こんにちは、保育士の中田馨です。生まれたころよりも体つきが少しふっくらしてくる生後1~2カ月の赤ちゃん。新生児のときより、起きている時間が少しずつ長くなってきます。 今回は、生後1~2カ月ごろの首すわり前の赤ちゃんと一緒にできる心を育む遊び方を紹介します。 生後1~2カ月の赤ちゃんの発達生後1~2カ月ごろは、手足をバタバタと宇宙遊泳のように盛んに動かすようになります。新生児のころはギュッと握っていた手が、少し開くようになります。また、運動機能は、脳に近いところから発達していくので、自分で首を動かそうとする姿が見られます。首が動かせるようになると、光のする方、ママの声が聞こえる方に顔を向けることができます。身体の動きが活発になって来る時期ですが、まだ首はすわっていません。ぼんやりと見えていたものへの焦点が合うようになり、30㎝くらい先の物がよく見えるよ雨になるので、顔の前で動くものを目で追いかけるようになります。お腹がすいているときと甘えたいときの泣き方にも変化が出て、感情豊かになってきます。 生後1~2カ月の赤ちゃんと遊ぶときのポイントでは、1~2カ月ごろの赤ちゃんと遊ぶときのポイントです。 首がすわっていないので無理しないこのころの赤ちゃんには、どんどんスキンシップをとってください。自分で身体を動かそうとしてる様子があっても、まだ首はすわっていません。赤ちゃんの身体に負担が来るような大きな動きの遊びはまだNGです。 赤ちゃんが心地よい遊びをする「赤ちゃんを発達させよう!」と思わず、赤ちゃんが心地よく感じる遊びを取り入れましょう。赤ちゃんの表情をよく見て、幸せそうならそのままつづけてOK。困った顔をしていたら、もしかするとその遊びがあまり好きではないのかもしれません。 外気浴を取り入れよう1カ月健診でOKが出たら、外気浴をスタートさせましょう。赤ちゃんのペースに合わせながら、機嫌のいいときに少しずつ外の空気や光に触れていきましょう。 生後1~2カ月は赤ちゃんも小さいですが、ママも産後間もない時期です。体調が万全ではないので無理はせず、ママと赤ちゃんの調子が良いときに遊んでみましょう。 1~2カ月の赤ちゃんとの遊び方では、具体的に遊びを紹介します。 頭の先から足の先までマッサージ赤ちゃんの頭から顔・肩・胸・お腹・手・おしり・足へと手のひらでなでて、全身優しくマッサージします。歌に合わせてマッサージをするのもいいですね。マッサージをするついでに、人差し指でツンツンツンと軽くつつくと、くすぐったくて身体をねじる姿が見られます。マッサージはパパもぜひやってみてください。パパの大きな手で包みながらマッサージすると、赤ちゃんがうっとりとした顔になりますよ。 目で見て追いかけごっこ音の鳴るおもちゃを、赤ちゃんの目の前で音を鳴らしながらゆっくり左右に動かします。すると目でおもちゃを追いかけます。 「あ~」「う~」でおしゃべりこのころの赤ちゃんは、言葉の前兆である喃語(なんご)を言い始めます。「あ~」「う~」などの声で赤ちゃんが話していたら、赤ちゃんに合わせてママも「あ~」などと言ってみましょう。最初は赤ちゃんと同じ音の高さで言い合いっこすると、とても心地よく遊ぶことができます。 このおしゃべりに慣れてきた赤ちゃんには、低い声や高い声で「あ~」と言ってみる遊びをします。そうすると、目をまんまるにして、その音の出た方(ママの顔)をじ~っと見てきて、とてもかわいいです。 遊ぶついでに発達を確かめてみよう生後1~2カ月の赤ちゃんの大きな発達の特徴は、視力が発達してくるということ。動くものを追いかけてみることができます。特に明るくはっきりした色が見えやすいので、「目で見て追いかけごっこ」遊びのときに、赤い色のおもちゃなどを追いかけて見ることができるかを確かめましょう。目で追いかけることができるようになると、次は首を左右に動かすこともできるようになります。 赤ちゃんとのママとの毎日のふれあいが、親子関係の基礎になります。赤ちゃんが「楽しい」「心地よい」と思える遊びを、できることから取り入れてみましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。
2019年09月12日以前、近隣住民から反対の声があがり、新設保育園の建設が中止になったというニュースが各地でありましたね。実はわが子が通園していた保育園でも、近隣の方とのトラブルがいくつかあり、残念ながらそれはすべて保護者が原因によるものでした。実際に私が体験したトラブルから感じたことをお伝えしたいと思います。 近隣住民から声をかけられた第二子育休後、初出勤の日の朝のことです。初出勤ということもあり、いつもより早めに登園していました。子どもたちをクラスに送り届け、足早に保育園をあとにしようとしたところ、「ちょっとすみません」と見知らぬ女性から声をかけられました。そこには怒り顔の女性と同じ園の親子の姿がありました。 その怒り顔の女性は私に対し、「こちらの保育園の方ですよね? 違法駐輪を毎日していた方がいたので注意したら『うるせーなー』と言われたのですが」と話されました。 突然のことにどう対応したらいいか焦り…保育園の駐輪場と門は離れており、園の隣にはマンションがありました。どうやらその親子は毎日そのマンションに駐輪して送迎していたため、見かねた住人の女性が注意。それに対して反論した……という最悪のパターンのようです。 当然ですが女性は大変ご立腹だったので、一度、園長を呼んで対応しようとしました。しかし、「これから通勤なので結構です。のちほど園に連絡します」と立ち去ってしまったのです。 すぐに園へ電話で連絡をするそうこうしているうちに、渦中の親子も園内へと入ってしまいました。私も通勤時間がせまっていたので、駅へ向かう間に園へ一連の内容を電話で報告しました。その後、お迎えのときに園長から、お昼過ぎごろに女性から苦情の電話があったと説明がありました。 しかし事前に報告があったので、対応策を考えることができたと逆にお礼を言われたのです。勝手に自己判断するのではなく、何かあったときはまず園に報告する大切さを実感しました。 その後も降園時の騒音、園周辺の交通マナーなど、たくさんの苦情が入り、そのたびに園側は対応に苦慮したようです。子どもたちのためにも、私たち保護者がまずマナーを守る、その当たり前のことを徹底しなければならないと感じました。著者:東慶子三児の母。育児のかたわら、アンガーマネジメントキッズインストラクターの資格を取得。自身の育児経験に生かすとともに、将来的には子ども向けの講座を開催したいと考えている。
2019年09月04日育児は24時間年中無休。そんな毎日のなかで、育児と家事を頑張りすぎて何が1番大切か忘れてしまうほどでした。私の場合、実家が遠く夫は自営業で多忙なので、常にワンオペ状態でとてもつらかったです。今回はそんな状況下での育児体験で気付いたことや私の気持ちの変化をご紹介します。 ワンオペ育児に追われ気づけばボロボロに毎日の育児や家事であっという間に時間が過ぎていて、気づけばもう夕飯の支度をしなきゃいけない時間……。 朝から元気でパワフルな子どもを相手にしていると、自分に使える時間はほとんどないし休める時間もなかなかありません。 そんな毎日のせいか、ちょっとしたことでイライラすることが増えていきました。私の場合、実家や夫に頼ることができない環境なので、子どもが熱を出したとき、入院したとき、どんな状況であってもひとりで全部乗り越えてきました。 イライラが頂点に! ついに爆発!全部をひとりでこなすことは本当に大変で、仕事を頑張ってくれている夫にさえ感謝できないくらい気持ちに余裕はありませんでした。いつしか「なんで私ばっかりこんなに大変なの。逃げ出したい」そう思うようになっていき、私はついに爆発してしまいました。 まだ2歳にもなっていないわが子に怒鳴ってしまったのです。息子はびっくりしたようで号泣してしまい、そんな息子を見て自己嫌悪になり、気づけば私も泣いていました。どうしたら良いのかわからず息子を抱きしめ、そのときはただ泣いて「ごめんね」ということしかできませんでした。 反省、そして思ったこと少し時間が経って冷静になり、そこで初めて「こんなにストレスが溜まって爆発して息子を悲しませるくらいなら、いっそ頑張らなければ良いんだ!」「もっと休んでラクして二度と戻ってこないこの時期を楽しもう!」と思うようになりました。子どもは笑顔のママが一番大好き! ママが笑顔になることがとても大切! まずはママである私が笑顔になれる環境作りをすることが大切なんだと感じました。 その経験から、イライラしそうになったら家事や育児は手を抜いて、ママと子どもが笑顔でいれるようにしようと思いました。少し部屋が散らかっていてもすぐには片付けず寝る前にまとめて片付けたり、食事を1食だけレトルト食品にして家事の負担を減らしただけでだいぶ体力的にもラクになり、イライラする頻度も減りました。 そして、本当に大変なときやつらいときは夫に助けを求めることも必要だと思うようになりました。とにかくひとりで抱え込まないようにしよう! と思います。 著者:八木あかね一男一女の母。二人目出産を機に保険代理店を退職。夫が忙しい為、ワンオペになりがち。1年間専業主婦に徹するも、現在は自身の出産や育児の経験を活かしライターとして活動中。
2019年09月04日言い方を工夫すれば、相性が良くなる!?誰もが一度は経験がある、日常生活にある気まずいシーンをピックアップ。ふたりの関係を好転させる、絶妙な言い回し術を徹底レクチャー。実践! シーン別言い回し術。遅刻してしまった時「遅刻して本当にごめん!電車が遅れちゃって…」開口一番、「電車が遅れた!」と言い訳することは、自分に非がないことを伝える自己弁護が働いているから。まずは謝罪してから、その後に遅れた理由を述べましょう。「遅刻は仕方がないことでも、相手に迷惑や心配をかけたことに変わりはないので、まずはお詫びから。遅刻の理由を先に伝えると言い訳がましく伝わります。お詫びの仕方は人間性が問われます。もちろん自分がミスや失敗をした時も同様。自分の落ち度を認め、それを素直に伝える勇気を持ち、しっかりと謝罪することができれば、他者から評価されます」(“伝わるコミュニケーション”をテーマに講演を行う戸田久実さん)忙しい人に話しかける時「××についてご相談したいのですが、5分ほどよろしいでしょうか?」最初の一言めで、何のことで話しかけているのかを明確に伝えること。「それがわかれば、相手は今の作業を中断してでも、すぐに時間を割いて話に耳を傾けるべきか、あとでじっくり時間を取るべきか、優先順位を瞬時に判断することができます。『ちょっといいですか?』だけだと、その『ちょっと』が何を指しているのか全くわからず、忙しいのに注意をそらされたことで、イライラを助長させるだけ。何の件で話したいのかに加えて、どのくらいの時間を要するのかを一緒に伝えられれば、気遣いができる人だと思われて、グッと距離が縮まるはず」(戸田さん)仕事を引き受けられない時「ほかの案件に追われており、これが終わり次第お手伝いします」仕事が手いっぱいで、泣く泣く相手の要求を断らなければならない時は、「無理です」「できません」と結論だけ伝えてしまうと、信頼関係にヒビが入ってしまうことも。「どうしてできないかの具体的な理由と、力になりたい気持ちがあることを伝えれば、次に繋がります。またその時に『その代わり』を付け加え、代替案を用意すると、グッと好印象。たとえば資料作りをお願いされたのなら、作る時間はないが、資料集めやコピーなど、ささやかでも、今の自分にできることを無理のない範囲で提案してみるんです。そうすれば誠意が伝わります」(戸田さん)飲みの誘いを断る時「誘ってくれてありがとう。でも今日は外せない用事があって…」「断ることに罪悪感を抱いて、ついつい謝ってしまいがちですが、まずは誘ってくれたことに対して感謝の気持ちを伝えること。そして行けない理由をクリアにすれば、相手に気を使わせずに済みます。また翌日に『昨日楽しかったですか?』など、相手に寄り添った言葉を投げかけると、またすぐに誘ってくれるでしょう」(キャリアカウンセラー・関下昌代さん)。できれば参加したくないという人も多いが、飲み会は相性を良くするチャンスがたくさん転がっているので、参加しないのはもったいない。「飲み会は情報収集の場、ネタが増えるので会話が弾みやすくなり、伝わる力が高まります」戸田久実さんアドット・コミュニケーション(株)代表取締役。アンガーマネジメントをベースとした、言葉がけに特化したコミュニケーション指導に定評がある。『〈イラスト&図解〉コミュニケーション大百科』(かんき出版)。関下昌代さんキャリアカウンセラー。亜細亜大学で、ビジネスマナーやコミュニケーションの講師も務める。『先輩に可愛がられ、同僚に疎まれず、後輩に慕われる女子になる職場で幸せになる45 のコツ』(中央公論新社)。※『anan』2019年9月4日号より。イラスト・徳丸ゆう取材、文・鈴木恵美(by anan編集部)
2019年09月01日伝え方ひとつで、ぎくしゃくすることもあれば、一気に距離が近づくことも。特に言いづらいことを伝える時に差が出やすいもの。そこでどんな人とも相性がアップする伝え方の極意と、日常でよくある要注意シーンで使える言い回し術を、その道のプロが指南。価値観の違いを認めつつ、自分の気持ちも大事にする。仕事でもプライベートでも長く付き合っていかなければならない相手は必ずいるもの。しかし、自分の思いがうまく伝わらなかったり、会話がかみ合わないと、「この人とは相性が悪い」と判断して、距離を置きがち。だが伝え方次第で相性は変えられると、キャリアカウンセラーの関下昌代さん。「相性の良し悪しは、価値観が合うかどうかで決まるわけではありません。自分以外は、みんな異文化だと思うこと。自分の普通や当たり前が、相手にとってもそうだとはかぎらないのです。わかってもらえて当然だと思い込んで、一方的に気持ちをぶつけたり、言葉足らずになると何も伝わらず、お互い不快感を抱くだけ。だから自分の価値観を押し付けない伝え方を心がけることが、相性を良くする第一歩です」そのためにも相手の立場に立って考えること。しかし相手の顔色をうかがって、言いたいことを我慢しても何も変わらないと、“伝わるコミュニケーション”をテーマに講演を行う戸田久実さん。「良い顔をするのと、良い関係性を築くのは違います。嫌われたくなくて本心を隠したり、何を言われても傷つかないふりばかりして、自分の気持ちをないがしろにしていると、ストレスは溜まる一方。それが大きくなると、相手への不満となり、何かの弾みで怒りを爆発させ、取り返しのつかないことになる場合も。だからその都度言いづらいこともしっかりと伝えることが大事です。曖昧な言い方はトラブルのもと。伝える力を高めれば、お互いの理解が深まり、関係性はグーンとアップします」言葉選びや言い回しなど、伝え方のコツを身につければ相性は思いのまま。どんな人とも好相性に。伝え方の極意8言いたいことを伝えるのは難しいけれど、伝わった時の喜びはひとしお。まずは、心がけるだけで相手に伝わりやすくなる8つのポイントを伝授。場数を踏めば自信が持てるようになり、コミュニケーション力も向上!【1】話すタイミングを見極める話しかける前に相手を観察して、スムーズに話し合いができるベストなタイミングをチョイス。