんでしょうか?タモリさんの生姜焼きです。――あ! 『タモリ倶楽部』(1982年〜2023年放送)の最終回で披露されていた料理ですね?そうです(笑)。作ってみたら、おいしかったですよ。最近だとあとは麻婆カレーを作りましたね。――お料理もされていて、健康管理もしっかりされているんですね。健康オタクです。――最近美容面で気をつけていることは?毎朝、たくさんアボカドを食べています。ビタミンが摂れて、むくみも取れるんですよね。とはいえ、いまはアボカドですが、自分の体調によって食べるものを変えています。体重が増えたときは、エノキ茸をひたすら食べたりして。栄養素を調べることが好きで、エノキ茸の場合だとエノキタケリノール酸というものがあって、脂肪を燃焼するといわれていることなどを調べて、食べていますね。でも…忙しくなると、なんにもできないです(笑)。あとは運動していますね。――いろいろなお話をありがとうございました。では最後に、今後の抱負を教えてください。10周年イヤーということで、“大原櫻子の物語”をファンの人と一緒に作っていきたいです。みなさんに楽曲を届けながら、ライブも一緒に作っていきたいなと。そして10周年にとどまらず、その先もみなさんに感謝を伝えながら、寂しさに寄り添えたり人生を楽しめたりするようなイベントや楽曲を届けていきたいですね。取材後記歌手活動に、俳優活動に、ジャンルレスに大活躍されている、大原櫻子さん。今年は10周年というアニバーサリーイヤーに突入されたということで、今後さらに歌でもドラマでも舞台でも、さまざまな姿を披露してくれるに違いありません。そんな大原さんのミニアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。取材、文・かわむらあみり ライブ写真・タマイシンゴ大原櫻子PROFILE1996年1月10日、東京都生まれ。日本大学藝術学部映画学科卒業。2013年、映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』全国ヒロインオーディションで5,000 人の中から抜擢され、スクリーン&CD 同時デビューを果たす。2014年、女優として『日本映画批評家大賞 “新人賞”』、歌手として『第56 回輝く!日本レコード大賞” 新人賞”』を受賞。2015年には第93回全国高校サッカー選手権大会応援歌「瞳」で『第66回NHK紅白歌合戦』に出演。以降、歌手活動と並行して、数々のテレビドラマや舞台へ出演中。2023年 第30回読売演劇大賞 杉村春子賞、受賞。8月30日、ミニアルバム『スポットライト』をリリース。InformationNew Release『スポットライト』(収録曲)01.寂しいの色02.Hello My Fave03.どうして04.JUMP05.星の日06.bitter sweet cinema2023年8月30日発売*収録曲は全形態共通。(通常盤)VICL-65871(CD)¥2,420(税込)(初回限定盤A)VIZL-2223(CD+Blu-ray)¥8,250 (税込)【Blu-ray収録内容】・「bitter sweet cinéma」Music Video・「bitter sweet cinéma」メイキング映像・「10( 天) まで届け!!」2023.05.11@EX THEATER ROPPONGI収録曲:明日も / Jet Set Music! / 真夏の太陽 / 無敵のガールフレンド / 泣きたいくらい / 初恋 / 瞳 / STARTLINE / Door / Fanfare / JUMP / Joy&Joy / Ready Go!! / 青い季節 / 踊ろう / 遠くまで(初回限定盤B)VIZL-2224(CD+フォトブック)¥4,620(税込)取材、文・かわむらあみり ライブ写真・タマイシンゴ
2023年08月16日17LIVEのVライバー限定オフラインイベント「イチナナVライバー 5th Anniversary Party」が13日、都内で行われ、むらゆき、星川める、スラたん、清楼銘、猫ノ森ましろら14人の人気Vライバーが登場した。17LIVEが運営する日本最大級のライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」では、「Vライバー」ジャンルの設立5周年を記念したVライバー限定のオフラインイベント、「イチナナVライバー 5th Anniversary Party」を開催。同イベントは、今年6月にアプリ内で実施されたオンラインイベントを勝ち抜いた14人のVライバーによるライブステージとトークステージが繰り広げられ、過去最大規模となるVライバー限定のオフラインイベントだ。猫ノ森ましろ、蒼瀬れと、オーリのオープニングアクトでスタートした同イベント。お笑いコンビ・グランジの遠山大輔とともにこの日のMCを務めた清楼銘は「MCとして参加させていだいいてめちゃくちゃうれしいです。みんなで盛り上げていこう!」と観客に呼びかけ、「本当に時代が進みましたね。ヴァーチャルの世界からみんなの前でライブをお届けできるって、凄い技術が進んだな~とただただ感心しています」とファンを眼の前にしたイベント開催に感動した様子。清楼銘や遠山とMCを務めたスラたんも「めちゃくちゃ格好良かったですよ~。『ブリキノダンス』も好きな曲で、猫ノ森ましろちゃんに蒼瀬れとちゃん、オーリさんの3人によるコラボステージはめちゃくちゃ良かったですね」と冒頭から感極まっていた。オープニングアクト以降は朝日奈あみ、内川桃子、姫歌らみぃによる「FUNFAN劇場」、ふあね(仮)、電脳塵イチカ、夢叶るあが出演した「バーチャルおしゃべりSHOW」、紅咲るう、星川める、むらゆきによるライブステージなどを実施。最後には同イベントの出場権を獲得したライバーの上位入賞者を称える表彰式も行われ、この日ライブパフォーマンスを繰り広げたむらゆきが見事1位に輝いた。「この度は優勝させていただいて本当にありがとうございます」とファンに感謝しながら、「誰かの何かになれることはそうそうないこと。むらゆきを推して良かったと思ってもらえるようにこれからも頑張っていきたいと思います」とさらなる活躍を誓った。最後に「これまでの最大の功労者はこの5年間支えて見守ってくれたVライバーが大好きな皆さんだと思います。これからも楽しみながら全力で行きましょう!」と呼びかけていた。
2023年08月14日京都銘菓「おたべ」や「京ばあむ」を展開する美十(びじゅう)は、京都最大級のお菓子のミュージアム「アトリエ(atelier)京ばあむ」を京都・十条に2023年11月11日(土)にオープンする。お菓子のミュージアム「アトリエ京ばあむ」「つぶあん入り生八つ橋 おたべ」をはじめ、数多くの京都土産の定番的商品を展開している美十。中でも2008年より販売スタートした「京ばあむ」は、京都宇治の抹茶・煎茶と京都の地下水で仕込んだ豆乳を使用したスイーツで、京都土産の定番商品と言われるほど人気を博している。工場見学&カフェレストランも「アトリエ京ばあむ」はそんな美十の本社隣接地にオープンする、“京都最大級”のお菓子のミュージアム。館内では、「京ばあむ」や店舗限定スイーツの販売、カフェレストランの併設に加え、「京ばあむ」の製造過程を通路から観ることができる「工場見学」や「バームクーヘン作り体験」なども展開する。1階:多彩なお土産スイーツを揃える「洋菓子工房」館内1階の「洋菓子工房」では、「京ばあむ」と同じ原料を使用したスイーツをはじめ、素材の味を生かしたスイーツが多彩に登場。自宅用にも贈り物にも最適なラインナップを取り揃えている。例えば「盆地すふれ」。京都産宇治抹茶、北海道産小麦粉、十勝産小豆、日本名水百選瓜割の水を使用して作り上げたスフレは、ふんわりしっとり食感に仕上げられている。また、「京ばあむ」と同じ京都産宇治抹茶を使用したロールケーキ「京ばあむロール」は、抹茶生地と豆乳生地の中に、抹茶のバタークリーム詰めた、贅沢な三層の味わいを楽しめる。ここだけでしか手に入らない香ばしいほうじ茶味の「京ばあむ」や、宇治抹茶を使用したハードタイプのバームクーヘン「宇治抹茶ピレネー」、施設のシンボル「トチの木」をイメージしたサクサクのパイ「トチの木パイ」などもおすすめ。限定パッケージの「京ばあむ」も要チェックだ。この他、1階では限定グッズも販売。てぬぐい専門店・かまわぬとコラボレーションした手ぬぐい「ばあむマイスター」は、京ばあむを焼き上げるまでに必要な道具の数々をモチーフにしたデザインが魅力。職人が伝統技法の「注染(ちゅうせん)」を施して、柄を表現している。また、お土産にもぴったりなロールシールも販売される。2階:「京ばあむ」の製造過程を見学「アトリエ京ばあむ」ならではの“学びのスポット”も要チェック。2階の工場に設置された見学通路からは、製造工程を覗き見ることができる。また、「京ばあむ」の工程についてイラストで紹介するほか、実際に使用していた道具の展示も行われる。3階:「京ばあむ」のアレンジスイーツが楽しめるカフェ3階は、美十が手掛けるスイーツをよりゆったりと楽しみたい人に訪れてほしい場所。展開されるカフェでは、京ばあむの新たな魅力を引きだしたスイーツプレートの他、コーヒーやジェラートを用意している。スイーツは、パティシエの世界大会「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」の日本代表・的場勇志がプロデュースした。特におすすめしたいのが、美しいビジュアルに目を奪われる「リッチプレート」だ。ミニサイズの京ばあむに、抹茶ジェラートやバニラクリームをトッピングし、アクセントにフランボワーズのコンフィチュールをあしらっている。気軽に楽しむなら「抹茶ジェラート」を選んでみては。京ばあむと同じ京都産宇治抹茶を使用したジェラートのほか、ミルクジェラート、季節のジェラート(ショコラ)を展開する。京都や「京ばあむ」の魅力を体験できる仕掛けなお、「アトリエ京ばあむ」の館内では、階段や壁、床や天井、什器や通路などのいたるところで京都や「京ばあむ」の魅力を体験できる仕掛けが満載。工場見学通路には、バームクーヘンの1/4を表現したアールの壁が採用され、そこを抜けて3階へと上がる階段には、まるで「京ばあむ」の中を通り抜けていくような演出が施されている。【詳細】「アトリエ京ばあむ」オープン日:2023年11月11日(土)住所:京都府京都市南区西九条高畠町1延床面積:約3,300㎡営業時間:1階 ショップ / 2階 工場見学 10:00~18:00、3階 カフェ 11:00~18:00(L.O.17:30)定休日:1F・2F なし / 3F なし(ただし、2023年12月~2024年2月の期間中は毎週火曜日定休)駐車場台数:約40台(近隣駐車場含む)
2023年08月05日京都銘菓「つぶあん入り生八つ橋おたべ」や「京ばあむ」などを製造・販売する株式会社美十(本社:京都府京都市、代表取締役社長CEO:酒井宏彰、以下「美十」)は、京都市南区本社の隣接地に、京都最大級となるお菓子のミュージアム「atelier(アトリエ)京ばあむ」を2023年11月11日(土)にオープンいたします。■「atelier京ばあむ」 とは「atelier京ばあむ」は、「京ばあむ」や当店舗限定スイーツの販売、カフェレストランの併設に加え「美十のお菓子作りに込める想い」を体感できる施設として、「京ばあむ」の製造過程を通路から観ることができる「工場見学」や「バームクーヘン作り体験」の実施を予定しています。訪れた方が「味わう・学ぶ・体験する」ことができる新たな観光名所として、京都洛南エリアの観光活性化にも貢献していくことを目指しています。■開業の背景2008年より販売を開始した「京ばあむ」は、京都宇治の抹茶・煎茶と京都の地下水で仕込んだ豆乳を使用した、京都産の原料にこだわったスイーツです。発売後、数々のメディアや口コミで紹介されるとともに多くのお客様から支持を得て、今では京都土産の定番商品と言われるようになりました。京都に訪れる修学旅行生や観光客からの人気も高く「全国旅行支援」が始まった2022年10月以降、販売数が伸張しています。このたび新設する工場では設備をさらに拡充し、生産能力が現在の約5割増となる見通しです。「美十のお菓子作りに込める想い」や、そして何よりも「京ばあむ」について楽しみながら知っていただきたいという考えから、店舗やカフェレストランを併設する「atelier京ばあむ」の開設に至りました。【施設概要】■施設名:atelier京ばあむ■住 所:京都市南区西九条高畠町1■開店日:2023年11月11日(土)■延床面積:約3,300平米工場に加え「京ばあむ」や店舗限定スイーツの販売、カフェレストランを併設した複合施設です。・1階:「京ばあむ」や店舗限定スイーツの販売、バームクーヘン作り体験・2階:工場、工場見学通路・3階:カフェレストラン「京ばあむ」ついて宇治抹茶と豆乳の三層が色鮮やかな京都発のバームクーヘンです。「生産者の顔がわかる原料で商品を作りたい」という想いから、契約農家で栽培された宇治抹茶を使用。そこへ煎茶を合わせた抹茶生地と、京都の地下水で仕込んだ京都産豆乳の生地を重ねました。小麦粉は口溶けの良い北海道産を使用しており、しっとりほわほわ食感が特長です。現在は「京ばあむ」をアレンジした商品や、素材(抹茶、豆乳)をそのままにサブレやチョコレートに進化させた「京ばあむ」シリーズとして親しまれています。株式会社 美十について株式会社美十は、「つぶあん入り生八つ橋おたべ」や「京ばあむ」をはじめとした観光みやげ事業に加え、“食”のフィールドにおいても幅広い事業展開を目指し、新たな挑戦を続けています。会 社 名 :株式会社美十本社所在地:京都市南区西九条高畠町35ー2設 立 :1965年(創業1938年)URL : 事業内容:観光みやげ事業/テーマパーク事業/OEM事業/洋菓子ブランド事業/海外事業 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年08月02日【音楽通信】第143回目に登場するのは、魅力にあふれる個性がきらめくハロー!プロジェクトの新世代アイドルグループ、OCHA NORMA(オチャ ノーマ)!OCHA NORMAが「この10人でよかった」写真左から、斉藤円香、田代すみれ、北原もも。【音楽通信】vol.1432022年7月に1stシングル「恋のクラウチングスタート/お祭りデビューだぜ!」でデビューした、OCHA NORMA。同年12月に「第64回 輝く!日本レコード大賞」新人賞を受賞、2023年に「第37回 日本ゴールドディスク大賞」の「ニュー・アーティスト・オブ・ザ・イヤー」と「ベスト5ニュー・アーティスト」の2部門を受賞するなど、注目を集めるハロー!プロジェクトのアイドルグループです。そんなOCHA NORMAが、2023年7月26日に3rdシングル「ちょっと情緒不安定?…夏/オチャノマ マホロバ イコイノバ ~昭和も令和もワッチャワチャ~/シェケナーレ/ヨリドリME DREAM(ミドリ)」をリリース。メンバーを代表して、斉藤円香(まどか)さん、田代すみれさん、北原ももさんにお話をうかがいました。リーダー 斉藤円香。2002年10月28日、埼玉県生まれ。O型。趣味はディズニーの映画鑑賞やグッズを集めること、テレビゲーム。――おひとりずつ自己紹介からお願いします。斉藤OCHA NORMAのリーダーをやらせていただいています、斉藤円香です。座右の銘は「和顔愛語」といって、穏やかな心で接するという意味の言葉で、物心ついたときから、父に「穏やかな心の女の子になってほしい」と言われていました。それからはずっと、この言葉を自分の胸に刻んでいます。田代田代すみれです。座右の銘は「失敗は成功のもと」です。何かを経験することで最初は失敗してしまうこともあるけれど、絶対にそれは自分にとってプラスになるので失敗を恐れずにやっていこう、失敗があってこその成功という思いを持っています。北原北原ももです。座右の銘は「いつも太陽のほうを向いて」というヘレン・ケラーさんの言葉。もともと私が下を向いてしまう性格なので、この言葉を聞いたときに「太陽のほうを向いて、前を向いて私も頑張っていきたいな」と思って、ハロプロ研修生の頃からずっとこの言葉を掲げて活動しています。――では続いて、メンバーのみなさんがどんなキャラクターなのか、本人以外のメンバーから他のメンバーのことを教えていただけますか?