昨今、フェミニズムがどーたら、とか、男社会は欠陥ありとか、何十年も解決を先延ばしにしていた身近な問題が明るみに出てますよね。まるで膿をしぼり出すかのごとく。もっとやれやれ!と思ってるんですよ、ほんと。だって、おかしな話じゃありませんか。男性は許されるけど、女性は声を上げることすら邪魔されるなんて。全力で意味不明。それが常識とされていた’90年代、こんな自由に生きる女性を描いた映画があったんか!と驚いていただける傑作『テルマ&ルイーズ』が、美しい映像の4Kレストアされて上映されるんですよ。ナイスタイミング!シスターフッド映画の祖!親友同士の主婦テルマとシングルのウェイトレス、ルイーズは、週末のドライブ旅行に。ところが、立ち寄った店の駐車場で、テルマが男から乱暴を受け、それを見たルイーズはとっさに護身用のピストルでパ~ン!気晴らしの旅行のはずが、指名手配の逃避行になってしまいます。ふたりの旅は、迫りくる警察の追跡をまくことができるのか!?ってなロードムービー。人目をはばかる逃避行なのに、ヒッチハイクの青年を連れ込んじゃったり、タンクローリーのドライバーにセクハラされたら、その報復でタンクを撃って大爆破させたり。タガが外れたふたりの行動は超はちゃめちゃ。なのに、なんなのよ、この心の解放感……っていう、最高に爽快な作品。今でいうところのシスターフッド映画でもあり、相思相愛の愛情にも似た女性バディ映画でもあり。時代を先取りしすぎていた映画としても名高い傑作です。この映画を知らない人がこの4K版を観たら、おそらく「今の映画でしょ」と思ってしまうんじゃないかしら(携帯電話がないとかの古くささはあるんだけど)。なんせテーマも物語も、今起きておかしくないことばかり。ってことは、30年以上この問題は棚上げされっぱなしだったってことなんですよ。それゆえに、2016年にはアメリカ国立フィルム登録簿にリストインし、同年のカンヌ国際映画祭ではジェンダーの平等と女性の地位向上に貢献した作品に贈られるウーマン・イン・モーション賞を獲得。そして、このほど監督のリドリー・スコット自身が監修した4K版が実現したってわけです。もーね、これを観ずしてシスターフッド映画は語れない、ってくらいの金字塔。実はルイーズは性被害の経験があって、女性に乱暴する男は許せない。だから男性の横暴に対してはめちゃ厳しいのね。でも、テルマは夫(おまけにDV気味)に頼りきりの専業主婦。男性優位に設計されている社会に対してちょっと甘い考え。この対比も実にいいのよ~。現代にも残るこのテーマにおける意見の対立そのまんま。だからこそ説得力があるのよね。ちなみにテルマが誘い込むヒッチハイカー青年は若き日のブラピ。4Kになったらオリジナルよりもグッと美しく、「そら誘うわ…」と思うほどでございます(が、絶対ダメ)。イケメンが大条件のこの役、ジョージ・クルーニーもオーディションを受けて落選しているといういわくつき。説教くさく紹介したけど、そういうのを抜きにして、彫刻のように美しいブラピに翻弄される『テルマ&ルイーズ』を美麗映像&大スクリーンで観る、というだけでも価値アリアリですよ!『テルマ&ルイーズ 4K』監督/リドリー・スコット出演/スーザン・サランドン、ジーナ・デイヴィス、ハーヴェイ・カイテル、ブラッド・ピットほか2月16日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー。©1991 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.※『anan』2024年2月21日号より。文・よしひろまさみち(by anan編集部)
2024年02月20日江戸川乱歩賞を史上最年少、満場一致で受賞した荒木あかねさんの『此の世の果ての殺人』が話題だ。終末世界で女性2人組が謎を追う。満場一致の江戸川乱歩賞受賞作!小惑星が日本に衝突すると発表され、約2か月後に人類滅亡が確定となった世界。それでも太宰府の教習所に通い続ける小春は、車のトランクに他殺体を発見。教官の女性、イサガワと犯人捜しをすることに…。「教習所に通っていた頃、あまりにも自分の運転が下手で憂鬱で。気持ちを上げるために、教習所が出てくるミステリーを考えようと思いました(笑)」ではなぜ、終末という設定に?「自動車学校の教官と生徒を探偵役にして、女性二人の連帯を書きたかったんです。警察が機能していない状況にする必要があって、人類が混乱に陥っている設定を考えました」閉鎖直前の警察署で、二人は他にも殺人事件が発生していると知る。