「相手の機嫌が悪いと、聞く耳を持たなくなり、こちらに非がなくとも、伝わるものも伝わらなくなります。表情や声のトーン、振る舞いで、相手の機嫌が見えてきます。不機嫌な場合は避けるべきですが、急ぎで伝えたいことがある時は、お茶など温かい飲み物を差し出して、様子をうかがい、気分を落ち着かせてから伝えてみては」(関下さん)【2】テーマはわかりやすく要点をまとめられる人こそ、伝え上手。「言いにくいからと回りくどくなったり、自分でも何を言っているのかわからなくなると、モヤッとしたまま終わるだけ。だから事前に伝えるべきテーマは何か、核を明確にしておくべき」(戸田さん)。結論と理由をセットで伝えると、相手の納得と理解を得やすい。頭に浮かんだことを思いつくまま話すのではなく、事前に思考を整理してシミュレーションするクセをつけること。紙に書き出すのも手。【3】頼み事は特別感を出す仕事をお願いしたり、相談に乗ってほしいなど、頼み事をする時に大事なのは、特別感。「『あなたにしか頼めない』『さんだからお願いするんだけど』などの言葉を添えると、頼りにしていて、特別な存在であることが伝わり、快く引き受けてくれる可能性大」(戸田さん)。ふたりだけの秘密を共有することで、信頼関係も深まり、相性アップ!ただし多用すると不信感に変わるので、ここぞという時に使うこと。【4】相手に合わせた「たとえ」で語る何かを説明する時に「たとえ」を入れて語ると、相手の心に響きやすくなる。「価値観だけでなく、理解度も人それぞれ。相手が経験していないことを説明したりお願いする時は、理解を得るためにたとえる力が必要不可欠。『この間の仕事で言うと…』など、相手に合わせた例を入れると、物事や目的がはっきりしてくるので、相手もイメージしやすくなります」(戸田さん)。相手の印象に残る伝え方をしたい時も、たとえを使うと効果的。【5】相手に話を振ってみる一方的な言い分で論破しても理解も共感も生まれません。「特に対等の立場ではない者同士の会話は、一方が多く話しがち。自分が話しすぎていると思ったら、『あなたはどう思う?』と聞いて、相手にも意見を述べるチャンスを与えましょう」(戸田さん)。相手の話に耳を傾けながら話し合うと建設的な議論ができる。「意見がくい違っても、話を遮らずに最後までしっかりと聞くことも、良好な関係を築くコツ」(関下さん)【6】肯定から入る意見に同意できなくてもいったん受け止める余裕とポジティブさがあれば、伝え方の達人といえる。「コミュニケーションはキャッチボール。相手から飛んできたボールをパーンとはじき飛ばして、『いや、それは違う』といきなり否定するのではなく、『なるほど、そういう考え方もあるね』と、意見を受け入れて、肯定のリアクションをしましょう。その後に自分の意見を述べれば、相手も聞く耳を持ってくれるようになります」(戸田さん)【7】誰にでも丁寧に偏ったものの見方をせず、公平なコミュニケーションを心がけること。「上司には媚びて、部下には横柄な態度をとるなど、人によって伝え方を変えると、誠実さが失われ、不信感を抱かせ、無用なトラブルを招くこともあります。また、つまらない見栄やプライドを持っていると、自分自身正しい選択ができなくなるので注意すべき」(関下さん)。どんな相手に対してもフラットな気持ちと真摯な態度で対応すれば、尊敬され、信頼度アップ。【8】評判に振り回されない「周りの評判や噂話に流されて、人を判断するのは避けるべき。よく知りもしないのに、『こういう人らしい』と、先入観を持った状態で接すると、ぶっきらぼうな伝え方になり、関係性は良くなりません。まっさらな気持ちで向き合い、自分が直に感じたことだけを信じること」(関下さん)。自分の中に凝り固まった固定観念にも振り回されないように。そうすれば多角的な視野が持てるようになり、良い人間関係を構築しやすくなる!関下昌代さんキャリアカウンセラー。亜細亜大学で、ビジネスマナーやコミュニケーションの講師も務める。『先輩に可愛がられ、同僚に疎まれず、後輩に慕われる女子になる職場で幸せになる45のコツ』(中央公論新社)。戸田久実さんアドット・コミュニケーション(株)代表取締役。アンガーマネジメントをベースとした、言葉がけに特化したコミュニケーション指導に定評がある。『〈イラスト&図解〉コミュニケーション大百科』(かんき出版)。※『anan』2019年9月4日号より。イラスト・徳丸ゆう取材、文・鈴木恵美(by anan編集部)
2019年08月31日わが家の子どもたちのイヤイヤ絶頂期は2歳前後。1人目のときはどう対応すればいいのか悩んだものです。しかし、つらい経験は糧になります。2人目は子どもの「イヤ!」に動じないようにしようと決意。そのとき私が実践していたことを紹介します。 外出時には退屈させないグッズを用意する私の経験上、退屈すると子どもの機嫌が悪くなることが多々ありました。わが家でよくあったのが買い物中です。 子どもにとって親の買い物に付き合うのは退屈。だからいろいろな商品に目を奪われて、手が出てしまうんだと感じました。でも、親には「触ったらダメ」と叱られる。これでは悪循環ですよね。そこで外出時には、退屈させない「グッズ」を用意しました。目新しい絵本やおもちゃを出すと効果的でしたよ。 選択肢を増やして自分で選んでもらう事前準備でもダメなら、次は予防策です。2歳前後は、自分の欲求を抑え切れない時期。一度欲求があふれ出てしまうと、なかなかおさまりません。 また、親が一方的に決めてしまうとヒートアップしてしまうことが多々ありました。その裏にはきっと「自分で決めたい」という意思があるのではないかと思った私は「選択肢を増やして自分で選んでもらう」ことに。たとえば、着替えの際は「どっちの服にする?」と、あえて選択肢を増やして子ども自身に決めてもらいます。すると自分で決められたことで満足してくれることもありました。 ママも子どもも飲み物でクールダウンする事前準備や予防策でもダメ。想定外なイヤイヤは日常茶飯事ですよね。そんなときは「飲み物」でクールダウンするのがわが家の鉄則でした。 理由はなんであれ、一度感情があふれ出してしまうとコントロールできなくなってしまうのが子どもです。イヤイヤのスイッチが入った! と感じたら、まずは飲み物をひと口飲ませてみます。私自身も深呼吸をしながら飲み物を飲み、一緒にクールダウン。親子ともに、冷静になれるきっかけになります。 仕事がお休みのときは、パパもぐいぐい巻き込みました。「子どもは好きな人にだけ反抗するんだよ」と言って、しばらく任せることもしばしばでした。ひとりで抱え込まずに、周りの協力も得ながら子どものイヤイヤに付き合っていけるといいですね。著者:田中由惟一男一女の母。二人目の出産を機に食品会社を退職。現在は子育てのかたわら、記事執筆をおこなう。趣味はスポーツとピアノ、美味しいものを食べること。
2019年08月19日母乳や育児用ミルクを卒業する時期は、ママと赤ちゃんのペースでゆっくり決めたいもの。個人差がありますが、離乳食を卒業する1歳半ごろには授乳なしでも大丈夫といわれています。しかし仕事復帰などのママの都合で、焦って断乳させてしまうことも。私も娘の断乳をちょっと強引にしてしまい、後悔しているママの1人です。 1歳になったら断乳しなくちゃいけない?離乳食が進み、おっぱいやミルクの回数が減ってくると、断乳や卒乳を考え出すママも多いのではないでしょうか。娘が1歳になるのを機に仕事復帰の予定だった私は、母親からの「1歳になれば断乳でしょう」という根拠のない言葉を鵜呑みにしていたこともあり、ちょっと強引に断乳をしてしまいました。 そもそも、卒乳と断乳の違いについてもあいまいな知識しか持っていなかった当時の私。子どもの意思で母乳育児を終える「卒乳」ではなく、親の意思でやめる「断乳」という方法しか知らなかったとも言えます。 当時、離乳食も進み、昼間の授乳は卒業できていた娘。入眠時の授乳も1回に減っていたので、寝かしつけさえできれば断乳は簡単だと思っていました。しかし断乳を決行した日から娘はどう寝ればいいかわからず、パニック状態に! 何をしても泣きやまない娘を前に、私も途方にくれるしかありませんでした。結局、随分泣いた末に諦めた……という感じで断乳が完了しました。 どうすれば無理なく断乳できる?前出の母の言葉のように、何となく昔から言われている根拠のない言葉を鵜呑みにするのはよくなかったと思っています。子どもが自ら「いらない」と意思表示するのを待たない断乳の場合、離乳食の進み具合や子どもの成長に合わせて、無理のない時期を設定したいもの。 仕事復帰などの期限が迫ってくると焦りがちですが、夜1回程度の授乳であれば断乳せずに仕事復帰し、自然に卒乳できるのを待つという選択肢もあったのかな、と今なら思えます。 娘にとっては、ある日突然やってきた断乳。もっとやさしく声かけをしたり、母乳をやめることについて徐々に理解を深めたりしながら、お互いが無理のない方法を探せばよかったなと思うこともあります。 断乳してよかったことももちろんある少し強引だったとはいえ、断乳してよかったことももちろんあります。授乳中は、毎晩必ず夜泣きをしていた娘。おなかが空いているという訳ではないようでしたが、私も眠さに負けてついおっぱいをあげてしまう毎日でした。 そんな娘も、断乳を機に朝までぐっすり寝てくれるように。やっと訪れた朝まで眠れる生活に娘の成長を感じ、当時の私は感激を覚えました。睡眠時間を確保できるようになり、娘も私もストレスが軽減されたように思います。 ずいぶん泣かせてしまった娘もその後順調に成長してくれて、今では5歳になりました。現在、第2子妊娠中の私。長女の断乳に関する反省を生かして、次こそは親子のペースで卒乳を目指したいと思います。 イラスト:sawawa著者:金谷ともみ第2子妊娠中、5歳の娘の母。働きながら結婚、出産、産休育休を経て復帰、マイホーム購入などを経験。よりフレキシブルな働き方を求めて、ライターに転向。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年08月13日どうも、保育士のてぃ先生です。今日は「子どもがお片付けをしない」というお悩みに答えたいと思います。ポイントは3つです! 1)お片付けの必要性を伝える2)片付けを面倒にしない3)言っただけで放置しない お片付けの必要性を伝える「お片付けしなさい!」と怒られるからやっているだけだと、怒られないためのお片付けになり、当然ながら習慣化はされません。 年齢に合わせて「おもちゃお家に帰れなくて泣いちゃうよ。えーんえーんは可哀想」「次遊ぶときに使いたいおもちゃがすぐに見つかった方がいいよね」といった内容で、お片付けをする理由・メリットを伝えると良いです。 反対に「お片付けしないとおやつあげないよ!」といった脅し文句を使ってしまうと、ますます「お片付け=嫌なこと」と認識されてしまうので、そこは意識した方が良いと思います。 お片付けを面倒にしないそもそも子どもにとってお片付けというのは、好きな遊びを中断しなければならない悲しいものです。そこに面倒臭さが乗ってくると、そりゃあお片付けしなくなります。 まず思い浮かぶ面倒臭さは「お片付けする場所が分類され過ぎている」ということが挙げられます。「お人形は棚の上」「お人形のお洋服はカゴの中」「電車のおもちゃ本体はカゴ、でも線路は別の箱の中」といった具合に、大人は「この方がわかりやすいだろう」と思っていることが、子どもにとっては覚えにくく面倒なんです。 お片付け先を間違えたときに「何でここに電車が入ってるの?」なんて言われた日には「もうやりたくない」となるのは十分理解できます。 まずは、「大きめの箱を1つ用意する」ことをオススメします。とりあえずは「もうこの箱の中にさえ入れてくれればいいよ」というところから始めると、「ここに入れるだけなら簡単にできる」と子ども自身がお片付けに関心を持ちやすく、もちろん達成しやすいので、褒められる機会も増えてポジティブな感覚を持てるようになると思います。 それがきちんとできるようになったときに初めて、箱を2つ、3つほどに増やし「お人形はこの箱に入れてね」「電車はこっちね」と分類することを学べるようにすると非常にスムーズです。 それもできるようになったら、「棚の上」「カゴの中」と少しずつお片付け先を増やしてみてもいいと思います。その際、できればお人形を置く棚には「お人形の写真」、電車をしまうカゴには「電車の写真」を貼ってあげると、よりわかりやすいものになるので工夫なさってみてください。保育園ではよくこの手法を使います。 言っただけで放置しない「お片付けしなさい!」と言うだけで放っておくと、子どもはやりません。習慣化されるまでは、最低3つだけでも一緒に片付けてあげましょう。 それでも捗らなければ両手に1つずつおもちゃを持ち、「これとこれ、どっちから片付けてみようか?」と“選択”できるようにしてみてください。「こっち!」と案外乗ってくれます。あとはありがちですが、「どっちがたくさん片付けられるか競争ね!」とゲーム性を持たせるのも良いです。 「できて当然」と思われがちなお片付けですが、大人でさえできない人は多いです。押し付けたり、急かしたりするのではなく、“じっくりと教える”つもりでいくと、大人側のストレスも減って良いと思います。何より大切なのは「お片付けする大人の姿」を飽きるほど見せることです。 著者:保育士 保育士 てぃ先生都内の保育園に勤める男性保育士。ちょっと笑えて、可愛らしい子どもの日常をつぶやいたTwitterが好評を博し、フォロワー数は49万人を超える。Twitter原作のマンガ『てぃ先生』は20万部を突破、著書である『ほぉ…、ここがちきゅうのほいくえんか。』は15万部を超える大人気作に。他にも『ハンバーガグー!』『きょう、ほいくえんでね…!!』など多数出版。保育士として勤務する傍ら、その専門性を生かし、子育ての楽しさや子どもへの向き合い方などをメディアなどで発信。全国での講演活動も年間50本以上。他園で保育内容へのアドバイスを行う「顧問保育士」など、保育士の活躍分野を広げる取り組みにも積極的に参加している。ちなみに、名前の読み方は「T」先生。HP::::