斉藤私、斉藤が思う田代すみれちゃんは、顔がまず美人すぎるということ(微笑)。すみれちゃんはハロプロ研修生からではなく、一般オーディションからOCHA NORMAに加入したので、当初活動で不安なことなどいろいろな相談を聞いていたんですが、デビューして1年経って、変わったなと。パフォーマンスもトーク部分も表情も堂々としていて、キラキラしているアイドルになったと思います。一方、ギャップがあるのは、楽屋でもすごく面白いですし、ワードチョイスにセンスがあります(笑)。田代ふふふ(笑)。斉藤円香ちゃんは私が加入したばかりの頃から助けてくれる存在で、うれしい言葉です。そして、私が見てきた北原ももちゃんを紹介しますね。すごくパフォーマンスがうまくて、ダンスにおいても自分の見せ方をよくわかっているから、見ていて気持ちいいですし、歌も本当に上手で、大好き。OCHA NORMAの中でも、パッションが効いているタイプです。田代すみれ。2005年6月16日、神奈川県生まれ。趣味は音楽を聴くこと、写真を撮ること。斉藤そう、ももちゃんは、OCHA NORMAに新しい味を加えてくれています。田代魅力的な存在ですし、楽屋でもよくお話しするんですが、ももちゃんは一見、美しくておっとりしている女性という感じがするのですが、話すと親しみやすくてすごく面白い。お笑い芸人さんが好きなので、そういうところから、日頃の面白さが出てくるのかも(笑)!?北原わぁ、うれしいですね(微笑)。すみれちゃんのことも面白くて尊敬しています。そして、私が思う斉藤円香ちゃんは、リーダーとしてとてもメンバーを支えてくれていて、本当にOCHA NORMAのリーダーが円香ちゃんでよかったなと思うんですよ。メンバー一人ひとりを思ってくれる優しさがあるから、連絡も頻繁にくれて、悩んでいるときも優しい言葉をかけてくれるんです。円香ちゃんは20歳で、メンバーの中では一番年上になるんですが、実は一番年下の15歳の筒井澪心(つついろこ)ちゃんよりも、精神年齢が若い(笑)!斉藤はははは(笑)。北原以前、円香ちゃんと澪心ちゃんと私の3人でディズニーランドに遊びに行ったんですが、一番円香ちゃんがワチャワチャしていて(笑)。一番場を盛り上げてくれる存在で、大好きです。――OCHA NORMAの前身は2019年7月に編成されたハロプロ研修生ユニットで、斉藤さんは最初からメンバーに選抜されていますね。その後、このハロプロ研修生ユニットを新グループとして、2021年6月には北原さん、12月には田代さんが加入されましたが、そもそもみなさんがハロプロに入ったきっかけは?斉藤もともと小さい頃からアニメが好きで、幼少期はテレビアニメ『イナズマイレブン』(テレビ東京系 2008〜2011年)にハマっていて、そのエンディングテーマを歌っていたのがBerryz工房さんだったんですね。それから歌が気になって、ハロー!プロジェクトを知って、さらにモーニング娘。さんにたどり着きました。当時、モーニング娘。さんに所属していた工藤遥さんをすごく好きになって、高校生の時にハロプロのオーディションを受けて落ちてしまったのですが、研修生へのお誘いをいただいて、加入しました。北原もも。2006年8月30日、東京都生まれ。A型。趣味は、もものグッズ集め、イラストを描くこと。田代小さい頃から、テレビ番組でスマイレージさんやモーニング娘。さんがパフォーマンスしているのをリアルタイムで観ていて、ハロー!プロジェクトの存在を知っていました。自分が成長していくにつれて、ハロプロからどんどん新しいグループが出てきて、すごく興味がわいて「私も入りたい」と思って、オーディションを受けたんです。ちょうどハロプロが新メンバーを応募していて、新グループの一期生というところにも憧れて加入しました。北原小学生の頃から『おはスタ』(テレビ東京系 毎週月〜金 午前7:05)という朝の子ども向け番組をずっと観ていて、そこに「おはガール」として出演していた当時アンジュルムの船木結(ふなきむすぶ)さんに朝から元気をもらっていました。番組では「ふなっき歌謡祭」という船木さんが歌うコーナーがあって、「アイドルっていいな」と、ハロプロでアイドル活動をしてみたいと憧れるようになって。母に話すと、モーニング娘。さんのオーディションがあることを教えてくれて、「絶対やってみたい」と挑戦しました。――みなさんいろいろなきっかけから志を抱いて、OCHA NORMAになったのですね。そして2022年7月にメジャーデビューされて、1年経ちましたが、デビュー以前と以降でグループの変化はいかがですか。斉藤メンバーは年齢も出身地も違って、私は結成時からの最初のメンバーで、加入時期が違うメンバーもいるOCHA NORMAですが「この10人でよかったな」と思いますし、この1年を通してグループとしての団結感がすごく増したと実感しています。やっぱりグループとして、たとえば「今回のシングルはこうしていきたいよね」などと話し合う機会も多いですし、話し合いやリリースやライブといったさまざまな活動を重ねるごとに、パフォーマンスでもOCHA NORMAらしさというものを確立してきているので、いまとても楽しいです。3rdシングルは広瀬香美らによる多彩な楽曲――2023年7月26日に、クアトロA面シングル(4曲A面扱いのシングル)「ちょっと情緒不安定?…夏/オチャノマ マホロバ イコイノバ~昭和も令和もワッチャワチャ~/シェケナーレ/ヨリドリ ME DREAM」をリリースしますが、まず「ちょっと情緒不安定?…夏」は、広瀬香美さん作詞作曲のアップテンポなナンバーですね。斉藤はい、広瀬さんに作っていただいただけあって、いままでのハロー!プロジェクトらしさとはちょっと違う感じもありながら、一度曲を聴いたらずっと耳に残るようなフレーズが印象的な曲になっています。最初に澪心ちゃんと西﨑美空(にしざきみく)ちゃんがアカペラふうに歌って、ギターがジャジャジャーン!と入る歌詞の部分があるんですが、そのとき「この曲が始まる!」というライブ感が味わえるところが好きで。私もパフォーマンスしながら、最初からボルテージマックスで聴けるところが、おすすめのポイントかもしれないですね。――同曲のミュージックビデオでは、プールや海辺で夏を楽しむ様子が映し出されていますが、撮影エピソードを教えてください。斉藤ミュージックビデオの撮影時、とても面白かったエピソードがあるんですが、本編では使われていないんですよ(笑)。それはみんなでアイスを食べるシーンで……。北原私と美空ちゃんと窪田七海(くぼたななみ)ちゃんの3人でプールサイドでワチャワチャするシーンがあって、本編ではビーチボールを持っているシーンになっていますが、もともとはアイスを食べるシーンだったんです。撮影は4月でまだ寒かったんですが、みんなでアイスを食べようとしたら、トンビが来て私のアイスを思いきりバクッと食べて、驚きを隠せませんでした!北原あっという間の出来事で、手元を見たらアイスが無くなっていて。その直後にビーチボールを持ってプールサイドの撮影をしているので、実はトンビにアイスを取られた直後だった、という事実をなんとなく感じ取ってもらえたら(笑)。――海辺にいるとトンビが食べ物をねらってきますよね! でもその動画、観たいです。斉藤たまたま米村姫良々(よねむらきらら)ちゃんが動画を撮っていたので、トンビにアイスをさらわれた瞬間が携帯に残っていて、私たちはみんなで共有しました(笑)。――続いて、昭和と令和の違いをダンスミュージックに乗せて歌う「オチャノマ マホロバ イコイノバ~昭和も令和もワッチャワチャ~」の、聴きどころは?田代この歌は全体的にカッコよくて面白い曲になっているんですが、歌以外にも、間奏部分が印象的な曲です。間奏では(バリの民族舞踊にルーツのある)ケチャを取り入れていて、ダンスの振り付けでは、ももちゃんを崇拝するようなところもあって。斉藤そう、「もも様〜!」というような感じで、祀っています(笑)。田代そんななか、みんなで「チャ、チャ、チャ、チャ」と言っていて、まさにワチャワチャしているところが好きなところです。――そして「シェケナーレ」は、7月から放送開始したTVアニメ『シャドウバースF(フレイム)』(テレビ東京系 毎週土曜 午前9時30分)のエンディングテーマとしても流れていますね。北原そうなんです。明るくて、曲中に「シェケ!」と言うところがあるんですが、思わず一緒に言いたくなるくらい、元気な曲になっています。「心躍るまま やってみようじゃん」というように勇気をくれる歌詞が多くて、私自身も歌っているときに、自分に向けても歌っている感じがしていて。なので、聴いていただく方々にも、自信を持ってもらえる曲になっていると思います。みなさんの前で披露する日が楽しみです。――歌詞に果物がいろいろと出てくる「ヨリドリ ME DREAM」は、応援歌のような印象です。斉藤この曲は、昨年11月の1stライブツアーで初披露して以来、ずっとライブ楽曲として歌ってきた曲なんです。果物の名前がたくさん歌詞に入っていて、私のパートでセリフのあるところがあって「お茶の間」と言うと、ファンのみなさんもライブで「お茶の間!」と返してくれて、すごく楽しい楽曲。この曲を歌うときは、衣装もカラフルな果物をイメージしたものを着ていて、鮮やかなOCHA NORMAになっています。――2023年8月5日からは、全国ツアー「OCHA NORMA CONCERT 2023 SUMMER 〜もっとグローイング・アップ!〜」を開催されますね。斉藤そうなんです。ツアー名が「もっとグローイング・アップ!」ということで、私たちが今春行ったツアーは「もっと」が無い「グローイング・アップ」ツアーだったので、まだ詳細は決まっていないんですが、今回はアンコール公演のようなものになるのではと。斉藤春からもっと進化したところを見せたいですね。とはいえ、現時点ではセットリストもまだなので、予想ですが前回は披露できなかった曲などもやるかもしれません。メジャーデビューしてから1年でのツアーでもあるので、成長した姿をお見せできればと思っています。――楽しみですね。ちなみに、徐々に現在コンサート会場での声出しが解禁になっていますが、春のツアーはどのような状況でしたか。斉藤大阪公演だけ、声出しOKでした。NHK大阪ホールで公演させていただいたんですが、めちゃくちゃ盛り上がりました!田代その前までは、声援無しのルールでライブをしていたんですが、大阪公演のときはハロー!プロジェクトの公式としても声出しが解禁になったときだったので、すごい迫力で。来てくださったみなさんが、頑張って声援してくださっていました。北原OCHA NORMAはコロナ禍でデビューしたので、ライブでも声援を聴いたことがなくて、ライブでみなさんからのコールはどうやって歌に入るんだろう? と思っていたんですが、大阪公演では統一感のあるコールを聴かせてくださって。やっぱりみなさん、さすがだな! と思いましたね。――では夏のツアーでは全国で声援が解禁となると、より手応えがありそうです。斉藤楽しみです!「みなさんに知っていただける存在になりたい」――お話は変わりますが、お休みのときはどんなふうに過ごしていますか。田代けっこう家で寝ることも好きなので(笑)、寝ていることもありますが、あとはお友達と遊ぶことが多いですね。カフェ巡りが大好きなので、よくお友達とカフェに行きます。甘党なので、最近はクリームメロンソーダがお気に入り。北原私は基本的に、母とふたりでいろいろな場所にお出かけに行きます。気分転換にイチゴ狩りに行ったり、高尾山に行ったり。あとは、お笑いが好きで、とくにランジャタイさんが好きなので、お笑いライブにもよく行きます。お笑いには、元気をもらっていますね。斉藤インドア派だったんですが、最近のお休みはずっと出かけています。もともとアニメやゲームが好きなので、映画館で好きなアニメの映画を観たり、アニメのコラボカフェに足を運んだり。――最近、どんな映画をご覧になったんですか?斉藤『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』というアニメ作品があるんですが、映画館でアニメのライブ映像を上映しているんです。「DAY1」と「DAY2」というふたつのバージョンがあって、それぞれセットリストも変わるので、ペンライトを持って、映画館で推しの名前を叫んで応援することを楽しんでいますね。――楽しそうです。現実にアイドルの斉藤さんが、映画館でアニメのアイドルを応援する姿は、まわりにバレていないのでしょうか。斉藤バレていないですね。でも、この前初めてアニメショップの前で、「ハロー!プロジェクトのOCHA NORMAの斉藤円香ちゃんですか?」と声をかけられて、ビックリして。初めて声をかけられたので、逆に感動しました(笑)!――きっとOCHA NORMAのみなさんの知名度が上がっているんですね?斉藤うれしいですね。――みなさん、こだわりのコスメやお気に入りのファッションはありますか。斉藤私が好きなコスメは、マスカラです。「Milk Touch」という韓国発のコスメなんですが、まつげが長く見えるのでけっこう使っています。これまではマスカラをコロコロ変えていたんですが、いまはずっとこれだけで本当にお気に入り。お洋服は、スナイデルさん、リリーブラウンさん、ノエラさんといった20代のきれいな女性が着るような服を着るようにしていて。私は精神年齢が低いほうなので(笑)、服装は大人っぽいものを選んでいます。田代スキンケアにこだわっていて、メイクをする前のスキンケアを頑張っていますね。TWICEのメイクさんが監修されている『ウォンジョンヨ』というコスメブランドのシートパックがあって、そのシートをして肌を冷やしてから下地を塗り始めると、とても肌の調子やメイクのりがよくなるんです。だから、欠かさずシートをストックしていますね。お洋服は、最近古着が好きで、服や雑貨を裏原宿にあるお気に入りのお店で見ています。古着以外に、ジュエティさんというブランドのお洋服が好きで、ちょっと個性的で可愛いらしさもあるファッションにハマっていますね。北原私が愛用しているコスメは、韓国コスメ「CLIO(クリオ)」のアイシャドウでピンクの01番です。いろいろなコスメを転々としても、結局これに戻ってきて、アイシャドウが入っている容器の底が見えるくらい、使っているんです(笑)。斉藤なかなかアイシャドウでひとつのものを使い続けるって、ないよねぇ?田代うん、似たような色を買うことも。北原ずっとこのアイシャドウがお気に入りで、リピートし続けています。あとファッションは、個性的な人になりたいです。新曲の「ちょっと情緒不安定?…夏」の歌詞は、メンバーに合った内容になっているらしいんですが、Aメロに「お洒落したつもりでも独特だねと」という私が歌っているパートがあって。いまその歌詞をいただいて、歌詞に似合う人になりたいなと思うようになりました。そういえば、ハロプロ研修生の頃は、服から靴、リュックまで全身紫色でコーディネイトしていた時代があって(笑)、それも個性的かなと着こなしていたつもりでしたね。斉藤面白すぎる(笑)。ももちゃんはスタイルと顔がいいから、どんな服を着ても似合っちゃうんです。北原「あの歌詞が合っているね」と言われたくて、いまはけっこう頑張っているんですけど(笑)。あの頃に戻って「独特だね」と言われたいから、ファッションセンターしまむらさんで服を買ってコーディネイトしてみたりと、工夫をしています。ときどき母のおさがりを着てみたり、あまりほかの人がしないようなこともしていますね。――いろいろなお話をありがとうございました。では最後に、おひとりずつの抱負と、リーダーの斉藤さんからは代表してグループの目標を教えてください。斉藤今年は10月に21歳になるので、今年こそ大人っぽくなりたいですね。とはいえ、はやく大人になりたいということではなく、落ち着きのある人間になりたい。話すときにけっこう早口になってしまったり、時間がなくてバタバタしてしまったりすることも多いので、落ち着きがありつつ無邪気な最年長になれたらなと思います。田代OCHA NORMAが結成から2年目になるということで、私たちの存在をもっと広めていきたい、大きくなりたいと考えていて。グループのひとりとして、パフォーマンスを含めたさまざまな活動で、たくさんの方に知っていただけるように努力していきたいですね。北原憧れの先輩、船木結さんが歌もダンスもトーク力も完璧で、オールラウンダーの船木さんのようになりたくて。