もうすぐ人類がみんな死ぬのに、犯人はなぜわざわざ殺すのか。「連続殺人にしたのは、不謹慎ですが、最初は次々展開したほうが読者も飽きないと思ったんです。でも犯人の動機などを考えていくうちに、連続殺人事件にした意味が出来上がっていきました」手がかりを求めて自動車で移動する二人には出会いもある。少しでも安全な場所を求めて逃亡を画策する人もいれば、人助けを行い続けている人も。そのなかで、太宰府周辺の実際の土地が登場し、インフラなどの現状も見えてくる。「冒険する話にしたかったんです。地名は具体的にしてできるだけ現実味を出しました。インフラについても、曖昧なままだと読者のみなさんが物語の中に入りにくい気がしたので掘り下げて考えました。携帯電話の電波について調べていくうちに、事件解決に繋がる発想も生まれたのでよかったです」犯人の証拠や新たな謎も次々出てきて飽きさせないなか、極限状況で生きる人たちの姿が見えてくる。新人にしてこんな極上のミステリーを書き上げた荒木さん。執筆を開始したのは、中学3年生の時だという。「有栖川有栖さんの短編『探偵、青の時代』を読んで、面白い、私も推理作家になりたいと思ったんです。新人賞の投稿をはじめたのは大学生になってからでした」そして23歳で見事デビューを果たしたのだ。今後も女性が活躍するミステリーを書きたいと、荒木さん。「私自身が今まで、フィクションの中の連帯する女性たちの姿に勇気づけられてきたんです」ちなみに好きな作品は?「雑誌『文藝』の〈覚醒するシスターフッド〉特集号に掲載されていた作品はどれも好きですが、特に王谷晶さんの『ババヤガの夜』はもう、最高で。主人公が大好きです。自分もあんな作品が書けたら嬉しいです」荒木あかね『此の世の果ての殺人』もうすぐ人類が滅亡する世界。自動車学校の車のトランクに死体を発見した小春は、教官で元警察官のイサガワと犯人捜しをはじめる。講談社1815円あらき・あかね1998年、福岡県生まれ。九州大学文学部卒業。2022年、第68回江戸川乱歩賞を受賞した本作でデビュー。大学卒業後は会社に勤務。現在次回作の構想を練っているという。©森清※『anan』2022年11月2日号より。写真・中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2022年10月30日世界的にシスターフッドカルチャーが普及したことで、女バディものが多様な広がりを見せている。女バディものは、ゆるっとカラッとがトレンド?女性同士の絆を描く「ロマンシス」系マンガから女性のほのぼのとした同居生活エッセイ、スカッと爽快感が得られる小説など、リアリティがありながら軽やかなテイストの作風が反響を呼んでいる。今の時代、女性同士の繋がりは、気楽な関係性が求められている!?1、『一心同体だった』山内マリコ著10~40歳までの女性たちの友情を描いた8つのストーリー。女同士の友情の複雑さ、繊細さ、そして女子の生き様を描き出した8編の連作短編。それぞれの年代の女子の友情がロンド形式で繋がっていく、私たちの平成30年史でもある。光文社1980円2、『マイ・ブロークン・マリコ』平庫ワカ著自殺した親友の魂を救うために遺骨と一緒に逃避行!?学生時代からの親友マリコを自殺で失ったシイノトモヨ。虐待を受けていたマリコの遺骨を親から強奪し、ふたりで旅に出る。秋に永野芽郁さん主演で映画が全国公開される。KADOKAWA715円3、『女ふたり、暮らしています。』キム・ハナ、ファン・ソヌ著似ているけど全く違う…。女ふたりが作る新しい家族の形。シングルでも結婚でもない。ローンを組んでマンションを共同購入した韓国のコピーライターと元ファッション誌編集者と猫4匹の愉快な生活を描いたエッセイ。CCCメディアハウス1650円4、『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』阿佐ヶ谷姉妹著40代・独身・女芸人ふたりの地味おもしろ同居エッセイ。ちょっとした小競り合いや人情味溢れるご近所づきあいなど、細かなこだわりと笑いに包まれた飾らない日常が繰り広げられる。昨年ドラマ化されたことでも話題に。幻冬舎文庫660円年の差バディに共感の嵐!?今までにない新基軸の作品として、年の差バディが注目の的に。多様性の時代、共通の趣味や好きなものを語り合うのに、年齢も立場も関係なし。自分が置かれている状況と全く異なる人との出会いは、利害関係抜きで純粋に心を通わせられるので、共感を得やすい。さらに視野が広がり、新たな気づきが得られ、人生を切り拓いていくきっかけになることも。