2019年08月09日最近は「イクメン」という言葉が浸透しているように、育児に積極的なパパは私の周りにも多くいます。しかし、育児で特に大変な0~2歳児の間、ママが仕事を休み、パパが仕事を続けているご家庭がほとんどです。 私の家も同じで、パパである自分が1日中育児をする機会はあまりありませんでした。今回はママが不在の日に、私と子どもだけで過ごして気づいた育児の大変さについて話したいと思います。 子どもってこんなに泣くの?私が育児の中で1番大変だと感じていたのは、泣いている子どもをあやすことでした。子どもはおなかが空いた、おむつが気持ち悪い、何となく機嫌が悪いなど、さまざまなことを泣いて訴えてくるとわかっていましたが、昼夜問わず泣かれるとつらいなと感じていました。 なかでも私が特に困ったのは、眠いときに泣かれることです。おなが空いているときならば、ごはんをあげるなどして何とか対処できます。でも眠い子どもを寝かしつける方法やあやす方法がいまいちわからず、普段ママが抱っこするとすぐ寝るのに、パパの抱っこは慣れていないのか、なかなか眠ってくれず苦労しました。 子どもってこんなにおむつ替えるの?おむつを替えることも最初は戸惑いましたが、慣れてくるとそこまで大変さを感じることはありませんでした。でも、それが1日中となるとものすごい回数になるのだ、と気づきました。朝起きてから、ごはん中、昼寝してから、遊んでいるときなど、1日に10回以上は替えました。 それでも家にいるときはまだましです。子どもと2人では時間を持て余すので途中で外出したのですが、外出中が特に大変でした。突然子どもがおむつ替えを訴え泣き始め、おむつを替える場所を探すことから始めなくてはならず、しっかり準備したつもりでもおしり拭きを車の中に忘れたり、場所の使い勝手がいまいちわからず戸惑ったり、外出中のおむつ替えには本当に苦労しました。 子どもってどんなごはん食べているの?子どもがまだ授乳中で育児用ミルクを用意すればいい時期はまだよかったのですが、離乳食が始まるとその準備にとても苦労しました。どんな食事形態なのか、栄養は足りているのか、アレルギーはないのか、自分で食べられるのか、何を準備しないといけないかなど、「食事」と一言で言ってもママに聞かないとわからないことばかり。適当にするわけにはいかないので、ママに何回も連絡をしました。 それで準備万端でいざ食事となると、食べこぼしはするし、近くにコップを置くとお茶をこぼすし、もちろん落ち着いてじっと座っていることもないので、自分の食事をする余裕なんてないので、かなり大変でした。 私自身、育児に積極的だと思っていても、実はママにしてもらっていることが多いことに気づきました。ママが外出し、1日子どもと2人で過ごしただけなのに、わからないことがたくさんありました。今回の体験を通してあらためて育児の大変さに気づくことができたので、もっと頑張っていきたいと思います。 著者:西川しょた普段は看護師として勤務する3歳と1歳、2男の父。育児に関する体験談を中心に記事を執筆している。
2019年08月04日どうも、保育士のてぃ先生です。今日は「子どもがおもちゃやお菓子がほしいと言う」というお悩みに答えたいと思います。ポイントは2つです! 1) 欲しいのではなく好きなだけ2) 理由を聞く 欲しいのではなく好きなだけ特に年長さんより前の子どもはそうですが、「欲しい!」と言ったからといって本当に欲しいと思っているかというと、そうでもありません。信じられないことかもしれませんが、「自分はこれが好きなんだ〜」と伝えているだけのことが多いです。 語彙力が足りない、たったそれだけのこと。 「そんなのいらないよ!」「ダメ! 買わないよ!」と言われてひどく怒ったり、泣きわめいたりするのは「これ好き」「見て! 素敵だよね」といった意味を込めて言った「欲しい」を全否定されているからです。 まして、ママやパパといった普段は自分の気持ちを受け止めてくれる存在の人が、自分の価値観を完全否定してくるのですから、これほど悲しいことはありません。 なので、必要な対応としては「お〜! それいいね」「ママもこれ素敵だなぁと思ったよ」と肯定的な言葉をかけるだけで十分。きっと子どもは「うん!」と満足な顔を見せてくれるはずです。 理由を聞く「どうしてそれが欲しいと思ったの?」と理由を聞くことも効果的です。ただなんとなく欲しいではなく、必ず理由を聞くようにすると、子ども自身も不必要なものを分別できるようになっていきます。 園の保護者から聞いたエピソードでは、お菓子をねだった息子さんに「どうして欲しいの?」と聞いたら「だってママお菓子好きでしょ? 僕と一緒に食べたらおいしいよ」と言われて納得し、買ったと言っていました。 その後、これを常套手段に使われると思っていたら、思いの外言ってこず、「きちんと考えているんだなぁと感心しました」とも。 子どもは子どもなりにいろいろ考えていますから、「理由を聞く」ということも大事ですね。やっかいな外出先での「これほしい!」、ぜひ一度見方を変えてみてはいかがでしょうか。 著者:保育士 保育士 てぃ先生都内の保育園に勤める男性保育士。ちょっと笑えて、可愛らしい子どもの日常をつぶやいたTwitterが好評を博し、フォロワー数は49万人を超える。Twitter原作のマンガ『てぃ先生』は20万部を突破、著書である『ほぉ…、ここがちきゅうのほいくえんか。』は15万部を超える大人気作に。他にも『ハンバーガグー!』『きょう、ほいくえんでね…!!』など多数出版。保育士として勤務する傍ら、その専門性を生かし、子育ての楽しさや子どもへの向き合い方などをメディアなどで発信。全国での講演活動も年間50本以上。他園で保育内容へのアドバイスを行う「顧問保育士」など、保育士の活躍分野を広げる取り組みにも積極的に参加している。ちなみに、名前の読み方は「T」先生。HP::::
2019年08月02日こんにちは。保育士の中田 馨です。赤ちゃんが生まれて幸せな時間のはずなのに、泣いて寝るばかりの赤ちゃん。赤ちゃんが起きているときは「相手をしなくちゃいけない」と思うけれど、意味のある言葉を発するわけではなく、会話が成立しない赤ちゃんにどう接すればいいかわからない。今日は、そんな新米ママへ赤ちゃんの接し方を紹介します。 生後間もない赤ちゃんの発達生後間もない新生児の赤ちゃんは、当然のことながら首がすわっておらず、自分で動くことができません。視力は近いものがぼんやりと見えるくらい。耳はしっかりと聞こえています。 「おしっこが出たよ」「おなか空いたよ」「眠たいよ」など、泣いて自分の不快な気持ちや欲求を訴えます。 新生児の赤ちゃんとおしゃべりしようそんな、まだまだ未発達な赤ちゃんにも話しかけてあげましょう。 一日の生活のシーンごとや、赤ちゃんのご機嫌な時間に始めてみるといいですね。余裕があるときは抱っこをしてママが赤ちゃんに話しかけてみましょう。「〇〇ちゃん」「ママよ」「かわいいね」「ご機嫌ね」などなど、楽しい声かけをしてみましょう。 赤ちゃんはきっとママのほうをじっと見つめていると思います。話しかけることを日々続けていると、赤ちゃんも声を出し始めます。そんなときは、赤ちゃんの発する声色に合わせてママも声を出してみるといいですよ。「あー」とか「んぐー」とか一緒に言い合ってみましょうね。だんだん、ママと赤ちゃんの声のかけ合いができるようになってきます。 赤ちゃんと接するときに大切なこと視力はまだぼんやりとしか見えていませんが、赤ちゃんと目を合わせてお話しすることが大切です。目を合わせることで愛着関係が深まります。また、肌と肌の触れ合いも大切。抱っこしたり、頭から足の先まで、体をさすってみたりしながら赤ちゃんと接してみましょう。 赤ちゃんにどんどん刺激を与えることで、将来の発語にもつながってきます。いっぱい触れ合ってお話ししてあげてくださいね! 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。
2019年07月18日アメリカ・ミシガン州にお住まいのママさん。日本人ママ友との出会いは意外と多いものの、別れも多いようです。それでも人付き合いに積極的になれたというアメリカ在住ママの体験談です。 現在日本人の夫と1歳7カ月の娘とともに、アメリカのミシガン州に永住者として住んでいます。こちらには多くの日本人家族が住んでおり、さまざまな境遇の下でアメリカ生活を送っています。私が子どもを持つようになってから体験した、ママ友との出会いと別れの様子をお伝えします。 ※コロナ禍前の体験談です。 いろいろな境遇の日本人ママとの出会い私たち家族は永住者としてアメリカに住んでいます。しかし、こちらの土地で出会う日本人ママ友のほとんどは短期間での滞在者。主に旦那さんが企業からの駐在員か、大学で学ばれている方です。数は少ないですが、国際結婚されてアメリカに来られたママさんや、旦那さんが大学で就業されている永住者のママさんにも出会うことがあります。 子どもを遊ばせながら日本人ママさんを見掛けると、話しかけたいな!と思ってしまいます。みなさん子どもを通じて、気さくに交流されているようです。 十人十色な境遇、そして感じるその格差!いろいろな境遇で生活されている方が多いので、生活レベルもさまざまです。日本の有名企業から来られている方は手厚い生活サポートがあり、お子さんが託児所や保育園に行っている間に英会話や趣味の教室を楽しむことができるようです。また、おむつなどの必需品の購入補助費などもあるようで、うらやましいな、と格差を感じ嫉妬することも。 しかし、慣れない海外勤務をされる旦那さんやそこで新たに生活するお子さんをサポートするという、ママとしての大変な側面もあるようです。 いつか来る別れ、うれしい新たな出会い通常は駐在任期を終えると、多くの日本人家族は帰国します。「実は、来年帰国するんです」と仲良くなったときには帰国間近で、数カ月後には切ない別れになってしまうことも。別れを考えると寂しいですが、同じ年頃のお子さんを持つ見知らぬ日本人ママさんを見掛けると、「ママ友になれるかもしれない」と期待が湧いてくるのです。 アメリカで子育てをしながら、本当にたくさんのママ友との別れを経験しましたが、同時に積極的に人と関わっていこうという気持ちも持てるようになりました。 日本人ママさんが多い土地なので出会いはありますが、短い期間の滞在の方が多く、出会いと別れの繰り返しでした。うれしくもあり、寂しくもありですが、新たな出会いによって積極的な人との関わりができるようになりました。著者:岡みちこアメリカ中西部の小さな町で日本人の夫と1歳の娘の3人暮らし。アメリカの子育て事情や、自身の妊娠・出産・子育てに関する体験談について執筆中。
2019年07月07日「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。今回は妊娠中の性行為に関するご相談です。 Q.妊娠中のオーガズムは問題ないのでしょうか?妊娠16週になる初産婦です。先日友人から妊娠中も性行為をしていたという話を聞きました。妊娠中のオーガズムは問題ないのでしょうか? また、妊娠中の性行為や自慰行為は妊娠何週目までにやめたほうがよいということはありますか? 在本祐子助産師からの回答妊娠中は、性衝動が減って来る方がほとんどです。ですが、妊娠中の性行為は自慰も含めて経過が順調に進んでいれば問題ないとされています。清潔には留意なさってくださいね。※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください 妊娠中に性行為をしても大丈夫?妊娠経過が順調で妊婦さん本人の体調が良く、担当医から性行為を控えるように注意を受けていなければ、性行為をしても問題ありませんが、次のような状況では性行為を控えるようにしましょう。 ・おなかの張りがある・出血がある・子宮頸管が短くなっていると診断されている・前置胎盤もしくは低置胎盤と診断されている・赤ちゃんが逆子(骨盤位)と診断されている・医師から安静にするように指示されている・その他、医師から性行為を控えるように注意されている 妊娠中に性行為をするときの体位と注意点について妊婦さんが心身共に負担にならない体位であれば、どのような体位でも問題ありません。腹部を圧迫しない、浅い結合で子宮を刺激しない対位が望ましいです。 パートナーは両手で自分の身体を支えるなど、妊婦さんのおなかを圧迫しないように工夫しましょう。また、感染症を防ぐためにも、コンドームを装着して、ペニスを深く挿入しないように注意しましょう。 妊婦さんが性行為中におなかの張りを感じた場合は、中断するようにしましょう。また性行為後に、おなかの張りや出血、破水など異常を感じたら、必ず受診しましょう。 ※参考:基礎知識(妊娠中)「妊娠中の性行為はあり?してもいい時期・控えた方がいい時期と注意点」【監修:医師 天神尚子 先生|三鷹レディースクリニック院長】
2019年07月01日ママ友や学校関係、習い事…日常、連絡事項でメールを使うことも多いはず。ママ同士のメールのやり取りも難しいものです。空気を読まずに絵文字を送ってしまって、相手に嫌な思いをさせていることも…。自分にはそのつもりがなくても、対面でのやりとりとは異なるメールは、まずは送信前にひと呼吸置いて、確認することを心がけましょう。 『ひと言で「人間関係」はガラッと変わる! 大人の伝え方ノート』 (SBクリエイティブ)の著者であり、長崎大学准教授の矢野香さんに、スマートなメールやSNSづかいのコツを教えていただきました。お話をうかがったのは… 矢野香(やの・かおり)さん元NHKキャスター、現在は国立大学法人長崎大学准教授、スピーチコンサルタント。専門は、心理学、スピーチ・コミュニケーション論。著書に『その話し方では軽すぎます!-エグゼクティブが鍛えている「人前で話す技法」』(すばる舎)『【NHK式+心理学】一分で一生の信頼を勝ち取る方法-NHK式7つのルール-』(ダイヤモンド社)など、ベストセラー多数。 ■メールが地雷に! 言い回しやノリではどうする? ――仲のよい友だちとのやりとりならいいのですが、顔が見えないぶん、子ども関係のママ友たちとのメールは、どんなテンションで臨めばいいのか悩むことが多いです。 矢野香さん(以下、矢野さん):メールやSNSのやり取りで、「この人にはどんなノリで送ればいいのか」と迷うことは多いですよね。 はじめにつまづきやすいのが、この「ノリ」なんです。最初でつまづくと、あとで挽回するのは難しいものです。こちらはそこまで親しくないつもりでいたのに、いきなり「ヤッホー」なんてこられて、ちょっと引いた…なんて経験はありませんか? どこまでフランクにしたらいいか、それとも敬語で貫くか。言い回しやコミュニケーションに悩む人は多いものです。とくに、途中で参加したグループのラインなどは、空気感がつかみにくいものですよね。 そこで、まず「言葉づかい」はまわりに合わせてみましょう。心理学では「ペーシング」というのですが、相手と息を合わせることです。対面なら、同じ速さで話したり、声の大きさやトーンを同じにそろえることですね。 同じノリの「言葉づかい」でやり取りをすることで、相手に安心感を与え、仲間であることを暗示できる効果があります。 たとえば、先方が短い一文のメールを送ってくるタイプなら、自分も短く、簡潔な文章で返すといいですね。これも相手に合わせるペーシングです。また、同じ種類のスタンプを使うのも、相手に無意識で親近感を感じさせます。 ――グループラインでは、ほかの人につける「敬称」にも悩みます。友だち同士ならいつもと同じでいいのですが、そこまで親しくない場合はまわりの人と同じにしていいのか…。「なに、図々しい」と思われないかな、なんて…。 矢野さん:ほかの人がAさんのことを「Aちゃん」と呼んでいて、自分もそう呼ぼうかどうしようか…なんて迷いますよね。 そんなときは、「私もAちゃんと呼んでもいいですか?」と聞きましょう。勝手に、いきなり「Aちゃん」と呼ぶと、相手はどんな印象を抱くかわかりません。こう聞かれて「嫌だよ」と答える人はいないと思いますが(笑)、一度聞いてクッションをはさむことで、相手にはその人のていねいさや誠実な印象が残ります。 メールで迷ったら「確認」すること。対面なら相手の表情や空気感から察知することができますが、顔が見えないメールでは、見切り発車は地雷を踏んでしまう危険性が高いものです。 「まあ、いいか」と、日常では当たり前のことも当たり前にしないことが、SNSのコミュニケーションではとても大切。しかも、メールはあとまで残ります。より一層の注意を心がけたいですね。