私は歌もダンスもトーク力も飛び抜けてうまいわけではないので、それぞれをしっかりとできるように頑張りたいですね。そして先日、新メンバーオーディションが発表されて、2024年に新グループが結成されてデビューするんです。いままではOCHA NORMAが「フレッシュで元気なグループだね」と言われてきましたが、今後はよりフレッシュな新グループができるので、私たちは何かの個性を持てるように10人で頑張りたいです。斉藤OCHA NORMAとしての抱負は、今年の7月でデビュー2年目になるので、すみれちゃんも言ってくれましたがみなさんに知っていただける存在になるよう、頑張りたいです。メンバーの中山夏月姫(なかやまなつめ)ちゃんがいま、出身地の石川県加賀温泉郷の観光大使をやっているのですが、メンバーそれぞれ地元のお仕事にも力を入れ始めているので、OCHA NORMAは出身地が全員違うところも生かして、各個人でも地元での活動もしていけたらいいなと。たとえばSNSを活用していくような小さな活動からも、努力していきます!取材後記ハロー!プロフェクトの新星アイドルグループ、OCHA NORMAから、ananwebには斉藤円香さん、田代すみれさん、北原ももさんが登場。デビュー前からライブを観たり、デビュー当時も取材をしたり、この1年を通して活動を拝見して、みなさんアイドルとしての輝きが増しているように感じました。今回お話をうかがったみなさんも三者三様に魅力があり、グループとしてもこれからさらに羽ばたいていくでしょう。OCHA NORMAのニューシングルをぜひチェックしてみてくださいね。写真・園山友基取材、文・かわむらあみりOCHA NORMAPROFILE「OCHA NORMA」とは、みんなが集うほっとする場所(お茶の間)と、ラテン語で「規準/ 基準」という意味の(NORMA/ノルマ)をかけあわせた造語。お茶の間を楽しませる、新世代のスタンダードとなるような存在になってほしい、という願いが込められている。2019年7月、ハロプロ研修生から、デビューに向けてより実践的な活動を通してスキルアップを目指すハロプロ研修生ユニットが編成。米村姫良々、石栗奏美、窪田七海、斉藤円香が選抜される。2021年3月 ハロプロ研修生ユニットの4名が新グループのメンバーに選ばれ、メンバーを増員して年内結成を目指すことが発表される。6月、新グループのメンバーに中山夏月姫、広本瑠璃、西﨑美空、北原ももが選ばれる。12月、オーディションにより田代すみれ、筒井澪心が選ばれ、メンバー構成が決定。同時にグループ名も発表。2022年7月、1stシングル「恋のクラウチングスタート/お祭りデビューだぜ!」でメジャーデビューを果たす。11月、2ndシングル運命「CHACHACHACHA~N/ウチらの地元は地球じゃん!」をリリース。2023年7月26日、3rdシングル「ちょっと情緒不安定?…夏/オチャノマ マホロバ イコイノバ 〜昭和も令和もワッチャワチャ〜/シェケナーレ/ヨリドリME DREAM」をリリース。8月15日より全国ツアー「Hello! Project 2023 Summer CITY CIRCUIT」を開催。InformationNew Release「ちょっと情緒不安定?…夏/オチャノマ マホロバ イコイノバ 〜昭和も令和もワッチャワチャ〜/シェケナーレ/ヨリドリME DREAM」(収録曲)01.ちょっと情緒不安定?…夏02.オチャノマ マホロバ イコイノバ 〜昭和も令和もワッチャワチャ~03.シェケナーレ04.ヨリドリ ME DREAM05.ちょっと情緒不安定?…夏(Instrumental)06.オチャノマ マホロバ イコイノバ 〜昭和も令和もワッチャワチャ~(Instrumental)07.シェケナーレ(Instrumental)08.ヨリドリ ME DREAM(Instrumental)2023年7月26日発売*収録曲は全形態共通。(通常盤A)EPCE-7765(CD)¥1,400(税込)[特典]トレーディングカードソロ10種+集合1種よりランダムにて1枚封入(ちょっと情緒不安定?…夏 Ver.)。(通常盤B)EPCE-7766(CD)¥1,400(税込)[特典]トレーディングカードソロ10種+集合1種よりランダムにて1枚封入(オチャノマ マホロバ イコイノバ~昭和も令和もワッチャワチャ~ Ver.)。(通常盤C)EPCE-7767(CD)¥1,400 (税込)[特典]トレーディングカードソロ10種+集合1種よりランダムにて1枚封入(シェケナーレ Ver.)。(通常盤D)EPCE-7768(CD)¥1,400 (税込)[特典]トレーディングカードソロ10種+集合1種よりランダムにて1枚封入(ヨリドリ ME DREAM Ver.)。(初回生産限定盤A)EPCE-7757(CD+BD)¥2,310 (税込)[特典]BD付。(内容)ちょっと情緒不安定?…夏(Music Video)、ちょっと情緒不安定?…夏(Dance Shot Ver.)、ちょっと情緒不安定?…夏(メイキング映像)。(初回生産限定盤B)EPCE-7759(CD+BD)¥2,310(税込)[特典]BD付。(内容)オチャノマ マホロバ イコイノバ 〜昭和も令和もワッチャワチャ~(Music Video)、オチャノマ マホロバ イコイノバ 〜昭和も令和もワッチャワチャ~(Dance Shot Ver.)、オチャノマ マホロバ イコイノバ 〜昭和も令和もワッチャワチャ~(メイキング映像)。(初回生産限定盤C)EPCE-7761(CD+BD)¥2,310 (税込)[特典]BD付。(内容)シェケナーレ(Music Video)、シェケナーレ(Dance Shot Ver.)、シェケナーレ(メイキング映像)。(初回生産限定盤D)EPCE-7763(CD+BD)¥2,310 (税抜価格 ¥2,100)[特典]BD付。(内容)ヨリドリ ME DREAM(Music Video)、ヨリドリ ME DREAM(Dance Shot Ver.)、ヨリドリ ME DREAM(メイキング映像)。写真・園山友基 取材、文・かわむらあみり
2023年07月25日【音楽通信】第142回目に登場するのは、グループとして主要音楽チャートで1位を獲得し続け、メンバー個人でもドラマや映画で活躍し、飛躍を続けるグローバルボーイズグループ、JO1!一番影響を受けたのはK-POPアーティスト木全翔也(きまたしょうや)。2000年4月5日、愛知県生まれ。A型。身長172cm。【音楽通信】vol.142サバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』発のグローバルボーイズグループ、JO1。2020年3月に発売したデビューシングル『PROTOSTAR』以降、これまでに発売した7作のシングルすべてが主要音楽チャートで1位を獲得し、昨年末には「第73回 NHK紅白歌合戦」に初出場を果たすなど、その人気は加速するばかり。グループとしての音楽活動はもちろんのこと、メンバー個人でのドラマや映画の出演など、ジャンルレスで活躍の幅を広げるJO1が、2023年7月24日にニューシングル「NEWSmile」をリリース。今回、メンバーを代表して、木全翔也(きまたしょうや)さんに、お話をうかがいました。――11人のメンバーからなるJO1ですが、そもそも木全さんご自身が影響を受けたアーティストから教えてください。いろいろなアーティストの方の音楽を聴いてきましたが、一番影響を受けたのは、K-POPのアーティストさんたちです。オーディションを受けようと思ったのも、韓国発のサバイバルオーディション番組「PRODUCE 101」の日本版ですし、もともとWanna One(ワナワン)さんなど韓国のボーイズグループのダンスミュージックに魅了されていたことがきっかけでした。――音楽の道を志して、すぐにオーディションを受けたのですか。はい、僕は初めて受けたのがこのオーディションなので、運が良かったです。――JO1が結成され、2020年3月にデビューされて今年は全国アリーナツアーやアジアツアーの開催もするなど、快進撃を遂げていますね。コロナ禍で大変な時期もあったのですが、もうずっと駆け抜けてきている感じがあります。ただ、個人的なところで言うと、4月に23歳になったので、今後は貯金を頑張りたいと思っているんですよね。――貯金するのは堅実で良いことですが、欲しいものを買いたくなることはないんですか?もう欲しいものはだいたい買いました(笑)。だから、今後は貯金がしたいな。新曲は「爽やかなポップナンバーで聴き飽きない」――2023年7月3日から先行配信されていますが、7月24日にシングル「NEWSmile」がリリースされますね。「NEWSmile」は、ハッピーな曲に仕上がっています。まずメンバーで曲選びをするところからは初めて、セルフプロデュースをさせていただきました。――どのような点を意識して、曲を完成させていったのでしょうか。今年の4月から、『めざまし8』さん(フジテレビ系 毎週月〜金曜 午前8時)のテーマ曲として起用していただいているので、朝の番組だということを意識しました。曲を選ぶ段階でどの曲が一番いいかな、合うのかなと、話し合いましたね。曲を決めてから、メンバー5人で詞を作っていって。明るい朝感のある、ハッピーになるイメージで作詞していきました。――番組とマッチしている爽やかな楽曲だと感じました。具体的にどのように作詞されたのですか?書けるだけ書いてきて、と伝えられていました。フルで書いたのは、僕と(河野)純喜くん。他のメンバーもやりたいところを書いてきて、それぞれが歌詞を持ち寄っていい感じに分けてって感じですね。――では、作詞をご担当されたのは、木全さん、河野さん、あとは?あと與那城奨、金城碧海、大平祥生の5人です。――持ち寄ったものをひとつの作品にするのは、難しくなかったですか?みんなの曲のイメージが合っていたので、そんなに大変ではなかったです。ここにあった歌詞を別に移動させる、というようなちょっとした入れ替えだけありました。――木全さんは作詞をされる際、どのように形作っていかれたのですか。僕は、テーマをもとに考えていきました。この曲は3時間ぐらいで歌詞を書いて、その日に終わらせました。でも、本当に歌詞が思い浮かばないときもあって、そんなときは何時間やってもできないです。そういった意味においては、今回タイミングがちょうど良くて、「こんなワードが出てきた!」というように、すぐにフレーズが浮かんできました。――コンディションもばっちりだったんですね。では、完成した楽曲にどんな印象をお持ちになっていますか。先日ミュージックビデオも撮影されたそうですね。すごく爽やかなポップナンバーになっています。何回聴いても、聴き飽きないですね。ミュージックビデオは、大きな施設を貸し切って撮影しました。全体的にポップな世界観に仕上げていて、色合いも爽やかで曲に合っています。――今回、楽曲の新しい楽しみ方の提案ということで、“音楽が聴けるグッズ”が発売される期間限定ショップの展開がありますね?そうなんです。日本では、新曲を発売するというと、CDとして発売することが多いですよね。でももしかしたらいろいろなアーティストさんも、CD以外の形で、曲を出したいと思っている方もいると思うんですが、現状ではあまりそういった発売方法はメジャーではないんですね。それを僕らがこうしてショップを展開させてもらえるのは、すごく貴重だしうれしいことだなと。今回はこのグッズが音楽のCD代わりになります。――グッズから音楽が聴けるというのは具体的にどのように?グッズにQRを付けているので、それを読み取ると、新曲が聴けます。韓国ではけっこうスタンダードな音楽の発売方法なんですよ。いまはサブスクで聴く方も増えていますよね。なので今回は、CDを買うのではなく、音楽も聴けて日常使いができるグッズも手に入るという、サステナブルなものを展開しようとなりました。――日本では面白い試みですね。グッズは、メンバーそれぞれのキャラクターに合ったドアノブカードや、マグカップ、メモ帳、トイレットペーパー、ジャムといった趣向を凝らしたラインナップになっています。どれもおうちに飾るだけでもけっこう映そうなグッズなので、インテリアグッズを買いに来るような感覚で来てもらってもいいのかなと思いますね。――画期的です。そういえば最近、2023年5月に韓国で開催された「第29回 DREAM CONCERT」に、ITZYら19組のK-POPアーティストが一同に会すなか、JO1は唯一の海外アーティストとして出演されましたし、同イベントの日本版が6月にさいたまスーパーアリーナで開催されましたね。釜山は会場が野外で天気も良かったので、遠くのお客さんまで全部見えました。僕らの名前を書いたボードを持ってきてくれている方もいて、うれしかったですね。韓国では、ライブ中のカメラ撮影がOKだったので、みなさんが撮影している様子も全部見えて、レンズに向かってちょっとアクションしたりも楽しかったです。――日本の会場には、MCとしてユク・ソンジェさんや、豪華な参加アーティストが集結しました。僕、ソンジェさんがボーカルのグループBTOB(ビートゥービー)が好きなので、MCでいらしてびっくりしました!日本ではやっとライブで声出しがOKになったので、集まってくださったお客さんも曲に合わせて掛け声をしてくださって、うれしかったです。JO1として「ずっと走り続けていきたい」――お話は変わりますが、木全さんは、多趣味でいらっしゃるんですよね?はい、音楽を聴いたり、作曲をしたり、バイクに乗ったり。いろいろなことに興味がありますね。――では、最近新たにハマったことはありますか?料理ですね。わざわざレシピを見なくても、一度食べたことがある料理だったら「あ、これが入ってるんだな」と、ある程度は感覚的に調味料もわかると言いますか(笑)。――食べただけで、レシピを見ずに自分でも同じ料理が作れるなんて、すごいですね。普段から食べることが好きで、好き嫌いもないから、味を覚えてしまうのかもしれません。――最近作った料理はなんですか?たこ焼きを作りました!高校時代、たこ焼き屋さんでアルバイトをしていたので、作るのは得意なんです。――たこ焼き、いいですね! お友達と一緒に食べたんですか?ひとりです(笑)。自分のたこ焼き器があるので、食べたくなって、作りました(笑)。――いいですね〜。ちなみに今日はお衣装ですが、普段こだわりのファッションなどありますか。こだわりといえば、靴ですね。その日のファッションは、服からではなく、靴から考えてコーディネイトします。今日はこの靴を履きたいから、こんな服を着ようかなって。プライベートでは、今日の衣装ほど派手ではないですが(笑)、こういう感じも好きですね。ひじまであるオレンジ色の長い手袋を持っているんですが、気に入っていて冬には普段、つけるときもありますね。――ステージではダンスパフォーマンスも披露されますが、カラダ作りやコンディションをキープするために心がけていることはありますか。太らないように夜ご飯をちょっと少なくしたりはしますね。あとはプールによく行きます。最近、筋力アップできる負荷のついた水泳グローブを買いました。このグローブをつけて泳ぐと、ものすごく良い筋トレになるので、効率良く水の抵抗を重くして、筋力を上げていますね。――そのグローブをつけて、どのぐらいの距離を泳ぐんですか?25メートルはふつうに泳ぎますね。でも、疲れたな、と感じるぐらいまでいつも泳ぐようにしていて。水の抵抗が強いので、全身運動になっています。――いろいろなお話をありがとうございました。では、今後の抱負といえば?JO1としては、小さくてもいいので、いろいろなところでライブをたくさんやりたいですね。僕個人としては貯金を……(笑)。――最後に、J-POPとK-POPの良さを両方持ちあわせているJO1ですが、木全さんにとってグループはどんな存在でしょうか。これまでもこれからも、JO1は良い意味で突っ走っている存在です。ずっと走り続けていきたいですね。取材後記国内外で活躍の幅を広げている、グローバルボーイズグループのJO1。今回、新曲の作詞をメインで手がけたメンバーの木全翔也さんがananwebにご登場くださいました。ビタミンカラーのお衣装に負けない快活さで、元気に撮影やインタビューにトライ。23歳になり、貯金にご興味があるというお話も印象的でした。木全さんをはじめとして、今後もますます飛躍される姿を見せてくれそうなJO1のニューシングルを、みなさんもぜひチェックしてみてくださいね。写真・園山友基取材、文・かわむらあみりJO1PROFILE©LAPONE Entertainmentサバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』で、約3か月にわたる熾烈な競争を繰り広げ、番組視聴者となる“国⺠プロデューサー”累計約6,500万票の投票により選ばれた11人による、グローバルボーイズグループ。2020年3月に発売したデビューシングル『PROTOSTAR』以降、これまでに発売した7作のシングルすべてが主要音楽チャートで1位を獲得。海外では、アジア最大級の音楽授賞式「2022 MAMA AWARDS」にて“Favorite Asian Artist”を日本人アーティストで唯一受賞。さらに「WEIBO Account Festival 2022」にて“優秀男性グループ賞”を受賞。2022年の年末には「第73回 NHK紅白歌合戦」に初出場を果たす。2023年7月24日、ニューシングル『NEWSmile』をリリース。メンバー個人でのドラマや映画の出演など、多方面での活躍を広げるなか、8月からは全国6都市13公演 のアリーナツアー、さらにはアジアツアーの開催が決定している。Information©LAPONE EntertainmentNew Release「NEWSmile」2023年7月24日発売写真・園山友基 取材、文・かわむらあみり