芦田愛菜×宮本信子『メタモルフォーゼの縁側』17歳の女子高生の佐山うらら(芦田愛菜)と75歳の老婦人の市野井雪(宮本信子)を繋いだのはボーイズラブ。BL愛を語り合う中、ふたりの人生は意外な方向に転がり出していく。全国公開中。©2022「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会トミヤマユキコが分析!心の機微が見えるバディものが視聴者の胸を打つ。大和書房のWeb連載「バディ考~世界は二人組で満ちている!」で、様々なバディエンタメ作品を考察しているライターのトミヤマユキコさん。最近のバディものは価値観の変化とともに、どんどん多様化してきていると語る。「今までは、タイプの異なる男同士が凸凹コンビを組んで、なんらかの障害を克服し、唯一無二の関係性になっていくのが王道でした。これは一種の伝統芸能として今後も愛され続けると思いますが、最近は性別の枠に縛られないバディものブームがじわじわと来ています。この背景には、若い世代の恋愛離れや、恋愛と結婚をひとつなぎで考える『ロマンティック・ラブ』の解体が関係していそう。かつては男女が登場する作品のほとんどに恋愛要素が含まれていましたが、喧嘩して仲直りしてハッピーエンドを迎えるという感情のアップダウンを見るのがシンドイという声も聞きます。そのため恋愛要素を極力排除して、人の繋がりをフラットに描けるバディものが支持を集めているのではないでしょうか」また、バラバラの個が歩み寄り、弱さもしっかり見せられるバディものも共感を得やすい。「それは私たちが“みんな一緒”という均質化した教育を受けてきた背景が大きい。だからこそ強い個性の持ち主同士が結束力を高めていく姿に尊さを感じるのでは。さらに、過去のトラウマやコンプレックスなど、内面にも焦点を当てて、弱さを共有し合うバディの姿にグッとくるんだと思います。また、おもしろい現象として、女バディものは、人生のお手本のような趣があって、現実と地続きの描き方をしている無理のない作品がバズりやすい。昨今のシスターフッドや女性のエンパワーメントの流れを汲みつつ、タイプの異なる女性ふたりのゆる~い連帯感や暮らしに根差した心地よさに、憧れを感じる人が多いよう。バディものはまだまだ開拓の余地があると思いますし、何が起こるのかわからないワクワク感があるバディものの登場に期待したいですね」トミヤマユキコライター、マンガ研究者、東北芸術工科大学准教授。大学では少女マンガ研究を中心としたサブカルチャー関連講義を担当している。著書に『夫婦ってなんだ?』(筑摩書房)、『少女マンガのブサイク女子考』(左右社)など。※『anan』2022年7月27日号より。取材、文・鈴木恵美(by anan編集部)
2022年07月21日“バディ”はいつの時代も憧れの関係性ではあるけれど、なぜいま改めてバディなのか――。女性同士のゆるやかな連帯を描く作家の山内マリコさんがツレを求める気分を解き明かします。「ツレ!」文・山内マリコ(作家)わたしにとって運命のツレは、大学時代の親友Aちゃん。彼女に出会う以前と以後で、大袈裟に言うなら世界の見え方が変わった……そんな存在です。それまで誰とも共有できなかった自意識にまつわるうじうじした醜い気持ちも、好きなものを心ゆくまで熱く語り合えるよろこびも、Aちゃんとだから分かち合うことができました。たった一人でいいのです。たった一人、この世に自分を全肯定してくれるような存在がいるだけで、十九歳のわたしは顔を上げて外を歩けるようになり、自分のことが好きになっていきました。そういう効能は、一般には恋愛や恋人によってもたらされるものと思われていたけれど、わたしの場合、そうではなかった。友情がスパークする瞬間をはじめて味わったことが、自分の中のエポックメイキングな出来事となりました。このことを描きたい!シスターフッド(女同士の連帯)という言葉を知ったのはそれからずっとあとのことですが、作家になったわたしはあちこちで、女同士の友情は恋愛にも勝るほど素晴らしいのだと、Aちゃんが「美化しすぎだよお」と困惑するほど、書き散らかしているのでした。あれから二十二年――。かつてAちゃんがいた、わたしのとなりにいるのは、夫です。Aちゃんとは大学卒業と同時にはなればなれになり、蜜月はわずか三年で強制終了に。現実世界に戻されたわたしたちは、それぞれにつらい婚活を経て、結婚という平凡な枠組みの中に収まっていきました。わたしにとってツレ用の席は一つしかないので、夫は夫でありながら、親友でもあります。