■「できるママ」を演出する、読点+改行でメール美人に ――メールで相手に好印象を残すコツはありますか? 矢野さん:メールは、目で読むものです。そこで、視覚の効果を利用することで、送信者の株も大きく上げることができるんです。たとえば、次の2件のメールを見て見ましょう。どちらも同じ内容です。 「明日の委員会は18時からPTA会議室で行います。秋の運動会のPTA競技と各係を決めます。事前に配布した資料を持参してください。遅刻の場合は、事前に○○までご連絡ください」 「明日の委員会は、18時からPTA会議室で行います。秋の運動会のPTA競技と各係を決めます。事前に配布した資料を持参してください。遅刻の場合は、事前に○○までご連絡ください」 読点を一カ所入れただけですが、どちらが読みやすいかは一目瞭然ですね。さらに後者は、改行することでいちばん大切な時間と場所、目的が強調されています。 基本的に、連絡事項などのメールはシンプルに、端的にまとめることを心がけましょう。文字によるコミュニケーションは、視覚に訴えることも必要です。うまく活用すると、自分が伝えたいことを間違いなく、しかも、しっかりと伝えることができるのです。 これなら、相手に大事なポイントを読み飛ばされることも防げるし、「○○さんのメールはわかりやすい」と好印象を与えることもできるでしょう。 よく、おしゃべりをそのまま文章にしたような、だらだらとやたら長いメールを送ってくる人がいます。読んだあと、「結局なにが言いたいんだろう…」とこちらが疲れてしまうケースです。これでは、その人からメールが届いたら「ああ、またあの人からのメールだ」とうんざりしますよね。 メールはとくに「わかりやすさ」が肝心です。「今、自分はどんなことを伝えたいのか」を明確にしたうえで書きましょう。自分が好印象を抱いている人のメールを参考にするのもいいですね! たかがメール、されどメール。何度も読み返すことができて、しかもあとまで残ることを考えると、おろそかにはできません。さっそく、自分のメールを見直してみませんか? 参考図書: 『ひと言で「人間関係」はガラッと変わる! 大人の伝え方ノート』 (SBクリエイティブ)元NHKのキャスターであり、スピーチコンサルタント、コミュニケーションに関わる心理学の研究者として活躍中の著者が、「人に好かれる」伝え方のコツを伝授。ビジネスはもちろん、ママ社会にも役立つ目からうろこのテクニックが満載の一冊。
2019年06月26日PTAやママ友、地域のつながりや子どもの習い事、さらには夫の仕事関係まで……。ママを取り巻くさまざまなコミュニティで、摩擦を少なく、自分も心地よくおつき合いをするのはなかなか大変なこと。 『ひと言で「人間関係」はガラッと変わる! 大人の伝え方ノート』 (SBクリエイティブ)の著者であり、長崎大学准教授の矢野香さんに、ママのおつき合いをもっとらくにする「伝え方」のコツを教えていただきます! お話をうかがったのは… 矢野香(やの・かおり)さん元NHKキャスター、現在は国立大学法人長崎大学准教授、スピーチコンサルタント。専門は、心理学、スピーチ・コミュニケーション論。著書に『その話し方では軽すぎます!-エグゼクティブが鍛えている「人前で話す技法」』(すばる舎)『【NHK式+心理学】一分で一生の信頼を勝ち取る方法-NHK式7つのルール-』(ダイヤモンド社)など、ベストセラー多数。■「そんなつもりじゃなかったのに…」誤解の理由は「役割のはき違い」――そんなつもりではなかったのに、相手に誤解を招いてしまう…ママ友とのやりとりでそんな悩みをよく耳にしますが、これを打開するにはどうしたらいいのでしょう? 矢野香さん(以下、矢野さん):人と話す場面では、「この場で今、自分はどんな役割で話をするのか」をまず意識してみましょう。 たとえば、学校の保護者会で、委員として連絡事項をほかの保護者に伝えるケース、ママ友とのランチでのおしゃべり、夫の仕事関係の人と挨拶を交わす場面…。 自分がなにかを伝えなくてはならないシチュエーションによって、さまざまな異なる立場に立つわけですよね。 クラスの委員としての立場だったら、その場が自分に求めているのは「委員からの話」ですよね。ですから、その役割に徹すればいいのです。その場を和ませようと、よけいな話を盛りこむと「その話はいいから、肝心の要件を早く話して」と思う人もいるかもしれません。 また、ママ友同士のランチなら、今は「聞き役」なのか「話し手」なのか。「自分は今、どういう役割で話をするべきか」を考え、さまざまな立場で話すことを意識してみてください。 空気を感じとり、自分が今求められている役割を察知するカを磨きましょう。そのためには、まわりをよく観察することも大切です。 自分の役割をはっきりさせると、伝えるべきこともきちんと見えてきます。「あの人の話は、明確でわかりやすい」「あの人は話しやすい」という印象を与えることができるんですね。 ■覚えてもらえる「自己紹介」、チェックしたい「話し方」――子どもの学校関係など、ママのおつき合いでは意外と「はじめまして」の場面が多いものです。自己紹介で好印象を与えるコツはありますか? 矢野さん:自己紹介をしても、名前をなかなか覚えてもらえない…。そんなお悩みもよく耳にします。 そこで、名前に加えて、自分が大事にしていることを「セット」にして伝えてみましょう。好きな言葉でもかまいません。さらに、その内容が相手にとってメリットを与えることであれば、バッチリです! たとえば、「山田瑛子です」と「山田瑛子です。スイーツが大好きです。駅前界隈のスイーツにはくわしいです」という自己紹介。一文加えるだけで、「私と一緒!」と思った人がより親近感を抱いてくれるでしょう。「今度、あの人を誘ってケーキを食べに行ってみようかな」なんて、思い出してもらいやすいですよね。 では、こちらはどうでしょうか。「山田瑛子です。マラソンをやっていたので体力には自信があります」。これなら、秋の運動会の保護者の競技に誘いやすいかもしれません。 ――ほんのひと言を加えるのですね。 矢野さん:そうです。短めに、でも印象に残るように。自己紹介がやたら長い人は、聞き手もうんざりしますよね(笑)。話の長い人という印象が残ってしまうのは避けたいですね。 名前とセットにする内容は突飛なものは避けて、シンプルなことにするのがコツ。そのほうが大勢の人に受け入れられやすいし、覚えてもらいやすいからです。得意なことや好きなこと、座右の銘などでもいいでしょう。 ちなみに、心理学の用語で『初頭効果』というものがあります。これは、先に提示される情報のほうが、人の印象に大きな影響を及ぼすという理論です。 自己紹介として最初に提示された情報は、その後のあなたの印象を左右することを覚えておいてくださいね。 ――でも…自分の話し方って、ほかの人からどんなふうに思われているかわかりづらいものです。 矢野さん:そんなときは、一度自分が話している姿を、録画してみてください。これはアナウンサーも行っているトレーニング法の一部です。これをあとから見ると、「私って、語尾をのばすクセがあるな」「言葉の合間にすぐ『えー』をはさんでいる…」など、自覚がなかった面がたくさん発見できると思います。改善点がすぐに発見できる、おすすめの方法ですよ! もうひとつ、手っ取り早く自分の話し方を知りたいのなら、信頼できるママ友の力を借りましょう。もし、正直になんでも話し合えるママ友がいるのなら、自分のふだんの話し方について感想を聞いてみるのです。客観的な意見は、とても参考になります。 自分が思っていることを、スムーズに相手に伝えたい。そんな思いを抱えているなら、今すぐ試してみましょう!次回は、地雷を踏みがちなメールでのやりとりについて、心がけたいことを教えていただきます。 参考図書: 『ひと言で「人間関係」はガラッと変わる! 大人の伝え方ノート』 (SBクリエイティブ)元NHKのキャスターであり、スピーチコンサルタント、コミュニケーションに関わる心理学の研究者として活躍中の著者が、「人に好かれる」伝え方のコツを伝授。ビジネスはもちろん、ママ社会にも役立つ目からうろこのテクニックが満載の一冊。
2019年06月25日子どもは、親の言うことはもちろんですが、「夫婦」の会話もよく聞いています。パパとママがけんかをしていたら、誰よりも悲しい気持ちになるし、楽しそうに会話をしていたら、それだけで安心するもの。子どもの心の成長にも大きく影響を与える夫婦の会話。ちょっとした「言い換え」のテクニックで、もっと成長させてみませんか?『賢い子を育てる 夫婦の会話』(あさ出版)著者の天野ひかりさんに、夫婦の会話を成長させるテクニックをうかがいました。お話をうかがったのは…「NPO法人親子コミュニケーションラボ」代表天野ひかり(あまの・ひかり)さんNHK「すくすく子育て」元キャスター、現在はフリーアナウンサーとして活躍中。自身の結婚、出産、育児と仕事の両立を経験したことで子育ての重要性を認識。 「NPO法人親子コミュニケーションラボ」 を立ち上げ、子どもの自己肯定感を育むための、親子のコミュニケーションを力をのばす講座や講演を全国で行う。ベストセラー『子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ』(サンクチュアリ出版)著者。天野ひかり公式サイト ■「夫や子どもは今日一日どう過ごしてた?」想像力が家族を育てる――前回までで、日常の夫婦の会話が子どもにも影響を与えるということがよくわかりました。天野ひかりさん(以下、天野さん):夫婦の会話は、家族をプロデュースします。この会話がいい方向に向かうには、なにより「お互いを認める」ことが大切ですよね。それがないと、口論や堂々巡りにおちいってしまいがちです。――とはいえ、相手を認めるということは、とくに夫婦だとなかなか難しいのが現状ですよね。天野さん:わかります(笑)。でも、これは「そうではなくて、私の言うとおりにしなさい」「お前の意見は聞いていない」…こんなことを言われ、親や先生や上司の言うことを素直に聞いて育ってきた背景があるのです。これが、今の子どもの親世代なんですよね。でも、これからは、自分で考えて行動できる子に育てることが求められる時代。誰かを認めることに慣れていない私たち親世代も、協力し合って、認めて、子どもを育むことが大切になるでしょう。そこで、家庭での夫婦の会話が、大きなポイントになるんですね。――うう、なんだかハードルが高そうです。天野さん:大丈夫ですよ! まずは、「相手の立場に立って物事を見る」ことを意識してみましょう。これは、もうトレーニングと思いましょう。つい、自分のことだけに目がいってしまいがちですが、今日一日、相手はなにをしていたか、どんな時間を過ごしていたかなど、相手の「見えない部分」に思いをはせるのです。たとえば、仕事や子どもの学校のことなど、外でものすごく忙しい一日を送って家に帰り、「やっとソファに座れる~!」とほっと一息ついたときに、帰宅した夫が「ごはんは?」なんて言ってきたらムッとしますよね。夫や子どもも、同じことなのです。顔を見るなり「また手伝ってくれない」とか「宿題はやったの?」と言う前に、ちょっとひと呼吸置いて、相手の見えない部分を思いやってみましょう。夫は外で一日忙しい思いをして働き、子どもは学校で勉強を頑張ってきたのですよね。こうしてみると、相手の悪いところばかり目についていたのが、いい面や大変だった面もきちんと見えてきます。ここが見えると、相手のすべてを含めて認められるようになってくるのです。■イラッとくる物言いから脱却! スムーズな言い足し術・言い換え術――相手を認める、相手の立場に立って物事を考えてみるということは、なんとなく自分を抑えるようで「損してる?」と思ってしまうのですが……。天野さん:とんでもない。相手を認められる力がつくと、夫や子どもにいい影響を与えるだけでなく、自分のコミュニケーション力を格段に上げることができるんです。自分にもいい効果があるんですよ!まずは、修行と思って、日々「相手の立場に立つ」ことを意識してみましょう。すると、今までの夫に対する言葉かけも自然と変わってくるでしょう。たとえば…夫「買い物してきたよ」妻「ああ、そこに置いておいて」→「重かったでしょ、ありがとうね」妻「脱いだら洗濯機にいれておいてよ」→「脱いだものを洗濯機に入れておいてくれたら、明日着ていくのに間に合うよ!」夫「ああ、疲れた」妻「私だって今日一日、会議続きでへとへとだよ!」→「今日は一日、蒸し暑かったしね。私も会議続きで疲れちゃったの。ご飯はデリバリーにしてもいい?」夫「ああ、大変だったね。そうしよう」上記のように自然と変わってくるわけです。――ほんのひと言、相手のことを考えた言葉を加えるだけで、グンとやわらかくなりますね。いつもなら「その言い方はなんだよ!」「だって…!」と堂々巡りになっていたかもしれません。天野さん:そうなんです。私がこの本でお伝えしたかったことに「夫婦の会話の大切さ」ともうひとつ、「お互いを認めること」があるのです。すべてを含めて相手を認めることができれば、会話は必ず変わってくるんです。「早く起きてよ!」といった指示や「いい加減ゲームやめて!」という禁止のことばも、「昨夜は遅かったから眠いよね。でも、もう起きる時間だよ」「明日は早いんでしょ? もうゲームはやめたら?」と、一方通行からコミュニケーションに変わります。子どもは、パパとママの会話を聞くことで、コミュニケーションの方法を知らない間に学んでいきます。「こういう言い方をするとけんかにならないんだな」「この言い方は相手を不機嫌にさせるんだな」と、ことばの選択や会話の流れを考えられるようになるんですね。――夫婦が互いを認めて、話し合ったりゆずり合う会話は、学びが大きいのですね。天野さん:また、これからの時代は、多様性が求められます。日常、何気ない話題から、環境問題やLGBTといった議論をするようなことまで、夫婦の間でも価値観に違いを感じることはあるものです。でも、この会話が子どもに影響を与えていくんですね。さまざまな考え方があって、それを尊重して受け止めることができることは、これからの時代にとても大切な力となるでしょう。子ども自身の価値基準を広げ「こんな意見もあれば、こういうこともある」と、多様なものの見方ができるようになりますよ。夫婦の会話は、子どもをどんどん育てます!参考図書: 『賢い子を育てる 夫婦の会話』 (あさ出版)天野ひかり 著/汐見稔幸 監修夫婦の会話は、子どもの成長に大きく影響を受けている! 「夫婦の会話」で磨かれる子どもの「5つの力」と「夫婦の会話」の心得とコツについて、わかりやすく解説した一冊。