2023年07月11日リビングなどの床に敷くカーペット。フローリングと比べて歩いた時の感触が優しく、足音や転倒時の衝撃も吸収してくれます。便利なため多くの家庭で愛用されていますが、カーペットの選び方や手入れの方法など、あまり知らずに使っているかもしれません。カーペット選びの参考に!カーペットの需要の振興などに取り組む『日本カーペット工業組合』は、ウェブサイト上でよくある質問と回答を紹介しています。カーペットの色がむらになる?カーペットの毛足には、毛先がループ状になった『ループパイル』のほかに、カットして整えた『カットパイル』があります。ふわふわとした柔らかな手触りが人気ですが、カーペットをなでるなどした際、色むらのような不思議な模様ができてしまうことも。※写真はイメージこの件について、同組合は次のように説明しています。色むら(※業界用語=くも)のように見えることがありますが、大丈夫ですか?カットパイルは、使用中にパイルの方向が部分的に異なり、雲状の色むらのように見えることがあります。この現象はカットパイルの性質であり、これは品質上の欠陥ではありません。日本カーペット工業組合ーより引用『カットパイル』の毛先が一部、別の方向を向いている時に、色むらに見えるとのこと。実際に色むらがあるわけではなく、品質に問題がなければ安心ですね!ほつれの解決方法同組合は、カーペットがほつれた時の整え方も紹介しています。犬や猫などのペットと暮らしていると、爪がカーペットの毛足に引っ掛かってしまうことがありますよね。そんな時、元通りにするのは難しいですが、このような手入れをすれば大丈夫だそうです。ほつれたときは、どうしたらいいですか?パイルがほつれた場合、ほつれの伝線を防ぐためにすぐにはさみでカットしてください。日本カーペット工業組合ーより引用「毛先をカットしたら、もっとあちこちほつれないかな?」と思っていた人もいるかもしれませんが、心配ご無用!カーペットの毛足が引っ張られ、飛び出ていたら、周囲の毛と同じ高さにカットしておけば大丈夫とのこと。カーペットを使っている時のもやもやが解消されると、今まで以上にリラックスして、座ったり横になったりできそうです。[文・構成/grape編集部]
2023年07月07日公益財団法人ソニー音楽財団は、音楽を通じた教育活動に取り組んでいる団体の活動を助成する「ソニー音楽財団 子ども音楽基金」の第5回(2024年度)募集を2023年6月15日(木)より開始いたしました。「ソニー音楽財団 子ども音楽基金」の第5回(2024年度)募集開始「ソニー音楽財団 子ども音楽基金」は、子どもたちが音楽を通した体験や活動に触れることで、感動する心を育てることを目的とした助成事業です。地域・環境・経済状況に左右されることなく音楽に触れることのできる社会を目指し、2019年に設立いたしました。これはSDGs(持続可能な開発目標/Sustainable Development Goals)で掲げられた「2030年までに世界が達成すべき17の目標」のうちの4番目の目標である「質の高い教育をみんなに」にも通じるものです。当財団は、1984年の設立以来、「Concert for KIDS~0才からのクラシック(R)~」「10代のためのプレミアム・コンサート」など、未就学児から青少年までを主な対象としたクラシック・コンサート事業を展開し、2022年には世界最大級のクラシック音楽の祭典「こども音楽フェスティバル」を開催しました。2020年には「ソニー音楽財団 新型コロナウイルス対策特別支援プロジェクト」をスタート。新型コロナウイルスの影響を受けている団体や若手演奏家、そして音楽に触れる機会を失った子どもたちを支援すべくYouTubeチャンネル「こどものためのクラシック」を立ち上げ、楽しくかつ質の高いクラシック音楽動画コンテンツの制作や、お子さまとそのご家族が気軽にクラシック音楽を楽しめる無料モバイルアプリ「子育てクラシックナビ」の配信等を実施しています。【ソニー音楽財団 子ども音楽基金概要】(1)名称:ソニー音楽財団 子ども音楽基金(2)設立年月日:2019年5月22日(3)助成の対象:日本国内の、原則として18歳未満の子どもを対象に、音楽*を通じた教育活動に取り組んでいる国内の団体およびその活動*原則としてクラシック音楽およびそれに準ずるもの(4)選考委員(五十音順):※=新任委員:神原 雅之※京都女子大学教授元国立音楽大学教授同大学元副学長久保山 茂樹※独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所インクルーシブ教育システム推進センター上席総括研究員(兼)センター長志民 一成文部科学省初等中等教育局教育課程課、文化庁参事官(芸術文化担当)付教科調査官国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部 教育課程調査官山野 則子※大阪公立大学教授スクールソーシャルワーク評価支援研究所 所長渡辺 元公益財団法人助成財団センター 理事立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科 客員教授(5)助成金額 : 1団体につき10万円から300万円(年度毎)(6)助成対象期間 : 2024年4月1日(月)~2025年3月31日(月)(7)第5回(2024年度)応募期間: 2023年6月15日(木)から7月18日(火)17:00まで(8)応募方法 : ウェブサイトより応募書類をダウンロードして応募*募集内容詳細は、ウェブサイトの「募集要項」をご覧ください。(画像はプレスリリースより)【参考】※公式サイト
2023年06月16日【音楽通信】第141回目に登場するのは、心の奥深くに刺さるメッセージ性の強い歌詞と情感豊かなギターで熱烈な支持を獲得している、結成15周年を迎えた2人組、MOROHA(モロハ)!高校の同級生同士で上京後に結成写真左から、アフロ(MC)、UK(G)。2008年に結成。【音楽通信】vol.1412008年に結成された、ラッパーのアフロさんとアコースティックギターのUKさんからなる、MOROHA。おたがいの持ち味を最大限に生かすため、楽曲制作やライブともにギター×MCという最小の編成で臨み、グッと心の奥深くに刺さる歌詞と、変幻自在で情感豊かなギターに心奪われます。2016年に自身のレーベル「YAVAY YAYVA RECORDS」からアルバム『MOROHA III』をリリースし、2019年にメジャー初となるオリジナルアルバム『MOROHA IV』を発表。2022年には日本武道館単独公演が大成功と、活動を続けるうちに一般の方はもちろんのこと、芸能界でもMOROHAファンを公言する方が続出するなど、そのスタンスや楽曲が熱い支持を得ています。そんなMOROHAが、2023年6月7日に5枚目となるオリジナルアルバム『MOROHA V』をリリースされるということで、音楽的ルーツも含めてお話をうかがいました。――そもそもおふたりが音楽にふれたきっかけや、影響を受けたアーティストから教えてください。アフロもともとはテレビで流れる曲や流行りの歌を聴いていて、人並みに音楽好きでしたね。小学校5年生ぐらいのときからJ-POPのチャートにラップが入り始めて、Dragon AshやRIP SLYME、KICK THE CAN CREWなどを聴くようになって「この音楽カッコいいな」って。そういったグループの音楽はもちろん、ファッションや振る舞いにも憧れて、そういう感じになりたいな、と思ったことが音楽の道を意識する一歩目だったような気がしますね。アフロ(MC)。1988年1月7日、長野県生まれ。ナレーターや文筆家としても活動中。UKもともとピアノをやっていたのでクラシックをよく聴いていて、ポップスはテレビから流れてくる音楽ぐらいしか知らなかったんです。でも、僕には兄がいて、兄が聴いている音楽の影響を受けていました。小学校の低学年の頃にX JAPANを好きになって、初めてバンドサウンドに触れて、衝撃を受けて。ギターのhideさんに憧れたこともあって、音楽の道を目指すようになりましたね。――ギターはいつから弾くようになったのですか。UKギターは15歳ぐらいのときからですね、高校1年生の頃です。X JAPANの曲をコピーしたり、あとは流行っている曲をカバーしたりしていました。――その後、アフロさんとUKさんでMOROHAを2008年に結成されたきっかけは?UKもともと高校の同級生だったんですよ。僕は音楽をやっていて、地元の長野から上京していて。一方、アフロもラップをやるようになって上京して。そのうち僕はバンド活動がうまくいかなくなって、アフロはラップクルーがなくなったときに、一緒に遊んだタイミングがあったんです。それで「ノリで1曲やろうか」と、遊び半分にふたりで曲を作ってやってみたら、意外と良くて。それがきっかけで、「真剣にやろうぜ」とふたりで音楽を作りだしたのがきっかけです。UK(G)。1987年5月14日、長野県生まれ。ゆず、MY FIRST STORYなどの楽曲にも参加。――2010年には、曽我部恵一さんが主宰するROSE RECORDSからインディーズデビューアルバム『MOROHA』をリリースされましたが、曽我部さんとの出会いは、音楽活動に弾みがつく契機だったのでしょうか。アフロそうですね。まずミュージシャンにとってCDを出すことは、すごく特別なことでしたから、うれしい出会いでした。――2023年の今年、結成15周年になりました。15年という道のりは重みがありますが、意外とアッという間だったようなところもあるのでしょうか。UKいやぁ、長かったですよ(笑)。まだ音楽をやっているか、とも思いますね。とはいえ、15年間濃密にやってきて、果たして最短距離で来ていたのかな、と15年の長さを感じます。どのぐらいの期間が何をもって最短なのかはさておき、いま自分のいる現状が15年経った最速の位置にいるのかどうかは、考えることはあって。たとえば、同じ道のりを2、3年でやってのける人もいるかもしれない。だから、そういう意味では、いま5枚目のアルバムを出すというのは、長い道のりだったかなと。でも、いままでの活動において後悔はないので、すごく充実した15年だと感じています。――ドラマ『宮本から君へ』(2018年)のエンディングテーマとなった楽曲「革命」などは、岡本圭人さんやSixTONESの髙地優吾さん、JO1の川尻蓮さんほか、芸能人の方からも数多く支持されていますね。多くの方にMOROHAの楽曲が届いている率直なお気持ちは?アフロめっちゃうれしいですね。たとえば15年前からではなくても、最近僕らのことを知ってくれた方もいて、それはやっぱり続けてきたからこそ、出会えたわけであって。本当は多くの方にMOROHAを知ってもらうには、UKがさっき言ったような、もっと最短の距離での出会いがあったんじゃないかという思いもあります。でも、いつも遅すぎることはないから。どのタイミングでみなさんとMOROHAが出会っても、その先があると思うと、新しい出会いがあることも続けてきた結果だなと思いますね。「音楽を聴くぞ」という姿勢で聴いてほしい――2023年6月7日に、5枚目のオリジナルアルバム『MOROHA V』をリリースされます。前作から4年ぶりのアルバムということで、いまこのタイミングで出そうと思っていらっしゃったのですか。アフロいや、もう曲作りするのが遅くて、いまになりました! 出せるんだったら、毎月出したいぐらいなんですが、シンプルにアルバムが完成するまでに4年かかったんです。偶然15周年に当たったので、あわせて盛り上げようという感じですね。――収録曲の3曲目「俺が俺で俺だ」は、自分から自分へ宛てた手紙のような印象ですが、ミュージックビデオには幼少時のアフロさんが本名で新聞に掲載された映像が出ています。アフロ小学5年生のときに、地元長野の「信濃毎日新聞」に載って、10年後の僕へと書いたんだったかな。UK20年後じゃない?アフロそうか、20年後の僕へ、というテーマだったんですよね。大人になったら、プロ野球選手になっていると書いてあったんです。実際に大人になって、ちょうどその記事を見つけたタイミングが、ちょうど20年後頃で。すごく新鮮で生々しくメッセージが届いたので、「うわ、ごめん! 野球選手にはなれなかったよ」と、それに対してちゃんとアンサーを書こうかなという気持ちで書いた曲ですね。たぶん多くの人が小学5年生のときに描いた未来とは違うものになっているだろうから、共感してもらえるような内容なんじゃないかなと思います。――6曲目「花向」は、穏やかなメロディの叶わない想いを綴るラブソングです。アフロこの曲は不倫の曲なんですが、身近にそういう境遇の友達ができて、結婚自体の良し悪しではなく制度自体に、人間の本能に反する側面もあるのかなと。それと、相手とぶつかったときに、しんどい思いもするし、心も動くはず。だから、その瞬間の思いはやっぱり曲になるよね、というところから書き始めたものです。仮に既婚者ではなく、彼がいる女の子を好きになってしまったときの気持ちにもつながりますが、今回は「あの指輪 引ったくり空へと奪い去れ」というフレーズもあって、既婚者にあてはまる。叶えちゃいけない恋というのは、状況はさておき、みんな何かしらにあてはまるし、僕もありますね。――そもそもMOROHAは、いつもどのように曲を作っていかれるのですか。UK一緒に作っています。僕は曲を作っているので、曲のフレーズや展開を考えて構築している間に、アフロは歌詞を考えていて。ある程度仕上がった段階で、「せーの!」で一緒に曲を作り上げていくという感じです。せーのでやってみて、良かったらそのままいきますし、ダメだったら1回作り直したり、そういうことの繰り返しですね。――MOROHAさんの曲は、たとえばドラマの劇伴を作るような感じで、アフロさんのしっかりとした世界観が確立された歌詞を軸に、UKさんが曲を作っていらっしゃるのかな、と思ったのですが、「せーの」で作っているんですね。UKそうです。基本的にいつも考えているのは「良いメロディを作ろう」ということ、一心です。その前に、歌詞にハマるハマらない問題もありますが。「花向」だったら、不倫や失恋の歌に対して、あまりにもはねてポップな曲はニュアンスとして違う。優しい曲調とはいえ、その優しさにもいろんな種類があると思うので、そういう繊細なところを歌詞と組み合わせたうえで、せーので合わせています。そこで、ふたりの実感としてちょっと肌感が違うとなった場合、メロディを変えたり、ギターフレーズをまるごと違うものに変えてみたりしていますね。――8曲目「ネクター」は、アフロさんご自身の家庭環境について描かれているそうですね。アフロいままでの曲は、家族に対して良い部分を歌ってきたんです。優しいじいちゃんと、あったかい家族という感覚での曲で。どの家族もそうだと思うんですが、キツいときもあれば、良い時もあって、一色ではない。