最初からそうだったわけではなく、はじめのうちはよそよそしい他者だった存在が、だんだん親友に“昇格”していきました。けどそれも、Aちゃんのおかげなのです。彼女とみっちり三年つき合ったことで、心の開き方や、人と人との関係の築き方、仲直りの仕方、そういったコミュニケーションのいろはを身に付けていたから、うまくやれているんだと思います。ツレとうまくやるにもスキルが必要で、それをわたしは知らず知らずのうちに、Aちゃんとの関係をとおして、学んでいたようなのでした。ああ、だけど……。夫のことは大好きだけど、それが「夫」という立場で、異性愛に基づく関係であることに、わたしは言い様もなく、テンションが下がってしまう。わたしは、家族や血縁、そういったものの外側にある、純粋な友情というものを信じたいのです。戸籍に載らない、子孫が繁栄するわけでもない、社会的には無用とされるような関係の中で築かれる、人と人とのかけがえのない繋がりこそが、真に尊くて美しいものだと信じたいのです。やまうち・まりこ2012年『ここは退屈迎えに来て』でデビュー。著作に『アズミ・ハルコは行方不明』『あのこは貴族』など。女の子同士のゆるやかな連帯を描いた『一心同体だった』(光文社)が好評発売中!※『anan』2022年7月27日号より。イラスト・カトウトモカ(by anan編集部)
2022年07月20日『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズや『ジュマンジ』シリーズのカレン・ギランらが豪華共演、女性たちの連帯と共闘を描き、シスターフッドを盛大に讃えたアクション大作『ガンパウダー・ミルクシェイク』が3月18日(金)に公開決定。ポスタービジュアルと場面写真が解禁となった。ネオンきらめくクライム・シティ。サムはこの街の暗殺組織に属する腕利きの殺し屋。だがある夜、ターゲットの娘エミリーを匿ったことで組織を追われ、命を狙われるハメに。殺到する刺客たちを蹴散らし、夜の街を駆け抜ける2人は、かつて殺し屋だった3人の女たちが仕切る図書館に飛び込むが、そこはジェーン・オースティンや、ヴァージニア・ウルフの名を冠した数々の本が所蔵されている“武器庫”だった――。そんな奇想天外なアイディアを発端に誕生した、悪を蹴散らすシスター・ハードボイルド・アクションとなる本作。主人公の殺し屋サムを演じるのは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』『アベンジャーズ』シリーズのネビュラ役で知られるカレン・ギラン。180cmの長身と抜群の身体能力を活かしたダイナミックなアクションを繰り広げ、『キル・ビル』のユマ・サーマンに匹敵するようなアクション・ヒロインを快演。ターゲットとなる少女エミリー役は、『アバター2』(原題)にも出演する注目の子役クロエ・コールマン。サムの母親スカーレット役は「ゲーム・オブ・スローンズ」のレナ・ヘディ。レナ・ヘディそして3人の図書館員たちには、『スパイキッズ』シリーズやNetflix映画『ジェラルドのゲーム』のカーラ・グギーノ、『ブラックパンサー』のアンジェラ・バセット、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のミシェル・ヨーが扮し、それぞれに過激な必殺技を披露する。ミシェル・ヨー監督/脚本は、前作『オオカミは嘘をつく』がクエンティン・タランティーノ監督から「本年度最高傑作」と絶賛されたイスラエル出身の鬼才ナヴォット・パプシャド。古今東西のアクション名場面を自在に引用し、CG抜きの生身のアクションにバイオレンスとユーモアが融合した新時代のシスター・ハードボイルドを誕生させた。今回解禁となったポスタービジュアルでは、ホイップクリームが乗ったミルクシェイクときな臭い硝煙(ガンパウダー)を組み合わせたタイトルが妖しく輝くネオンを背景に、サム(カレン・ギラン)ら5人の女たちが武器を手に立つ姿が切り取られ、カラフルでポップな世界観が垣間見えるものとなっている。『ガンパウダー・ミルクシェイク』は2022年3月18日(金)よりTOHO シネマズ日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ガンパウダー・ミルクシェイク 2022年3月18日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2021 Studiocanal SAS All Rights Reserved.