2019年06月24日正しいマナーを身につけて好感度アップ!マナーの専門家・尾形圭子さんが教えてくれました。飲み物を正しく、美しく飲める。紅茶やコーヒーを出されたとき、ついてくるソーサー。カップと一緒に持ち上げたほうが上品に見える気がするが、マナーとしては?知っていると差がつくので覚えて。「西洋文化では、食器を持つのはマナー違反ですが、ソーサーだけは持っても構いません。というのも、もともとは熱いお茶をソーサーに移し替え、冷まして飲んでいたからです。しかし、現代の日本では、ソーサーは持たないのが基本的なマナー。また、そのとき代わりに、カップに手を添えてはいけません。カップは持ち手に指をかけず、親指とひとさし指でつまむとエレガントに見えますよ」ソーサーを持っていい場合【テーブル上で遠くにあるとき】【ソファに座っているとき】カップ&ソーサーと距離があり、こぼしてしまうリスクがあるときは、ソーサーごと近くまで持ってくる。手土産の渡し方、タイミングが完璧。機会は多いのに曖昧なのが手土産のマナー。せっかく手土産を準備したなら、渡し方もぬかりなく。「基本的には、訪問先の通された部屋で、挨拶後に紙袋から出して渡します。紙袋は持って帰るのがマナーなので、畳んだ袋が入るサイズのバッグで訪問しましょう」手土産は、相手の好みがわかればそれに合わせて選び、「お好きと伺ったので」などと言葉を添えると、好感度は急上昇!【生ものの場合】生菓子や切り花、アイスクリームなど溶けてしまうものは、理由を添えて「ここでお渡しします」と断った上で、玄関先で渡していい。【サプライズのとき】誕生日パーティなどでのサプライズプレゼントは、悟られないように中身が見えない紙袋や大きめのサブバッグに入れて持参する。【やってはいけない渡し方】×:つまらないものですが…。×:先方の近所の店で買う。謙遜も過ぎると非礼になるので注意。適当な感じが出るので、訪問先の近所の店で買うのは避ける。おがた・けいこ全日空や大手書店での人材育成経験を基にマナーの専門家として実践的なコツを伝授。『大人かわいい女性の話しかた&マナー』を監修。近著に『一生使える「電話のマナー」』がある。※『anan』2019年6月26日号より。イラスト・HONGAMA取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2019年06月24日PTAやママ友、子どもの習い事や地域のおつき合い…。ママにもさまざまなおつき合いがあります。 学生時代の友だちとは異なり、年齢や過ごしてきた環境もさまざまな人の中で、できるだけ気持ちよくおつき合いをするヒントは、ちょっとした会話や言葉づかいにあるのです。 『ひと言で「人間関係」はガラッと変わる! 大人の伝え方ノート』 (SBクリエイティブ)の著者であり、長崎大学准教授の矢野香さんに、ママのおつき合いをスムーズにする「話し方」のコツをうかがいます! お話をうかがったのは… 矢野香(やの・かおり)さん元NHKキャスター、現在は国立大学法人長崎大学准教授、スピーチコンサルタント。専門は、心理学、スピーチ・コミュニケーション論。著書に『その話し方では軽すぎます!-エグゼクティブが鍛えている「人前で話す技法」』(すばる舎)『【NHK式+心理学】一分で一生の信頼を勝ち取る方法-NHK式7つのルール-』(ダイヤモンド社)など、ベストセラー多数。■ひらがな1文字で分かれる、「残念な人」と「友だちになりたい人」――ママのコミュニケーションで、知らずにやってしまいがちな「あるある」失敗とはどんなものでしょう? 矢野香さん(以下、矢野さん):本人はきちんと話しているつもりなのでしょうが、聞いているこちらが「ん?」と思ってしまうような…そんな話し方ってありますよね。 たとえば、そこまで親しくないママ友たちと、みんなでお茶を飲みにお店に入ったとしましょう。メニューを決めるときに「私はコーヒー『が』いいです」と「私はコーヒー『で』いいです」と言う人。どちらが良い印象ですか?――うーん、「コーヒーがいいです」のほうが、なんとなく素直に聞こえます。 矢野さん:そうですよね。「コーヒー『で』いいです」では、なんだか「なんでもいいけど、とりあえずそれでいいかな」といった、おざなりな印象があります。対して「コーヒー『が』いいです」はきちんと自分で考えて決めたという意志や積極性が感じられますよね。たった1文字のちがいなのですが、意外と相手に与える印象は大きく、相手も知らないうちに「この人は、こういう人なんだな」と思っていくものなのです。――「まずい、言っていたかも…」とドキッとした人は多いかもしれません。 矢野さん:何気なく発しているひと言は、本人は全然気にしていないかもしれませんが、聞いている側の印象には残りますよね。その場ではお互い気にせず聞き流したとしても、相手の心には知らないうちにインプットされているかも…そう考えると、大きな1文字です。また、どこかにみんなで集まることになった時。「行『け』ますか?」という聞き方と、「行『き』ますか?」とでは、どちらが良いでしょう?おすすめは「行『け』ますか?」です。「行『け』ますか?」は、行けるか行けないかの“可能性”を確認していますよね。相手の都合を思いやった聞き方です。でも、「行『き』ますか?」では、行くのか行かないのかの“意志”を暗に確認しているんです。ですから、ちょっと強制されているような、威圧感が感じられるんですね。「行きますか?」と聞かれたら「行けません」と断りづらいもの。しかし、「行けますか?」なら「今回は行けないんです。すみません」と断りやすいですよね。こんなふうに、たった1文字で相手に与える“気遣い”の印象が変わってきます。そこから「この人、なんだか感じがいい人だな」と思ってもらうことができる。おつき合いのすべてに使える、ちょっとしたコツですよ! ■人間関係に角が立つ! 語尾の「余計な1文字」 ――わかりやすい! ちょっと意識するだけで、相手への印象が変わりますね。 矢野さん:そうなんです。相手に自分をよく見せようとするのではなく、日ごろから「こう言ったら相手はどう思うか」を意識すれば、自然と言葉の選び方がブラッシュアップされてくるんですね。もうひとつ、残念な話し方をご紹介しましょう。これも、ついやってしまいがちな例です。会話で相手の印象に残りやすいのは、「語尾」なんです。余韻として残るんですね。たとえば「はい、そうで『す』というべきところを、「はい、そうです『が』…」と、語尾に1文字プラスしてしまう言い方。これを“言いさし”と呼びます。――いるいる! そういう話し方をする人は多く見かけますよね。 矢野さん:もし心当たりがあるなら、今すぐやめることをおすすめします。最後まで言い切らない表現は、相手に「なにか不満でも?」と思われる危険性が高いのです。言いさしは使わず、語尾や文末を明確に伝えれば、相手が余計なモヤモヤを抱くこともありません。基本は、短い文で結論を伝えることを意識しましょう。たとえば、子どもの学校関係で、なにか委員を決めるとき。「じゃあ、私がやってもいいです『が』…」ではなく「じゃあ、私がやってもいいで『す』」で、スッキリ。これなら、聞いている側も気持ちよく「ありがとう!」と言えますよね。ただ、言いさしも使い方次第では良い効果もあります。ときには、言い切らないことで控えめな態度を表す効果もあるのです。たとえば、どこかに遅れそうなときを想像してみてください。「少々遅れます」と「少々遅れそうでして…」とでは、後者の方が謙虚さが感じられますよね。相手に迷惑をかけそうなのに「少々遅れます」と言い切ってしまうと、「なに開き直ってるの?」という印象を相手に与えかねません。でも「少々遅れそうでして…」と語尾をあえて濁すことで「申し訳ありませんが…」という気持ちを醸し出すことができます。これは上級テクニック。言いづらいことを言わなくてはならないときに、相手に与える印象をコントロールすることができます。日常、何気なく話している言葉ですが、相手の心に与える影響は想像以上。とくに、「友達未満」の関係には気を遣いたいものです。ほんの1、2文字ですが、ここに気を配れる人は、きっとママ友関係もスムーズにこなせるでしょう。自分も相手ももっと心地よくなれるなら、ふだんの言葉づかいをちょっと振り返ってみませんか?次回は、ママの「伝え方」についてお話をうかがいます!参考図書: 『ひと言で「人間関係」はガラッと変わる! 大人の伝え方ノート』 (SBクリエイティブ)元NHKのキャスターであり、スピーチコンサルタント、コミュニケーションに関わる心理学の研究者として活躍中の著者が、「人に好かれる」伝え方のコツを伝授。ビジネスはもちろん、ママ社会にも役立つ目からうろこのテクニックが満載の一冊。
2019年06月24日夫婦の会話は、子どもの成長に大きく影響を与えるもの。さらには、家庭そのものを左右するもの。でも、夫か妻のどちらか一方だけが「今日から変わるぞ!」とひとりで意気込んでも空回りしがちです。どうしたらいいのでしょう?『賢い子を育てる 夫婦の会話』(あさ出版)著者の天野ひかりさんに、夫婦のコミュニケーションをもっとらくにするヒントを教えていただきました。お話をうかがったのは…「NPO法人親子コミュニケーションラボ」代表天野ひかり(あまの・ひかり)さんNHK「すくすく子育て」元キャスター、現在はフリーアナウンサーとして活躍中。自身の結婚、出産、育児と仕事の両立を経験したことで子育ての重要性を認識。 「NPO法人親子コミュニケーションラボ」 を立ち上げ、子どもの自己肯定感を育むための、親子のコミュニケーションを力をのばす講座や講演を全国で行う。ベストセラー『子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ』(サンクチュアリ出版)著者。天野ひかり公式サイト ■「夫婦の会話がない」という悩み、実は思い込み?――忙しい夫が夜遅く帰ってきて、せいぜい言葉を交わすのは5分程度…。そんなふうに感じている人は多い様子です。天野ひかりさん(以下、天野さん):「夫婦の会話がない」と悩んでいる方は確かに多いですね。でも、本当にそうでしょうか? よくうかがってみると、なぜか子どもに関することは“夫婦の会話”ではない、と思い込んでいる方も多いのです。たとえば、「夫婦で話すことといえば、子どものことくらいです」という方がかなりいらっしゃいますが、いえいえ、子どもの話題も立派に夫婦の会話なんですよ。「今日、こんなことが学校であったんだって」「へえ、頑張ってるね」…これも立派に夫婦の会話。恋人時代のような甘い内容だけが夫婦の会話とは限りません。夫婦になって子どもができたら、会話が変わるのは当然なのです。――なるほど…。子どものことなら、けっこう話しているかもしれません。天野さん:「夫婦で共通の話題がない」「夫婦の会話が盛り上がらない」といった言葉もよく耳にしますが、なにもきちんとした“お題”がなくてもいいのです。日本人は律儀なところがあるので、会話には「目的」や「お題」があってしかるべき、と思いがちです。でも、「今日は蒸し暑かったね~」「明日はちょっと涼しくなるみたいだよ」…こんな、何気ない言葉のやりとりも会話。なにか話さなくては、話題を提供しなくてはと意気込む必要はないのです。――意気込まずに、夫婦の会話を変えるヒントって、あるのでしょうか。天野さん:まず、あらためて「家族になっていこう」という意識を再確認しましょう。「こうしてほしい」という要求や不満ばかりを相手に押しつけるのではなく、「もっと家族になりたい」という気持ちを相手に対してもてれば、会話が弾もうが盛り下がろうが、どちらでもいいかなと私は思っているくらいです。たとえば、2人でなにかを食べながら「このアイス、すごくおいしいね」といった「共有」もすてきですよね。肩に力をいれず、自然に会話を楽しめばいいのです。お互いの根底に「家族」という意識があれば、さり気ない会話でも気持ちに深みが増すものなのです。■口を開けばけんかばかり…夫婦で楽しく話す3つのヒント――でも、会話のつもりがいつのまにか口論に…。そんなつもりはないのに、なぜかいつもけんかになってしまう。こんなケースも多々あります。天野さん:お母さん向けの講座でお話をうかがうと、「夫は私の話を聞いてくれない」「夫は文句しか言わないから、話すのがイヤなんです」「何度言っても手伝ってくれないから、あきらめました」といった声が本当にたくさんあがるんです。対して、お父さん向けの講座では「家に帰ると、妻は文句ばかりで、ついこちらも頭にきてしまう」「手伝うとダメ出しされるからやる気が出ない」という意見が多数あります。でも、よーく双方の話を聞いてみると、この不満の底には、夫婦お互いの「もっと自分のことをかまってほしい、もっと頼ってほしい」という気持ちが隠れているんですね。この点をうまく出せると、夫婦の会話のとげとげしさもグンと減るのです。つい「相手はわかっていて当然」という前提で話を切り出しがちですが、まず、この常識を自分の中から捨てることから始めましょう。これをふまえて、次の3つのヒントを実践してみましょう。夫婦の会話が少しずつ、変わってきますよ!ヒント1:主語を「YOU」から「I」に変換する天野さん:会話を増やすことより、自分の理想とする家族像を思い出してみましょう。あなたは、どんな家庭が理想でしょうか。平日はお互いに助け合って家事をこなし、休日はのんびり、二人で散歩…? もしそうなら、これを言葉にして話してみましょう。かんたんに話せるコツは、主語を「I」にしてみることです。「あなたは、ゴロゴロ寝てばっかりだよね!」ではなく、「私は、いっしょに散歩に行きたいんだけどな」という具合です。ついけんかになってしまうのは、ひと言めが、つい“相手への要望”で始まってしまうから。これは、裏を返すと相手への非難につながりますよね。YOU(あなた)を主語にして話し始めると、相手を責めたり、勝手に相手を「○○な人」と決めつけてしまいがち。当然、相手もいい気持ちがしないので、要望も伝わりにくくなるのです。日常から主語を「I」にするよう意識していれば、子どもも「自分の気持ちを素直に人に伝えられる」ようになります。ヒント2:大変なときは頼る天野さん:忙しいときは、ひとりで抱え込まずに「手伝ってほしい」と素直に頼るのが正解。我慢したり、あきらめていては、自分の不満も募る一方です。ただし、気をつけたいのは「私だって忙しいんだから、お皿くらい洗ってよ」という主張や要求だけの一方通行になってしまうこと。これではなんの進展も見られません。そこで「今日は早く出なくてはいけないから、これをひとりで全部こなすのは、つらい。手伝ってほしい」と自分の大変さを話して「頼る」ことができるといいですね。相手に「いっしょに協力して乗り越えよう」と思えるようにすることです。こんな夫婦の会話を見ていれば、子どもも「困ったときは人を頼っていい、人に話していいんだ」と実感することができますよ。ヒント3:相手が「言われたい言葉」を会話に盛り込む天野さん:私が5万人を超える親子と接して、たくさんの夫婦から聞いた「うれしかった言葉」「言われたい言葉」。中でも、夫が妻から言われてうれしい言葉をピックアップしました。これを会話に取り入れてみましょう。●「今日もお疲れさま」なんと、夫が妻に言われたい言葉のナンバーワンです。しかし、これは妻だって同じですよね。夫も大変だったけれど、私だって大変だった。でも、自分が言えてないのに、相手にだけ求めていませんか? こちらから声をかければ、相手も同様に返しやすいものです。夫婦はお互い様。「自分の要求は相手の要求と同じ」だということを思い出してみましょう。●「毎日ありがとう」「私は言われないのに、自分だけ言うのはしゃくにさわる!」という妻の意見もあります。でも、妻のこのひと言で、夫の仕事のパフォーマンスが格段に上がるという研究結果も出ているんですよ!●「やっぱり頼りになるね」妻にこそ、いちばん認めてほしいと夫は思っているのではないでしょうか。「後片づけありがとう。やっぱり頼りになるね」など、“あなただから”いう特別感を日ごろから伝えてみましょう。これはうれしいし、頑張りがいもあるものです。そして、このような言葉を普通に交わしている家庭で育つ子どもは、きっと誰に対しても「素直に感謝を伝えられる」ようになるでしょう。ほんのひと言を変えるだけで、夫婦の会話がステップアップ。それが夫婦だけではなく、そばで聞いている子どもにもいい効果を与えます。最終回は、夫婦の会話で陥りがちな「堂々巡り」から脱出するテクニックをうかがいます!参考図書: 『賢い子を育てる 夫婦の会話』 (あさ出版)天野ひかり 著/汐見稔幸 監修夫婦の会話は、子どもの成長に大きく影響を受けている! 「夫婦の会話」で磨かれる子どもの「5つの力」と「夫婦の会話」の心得とコツについて、わかりやすく解説した一冊。