いままで良いところばっかり書いてきたけれど、おじいちゃんが亡くなったタイミングもあって、自分が体験したけれどイヤだったことをなかったことにはできないなと。音楽活動は、自分の生きざまを晒す職業だと思っているので、良いことばかりではなく、キツかったことにも「いよいよ手をつけるぞ」という気持ちで作り始めましたね。――9曲目「主題歌」は、コロナ禍で音楽活動の制限においての葛藤が込められていますね。アフロそうですね。「主題歌」はアルバムには再録したものが入っているんですけど、ミュージックビデオはリモートで録ったものが使われているんです。いつもレコーディングもふたり一緒にせーので録るんですが、ミュージックビデオに関しては、UKくんが録ってくれた音に対して俺がラップをのせるという方法でそれぞれ自宅で録りました。おたがいが離れたところにいながら、それもコロナ禍でのドキュメントぽいなあと感じましたね。――10曲目「六文銭」は初音源化された曲ですが、過去に「一文銭」「二文銭」……とあるシリーズの最新という位置付けに?アフロそうです。基本的に「文銭」シリーズは、そのときの自分たちの思いを書いているので、昨年行った日本武道館単独公演のことが書いてあったり。UK僕はギタリストなので、いまでき得る最高のスキルやメロディを落とし込んでいるのが、「文銭」シリーズの醍醐味なんです。それは辛いところでもあるんですが、いまの自分での集大成にもなっていて。どの曲もそうなんですが、人間的な成長や、スキル的な部分でも、毎回自分でテーマを決めてやっていて。「六文銭」も然り。ギタリスト目線でのフレーズの楽しさや、難しさみたいなものが曲には詰まっていますね。――作品を出されるときに、どんなふうに聴き手に届いてほしいと思われますか。アフロ指定できるものではないから、好きに聴いてもらえたらと思います。ただ一曲を通して伝わるように歌詞を書いているので、TikTokのような切り抜きのコンテンツで向き合ってもらうのは難しいだろうなとは思います。そう考えたときに「音楽を聴くぞ」という姿勢でMOROHAと真っ向むき合ってほしい、という願いがあるんだと気づきました。この間、公園でベンチに座ってCDウォークマンで音楽を聴いている OLさんがいたんです。ふつうは弁当を食べがながらとか、小説を読みながらとか、何かをしながら音楽を聴いているイメージだったんですが、その方はずっと一点を見つめてただ音楽を聴いていたんですよね。それが、すごく潔く美しくて。もしやCDウォークマンに入っているCDが僕らの音楽だったら、こんなうれしいことはないなって思いましたね。――MOROHAさんの曲は流して聴けない印象があります。UKうれしいんですが、それは弱みでもありますよね。アフロそうだね。UKでも、TikTokで流行ることが悪ということではなく、タイプが違う音楽という意味なんです。TikTokを見ていると、まさか大御所の和田アキ子さんが「踊らにゃ損」とTikTokをしているなんて思わなかったですし、でも挑戦したことが本当にすごいですし、ちゃんと結果も残しているところもすごい。やっぱり、そのあたりは僕らの甘い部分だとも思います。アフロそう、だから自分たちが力を付けて、別の方向性の音楽を作れるようになったら、ぜひTikTokに挑戦したいですね!――もしも始められたら見ます(笑)。今後は、全国ツアー「MOROHA『日程確定、開催確定TOUR』×『MOROHA V RELEASE TOUR』」がありますね。UK今回はコンセプトがある全国ツアーになっています。3年前、コロナ禍の影響でイベントの延期や中止が続出して困窮を極めるライブハウスに、ツアーの会場費を先払いして、現状を打破してもらうために会場だけ押さえていて。3年経ったいま、ようやく開催できるようになったんです。だから、すでに予約は受け付けていたので、実際にどのくらいの方が来ていただけるのか。アフロそう、わからないんですよね。ツアーの前半は小さい会場が多いので、ソールドアウトしているところもあるんですが。UKチケット状況が読めないんですよね。――先に会場を押さえて支払うという、志もすばらしいです。アフロでも、これが話題になると思ってやったところもあるので、そういう妙案を見つけていくというのは、多分ビジネスで食っていくんだっていう貪欲さと、あと誰かを思う愛情との両方がないとできないことなので、ちゃんと両方を育てていきたいですね。――ツアーの後半戦も発表されて、ツアーファイナルでは、来年のLINE CUBE SHIBUYAでのワンマン公演が発表されました。アフロそうなんです。7月にあるZepp Shinjukuのリリースライブがソールドアウトしているので、もしほかの東京公演が気になった人は、ツアーのファイナルになるLINE CUBE SHIBUYAに来てほしいですね。ニューアルバム『MOROHA V』の曲もやりますし。UK楽しみにしていてください。ananwebを読んでいるみなさんに愛されたい――ところで、お話は変わりますが、おふたりが最近ハマっているものはありますか。UK趣味はゲームなんですが、最近ハマっているものとなると、メンズコスメです。もう無視できないぐらい市民権を得ているので、いろいろと手に取ってみたところ、これは男性もケアしたほうがいいですね(笑)。僕、もともとスキンケアに興味があって、美意識がめっちゃ高いほうなんですよ。でも、化粧品までは手を出していなかったんですが、最近は若い世代の男性でも普通にファンデーションをぬったりしているのを見て、わりとメンズコスメがスタンダードになっているんだなと。時代に遅れないように、僕も最近、メンズコスメを試すようになりました。アフロこの間、テレビ出演する際、UKはテレビ局のメイクさんにメイクをしてもらわなかったんですよ。UKテレビ局のメイクさんとは、その日限りの一期一会で終わるんですよね。なので、自分の肌のこと、色とかトーンを知らないので、あまり自分の肌に合うことがなくて。たとえば女性の出演者の方でも局のメイクさんではなく、自分でお化粧する方もいると聞いたので、それならば自分の肌のことを一番よくわかっている自分でメイクするということで、この間はお断りしたんです。アフロもともと僕たちはルックスで売っていないから、メイクなんてと断るというストロングスタイルがカッコいいと思ってやっているのかと思いきや、そういうことではなく!UKけっして尖っているわけではなく(笑)。より肌を知っている自分でやりたいということでの、ネクストレベルの局メイクしません、という選択なんです。アフロそういえば、局のメイクもやっている人と友達になったときに硬派なバンドマンはメイクしないよねという話になって「いるよねえ。それをかっこいいと思ってる人。こちらからすると、何の意地だよ!きれいなほうが良いだろ!」と言っていて。さらに「ライブの写真でも、写りが良い写真を選ぶんでしょう?選んでいる時点で同じだよ」というようなことを言われて、それもそうだと納得して。だから、それからは「きれいにしてください」ってお願いして、僕もヒゲの青いところ消していただいてます。UKあとは、全身脱毛をしました。――ええ!? すごいですね。UK美意識高いので(笑)。アフロ僕は髭の脱毛がどのぐらい痛くて、何回行けばいいのかリサーチ中です。男性の場合、夕方にちょっとだけ鼻の下が青くなってくるこの感じって、無いほうがいいのか?それともココに意識がいっていること自体、女性からするとあまりよろしくない印象なのか?この前、良い靴を履いて実家に帰ったんですよね。すると姉ちゃんが、「カッコいい靴履いてるね」って言ったから、褒められたと思って喜ぼうと思ったそのタイミングで、「あんた、いつまで自分にお金かけてんの?」と言われて! こわくないですか?UKこっわ〜(苦笑)。アフロつまり、姉ちゃんは家族がいて、子どももいて、いろんなところにお金がかかると。それで反射的に、独身のいい歳をした大人の男が自分にお金をかけていることに、ひとこと言ってしまったという。もしかしたら脱毛も、そういう視点で見られることってあるのかな、とちょっと思ったり。でも、髭の脱毛は気になっています!――ファッションでは、おふたりで意識している点はあるんでしょうか。アフロ服を選ぶときは、相手をイヤな気持ちにさせなければ何でもいいかなと思います。清潔感さえあれば。ライブのときは言葉の情報量が多いので、視覚的にもほかの余計な情報を入れたくない、ステージで白いTシャツをずっと着ています。UK僕はカッコいいと思ったものをそのときどきで選んで着ています。あまりファッション雑誌などを参考にしないので、たまに服装がバグっているときもありますが(笑)。 たとえダサくなっても、好きなものを好きなときに着るのが一番いいんじゃないかなと思いますね。――いろいろなお話をありがとうございました。では最後に、今後の抱負をお聞かせください。アフロananwebを読んでいるみなさんに愛されたいですね。UK同じく、そう思うね。アフロやっぱり音楽的な部分で言うと、MOROHAはけっこうかたくて重いものをやっているところがあるんですが、幸いに最近テレビなどにも出させてもらうようになり、音楽活動をしている姿以外の自分たちを受け入れてもらえる機会が多くなってきました。そうすると、たぶんそういう状況においての気持ちを表したような曲がちょっとずつ作れるようになると信じているんです。みんなの評価や、「ここが良いよ」と言ってもらえる部分が増えれば増えるほど、曲も増えていくと思うんですね。だから、きっといまananwebを読んでくださった方々が僕らのことを愛してくれれば、そういう曲ができてくるはず。曲をたくさん作るためにも、心を開いて、いろんな人に受け入れてもらえるようになりたいなと思っています。UKそういう意味では、MOROHAを知るきっかけが、曲じゃないパターンも全然ありだなと最近実感するんですよね。たとえば、それがメンズコスメでもいいですし(笑)。アフロそうだね、脱毛体験でもいいよ!UKゲームでもなんでも、何かでMOROHAに興味を持ってくださった方が、最終的に落ち着くところが、自分たちの曲であることを願っています。取材後記舞台上で鎮座しながら演奏するUKさんと、心の叫びを赤裸々に表現するアフロさんからなる、MOROHA。アコースティックギターとラップという最小編成なのに、CDからでさえ熱気や狂気、ズドンと耳や心に印を残していく音楽には、聴き入るばかりです。ananwebの取材では、ニコニコ笑顔のアフロさんとキリッと涼やかなUKさんともに、真摯に音楽や活動への思いを語ってくださいました。そんなMOROHAのおふたりのニューアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね!写真・園山友基取材、文・かわむらあみりMOROHAPROFILEラッパーのアフロとアコースティックギターのUKにより、2008年に結成。2010年、「SUMMER SONIC」出場権を賭けたコンテスト「出れんの!?サマソニ!?」にエントリーし、「曽我部恵一賞」を受賞。10月には曽我部主宰のROSE RECORDSから1stアルバム『MOROHA』を発売。2016年10月、自身のレーベルであるYAVAY YAYVA RECORDSからアルバム『MOROHA III』をリリース。2019年5月、メジャー初となるオリジナルアルバム『MOROHA IV』を発表。2023年6月7日、5枚目となるオリジナルアルバム『MOROHA V』をリリース。InformationNew Release『MOROHA Ⅳ』(収録曲)01.チャンプロード02.スコールアンドレスポンス03.俺が俺で俺だ04.エリザベス05.0G06.花向07.命の不始末08.ネクター09.主題歌10.六文銭2023年6月7日発売UMCK-1750¥3,300(税込)写真・園山友基 取材、文・かわむらあみり
2023年06月05日【音楽通信】第140回目に登場するのは、圧倒的な技術と楽曲でロックファンの心を掴み、国内外で存在感を発揮している“究極の生命体5匹”からなるロックバンド、MAN WITH A MISSION(マン・ウィズ・ア・ミッション)のJean-Ken Johnny(ジャン・ケン・ジョニー)さん!オオカミバンドだからこそ音楽が届きやすいJean-Ken Johnny (ジャン・ケン・ジョニー/Gt・Vo・Raps)。special skills : 三点倒立 / GUITAR、favorite music : PUNK、my boom : チキンタツタ。【音楽通信】vol.140頭はオオカミ、カラダは人間という“究極の生命体5匹”からなるロックバンド、通称「マンウィズ」ことMAN WITH A MISSION。2010 年に突如音楽シーンに登場して以降、クオリティの高い楽曲とパフォーマンスで瞬く間にロックファンの心を掴み、いまやスタジアムクラスの会場を即日ソールドアウトさせるほどの大人気バンド。また、数々のドラマや映画の主題歌を担当するなど確かな技術に根ざした多彩な楽曲を届け、日本のみならず海外でもツアーを展開し、国内外でその存在を知らしめています。そんなマンウィズが『テレビアニメ「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編』のオープニングテーマとエンディングテーマを収録したmilet(ミレイ)さんとのコラボレーション作品「絆ノ奇跡 / コイコガレ」を2023年5月31日にリリース。今回、マンウィズのメンバーで唯一“会話ができるオオカミ”のギター&ボーカル&ラップを担当するジャン・ケン・ジョニーさんに、音楽的なルーツなどを含めて、インタビューしました。※ジャンケンさんの発言はananwebにて読者の皆様にわかりやすいよう、平仮名翻訳してお届けします。――バンドのソングライティングを手がけるジャン・ケン・ジョニーさんの音楽的なルーツから教えてください。自分自身のことでいえば、90年代に流行っていたオルタナティブロックや、音楽のカテゴリーでいうとグランジ、それとバンドサウンドにものすごくインスパイアされた記憶あります。バンドでよく聴いていたのは、ニルヴァーナやスマッシング・パンプキンズでしたね。90年代はギターロックだけではなく、時代性もあいまって、ハイブリッドな音楽が流行していました。ミクスチャーですとか、パンク、メロコア、トラックミュージックも流行りだしていて。そのなかでとくにオルタナ、ギターロックが好きだったんです。つまり、いろいろな音楽が混在している「あの時代のファン」というのが、言葉として正しいのかなと。90年代の音楽そのもの、アメリカやイギリス問わず、さまざまなアーティストに影響を受けました。――ジャンケンさんは作詞作曲や、ギターも弾かれるわけですが、楽器自体にはいつ頃から触れていたのでしょうか。最初に触った楽器は、ギターもあるんですが、実はクラリネットも演奏したことがありますね。そのときはクラリネットなどの管楽器などをはじめとしたクラシック音楽に興味があったんです。――クラシックからロックまで知識があるスゴいオオカミですね。そもそもジャンケンさんが音楽の道を志したきっかけはなんでしょうか。いちリスナーとしてバンドの音楽に興味を持ち始めたときに、見よう見まねでギターを演奏してみたり、歌を歌ってみたりしたことがあって、「非常に自分に合っているな」という感覚を覚えました。ほかのことに手を出すこともあったなかで、一番しっくりきたのは、やっぱり音楽をやっているとき、バンドをやっているときだと確信した記憶があります。そして自分が聴いているバンドさんが、海外のフェスで何十万というお客さんを自身の楽曲やメッセージで熱狂させているそのさまを見たときに、「いつしか自分も彼らみたいになりたい」という、夢を抱くようになりましたね。―― MAN WITH A MISSIONとしてデビューしてから12年が経ちますが、当初から現在までの道のりはいかがでしたか。2010年に始動した当初から、我々自体、みなさんが普段目にするようなほかのバンドさんとは風体が違うわけですよね。我々自身もそれを十分に心得たうえでみなさんの前に立ったとき、自分たちのメッセージ以上に、音楽そのものが届きやすいといいますか。オオカミバンドとして、アイキャッチになる、関心を集めるという意味では、すごく武器になっていて助かるなという印象があります。普通に音楽をやっていると、いい曲や歌詞を書く、作品そのものに情熱を注ぐことをみんな第一に考えると思うんですが、それにプラスアルファして広げていく作業も重要。どうにかみなさんに自分たちの音楽を届けるというところで、苦労されているバンドさんをたくさん見てきました。そういったなかで、我々の場合、非常にユニークで特殊な形だといえます。それは日本のみならず、海外でライブをするときもすごく感じるところですね。音楽は簡単に国籍を超えるとはいえ、演者がステージに立ったときに、どの国の人も一度は自分のフィルターのなかで「このバンドはどこの国からやってきて、どこの国の発音をしているのか」と考えてしまうことがあるような気がするんです。そのときに、ビジュアライズされた統一感を持っていると、国籍がどうというフィルターが逆に除外されて。「こいつらもうオオカミだから」と、国とかはどうでもよくて、音楽にフォーカスしようとなる。とくに海外で公演すると、我々の見た目がこういう形だからこそ、より音楽にフォーカスしてくれるというギミックに気づかされることが多いですね。――マンウィズのメンバーとの出会いは、やっぱりご自身のなかでも大きなものでしょうか?それは大きいですね。メンバーのなかで僕自身が音楽を作って届けるというときに、シンガーソングライターで単独でやっているわけではないので、自分以外のメンバーと音楽を作っている。その音楽を打ち出していることの有り難みは年月を重ねるほどに感じるところでもありますし、メンバーだけではなくスタッフとの出会いや、現在僕らがたどっているこの道のりも、その結晶なんだなと思っています。「鬼滅の刃」の哲学と絆を骨子にした世界観の新曲Tokyo Tanaka(トーキョー・タナカ/Vo)。special skills : SLEEPING / SING A SONG、favorite music : CLUB MUSIC、my boom : ステロイド 注射。――5月31日に、miletさんとコラボレーションされた、現在放送中の『テレビアニメ「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編』(フジテレビ系 毎週日曜 午後11時15分ほか)のオープニング主題歌「絆ノ奇跡 / コイコガレ」がリリースされます。すでにお茶の間でも流れている話題の新曲ですね。ありがとうございます。「鬼滅の刃」の「刀鍛冶の里編」のストーリー上、柱である時透無一郎と甘露寺蜜璃の男女が主人公である竈門炭治郎たちと一緒に戦います。そこで、アーティスト側も男女混成のものにしたいとアニメを制作されているufotableさんからご提案がありました。そこで、デモを何曲か提案させていただいたんです。――「鬼滅の刃」の主題歌という面でのプレッシャーはありましたか。不安はなかったです。我々ができることは、楽曲の中でどれだけ自分たちの世界観とその作品を通じて共通項を見つけて、楽曲を提供できるかというところ。それはどんな場合でも変わらないですね。ただ、発信力がある作品に関わる、覚悟みたいなものは必要になりました。関わっている人、ご覧になっている人も含めて数が多いので、やっぱりちょっと襟を正し直したところはあります。――「絆ノ奇跡」は、ジャンケンさんが作詞作曲を手がけていますね。始まりから三味線と尺八の音色も聴こえて和を感じさせますが、どういった点を意識して作っていかれましたか。アニメのシリーズでは第四シリーズ目になるんですが、どうしてもアニメの曲は時系列を追うごとに、ハードルが高くなってしまうような気がするんですよ。やはり第一シリーズ目の曲がみなさんにとって思い出深いもので、非常にクオリティが高かったので、そのなかで我々がこのタイミングで出させていただくとなると、サウンド感からかなり異質なものやこれまでと少し違うものをお届けしたいと考えました。Spear Rib(スペア・リブ/Dr)。special skills : ONE MORE GOHAN / DRUMS、favorite music : HEAVY METAL、my boom : スペアリブ。ストーリー全体に流れているものを彷彿とさせながら、「刀鍛冶の里編」の主題にもあったメッセージが書けるといいなあと思いまして。インパクトという意味では、おっしゃっていただいた和楽器を意外とみなさん使ってきていなかったので、そこがものすごく映えるようなアレンジにしています。世界観では、僕自身がこの作品を読んで感じる「鬼滅の刃」の哲学と、全体の総括も含めたものをプラスしていて。竈門炭治郎が、誰も一人では何もできない、でも自分が死んだとしても次の人に繋いでいくんだ、というようなせりふを言う場面がところどころにあったんです。その思いをメインに押し出せるように着目した楽曲で、主軸を作り上げました。――それでタイトルも「絆ノ奇跡」に?はい、作中で一番確固たる主軸となっているもので、ほかのシーズンよりも絆をものすごく押していたイメージだったんです。炭治郎のせりふや、無一郎と家族の絆を全面に出されたストーリーだったので、そこを骨子にしました。――ジャンケンさんは、いつもどんなふうに曲を作っていらっしゃいますか。今回は最初からテーマがあるものですが、普段バンドのために作る曲は、作り方やポイントが違うものなんでしょうか。最終的に生み出すものは、自分が好きなジャンルだったり、世に出したい曲。僕の場合は、冒頭でも聞いていただいたように、90年代の音楽の大ファンでもあって、そこを継承した曲を作っていますね。ロックバンドとして、90年代の時代の音楽を継承しつつ、現在のモダンなロックバンドとしての在り方、たとえば新しい音色を混ぜながら作り上げていくのが、僕らの音楽の根幹になるのかなと。さらにテーマがあるもの、「鬼滅の刃」ですとプラスそのサウンド感がどれだけ作品に寄り添って出せるかということですね。普段バンドで作る楽曲と、こういったアニメのタイアップで一番違うのは、やっぱりなぞるべきシナリオやストーリーというものがもう既に確立されているものの楽曲ということ。僕自身がその物語に没入して、ひとりのストーリーテーラー、なんなら登場人物のひとりになる。まるで物語を語るような作り方ができるというのは、ある意味ですごく助かる部分はありますね。――今回作ってみて、まわりからの反響はありましたか。ありがたいことに、過去に類を見ないぐらいたくさんの方々が反応してくださっています。おそらく“鬼滅の刃”の原作を最終回まで読んでいるようなヘビーユーザーの方からも「作品に寄り添って作られている」というような声もいただいて。僕自身、そうあってほしいなと思って作った楽曲なので、うれしい反応のひとつでしたね。DJ Santa Monica(DJサンタモニカ/Djs・Sampling)。special skills : 自家発電 / DJ、favorite music : HIP HOP、my boom : エコバッグ。――ミュージックビデオでは、マンウィズとmiletさんが東京タワーの上階のステージで演奏しています。実はフルCGなんです。僕は高所恐怖症なので、あんな高い場所で演奏できないです(笑)。――なんと(笑)。まるで本当に上階にいるようで、迫力のある映像です。とても美しいCGを作っていただいて、カッコいいミュージックビデオに仕上げていただきました。――miletさんとは、今回組まれてみていかがでしたか。以前、僕らのアルバムの楽曲をコラボさせてもらったり、うちのバンドのベースのカミカゼ・ボーイとBOOM BOOM SATELLITESの中野雅之さんがmiletさんの曲をプロデュースさせていただいたりと面識があって。でも、あらためて今回のコラボは、初めての試みでもあったので、心強かったですね。――エンディングテーマ「コイコガレ」は、miletさんをフィーチャーした楽曲ですが、編曲はマンウィズのみなさんが担当されています。そうなんです。作詞作曲は梶浦由記先生がしてくださっていて、アレンジに関しては我々が演奏させていただいて。基本的に、うちのバンドのカミカゼ・ボーイが陣取って、いろいろなアレンジをやらせていただきました。MAN WITH A MISSIONらしいバンドアレンジにしていこうということで、梶浦先生とお話したうえでやらせていただいて。実際に演奏してみると、すごく楽しかったです。僕らがこういった形での編曲を担当するのは初めての体験で、しかも梶浦さんの作品で。お恥ずかしながらレコーディングに立ち会ってから気づいたんですが、ほかのアニメ作品のサウンドもたくさん手がけてこられた作家さんで、「魔法少女まどかマギカ」(2011年)など僕が好きな作品の音楽も作っていらして「まさかこの方と一緒になるなんて」と驚きました。――いろいろな発見もあったのですね。そして現在、約4年振りのワールドツアー「MAN WITH A MISSION World Tour 2023~WOLVES ON PARADE~」を開催中です。5月と6月は北米とUK&ヨーロッパツアー、さらに日本では7月から9月まで全国ホールツアーですね。これまでなかなか海外公演が難しい状況でしたが、やっとコロナ禍がおさまってきて。海外でライブをして来た友達のバンドなど、みんなすごくうれしそうな顔で帰ってきているのを目の当たりにしていました。僕も今回のツアーで、とくにアメリカとヨーロッパに久しぶりに行けることは楽しみで仕方がないですね。Kamikaze Boy(カミカゼ・ボーイ/B・Cho)。special skills : HUNTING / BASS、favorite music : ROCK、my boom : テキーラ。――最初のほうにもお話しくださいましたが、海外公演でもオオカミのビジュアルがあるからこそ、純粋に音楽に焦点をあてて聴いてもらえると。実際、日本と海外でのステージでの見せ方や意識の違い、オーディエンスの反応などは異なるんでしょうか。我々のほうではとくに何も変えていません。唯一、変えているところがあるとしたら、めちゃめちゃ英語でしゃべるぐらいですね(笑)。話の持っていき方とか、英語のバラエティ脳で笑わせにいかないと通じないので、変えているのはそれぐらいです。演奏そのものやバンドとしてのコンセプチュアルな音楽の届け方という意味では、何ひとつ変えていないと思います。――そういえば、ジャンケンさんは、ものすごく英語がご堪能でしたね?そうですね、基本的に英語が扱えるオオカミでございます(笑)。――スゴい(笑)! ではよりダイレクトに海外のお客さんの声や反応がわかりますね?わかります。海外の音楽リスナーのほうが、音楽に対する反射速度がはやい気もしていますね。たとえば日本のお客さんは、ライブが始まって2、3曲やってMCをやった瞬間に、MCで話すことも含めてから「あ、このバンド好きかも」と反応するとすると、海外の人は1曲終わったときにもう「あ、俺好きだわ」と反応しているといいますか。それはもしかしたら、ロックミュージックというものに対するカルチャーが全然違うからなのかもしれないですね。ライブ文化は日本より海外のほうが圧倒的に成熟している国が多いので、音楽を聴いたときの反射神経が違うように感じます。――ワールドツアーはどんなステージになっていますか。海外ツアーは4年ぶり、もしくはもっと長く行けなかった場所も多いので、我々がその間に発売した2枚組のアルバムなどの楽曲をメインにお届けすると思います。さらに、今回のシングル曲も、いち早く披露する可能性も高いですね。日本のホールツアーに関しては、それもひっくるめて、大勢のお客さまの前でやらせていただく展開に。これだけ長期のツアーに出ること自体が久しぶりなので、楽しみです。夢を見続けて走り続け、ずっと音楽を作りたい――大変お忙しいオオカミのジャンケンさんですが、お休みの日は何をしていますか。家では、撮り溜めたテレビ番組をひたすら観ていますね。大河ドラマが好きなので、いまは『どうする家康』をひたすら観ていて(笑)。そして過ごしやすい季節ですから、外ではウォーキングやランニングもよくしています。――ツアーなどで何かと体力も必要になりますが、コンディションを保つために気をつけていることはありますか。からだが資本でもありますので、必要最低限の体力作りは気をつけています。とはいえ、あまり気張ってやることはないですね。ジムに通うようなところまではしませんが、一応筋トレぐらいはするようにしています。――あとは、さっきおっしゃっていたウォーキングとか?そうですね。足腰は重要です(笑)。演奏のためというよりも、単純に長い目で人生を考えたときに、足腰は鍛えておいたほうがいいなと思っています。――マンウィズの公式YouTubeで、手料理を披露されている動画を拝見したのですが、普段料理をすることも?普段は料理を作らないんです。できれば、あの動画がananwebの読者の方に見つからないことを祈ります(笑)。――あはは(笑)。ちなみに、休日にほかのメンバーの方と出かけるようなことはあるんでしょうか。オフの日に出かけることはほとんどないですね。ただツアー中のオフ日は、行動をともにすることがけっこうあります。ライブ後の食事や打ち明けは、だいたい全員一緒にいますし、この間はオフ日にメンバーとスタッフで、映画『THE FIRST SLAM DUNK』を観に行きましたね。――そういえば、ジャンケンさんは漫画がお好きでしたね? いまオススメの漫画はありますか。漫画はすごく好きなので、いろいろな作品を読むんですが、以前からずっと推しているのは、電子書籍で買える漫画の『堕天作戦』(山本章一 著)という、非常に美しい SFファンタジーです。とくに、登場人物が紡ぐ言葉、せりふがものすごく美しくて。なんなら僕、楽曲を書くときも漫画や小説といった、琴線に触れる言葉にイマジネーションが湧くんですよね。そんな言葉やシチュエーション、設定にあふれた、すごく凝ったSF漫画です。――いろいろなお話をありがとうございました! では最後に、今後の抱負をお聞かせください。そもそも我々がいまやっていること、道中自体がものすごく幸せなことだと感じています。本当に青臭いですが、ずっと夢の続きを見させてもらっているようだなと。最初に少しお話しさせていただきましたが、海外のフェスの映像を観て、バンドが海外のフェスのヘッドライナーに立つ瞬間、何十万という観客がボーダレスに音楽を楽しんでいる姿に憧れて。そのバンドがどこの国の人かなんて気にせず、そのバンドそのものを目当てに来る期待感や空気感がものすごく伝わってくる、あの感じが大好きなんです。MAN WITH A MISSIONがいつかそういったバンドになれればというのは、夢のひとつでもありますし、我々はいまその道中の最中で夢を見続けて、走り続けています。今後もずっと音楽を作り続けることが、永遠の目標のひとつですね。取材後記国内のみならず、海外でもエネルギッシュに活動されている、MAN WITH A MISSION。今回、ananwebにご登場いただいたギター&ボーカル&ラップを担当するジャン・ケン・ジョニーさんからは、インタビューをさせていただく間も、音楽に対する愛情や情熱をひしひしと実感。クレバーでいて、ユーモアもある、会話ができるカッコいいオオカミのジャンケンさんでした! そんなマンウィズのニューシングルをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。取材、文・かわむらあみりライブ写真・酒井ダイスケMAN WITH A MISSIONPROFILETokyo Tanaka(トーキョー・タナカ/Vo)、Spear Rib(スペア・リブ/Dr)、Jean-Ken Johnny (ジャン・ケン・ジョニー/Gt・Vo・Raps)、DJ Santa Monica(DJサンタモニカ/Djs・Sampling)、Kamikaze Boy(カミカゼ・ボーイ/B・Cho)の頭はオオカミ、身体は人間という究極の生命体5匹からなるロックバンド。2010年11月、ミニアルバム『WELCOME TO THE NEWWORLD』で全国デビュー。2011年6月、アルバム『MAN WITH A MISSION』でメジャーデビュー。以降もコンスタントに作品を発表し、多くのテレビCMやアニメ、ドラマ、映画の主題歌を担当。幅広い層に支持されるなか、日本国内のみならず全米デビューも果たす。さらには日本武道館、横浜アリーナ、幕張メッセ、さいたまスーパーアリーナ、阪神甲子園球場でそれぞれのワンマン公演を即日ソールドアウトさせ、海外でのツアーも行うなど国内外でのライブ活動を精力的に展開し、世界からも注目を浴びている。2023年5月31日、MAN WITH A MISSION×miletコラボレーション作品となるニューシングル「絆ノ奇跡 / コイコガレ」をリリース。3月から「MAN WITH A MISSION World Tour 2023〜WOLVES ON PARADE〜JAPAN TOUR」の「LIVE HOUSE MISSION」とした全国ライブハウスツアー、5月から「North American MISSION」とした北米ツアー、6月からは「UK&Europe MISSION」としたイギリス&ヨーロッパツアー、7月からは「HALL MISSION」と題した全国ホールツアーを開催中。InformationNew Release「絆ノ奇跡 / コイコガレ」(収録曲)01.絆ノ奇跡02.コイコガレ03.絆ノ奇跡 -Instrumental-04.コイコガレ -Instrumental-05.絆ノ奇跡 -TV ver.-06.コイコガレ -TV ver.-2023年5月31日発売*収録曲は全形態共通。(通常盤)SRCL-12512(CD)¥1,320(税込)(初回生産限定盤)SRCL-12510〜1(CD+DVD)¥1,760 (税込)【DVD収録内容】01.絆ノ奇跡 Music Video02.コイコガレ Music Video(期間生産限定盤)SRCL-12513〜4(CD+DVD)¥1,760(税込)【DVD収録内容】01. テレビアニメ『鬼滅の刃』刀鍛冶の里編 ノンクレジットOP映像02. テレビアニメ『鬼滅の刃』刀鍛冶の里編 ノンクレジットED映像*ジャケ写はテレビアニメ『鬼滅の刃』描きおろしイラスト。取材、文・かわむらあみり ライブ写真・酒井ダイスケ