2019年06月23日ビジネスシーンで間違った行動をすれば、あなた自身にとどまらず、会社の評判にも悪影響必至!そんな事態を防ぐために、打ち合わせでの席次、名刺交換など必ず覚えておくべきマナー&作法をピックアップ。マナーの専門家・尾形圭子さんが教えてくれます。打ち合わせのとき、座る席に迷わない。席次には、目上の方や来客に対する敬意が込められていて、正しい場所に座らないととても失礼。曖昧にしておかず、基本のルールはしっかり覚えておきたい。「席次のポイントは出入り口。近いほうに迎える側の人、奥側に来客者が座ります。出入り口から遠いほうが役職の高い人が座る上座です。ただし、会議室で人数が3名以上の場合は、真ん中が上座に。このルールは知らない方も多いので、もし真ん中に座るべき人が奥に座ったら、相手に合わせます」迎える側のとき、来客が迷っていたら、「こちらにどうぞ」と、ひと声掛けて促す気配りも忘れずに。お茶を出す順番も席次に従う。【基本編】2名の場合:いちばん落ち着く部屋の奥角が上座。出入り口から最も遠い奥に、来客側の最上位の人が座る。出入り口に対して平行にデスクが設置されていても同じ。3名の場合:盲点は最高位の席。正解は、奥ではなく中央!役職が高い順に、真ん中、奥、手前に座る。理由は、扇の要になる真ん中の席が、相手全員を見渡しやすいため。【応用編】4名の場合:真ん中の奥側の席を筆頭に外側になるにつれ末席に。相手を見渡しやすい真ん中であることは3名の場合と同じ。中の2席のうち、より出入り口から遠いほうが上座。イレギュラーな場合:もしも、来客側の偉い人がいちばん奥に座ったら。その場合は、迎える側も合わせて同じ並びに。その場で最も偉い人に気持ちよく過ごしてもらえるよう、気を配る。いまどきのスマートな名刺交換ができる。そのやり方によって、ビジネススキルが試されるといわれるほど、印象を左右するのが名刺交換。「以前は、目上の人から先に名刺を渡し、渡された名刺を両手でうやうやしく受け取ってから自分の名刺を渡していましたが、いまは、お互いに名乗ったら同時に受け渡す“同時交換”が主流です。マナーをアップデートしないと、時代についていけてない古い人といった悪印象を残してしまいますよ」万が一、名刺を忘れてしまった場合はどうしたらいい?「深くお詫びし、すぐに連絡先をメールで伝えましょう。本来なら、日を改めて持参すべきくらい名刺は重要なもの。それを忘れるのは、マナー以前の問題と肝に銘じて」名刺入れの上に自分の名刺を置く。自分の名刺の正面を相手に向けて名刺入れの上に置き、名刺は右手だけで持つ。【相手の名刺が横のとき】半円を描くようにして、相手の名刺入れの上に自分の名刺をのせる。同時に名刺入れを持った左手で相手の名刺を受け取り、すぐに両手で持つ。【相手の名刺が縦のとき】名刺入れはいわば名刺の“座布団”。名刺の向きに合わせて持つのが基本。相手の名刺が縦書きなら、名刺入れを素早く縦に持ち替えて受け取る。おがた・けいこ全日空や大手書店での人材育成経験を基にマナーの専門家として実践的なコツを伝授。『大人かわいい女性の話しかた&マナー』を監修。近著に『一生使える「電話のマナー」』がある。※『anan』2019年6月26日号より。イラスト・HONGAMA取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2019年06月23日職場の上司から高評価を受け、同僚や後輩から慕われる。訪問先の方々や友人から“あの人、やるな”と思われる。そんな誰しもが一目置く、“できる”女性になれる気遣いや所作を、いまの時代に合ったマナーの観点からマナーの専門家・尾形圭子さんが伝授!姿勢や表情、声掛けなど、日々の生活の中でできるちょっとした気遣いとふるまいで、印象は激変!叱られたり、不快な思いをしてクレームを入れる…といった、感情が出やすいような場面でも、スマートな対処法さえわきまえておけば、“いいよね”と好印象になること間違いなし!いいよね、あの人と言われる“日常生活での気遣い&ふるまい”5選をお届けします。周りが声を掛けやすい表情でいる。イライラしたり、どんなに忙しくても、険しい表情で周囲の人を遠ざける、不快な雰囲気を出さないことも立派な気働き。「威圧感や不機嫌さがダイレクトに伝わってしまうのが、眉間のシワ。険しい表情は声のトーンにも影響しますが、自分では気づきにくいもの。PCの近くや二つ折りのスマホケースの内側など、よく目にするところに鏡を置き、小まめに表情をチェックしましょう」Point:眉間にシワを寄せない。口角を常にキュッと上げておく。店員さんの名前を覚えている。名前を呼ぶことは、その人を気にかけていることを伝えるサイン。仕事や友人関係だけでなく、食事に訪れた店のスタッフの名前も覚え、親近感を持ってもらおう。「最初に発する『さん、今日もよろしくね』というひと言で、呼ばれたスタッフのモチベーションは上がるもの。同時に、認識されていると知ることでいい緊張感が生まれ、丁寧なサービスを受けられて、一石二鳥です」褒められ方が上手い。叱られ方が上手い。褒められたり、叱られたり、感情が動くシーンでの受け答えによって、印象は大きく変わる。「褒められて『そんなことはないです』と謙遜すると、相手を否定することにもなりかねません。『ありがとうございます』と素直に受け止め、『嬉しいお言葉です』など謙虚さを添えてみましょう」叱られている最中に、話を遮り、弁解を始めるのは絶対にNG!「反射的にカッとせず、冷静に最後まで聞きましょう。誤解を正すのも『そう受け取られたのには私にも責任があります』と、いったん相手の話を受け止めてから」【褒められたとき】:感謝の気持ちと謙虚なひと言を。×:「いえ、いえ、そんなことは…」【叱られたとき】:冷静にミスを受け止める。×:話を最後まで聞かないで弁解。クレームの伝え方がスマート。つい感情的になりがちな、クレームを言う場面。ここで試されるのは理性と品格、そして心の広さ。「品格ある大人として、クレームを告げるときは理路整然と。同席している仲間や無関係のお客さんにまで険悪な雰囲気を強いないよう、言い方や声量にも注意して」では、同席者がいても、その場でクレームを言うべき?「場の空気を壊さぬよう、率先して質問形式で言えば好印象です」【上手な伝え方】(1)理路整然と話す。(2)質問+要求を具体的に。(3)場の空気を壊さない声量で。例えば、「これ、注文と合っていますか?違うようなのでと替えてください」と、質問+要求を具体的に伝える。トラブルになったら、気持ちを切り替え、その場はやり過ごし、後で自分一人のときに責任者に伝える。スルーしがちな気配りができる。バスやタクシーなどの運転手への「ありがとう」。飲食店のスタッフへの「ごちそうさま」。そうした当たり前に思える小さな気配りを欠かさないことが、周囲の人への大きな信頼へと繋がっていく。「友人などの車に長距離乗せてもらったら、ドライバーに感謝し、ガソリン代や駐車代、高速代を負担することを忘れないで。向こうに言わせず、『割り勘にしよう』と自ら積極的に切り出してみて」おがた・けいこ全日空や大手書店での人材育成経験を基にマナーの専門家として実践的なコツを伝授。『大人かわいい女性の話しかた&マナー』を監修。近著に『一生使える「電話のマナー」』がある。※『anan』2019年6月26日号より。イラスト・HONGAMA取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2019年06月23日身につければ、好感度アップ!“できるね”と言われる行動テクとは?マナーの専門家・尾形圭子さんの考える“できる”女性とは、その場に応じて自然と動ける人。「マナーには基本がありますが、状況によってはその通りに実行できないことも。もし目上の人が席次のルールと違う場所に座ったら、そこを上座と捉え、こちらの席次を変えたり、どう動けば相手に失礼がないかを瞬時に考え、動ける女性は素敵ですよね。そうやって臨機応変に動くためにも、基本をマスターすることは不可欠です」精神的な余裕も、魅力的に見せるために大切なエッセンス。「余裕を生み、人としての幅を広げてくれるのがマナーです。こだわりの豆で淹れたコーヒーをお気に入りのカップで飲む。部屋にお花を飾る。そうやって日常生活でのこだわりを持つことでも余裕は出てきます。家の中でだらけてばかりいると、外に出たときもその雰囲気が漏れてしまいますよ」“気働き”を身につけよう!相手や状況をしっかり見極めて、思いやりの心を持って、機転を利かせて対応するのが、マナーの基本となる“気働き”。「ドアを押さえるといった小さなことから始めてみましょう」気働きとは“機転”です。目配り:相手が何を求めているかの状況観察。気配り:タイミングよく行動を起こすスキルと知識。心配り:相手によって対応を使い分けられる柔軟性。いいよね、あの人と言われる“日常生活での気遣い&ふるまい”背筋を伸ばして、美しく立つ、座る。立ち姿&座り姿が美しくないと、マナーを守ってもすべて台無しに。「猫背は自信なさげに見え、好感度はマイナス。常に、背骨の上に頭がのっているイメージで背筋を伸ばせば、凛とした知的なイメージを与えることができます」座ったときにも美しい姿勢をキープするには、腰を立てるように意識するのがポイント。「腰を立てると猫背にならず姿勢が崩れません。特にPC作業では前のめりになり乱れがち。肘ではなく腹筋で上半身を支えてみて」【立ち方】まっすぐ前を見る。あごを引く。デコルテをグッと開く。おへそのあたりで手を重ねる。両膝をくっつける。踵はつけ、つま先を15度開く。【座り方】背もたれにもたれない。重ねた手は左手が上。腰を立てて座る。足をきれいに揃える。いつも公平さをこころがける。上下関係や性別、肩書などによって態度がブレない芯の強さは、人を引き寄せる大切な条件の一つ。「丁寧さは必要ですが、必要以上に上司におもねり、後輩には強い口調で命令する。男性には愛想を振りまいて、女性に対してはそっけない…。相手によって態度を変える人は、誰からも信頼を勝ち得ません。周りの人は、あなたが思っている以上に、不公平さを敏感に感じています。後輩だからと偉ぶらず、『お願いね』と声を掛けたり、誰に対しても同じように接しましょう。その余裕こそが、あなたを魅力的に見せてくれます」おがた・けいこ全日空や大手書店での人材育成経験を基にマナーの専門家として実践的なコツを伝授。『大人かわいい女性の話しかた&マナー』を監修。近著に『一生使える「電話のマナー」』がある。※『anan』2019年6月26日号より。イラスト・HONGAMA取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2019年06月23日“会話でモテる”ためのレッスン。すぐに実践できて、印象アップ間違いなしの4項目で、会話術をブラッシュアップ!『news every.』キャスターの小西美穂さんが教えてくれました。Lesson1:人を励ます「マイナスの同調」を覚えよう!何気なく発しているフレーズも、言い方を変えるだけで、相手を思いやる優しさがアップ!「環境が変わって大変そうな人、見るからに元気のない人に、『大丈夫?』『元気でやってる?』と前向きに問いかけると、自分では励ましのつもりでも、その人は『大丈夫』『元気』としか答えにくくなってしまいます。本当に大変な人は『大変じゃない』と否定するのも辛いので、こちらの問いかけ自体を、否定形にしてあげましょう。“マイナスの同調”は、自分に寄り添ってくれてると感じられ、心の扉を開く力があります」下のフレーズをマイナスの同調の声掛けに言い換えてみましょう。A. どう?慣れた?B. 順調?大丈夫?C. 元気でやってる?【答え】A. どう?まだ慣れないよね?B. 忙しくて大変なんじゃない?C. そろそろ疲れが出てきたんじゃない?Lesson2:リスペクトしつつ指摘する魔法の言葉「もったいない」。後輩にアドバイスしたり、失敗した人に声を掛ける難しい場面。相手を不機嫌にさせないように、小西さんが多用するのは、「もったいない」というワード。「コミュニケーションは相手へのリスペクトが源泉です。注意や指摘をするときも、『こうすべき』とストレートに言うのではなく、『こういういいところがあるのに、もったいない』と組み立てると、注意したいところだけが惜しいというニュアンスに変わり、相手への敬意も込められます。言われた人も素直に注意や指摘を受け入れられる、魔法の言葉です!」Before:さん、さっきのプレゼン、ちょっと早口になっちゃってましたね。でも、良かったですよ。面白かったです!After:さん、さっきのプレゼン良かったですよ。面白かったです!でも、もったいないなぁ。ちょっと早口になっていたでしょう。Lesson3:相手を救う神対応の言葉「私もよ」。失敗してしまい、この場から消えてしまいたい…。そんなピンチな人を救う言葉が「私もよ」。「スカートのチャックが開いてて、友達から『開いてるよ』と指摘されると恥ずかしさでいっぱいになりますよね。もし『私もよくやっちゃう』と付け足されたらどうでしょう。『私だけじゃない』と思えてほっとしませんか。さりげないひと言なのに、一気に神対応になります。この言葉はビジネスでも使えます。メールの誤送信を指摘するとき『私もよくやるので気をつけます』とフォローする。それが、“デキる”人の気遣いです」例:メールの誤送信を指摘するとき「様宛てのメールが届きましたが、お間違いではないでしょうか?こちらで削除しておきますので、どうぞご安心ください。私もうっかりしちゃうことがあるので、気をつけます!」Lesson4:自分がいちばんきれいに見える「あご」の位置を見つける。美しい第一印象は、“モテ”にとって重要な要素。「見え方が、柔らかくなったり、横柄に見えたり、大きく変わるパーツが、あご。私も、人の話に夢中になるとついやってしまうんですが、あごが上がってしまうと偉そうに見えてしまいますし、引きすぎると今度は、二重あごという悲劇に襲われます(笑)。目指したいのは、あごから首、肩、鎖骨のラインにかけて水が流れるような女性らしいライン。カラダが覚え、意識せずともそのラインを再現できるようになるまで、繰り返し鏡を見てチェックしましょう」NG:上がりすぎると横柄に見える。NG:引きすぎると二重あごになる。こにし・みほ日本テレビ解説委員・キャスター。現在、夕方の報道番組『news every.』でニュースをわかりやすく解説中。著書に『3秒で心をつかみ10分で信頼させる聞き方・話し方』『小西美穂の七転び八起き』。※『anan』2019年6月26日号より。写真・小笠原真紀取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2019年06月22日どんなに小さくても、子どもは親同士の会話をいちばんよく聞いています。