2023年05月28日【音楽通信】第139回目に登場するのは、音楽を始めて1年でデビューし、飛ぶ鳥を落とす勢いでいまや国内外でティーンを中心に大人気の新世代アーティスト、imase(イマセ)さん!趣味で始めた音楽がいまや韓国でも大人気に【音楽通信】vol.1392020年11月、20歳のときから音楽活動をスタートした、新世代アーティストのimaseさん。2021年5月にはTikTokに初めてオリジナル曲を投稿してバイラルヒットし、約半年後の12月にはデジタルシングル「Have a nice day」でメジャーデビューを果たしました。2022年には「ポカリスエット」や「JT」などのCM曲やドラマタイアップにも抜擢され、現在、TikTokでの総再生回数は20億回超えに。さらに、2022年8月に配信リリースした「NIGHT DANCER」は韓国のボーイズグループ「Stray Kids」などのアーティストがダンスチャレンジしたことからより浸透。最近ではBTSのジョングクさんも、公式ファンコミュニティサービスで歌を披露するなど、韓国をはじめとした世界各国へとバイラル中です。そんなimaseさんが、2023年5月26日に、ニューシングル「Nagisa」を配信リリースされるということで、お話をうかがいました。――20歳から音楽を始めたimaseさんですが、そもそもどのような音楽環境に育ったのでしょうか。小さい頃は、歌うことが好きな子どもでしたね。とくに音楽に興味を持ったり、楽器をやったりしたこともなかったです。聴いていた音楽も、そのときに流行っているJ-POPだったと思いますね。岐阜県の田舎に住んでいたので、近くにカラオケ店もなかったですし、音楽に触れるといえば親が運転する車の中で聴くことがあったぐらいでした。小学校、中学校、高校とずっとサッカーをやっていたので、スポーツ少年でしたね。――サッカーに打ち込まれてきて、その後、高校を卒業後は、一度就職されていたんですよね。音楽の道を志したのはいつぐらいだったんですか?趣味で音楽をやり始めたのが20歳のときです。友達がギターを購入しているのを見て、もともと歌うことは好きだったので、「僕も弾き語りしてみたいな」と思ってギターを買って。それからTikTokを観ていると、ショート尺で投稿されている方がたくさんいらっしゃって、ショート尺の楽曲を投稿し始めました。ーー友達の影響でギターを購入されて、弾き語りもお好きで、最初からオリジナル曲を投稿していたんですか。まだフル尺は難しいけどショート尺だったら「僕もオリジナル曲が作れるかな」と、曲を作って投稿するようになりましたね。最初は簡単なコードで弾ける楽曲をネットで探して、弾き語りカバーをしてみたり。そのうち、自分の声に合った曲でやってみたいと考えて、オリジナル曲を作り始めました。――それからデビューまであっという間の印象がありますが、レコード会社の方からお声がけがあったのはいつ頃だったのでしょうか。TikTokに2曲めの動画を投稿し始めたぐらいのときに、お話をいただきましたね。――2021年12月にはテレビ東京系オーディション番組『Dreamer Z』に参加されて話題となりました。テレビ出演は、さらにimaseさんの認知度を高める契機のひとつにもなりましたね。そうですね。いままでやったことがないことにチャレンジするきっかけにもなるかなと思って参加しました。でも、番組は、弾き語りのオーディション企画だったので、当初どう表現していいのか悩んで。僕はもともと楽器をやっていたわけではないですし、ギターも経験年数が浅くてまだ上手に弾けないので、そこでドラムパッドを使おうと。ドラムパッドは、ドラムを打ち込む機器ですが、好きな音をサンプリング(録音)して、パッドを叩くことでいろいろな音が出せるので、それで弾き語りをして歌って出演していました。――いまやTikTokの総再生回数が20億回数など、急速にブレイクしている実感はありますか?先月、上京してきたのですが、地元に戻ると友達から「imaseの曲をいろんなところで聴くよ」と言ってもらったり、最近は海外の方にも聴いていただけていたり。この間も韓国に行っていて、道を歩いていると「imaseさんですか?」と声をかけられて、本当に海外の方にも僕の音楽が届いてるんだな、ということを実感しました。――代表曲の「NIGHT DANCER」は、日本だけでなく韓国でも「Stray Kids」などのボーイズグループや、「Kep1er」らガールズグループなどの数々の人気アーティストが踊ってみた動画を投稿していますね。さらに韓国の配信サイト“Melon”で J-POP初のTOP100(最高位17位)入りをしていて、とくに韓国の盛り上がりを感じます。「NIGHT DANCER」は、勝負曲だと思って作った楽曲だったので、日本だけでなく韓国をはじめとした海外にも広がっていったのはうれしいですね。韓国のアーティストさんでは最初にStray Kidsさんが踊ってくださって、なかなか言語だけでは超えられない壁があっても、ダンスと音楽がSNSによって言語の壁を超えて楽曲が届くんだなと実感しましたし、日本語でも海外に挑戦できる可能性があるんだなと。――韓国のバラエティ番組や歌番組に出演されたYouTubeを拝見しました。一般の方もそうですが、韓国のメディアの取材もあるなど、注目されている現状を率直にどう感じますか。本当に言語の壁を越えて知っていただけたことは、率直にうれしいですし、僕自身も韓国のいろいろなアーティストの楽曲をよく聴くので、同じように僕の楽曲が韓国の方に受け入れていただけて、すごくうれしいです。――韓国で印象的だったことはありましたか。やっぱり、韓国で声をかけてもらったことが一番印象的ですね。曲を聴いていただけていることはチャートやSNSなどを見てもわかりますが、顔まで覚えていただけているんだな、とそのときに実感できて、うれしかったです。韓国では、ショーケースイベントも実施して。会場に集まってくださった韓国のみなさんが、日本語の楽曲なのに歌ってくださっていて、さらに、みなさんがすごく上手な発音で感動しました。――「NIGHT DANCER」は、3月にTeddyLoid Remixを配信され、5月15日には韓国のヒップホップアーティスト、BIG Naughtyさんとのコラボレーション作も配信されていますね。はい、曲への反響が大きくて、それぞれ新しい「NIGHT DANCER」が生まれてよかったです。BIG Naughtyさんとのコラボ作のほうには、「NIGHT DANCER」の“Korean Ver.”として、僕が韓国語で歌っている楽曲も入っています。ありがたいことにコメントでも、「歌ってくださってうれしいです」と韓国の方にも言っていただけて、やってよかったなと思いますね。80sのリバイバル的なものをテーマにした新曲――5月26日に爽やかなポップチューンのデジタルシングル「Nagisa」を配信リリースされます。作詞作曲はimaseさんが手掛けられていますが、どのようなことをテーマにして作ったのですか。この楽曲は80sのリバイバル的なものをテーマにして、作りました。タイトルの「Nagisa」という言葉も、この楽曲を作るうえで80sのシティポップの曲を聴きあさっていたときに、80年代の曲の歌詞によく出てくる単語だなと思って、歌詞にも入れてタイトルにもしていて。あと「Nagisa」とローマ字表記にしたのは、海外でも“渚”は“Nagisa”と言われているようで、海外の方にも「Nagisa」というフレーズを覚えていただきたいなという思いを込めています。――今回は80sを意識されたということですが、いつも曲作り自体はどのようにされているのですか。そのときどきに作りたい系統の楽曲をたくさん聴いて、テイストをインプットしてから作っています。もともとこの楽曲のメロディは昨年の10月ぐらいにはできていて。そのときはパッと思いついたメロディだったので、そこに80sっぽいトラックにメロディをつけて、楽曲を作っていって、あとはインスピレーションで仕上げていきました。――歌詞は女性目線のものになっていますね。女性アーティストが歌詞の一人称を「僕」にして歌う曲はありますが、男性アーティストが「私」として歌う曲はそれほど多くない印象です。「Nagisa」は、男女ふたりの物語で、強気な女性をイメージしていまして。ただ、最後のサビの部分では、少し弱さが見える面も描いています。歌詞の中では「ネオンをまとい」ですとか、僕が思う80年代と、当時の強い女性をイメージして作りました。――曲ごとにいろいろなチャレンジをされているんですね。自分のなかにある、いろいろなバリエーションを出したいと思っていますし、そのなかでも今回はいままでやっていなかった女性目線の歌詞というところが挑戦した部分です。サウンドでは、シンセブラスの音もあって、いなたい雰囲気も持っていて。80年代に曲を聴いていた世代の方には、この曲を聴くと懐かしい気持ちにもなってもらえると思いますし、逆に僕ら世代の10代や20代の方には、真新しく聴こえるんじゃないかなと思います。――タイトルからなのか、どこか夏をイメージさせるようなところもありますね。とくに夏を意識して作ったわけではないんですが、僕も夏を感じます(笑)。歌詞の最後に、「うつりぎな花の香り」と入れたんですが、それは紫陽花をイメージしていて。紫陽花って、土壌がアルカリ性か酸性かで色が変わる花なので、それを「生ぬるい肌も火照り 涼しげな青も赤に変わるの」という比喩にした歌詞にしたんです。――紫陽花というと、夏の季語ですね。そうですよね、夏の曲です(笑)。――では、歌唱されるときに意識されているポイントはありますか。この楽曲に限らず、リズムを立てるための歌い方を意識しています。あとは母音を柔らかく歌うことはすごく意識していますね。母音を柔らかくすることによって、個人的にはちょっと他言語に聴こえるのかなとすごく思っていて。歌っていて自分でそう気づいたり、日本のR&Bのアーティストの方の楽曲を聴いていても、けっこう母音が柔らかいイメージがあるんです。日本語で歌うときも、基本的に英語の曲でも韓国語でも、みなさん母音が柔らかい印象。なので、日本語で歌っている部分も、母音を柔らかくして歌ったほうが、海外の方も聴き馴染みがあるのかな、と思い意識しています。――驚くべきスピードで音楽の才能を開花していますが、ご自身ではどのように感じていますか。音楽をやり始めた頃は、実はこういった楽曲の聴き方や作り方を全然していませんでした。最初から自分のできることを探っていって、いまに行き着いているところがあります。もともとは自分の歌声が好きではなくて、SNSに投稿していた楽曲も、いまのように裏声1本で作らず、裏声と地声を混ぜて自分の声がわからないようにしたりして。テレビ番組のオーディション企画のときもそうなんですが、どうやったら聴いてもらえるか、聴き心地がよくなるのかをひたすら探って、できることを探していまに至ります。そういった意味では、けっこう絞り出してきました(笑)。――きっと音楽の探求の旅みたいなところもあるんですね。音楽をやり始めて2年半というところで、imaseさんが音楽で大事にしているところはどこでしょうか。どの楽曲も、メロディとキャッチーさをすごく大事にしています。自分でもそういうキャッチーな楽曲、耳に残るものが好きなんですよ。楽曲を作るときはキャッチーさを意識していますし、覚えやすいメロディで、クセなるリズム、口ずさんでしまうフレーズを念頭に置いて制作しています。――この間はワンマンライブがソールドアウトしましたね。ライブパフォーマンスにおいても、研究しているんでしょうか。どうしたら自分のパフォーマンスが映えるのかな、と探っています。パフォーマンスも、MCも、まだまだ拙いところがありますし、歌唱で見せるタイプのアーティストでもないなと思っていて。どういったパフォーマンスをするのが、自分のキャラクターにも合うのかな、ということはずっと探していますね。――実際に、ライブでお客さんを目の前にして、どう感じましたか?これまでSNS上でしか活動していなかったので、聴いてくださっている方と直接対面する機会がなくて、ライブで本当に直接会えて、まず率直にすごくうれしいなって。自分の楽曲を聴いてくださっている方が、さらにチケットまで購入してライブに来ていただけて、すごく幸せです。――10月からは、初のツアー『imase 1st Live Tour』で東名阪をまわりますが、どのようなステージになりそうでしょうか。いま考えている途中です。これまでのワンマンライブでは、そこでしかできない特別なことをしようと、これまでSNS上で発表したショート尺の楽曲をメドレーにして披露したり、弾き語りをやったり。今回のツアーでも、そういったライブならではの何かができたらなと思います。国内外問わずたくさんの方に楽曲を届けたい――お話は変わりますが、最近ハマっていることや趣味はありますか。コロナ禍も落ち着いてきて、外出できるようになってきたので、ご飯を食べに行ったり、遊びに行ったりすることがあります。あとは、フットサルをやっていますね。――好きなサッカーのチームはありますか?(イングランド・プレミアリーグの)ブライトンというチームが好きです。日本代表の三笘薫選手が所属されているチームです。全試合観ることができないときもあるので、時間がないときは、よくハイライトを観たりしていますね。――いろいろなお話をありがとうございました。では最後に、今後の抱負をお聞かせください。日本の方はもちろん、いま海外の方にも曲を聴いていただいているので、これからも言語の壁を越えて聴いていただける曲を作っていきたいです。国内外問わず、これからもたくさんの方に楽曲を届けていきたいですね。取材後記瞬く間にJ-POPシーンを揺るがすニューカマーとして注目を浴びている、imaseさん。華奢でしなやかなスタイルと、表情豊かなルックスで、その場を明るくさせる存在です。朝の取材だったこともあり、すぐに腹ペコになるようで、インタビューの合間もおやつを美味しそうに食べていた無邪気な姿が印象的でした。そんな急成長中のimaseさんのニューシングルをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。写真・園山友基取材、文・かわむらあみりimasePROFILE岐阜出身、22歳の新世代アーティスト。音楽活動を開始してわずか1年でTikTokで楽曲をバイラルさせ2021年12月にデジタルシングル「Have a nice day」でメジャーデビュー。2022年にはCM主題歌やドラマタイアップにも大抜擢されるなど、ティーンから圧倒的な人気を獲得。2022年8月に配信リリースした「NIGHT DANCER」は、韓国配信サイト“Melon”でJ-POP初のTOP100(最高位17位)入りを果たし、SpotiifyバイラルチャートTOP50に31カ国ランクインするなど、世界各国でもバイラル中。2023年3月、初の有観客ライブを行い、追加公演もすべてチケットが即完売した。5月26日、デジタルシングル「Nagisa」をリリース。10月、自身初の東名阪ツアー「imase 1st Live Tour」を開催予定。InformationNew Release「Nagisa」2023年5月26日 配信リリース写真・園山友基 取材、文・かわむらあみり