そして、いちばん影響を受けます。これをパパとママが自覚すると、「夫婦の会話」は自然といい方向に変わってくるのでは? そして、子どもの成長にもいい効果が表れるのでは…?『賢い子を育てる 夫婦の会話』(あさ出版)の著者であり、「NPO法人親子コミュニケーションラボ」を立ち上げ、親子のコミュニケーション力をのばす講座や講演を全国で開く天野ひかりさんにお話をうかがいました。お話をうかがったのは…「NPO法人親子コミュニケーションラボ」代表天野ひかり(あまの・ひかり)さんNHK「すくすく子育て」元キャスター、現在はフリーアナウンサーとして活躍中。自身の結婚、出産、育児と仕事の両立を経験したことで子育ての重要性を認識。 「NPO法人親子コミュニケーションラボ」 を立ち上げ、子どもの自己肯定感を育むための、親子のコミュニケーションを力をのばす講座や講演を全国で行う。ベストセラー『子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ』(サンクチュアリ出版)著者。天野ひかり公式サイト ■手のかかる子ども、夫婦の会話が原因だった?――世の中には、「親が子どもにかける言葉」による、子どもへの影響について書かれた本はたくさんあります。では、日常の「夫婦の会話」は、どんなふうに子どもを変えるのでしょう?天野ひかりさん(以下、天野さん):私は、講座などを通してこれまでに5万人を超える親子と接してきました。印象的なエピソードは数えきれないほどあるのですが、まずこんなお話をしましょう。以前、私の教室に通ってくださっていたあるママのお話です。そこのお宅のお子さんは、大人の言うことをちっとも聞かないだだっ子で、ママは日々手を焼いていました。そんなわけで、仕事から帰ってきた夫に、毎日のように「今日はこんな悪いことをした、言うことを聞かなかった」ととうとうと話していたのだそうです。それは、パパに話すことで、子どもに自分が悪い子であることを自覚してほしいという気持ち、パパには自分がいかに大変かをわかってほしいという気持ちもあったそうです。でも、子どもの態度は一向に改善しませんでした。そこで、このママはある日一大決心をしたのです。「子どものいい面を見よう」と。――それまで「この子ったら、超だだっ子!」と思っていたものを、「よし、この子のいい面を見つけよう」と切り替えるのは、なかなか至難の技ですよね。天野さん:そうですよね。つい「言うことをきかない」ことばかりに目がいってしまいますが、ちょっと視点を変えてみると、できていることや成長していることも必ずあるものです。そのママは、そこに気がついたんですね。「私が変わってみよう」と。その夜から、夫婦の会話が変わりました。毎日、夫には「今日は片づけを自分からできたのよ」という具合に、子どものいい面を伝えるようにしたのです。すると、夫も子どもに対して「おっ、がんばったね」「えらいなあ」とうれしい声がけができるようになりますよね。パパからしてみれば、毎日、妻から子どもの悪い面ばかり聞かされていたら、正直うんざりすることもあるはず。でも、自分の子どものいい面やできたことを聞けば、子どもへの気持ちはもちろん、頑張っている妻への感謝が自然と口に出始めたそうです。「ありがとう」と。そこからです。あんなに言うことをきかなかった子どもが、どんどん変わって、いろいろなことを自分からやるようになったそうです。「それまで、子どもは“叱られる人”になっていたんですね。でも、今はのびのびとして、その様子が愛おしく感じられるんです」とママはうれしそうに話してくれました。■夫婦けんかは見せてもいい? 仲直りで「議論」を学ぶ――自分のことについて話している夫婦の会話を、子どもが聞いていたのですね。天野さん:直接言われるよりも、誰かが自分に関することを話している言葉のほうが、ずっと心に残りますよね。子どもだって同じなのです。まして、いちばん大切なパパとママが自分のいいところを話し合ってくれていたら…。それは子どもにとって、大きな励みに、支えになるのです。このご家庭には、さらなるうれしい変化があったといいます。子どものことはもちろん、日常のささいなことでも、夫婦の会話がグンと増え盛り上がるようになったと…。――たしかに、夫婦の会話が弾んでいると、そばで聞いている子どもも安心するのでしょうね。天野さん:子どもが出合う最初の“社会”が家庭です。夫婦の会話を育み、大切にすることで、子どもはもちろん、家庭そのものも成長するんですね。こんなふうに夫婦のやりとりを聞いて、子どもは自己肯定感を育むことができるんです。――では、子どもの前で夫婦げんかなんて、もってのほかですね。天野さん:いえいえ、子どもの前での夫婦の口論もときにはあっていいと思います。ただしきちんと「仲直り」するところまで見せてあげましょう。子どもは、そこから「議論」を学ぶことができるからです。勃発した口論に「どう決着をつけるか」を見せることで、「ああ、こんなふうに仲直りすればいいのか」と、子どもは解決の方法を知るのです。でも、子どもが寝たあとに夫婦だけで仲直りをして、翌朝はケロッとしていると、子どもは「あんなに言い争っていたのに、いつ、どうやって仲直りしたんだろう?」とモヤモヤしてしまいますね。すると、自分にはわからない世界に対して不信感を抱いてしまいます。ですから、夫婦げんかをしたら、ちゃんと話し合って解決に導き、仲直りをする決着まで見せてあげましょう。「言葉のやりとり」を聞かせることも大切なのです。子どもは、「聞いて」学びます。夫婦のような対等な立場同士の議論を見て、結論を出す過程を聞かせてあげましょう。こうすることで、いつか子どもが議論をしなくてはいけない場面がきたときに、暴力ではなく、言葉できちんと解決する術やコミュニケーションの術を学ぶことができるでしょう。――毎日、なにげなく交わしている夫婦の会話ですが、実はそれが子どもに与える影響がどんなに大きいかを実感するお話ですね。天野さん:今は、共働きの家庭も増えて、パパもママも日々をこなすだけでいっぱいいっぱい、というケースも多いでしょう。自分のこと、子どものことだけで精いっぱいで、夫婦はお互いへの不満も募りがちです。でも、それぞれによくお話を聞くと、夫婦として「なんとかしたい」「助け合いたい」という思いは皆さんもっているんですよね。この思いをもっと出すことができれば、夫婦のコミュニケーションももっとラクになり、子どもを伸ばすことにもつながるのです。もっと、夫婦の会話を増やして充実させたい。そう思っているパパやママは多いはず。まして、子どもの成長につながるのならなおのことです。第2回では、夫婦の会話が変わる、3つの心得をうかがいます!参考図書: 『賢い子を育てる 夫婦の会話』 (あさ出版)天野ひかり 著/汐見稔幸 監修夫婦の会話は、子どもの成長に大きく影響を受けている! 「夫婦の会話」で磨かれる子どもの「5つの力」と「夫婦の会話」の心得とコツについて、わかりやすく解説した一冊。
2019年06月22日人間関係の根幹をなすコミュニケーション。相手の不安や緊張をほぐし、気持ちよく話せて、また会いたくなってしまう女性に、『news every.』キャスターの小西美穂さんが導きます!初対面の人を前に焦らず、相手の緊張をほぐす。一見、難しそうに思える会話テクも実はシンプル。ぐっとコミュ力が上がる方法を小西さんが伝授!“会話でモテる”人がやっている4つのテクとは?相手の話をしっかり受け止める姿勢・目線・あいづちを知る。小西さんがコミュニケーションで大切にしているのは、話すテクニックだけにあらず。「コミュ力には話し方と同じように聞き方も大切。まず相手と目線の高さを合わせ、話をしっかり受け止めて。スマホをいじりながら聞くのはもってのほか。『話がつまらない』というメッセージが伝わってしまいます。そして、『なるほど』『たしかに』などのクッションワードは、『あなたの話を聞いてますよ』という意思表示になるので、上手に使いましょう」OK:子供やお年寄りとは、目線の高さを合わせる。OK:「なるほど」「たしかに」「そうですね」。NG:立って話している人に対して座ったまま応対。NG:スマホを触りながらの受け答え。共感を伝える“へ・ほ・は”で、大きくリアクションする。コミュ力アップに欠かせないのが、共感力。相手の話を聞いて驚いたり、納得したり、気づきがあったら、「へぇ~」「ほぉ~」「はぁ~」を駆使して。「聞いている人のリアクションが薄いと、話している側は不安を覚えるものです。“へ・ほ・は”のあいづちを挟んで、感情を伝えましょう。トーンを変えれば、喜びや驚き、共感などさまざまな感情を表現できるのも、このあいづちの利点。できるだけ大げさに、表情豊かに言うのがポイントです」相手がもっと話したくなる“うながしフレーズ”を使いこなす。聞く力を高めるには、会話を弾ませる“うながしフレーズ”を挟むクセをつけたい。「『それで?』と話の続きをうながしてあげると、話している人は気分がよくなり、雰囲気もどんどんほんわかしていきます。同時に、聞いている側から“知りたいオーラ”を発することもできます。親しい間柄なら『で?』のひと言でも十分、効果はあります。うながしフレーズを上手く挟めなければ、相手の言葉の最後をなぞる“オウム返し”から始めてみて」答えやすい話題、同意しやすい話題で、会話を広げる。会話を展開させようと話をふるとき、気をつけたいのが話題選び。「人間関係が深まっていないうちは、相手が答えやすく、同意しやすい話題がベスト。無難なのはお天気の話題ですが、これからの季節なら、興味ある人が多そうなBBQネタもいいかもしれません」NGの筆頭は、政治や時事問題。「込み入った話題は、相手がどう答えていいのか戸惑ってしまいます。好きな芸能人など個人的な嗜好も避けて。相手がその人を知らなければまったく広がりません」例:昨日ニュースで見たんですが、最近BBQは、手ぶらでいいみたいですね!例:毎日暑いですね。週末まで、この暑さが続くそうですよ。こにし・みほ日本テレビ解説委員・キャスター。現在、夕方の報道番組『news every.』でニュースをわかりやすく解説中。著書に『3秒で心をつかみ10分で信頼させる聞き方・話し方』『小西美穂の七転び八起き』。※『anan』2019年6月26日号より。写真・小笠原真紀取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2019年06月22日報道記者兼キャスターとして、著名人から街の人々まで、数多くの人を取材してきた小西美穂さん。その豊富な経験から“ほんわか”した雰囲気作りこそが、究極の会話テクニックだと気づいたそう。「自分も相手もリラックスして、気持ちよくしゃべってもらう。それが、私が理想とする“ほんわかコミュニケーション”です。事前に雑談のネタを考えておけば、会話はスムーズに流れます。大げさなくらいの笑顔やリアクションは、相手の不安を吹き飛ばします。自分の話を興味津々で聞いてもらえれば、誰でも嬉しくなります。そうやって醸成されたほんわかした空気は、『この人とまた会って話がしたい』という思いを生みます。そうなれば大成功!『また会いたい』と好印象を残せることは、縁が続くということですから。キャリアアップや素敵な恋愛に結びつく可能性もありますよ」会話でいちばんやってはいけないのは、相手に「自分の話を聞いていない」と思わせてしまうこと。「相手が話している最中に、次の質問のことばかり考えていたり、時間を気にしたり。注意力が散漫になっていると相手が気づいた瞬間、その人の心はぎゅっと閉じ、会話の温度は急速に下がってしまいます。そうなると、元に戻すのは本当に大変!つまり会話では、相手に興味を持ってもらうための話す力だけでなく、相手の話を聞く力がさらに重要になるんです。今、一生懸命、自分に話してくれていることをじっと聞く。それがコミュニケーションの鉄則です」話す力も聞く力も、小西さんがキャスターだから身についたのでは?そんな疑問が湧くけれど、「誰にでも磨くことはできます」と、きっぱり。「もちろんある程度の練習は必要ですが、テクニックを知り、一つ一つ習慣にしていけば、どんな方でもコミュ力はアップできます」メールやSNSでのやり取りがコミュニケーションの主流になった今、顔と顔をつき合わせて、言葉を交わす会話の時間がますます貴重になってきているとも。「SNS全盛時代だからこそ、実際に会って話さなければ感じられない、言葉の持つ温もりの価値が上がっています。せっかく時間を割いて話すのだから、互いにとっていい時間にしたい。そう思っていることが相手に伝われば、『また会いたい』という気持ちに自然となりますよね。会話そのものが減っている中、コミュ力が高い人は、ますます重宝され、“モテる”のではないでしょうか」“会話でモテる”人がやっている4つのテク3割増しの笑顔と感謝ワードで第一印象をポジティブに。普段よりオーバー気味の笑顔&感謝を伝える言葉で、初対面時に漂う緊張感をやわらげて。「初めて会うときは、多少なりともお互いに緊張しているもの。通常の3割増し、大げさに感じるくらいでちょうどいい笑顔になります。そして、『お会いできて光栄です』など、感謝を伝えましょう。お店で会うのなら『前から来てみたかったんです』もいいですね。わずか3秒で言えるフレーズですが効果は絶大!有意義な時間にしたい意思が伝わりますよ」共通点を見つけて心のドアを開ける。出身地や経歴、趣味などの共通点は、会話の糸口となり、互いの距離を縮める好材料!可能なら事前に調べておくのがベスト。「共通点があると、初めて会う人でもご縁を感じられるので、一気に打ち解けることができます」事前情報が得られない場合は、会社などの所在地もヒントに。持ち物のことに触れるのもアリ。「名刺入れやスマホケース、女性ならアクセサリー、男性ならネクタイなど、こだわりが感じられる持ち物を褒めるのも喜ばれます」“否定の王様”にならない。レストランの食事に「あまり美味しくない」。会議室に入って「狭いな」。何に対しても真っ先に否定的なことを言うタイプを小西さんは“否定の王様”と命名。「否定から入るコミュニケーションでは、人は心を閉ざしてしまいます。たとえ、料理がなかなか出てこず、接客も味もイマイチな店だったとしても、『天井が高くて開放的!』と、何かしらいいところを見つけ、場にいる全員をポジティブにしてくれる人のコミュ力には、唸らされます」話が弾む雑談ネタ、“旅行・食べ物・お酒”のマイベスト3を決めておく。雑談もコミュ力が試されることの一つ。あらかじめ、旅行、食べ物、お酒のマイベスト3を決めておくと、沈黙で気まずくならない。「単にベスト3を話すだけでは、『好きなのね。ふ~ん』で会話は終わってしまいます。もしお酒のベスト1がビールなら、すごく冷えたビールを美味しく注いでくれるお店まで落とし込んでおく。すると、雑談が相手にとって情報となり、あなたに会うことの価値が上がります。『一緒に行きましょう』と次の約束にも繋がります」こにし・みほ日本テレビ解説委員・キャスター。現在、夕方の報道番組『news every.』でニュースをわかりやすく解説中。著書に『3秒で心をつかみ10分で信頼させる聞き方・話し方』『小西美穂の七転び八起き』。※『anan』2019年6月26日号より。