2023年05月25日【音楽通信】第138回目に登場するのは、シンガーソングライターとしての活動が7年目を迎え、20代最後となるニューアルバムをリリースする、山本彩さん!いろんなシチュエーションに合う楽曲が揃うアルバム【音楽通信】vol.138コンスタントに作品を発表し、ライブ活動も展開してきたシンガーソングライターの山本彩さん。最近では、バラエティ番組などでも元気な姿を届けています。そんな山本さんが、2023年5月17日に4thアルバム『&(アンド)』をリリースされるということで、お話をうかがいました。――前回、2020年10月にこのananwebで取材させていただきましたが、シンガーソングライターとして活動されてから今年で7年目となりますね。昨今は少し休養されたり、個人事務所を設立されたり、いろいろと整えられて。最近はバラエティ番組でもご活躍で、リフレッシュされてパワーアップされたように感じます。休養させていただいた際は歌っていなかった期間も長かったので、そのブランクを取り戻すのと、休む前よりは良い状態で今後も続けていきたいので、また一から歌のトレーニングや勉強をしました。まだ進化した感じはしないのですが、少しずつ自分のベストがわかってきて。あとは、もともとすぐ考え込んでしまうタイプだったのですが、いまはだいぶん気楽に物事をとらえられるようになりました。――2023年5月17日には、4枚目となるアルバム『&』をリリースされます。いつ頃からアルバム制作を始めていたのですか。一昨年から、アルバムを作ろうという話をしていました。新曲「劣等感」と「Bring it on」の2曲を収録しているのですが、まず「劣等感」を途中まで作り始めながらも完成はせず。休養のタイミングで一度制作を中断して、復帰してから「劣等感」を仕上げて、復帰後に「Bring it on」を書き終えました。――新曲は2曲とも山本さんが作詞と作曲を手掛けられていますね。そうです。「劣等感」は、もともと書きたい歌詞のテーマとしてあったんです。自分の中にある劣等感と戦っている葛藤みたいなものを描いていて、劣等感を抱きながらも自分が作られていく、戦っていく思いを込めた楽曲です。アレンジは(ボカロPやアレンジャーとして活動中の)100回嘔吐さんにお願いしたので、ギターロックとは違うテイストでのロックを表現できました。――もうひとつの新曲「Bring it on」はどのようなイメージで作っていかれたのですか。「劣等感」が“陰”の部分が強かったぶん、その反動もあってか、真逆の曲が書きたくなって。ツアーも決まっていたので、ツアーに向けて「やってやるぞ!」という気持ちも活かして“陽”なイメージで作りました。自分ならライブだったり、聴いてくださる方にとってはこれから挑んでいく何かだったり、そういったものに対して無敵にさせてくれるような強い曲になっています。――「Bring it on」のミュージックビデオもカッコいいですが、ライブでのパフォーマンスのことも考えながら作ったんですか。比較的、普段の自分のライブスタイルに近い形でミュージックビデオの撮影をさせていただきました。あとは、自分が楽屋で準備している状態から、ステージに上がっていくようなストーリーや背景をそのまま映像として出させていただきましたね。――あらためてアルバムタイトルの意味も教えてください。別人格ぐらいの楽曲ができたなと思うくらい、この新曲2曲だけでもすごく対照的なんです。ほかの収録曲に関しても、そのときどきで歌いたいことや考えも全然違う自分がいて、でもどれも全部あわせて自分ができているな、と。矛盾しているけれど両立してつながっているという意味を込めて、『&』というタイトルになりました。――1曲目「ドラマチックに乾杯」は、東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『その女、ジルバ』(2021年)主題歌の軽快でラテンな楽曲ですね。ドラマ主題歌のお話をいただいて、台本を読ませていただいてから、曲を書かせていただきました。主人公が自分とも重なるところがあって、うまくいかないときも、ちょっとした人との出会いや自分が輝けるような場所との出会いによって、そういう小さなきっかけの連続で人生が変わっていくということが、すごくわかる気がして。そこを書きたいなと思ったので書かせてもらいながら、台本の中で印象的だった場面をイメージしながら歌詞にさせていただきました。――主題歌などのタイアップ曲とそうではない曲では作り方も違いますが、意識するところも違う点はあるのでしょうか。タイアップ曲は、たとえばドラマなら観ていると感情移入はするので、まったく自分の思いではないわけでもないんです。なので、自分の思いと誰かの思いを背負って曲作りをしているという、特別感があります。ある意味、自分の思いをそのまま歌にするのは自分勝手でもいいんですが、タイアップ曲だとそうじゃない側面もありますね。歌うときも、自分の思いだけを込めてというよりも、そのドラマを観てくださっている方に思いを馳せながら歌っています。――4曲目「ぼくはおもちゃ」は、NHK『みんなのうた』のために、山本さんが作詞作曲された曲ですね。『みんなのうた』ということで、番組を観てくださる方も、親御さんから小さなお子さんまで年齢層が幅広いなと。お子さんの耳にも残るようなサウンドにしたいなと思って、おもちゃの音を入れたり、身近な音を入れたりしているんですが、歌詞は少し大人も考えさせられるような内容にしたくて。歌をリアルタイムで聴いてくれていた子が大人になったときに、「こういう歌詞だったんだ」とあらためて考えてくれるような曲になったらいいなと思って、子どもらしさと大人っぽさを混ぜ合わせた楽曲にしました。――7曲目「あいまって。」は、大人っぽくアンニュイな印象です。どちらかというと山本さんはロックな楽曲のイメージがありますが、この曲でまた違った表情を見せています。この曲は、作詞作曲ともに(プロデューサーでシンガーの)yonkeyさんと共作させていただいて、アレンジもしていただいて。歌詞は、本当に会話の延長という感じなんです。「こういう歌詞にしたい」「こんな単語を使いたい」というように、その場でラリーをして、そのままプロットを立てて、自然と楽曲ができていきました。歌についても、この曲自体がyonkeyさんの成分がけっこう強めの楽曲なので、言っていただいたような自分のロックな成分をほぼ消すぐらいの感覚で、レコーディングもやらせていただいて。ビブラートは全部なしでとか、こぶしもなしでとか、そういうふうにディレクションをしていただいたので、この曲に合わせた歌唱をしています。――多彩な楽曲が収録されていますが、とくに7曲目以降、曲調やニュアンスなど、山本さんの多様な表情がうかがえる曲順になっているように感じました。9曲目「ラメント」もまったく雰囲気の違う楽曲です。とくに「ラメント」はアルバムの中でもちょっとジャンルが違うような楽曲なので、アルバムを通して、この曲はキーになるなとは思っていて。それを考えたうえで、この位置になった感じですね。――聴き手にはどんな風にアルバムを聴いてほしいでしょうか。喜怒哀楽が詰まっているアルバムなので、いろいろなシチュエーションに寄り添える曲が集まっています。たとえば、やる気になりたいときは「Bring it on」を聴いてほしいですし、ちょっとまだ進むほどの気力はないけどもう少ししたら頑張りたいなというときは「愛なんていらない」とか「あいまって。」を、ゆっくり始めようかというときは「ゼロ ユニバース」をおすすめしたいですし。そういうタイミングごとにきっと力になれる曲があるんじゃないかなと思うので、いろんなシチュエーションで聴いていただきたいです。――アルバムのジャケ写は、山本さんが合わせ鏡のようになっていますね。アルバムのコンセプトとしてもあったんですが、どれも違うけれど自分という意味を込めての多様性や二面性を、衣装の違いや目線の有り無しで違いを出して、このジャケ写でもそれを表現しています。――6月からは「SAYAKA YAMAMOTO LIVE TOUR 2023 -&-」と題した全国ツアーを開催されますね。はい、1年半ぶりの全国ツアーでライブハウスをまわります。よりみなさんと距離が近いうえに、いま声出しも解禁されてきているので、ようやく本来のライブの形ができるかなと。さらに、今回はバンドでのライブ構成にしているので、バンドのライブに来た感じで楽しみにしていただきたいなと思っています。――アルバムはコロナ禍やお休みの期間を挟んで制作をされましたが、これまでの変化の心境が楽曲に反映されたところはありましたか。10曲目の「oasis」は、コロナ禍に差し掛かって、どうなるかわからない葛藤を書いた曲だったんです。でも、どんどん環境が良くなっていたからこその「Bring it on」みたいな楽曲が生まれたのかなと。状況が前進していないと、なかなかライブもどうしていいかわからない期間が続いていたので、いまやっと声が出せるようになって。それだけでも全然違いますし、少し前進したからこその心境が詰まっています。「山本彩といえば、この曲」という曲を作りたい――お話は変わりますが、2023年の現在、ハマっていることはありますか?最近はもっぱら仕事以外はオンラインゲームをしています。よくやっているのはFPS(ファーストパーソン・シューティングの略)という、一人称視点のシューティングゲーム『APEX LEGENDS』を友達と会話しながらやったり、謎解きのゲームをしたりしていますね。ストレス発散にもなりますし、楽しいです。――地元のお友達とゲームしているんですか。いえ、グループ時代の友達ですね。ゲームをしながら、電話をするような感じで、普段の話もしながらやっています。――おうちでゲームをしているとき以外は、お出かけされることも?わりと外出していますね。犬を飼っているので、そのおかげでけっこうフットワークが軽くなりました。毎月のようにどこかしらでワンちゃんのイベントをやっているので、そこへ出かけて、そこでしか出店されてないお店でグッズを見たり、散歩に行ったり、ドッグランに行ったりしていますね。――ワンちゃんの種類はなんですか。ヨークシャテリアです。実家ではトイプードルを飼っています。いてくれるだけですごく癒やされるので、仕事から疲れて帰っても、ワンちゃんがいると思ったら、もうどうでもいいみたいな気になります(笑)。――ワンちゃんのお散歩に行かれるのも健康的ですね。ツアーではけっこう体力を使うことがあると思いますが、何かコンディションを維持するためにやっていることはありますか。最近は、最低限の衣食住の生活基準みたいなものを上げようと、規則正しい生活をするようにしています。当たり前の話ではありますが、遅くなっても12時までにはベッドに入って、朝8時までには起きて、1日3食ちゃんと食べて、しっかり寝る。そのうえで、毎日犬の散歩をしているので、すごく良いリズムが自分の中でできています。そのおかげもあって、夜はちゃんと眠くなりますし、良い生活リズムに整いました。――生活リズムは大事ですよね。そういえば、阪神タイガースがお好きでしたね。以前、始球式をされたこともありました。そうなんです。過去に始球式は5回ぐらい、やらせていただきました。阪神が好きなので、この間は久しぶりにお仕事で甲子園に、プライベートでは神宮球場に野球観戦に行っていました。――いろいろなお話をありがとうございました! 最後に、今後の抱負を教えてください。いまは音楽を軸にさまざまなことやらせていただいます。これからもやりたいことを積極的にやっていて、音楽やほかのお仕事にもつなげていけるように頑張りたいですね。今年の7月で30歳になるので、より濃い音楽を作っていって、「山本彩といえば、この曲だよね」と言っていただけるような曲が1曲でも多く作れたらいいなと思っています。取材後記約2年半ぶりにananwebにご登場くださった、山本彩さん。以前は爽やかなショートカットだったのが、今回は艶やかなロングヘアになって、大人の女性の魅力がさらにアップ。「昔から髪型はロングとショートを繰り返していて、いまはロングの周期なんです」と笑顔で取材に応えてくださいました。そんな山本さんのニューアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。写真・園山友基取材、文・かわむらあみり山本彩PROFILE1993年7月14日、大阪府生まれ。2010年に発足したNMB48に1期生として8年間キャプテンを務め、中心メンバーとして活動。2016年、自身の目標であったシンガーソングライターとしての活動を始動させ、10月にデビューアルバム『Rainbow』をリリース。2018年10月27日、万博記念公園東の広場で卒業コンサート『SAYAKA SONIC ~さやか、ささやか、さよなら、さやか~』を開催。NMB48史上最大規模、約3万人を動員した初の野外コンサートとなった。11月4日、この日の卒業公演をもってNMB48を卒業。2019年2月、ユニバーサルミュージックへ移籍、ライブハウスツアー「I’m ready」を24会場27公演開催。4月17日に移籍第1弾シングル「イチリンソウ」をリリース。以降もコンスタントに作品を発表し、ライブ活動を展開。2023年5月17日、4thアルバム『&』をリリース。6月から全国14都市14公演をまわるツアー「SAYAKA YAMAMOTO LIVE TOUR 2023 -&-」を開催。InformationNew Release『&』(収録曲)01.ドラマチックに乾杯02.against03.愛なんていらない04.ぼくはおもちゃ05.ゼロ ユニバース06.yonder07あいまって。08.劣等感09.ラメント10.oasis11.Don’t hold me back12.Bring it on2022年5月17日発売*収録曲は全形態共通。(通常盤)UMCK-1743(CD)¥3,300(税込)(初回限定盤)UMCK-7210(CD+DVD)¥4,950(税込)※三方背ケース仕様【初回限定盤の特典】・Music Video Clips(ゼロ ユニバース / against / ドラマチックに乾杯 / yonder – Lyric Video – / Don’t hold me back / Don’t hold me back – Dance Performance Video – / あいまって。- Lyric Video – / Bring it on)・Behind the Scenes of “&”(新曲レコーディング風景 / ジャケット写真撮影 / Music Video撮影などのメイキング映像)(FC限定盤)PROS-1927 (CD + DVD + Photo Book)¥9,900 (税込)※豪華BOX仕様【FC限定盤の特典】・SAYAKA YAMAMOTO LIVE 2022 “now” at EX THEATER ROPPONGI 2022.12.27(SAYAKA YAMAMOTO LIVE 2022 “now” at EX THEATER ROPPONGIのライブ映像を収録)・Documentary of SAYAKA YAMAMOTO 2022-2023(昨年8月に活動復帰として行われた SAYAKA YAMAMOTO SPECIAL LIVE STREAMINGから、昨年末のSAYAKA YAMAMOTO LIVE 2022 “now” に密着したオフィシャルドキュメンタリー&独占インタビュー収録)・Exclusive Photo Book -Album “&” and SAYAKA YAMAMOTO LIVE 2022 “now”-(アルバム『&』フォトセッション / SAYAKA YAMAMOTO LIVE 2022 “now” ライブフォト)写真・園山友基 取材、文・かわむらあみり
2023年05月15日