写真・小笠原真紀取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2019年06月21日こんにちは。保育士の中田馨です。赤ちゃんの夜泣きが続くと、寝不足になりママはヘトヘトになってしまいます。赤ちゃんが成長すればいつかは終わる夜泣きですが、ママはそうは思えずしんどくなってしまうこともありますよね。 今回は、赤ちゃんが夜泣きをするときにどうコミュニケーションを取ったらいいかについて話します。 どうして赤ちゃんは夜泣きをするの?赤ちゃんが夜泣きをする理由には、おなかが空いている、喉が渇いている、おしっこが出た、暑い、寒い、ママがいるか確認しているなどがあります。また、昼間に刺激があったため泣いている、ときには、なぜかわからないけれど理由なく泣いているということもあるでしょう。 このように、原因がはっきりしにくい夜泣きですが、大切なことはママが「私のやり方が間違っているのかも……」などと悩まないことです。「夜泣きはいつか終わるわよ」と祖母や先輩ママに言われても、大変なのは「今」です。いつか終わると言われても、いつ終わるかわからない夜泣きをつらいと感じたときは、家族や身近な人に相談して、1人で抱えないことが大切です。 息抜きをするのも1つの方法。寝不足のときは、赤ちゃんのお昼寝のときに一緒に寝るなど、ママの体力を回復できるように心がけましょう。 夜泣きをしたときのコミュニケーションの取り方赤ちゃんが夜泣きをしたときには、さまざまな対応方法があります。 「必ずこれをしたほうがいい」というものはなく、赤ちゃんによって安心したり、寝てくれたりする方法は違います。つまり、赤ちゃんの数だけ対応方法はあるということです。赤ちゃんの生理的欲求を満たしてあげながら、安全な方法でいろいろとチャレンジして落ち着く方法を見つけましょう。 ■「ママがそばにいるから大丈夫だよ」と声かけをするまずは「ママがそばにいること」を赤ちゃんに伝え安心させることからスタートです。それから、赤ちゃんの落ち着く方法を実践します。 ■抱っこで安心させる抱っこは赤ちゃんが安心することの時1つ。泣いたら抱き上げます。スリングが好きなら寝るまでスリングで抱っこするなど、赤ちゃんの好きな抱っこをしてあげましょう。 ■添い寝で安心させる添い寝で、赤ちゃん優しくさすったり、トントンします。私は抱っこして起き上がる元気がないときは、赤ちゃんが寝付くまではカンガルー抱っこのように胸の上に抱っこして寝かせていました。 ■授乳するおなかが空いている場合、おっぱいやミルクを飲むと、おなかも気持ちも満足し、その後ぐっすり寝ることもあります。 わが子も、夜泣きがよくあったことを思い出します。夜泣きは必ず止まります。夜泣きがつらいときは家族に相談し、助けてもらいながら、“うちの子の夜泣き対応方法”を見つけてみましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。
2019年06月20日この時代の「モテる」とは?人気インフルエンサーやCMクリエイター、アナリストなど「モテる」の秘密を敏感にキャッチしている4人による、新・モテキーワード考察。「好感度」ってどうやったら生まれるかというと、「共感」で生まれるんです。「広告にとって、好感度は大事な要素の一つです。やはり、好感を持てる人がメッセージを発信しないと、見ている人は聞いてくれませんから。そんな好感を生むものが、“共感”です。初対面の人と話すときに、例えば、同じ映画の同じシーンが好きだと、共感が生まれて盛り上がることってあるじゃないですか。そんなふうに共通の話題があると一気に距離が近づくのと同じで、『あ、一緒だ!』とか『わかるわかる!』となることが、心を掴む大事なポイントになります。では“わかる”を作るにはどうすればいいかというと、“面白い”ものである必要があって、この場合の面白いは、ファニーではなく、昔の“いとおかし”や、英語の“interesting”。カッコいいや美しい、泣ける、驚きを感じるなど、相手に興味を持たせることが大切なんです。これは人間関係においても同じで、面白いを持っていて、共感力がある人がモテているんじゃないでしょうか」(クリエイティブ・ディレクター・篠原誠さん)モテる人は自分から動く。give give giveの精神が大切!「周りでモテているのは、人を楽しませることが好きで、相手を楽しませることで自分のテンションが上がる人。ポジティブで楽しそうな空気が漂っているところに人は集まると思うんです。私自身、“give give give”の精神で、少しでも楽しんでもらえるようにインスタグラムやYouTubeの生配信をたくさんアップしています。その人の熱量は数や量に表れると思うし、多くの人が見てくれているのも、そんな気持ちが伝わっているからだと感じます」(モテクリエイター・ゆうこすさん)どこかに優しい視点がある。絡んだ人が「誰も損しない」。「コミュニケーションをとるとき、根本にある視点が優しいか意地悪なのかで、人の印象はまったく違ってくると思います。前者のタイプの場合、たとえ少しキツいことを言ったとしても、ベースに優しさがあるので相手も傷つきにくいし、損した気分にならない。そういう人のほうが、気に入られますよね」(篠原さん)「今の若い人は、他者を傷つけることなく自分を表現する傾向があります。毒舌といえども本気ではなく、“茶番毒舌”じゃないと受け入れられません」(マーケティングアナリスト・原田曜平さん)人間関係のネットワークやしがらみに囚われていない。「疲れないで生きたい、と思っている日本の若い世代は、上の世代のようにリアル世界でのしがらみに囚われていません。軽めの対人感覚を持ち、嫌な相手はスルーもしくはドロップすればいいと考える。そのような諸外国と比べても世界最先端をいくライトでスリムなコミュ力は、時代にふさわしい新たなサービスや商品を考えるうえで重宝されるはず。また、昔は偉い人に認められることで承認欲求を満たす人が多かったのですが、今は“いいね!”をもらう相手が誰なのかよりも、数多くもらえるかを重視する人が増えました。その結果、フラットでリベラルな視点を持つ人が増えているし、モテる要素の一つになっていると思います」(社会学者・栗田宣義さん)「モテたい!」を隠さない人。「これまでは、モテる女性=相手に合わせて行動するとか、ぶりっ子だというイメージがあって、なかなか『モテたい』とは言いづらい風潮があったと思うんです。でも、人に好かれたいと思うのは当然のことだから、私は『別によくない?』と思うし、モテるためのテクニックを発信しています。そうして努力をして変わるにつれ、だんだんと周りの反応が変わってポジティブな空気が生まれたし、自分自身が生きやすくなりました。モテの電波は隠さなくていいんです!」(ゆうこすさん)しのはら・まことクリエイティブ・ディレクター。auの「三太郎」シリーズや、イケメン俳優がたくさん登場して話題の花王「アタックZERO」、「UQモバイル」など、好感度の高い数々のCMを手がける。桐谷健太さんが歌う「海の声」や菅田将暉さんの「見たこともない景色」の作詞も担当した。ゆうこすさんモテクリエイター。“モテクリエイター”という肩書を作り、インフルエンサーやYouTuberとして、メイクなどモテるテクニックを発信中。紹介したコスメが完売するなど、10~20代女性を中心に絶大な影響力を誇る。最新刊に『共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る』(幻冬舎)。はらだ・ようへいマーケティングアナリスト。若者やメディアを中心に、次世代に関わる様々な研究を行う。「マイルドヤンキー」「さとり世代」という言葉の生みの親。TVやラジオをはじめ、メディアでも活躍中。著書に『平成トレンド史 これから日本人は何を買うのか?』(角川新書)など。くりた・のぶよし社会学者。甲南大学文学部教授。博士(社会学)。主な研究テーマは化粧美容服飾と流行。『マンガでわかる社会学』(オーム社)、『社会学(図解雑学)』(ナツメ社)など著書も多い。『新社会学研究』(新曜社)にて、「ファッション&パッション」を連載中。※『anan』2019年6月26日号より。取材、文・重信 綾©Colin Hawkins(by anan編集部)
2019年06月19日人気インフルエンサーやCMクリエイター、アナリストなど「モテる」の秘密を敏感にキャッチしている4人に聞いてみた。今どきの、誰からもモテている人や支持を集めるモノやコトに共通している定義やキーワードって、いったい何ですか…?自分の世界観を持ち、とことん追求する。「丸く尖る」オタクな人。「趣味や好きなことをとことん突き詰めるという意味で、尖っている、芯のあるオタクの人はモテると思います。“これが好き!”と発信している人や、引き出しがいろいろある人のほうが、人は話しかけやすいですよね。それに、人間関係はキャッチボールだから、いくら相手のすごいところを褒めたりアプローチしたとしても、自分に何もなければ興味を持ってもらえない。特に同性の場合は、また会いたいかといったら、難しいですよね。自分が好きなことをハッシュタグや肩書としてたくさん持つことが大切です」(モテクリエイター・ゆうこすさん)「日本人は、“愛すべきバカ”という言葉があるように、“超”とか“バカ”が付くくらいまで度が過ぎると愛しちゃうんです。『アメトーーク!』の芸人もそう。それは、『自分だとこれだな』と自らに当てはめ共感できるからだと思います。ちなみに、『アタックZERO』のCMでは、洗濯バカを描きました」(クリエイティブ・ディレクター・篠原誠さん)例えると、レーダーチャートが4点平均になる人。「今は、何か一つでも才能があれば性格がめちゃくちゃダメでも許されるとか、容姿がいい=モテるという公式が成り立たない時代。極端なものでなく、モラルがあることや、全体的なバランス感覚のよさが求められます。万人に好かれるのは、ビジュアルと内面のバランスがほどよくとれている、例えるならレーダーチャートが4点平均になるような人。セクシュアルすぎないことや、親しみやすいと思わせる愛嬌があることが大切です」(マーケティングアナリスト・原田曜平さん)努力をしている人には「愛嬌力」がある。「努力をして頑張っている人だからこその“愛嬌力”があると思うんです。そういう人は、例えば失敗をして困ったときに、『どうしよ~!助けて~』と周りを頼っても、“あの人が言うならしょうがないな~”と、手を貸してもらいやすいはず。やっぱり、普段から人に頼ってばかりいる人の『助けて』とは質が違うし、同じようには愛されないですよね。自分の足で立ち、一生懸命やっていることが伝わるからこそ、周囲の気持ちを動かすことができるのだと思います」(ゆうこすさん)今の時代、「モテる」とは「ウケる」ということ。「これまでは、“モテる”という言葉は異性に対して使い、同性にモテる意味では“ウケる”が使われてきました。でも、ここ2~3年で、若い世代では異性への“モテ”という考えはほぼ消滅し、すべてが“ウケ”になりました。その背景には、戦争もあり激動の時代だった昭和とは違って、社会が安定し、平和が求められるようになったことがあります。特に女性は同性に嫌われると致命的です。人間関係で失敗しないための策として、コミュニケーション能力、つまり“ウケる力”を磨くようになったのです。その結果、今の若い世代は人とのコミュニケーションにおけるリテラシーがどんどん高くなっているし、それが不可欠な時代だといえます」(社会学者・栗田宣義さん)ゆうこすさんモテクリエイター。“モテクリエイター”という肩書を作り、インフルエンサーやYouTuberとして、メイクなどモテるテクニックを発信中。紹介したコスメが完売するなど、10~20代女性を中心に絶大な影響力を誇る。最新刊に『共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る』(幻冬舎)。しのはら・まことクリエイティブ・ディレクター。auの「三太郎」シリーズや、イケメン俳優がたくさん登場して話題の花王「アタックZERO」、「UQモバイル」など、好感度の高い数々のCMを手がける。桐谷健太さんが歌う「海の声」や菅田将暉さんの「見たこともない景色」の作詞も担当した。はらだ・ようへいマーケティングアナリスト。若者やメディアを中心に、次世代に関わる様々な研究を行う。「マイルドヤンキー」「さとり世代」という言葉の生みの親。TVやラジオをはじめ、メディアでも活躍中。著書に『平成トレンド史 これから日本人は何を買うのか?』(角川新書)など。くりた・のぶよし社会学者。甲南大学文学部教授。博士(社会学)。主な研究テーマは化粧美容服飾と流行。『マンガでわかる社会学』(オーム社)、『社会学(図解雑学)』(ナツメ社)など著書も多い。『新社会学研究』(新曜社)にて、「ファッション&パッション」を連載中。※『anan』2019年6月26日号より。取材、文・重信 綾©Fernando Trabanco Fotografía(by anan編集部)
2019年06月19日夫婦2人3脚で日々奮闘する育児。頼りになるパパの存在は非常にありがたいですよね。ただ、やはりママだって人間。イライラすることもあります。今回は、わが家のパパに日々感じているけれど言えない、ママの内に秘めた思いをつづります。 1. 帰宅後も協力してほしい本来なら、仕事から帰宅したパパには家では「ゆっくり休んでね」と言いたいところですが、ママにとっては子どもが寝るまでが仕事のようなもの。子どもを寝かせるまでのお風呂や歯磨きなど、特に2歳くらいまでは自分でできないことも多いわりに自己主張も始まるのでバタバタ……。 そんなとき、ビール片手にテレビを見ているパパの姿が……。ママは子どもを寝かせるために時間を逆算して動いているのに! 声に出さないにしろ、任務遂行するまでは協力してほしいのが本音です。ただ、仕事で疲れたパパにはなかなか言いにくいこともあります。 2. おむつ替えをしてほしいわが家のパパはかなりおむつ替えが苦手です。特にうんちだとわかるや否や拒絶反応を見せることも。ママの視点から言えば、自分の子どものうんちくらい……と思ってしまいます。 以前テレビで、「大は無理」と話すパパもいたので、男性は苦手なのかもしれませんが、忙しいときは「そんなこと言ってないでおむつくらい替えてよ!」と思ってしまうことがわが家ではよくあります。 3. 視野を広く持ってほしい何か頼みごとをしたときでも、子どもの様子は常に変化しますよね。途中で子どもが泣き出すなどのイレギュラーが発生した場合は優先順位が変わってくるので、今さっきお願いしたことよりも先に手伝ってほしいことが登場します。 わが家のパパは、どうもそのことを察知するのは難しいらしく、イライラしてしまうと、「コレをやれって言ったじゃないか」と反感を買ってしまう……。そんなときは、「状況によって何が重要かわかるでしょ!」と言いたくなってしまいます。 「ママの心の声」、わが家のパターンをご紹介しました。もちろん、すべて完璧にできるというパパもたくさんいると思います。お互いさまなのも承知のうえ。しかし、時には言いたいときもありますよね! 「わが家もそう!」と共感できる部分、ありますか? イラスト:imasaku著者:小林夏希4歳と1歳の二児の母。フリーライターとして育児・インテリア・住宅関係の媒体を中心に記事執筆をおこなう。
2019年06月18日