2021年12月28日ananトレンド大賞2021、CULTUREのトレンドとして、ここでは“シスターフッド”に注目!エンタメ業界でも注目が集まっている“シスターフッドもの”ですが、その由来と盛り上がりの背景を映画・海外ドラマ評論家の今祥枝さんに伺いました。シスターフッドが社会を動かすこともあります。「インフルエンサーのモデルや俳優がSNSで発信することが増え、シスターフッドが一つのトレンドになっています。元々は、’60年代に始まったウーマンリブ運動でよく使われていた言葉で、簡単に言うと女性同士の連帯や絆のこと。身近で感じる『これって変?』という違和感を解決するために女性同士が手を組み、問題解決に取り組む。男性が構築した社会では、女性の声はなかなか通りません。しかも女性の権利が脅かされることもあるけれど、大勢が連帯して声を上げることで社会を動かすこともできる。わかりやすい例が、2017年に始まった#MeTooムーブメントです。映画界の女性たちが連帯して、ハリウッドの悪しき慣習を変えた。以来、シスターフッドを扱った映画やドラマが次々に誕生。例えば『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』のように命懸けで権利を求める女性の闘いは本来のフェミニズム運動に通じるものがあります。でもZ世代のシスターフッドはもっとカジュアルで、『ベティ/スケート・キッチン』がおすすめ。女の子同士の連帯って大事だよねという精神を忘れずに、今ある権利を勝ち取ってくれた女性たちに思いを馳せてくれたらいい。それと、今後は男性のシスターフッド参加も重要でしょう。女の子だけでは世界は成り立たないわけで、男性も女性が抱える問題点や悩みと向き合うことで互いの理解が深まると思います」(今さん)今祥枝さんのおすすめ『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』権利を手に入れるため。時には命を落とすことも!?アメリカ内戦によって誕生した全体主義国家ギレアド共和国に拉致され、妊娠・出産要員〈侍女〉となったジューンの闘いを描くディストピア(暗黒郷)物語。「権利を剥奪された女性たちがジューンに勇気をもらって、命懸けでレジスタンス活動をする姿は、かつてのフェミニズム運動と同じ。ただ内戦前のボストンでジャーナリストとして働いていたジューンは女性の権利を当然と思っていたので実際に闘い始めるのが遅く、第4シーズンでは14歳の少女からなじられもします」。シーズン1~4、Huluにて独占配信中©2021 MGM Television Entertainment Inc. and Relentless Productions LLC. All Rights Reserved.『ベティ/スケート・キッチン』ゆるくても繋がっているZ世代の絆が心地いい。ニューヨークに実在するガールズ・スケーター集団「スケート・キッチン」メンバーの日常を追うドキュメンタリー調の青春ドラマ。「スケボー界は、男性社会。女子一人でスケート・パークに行っても男の子の縄張りだから、なかなか入れない。でもスケボーを愛する女の子同士で行けば楽しく練習できる。スケボーを通じて深まる絆が尊いものに思えます。何かと闘うとか共闘するなんて意識はなくとも、Z世代のシスターフッドは自然体で成立するんです」。シーズン1&2U‐NEXTにて見放題で独占配信中©2021 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO(R) and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.『ミセス・アメリカ ~時代に挑んだ女たち~』女性の権利獲得運動がシスターフッドの原点。1970年代のアメリカでフェミニストによるERA(男女平等憲法修正条項)の議会通過を目指す運動が盛り上がる一方、伝統的な性別による役割分担を支持する主婦たちが反対運動をスタート。果たして女性の権利は?「グロリア・スタイネムやフィリス・シュラフリーが登場し、女性の連帯が簡単じゃないとわかります。と同時に男性が女性を分断させてきた戦略が苦々しい。女性を分断する圧力がどこからくるのかをいま一度考えさせるし、だからこそ女性たちの連帯が重要だと実感します」。配信再開待機中courtesy of mrsam_fxonhuluいま・さちえ映画・海外ドラマ評論家。数々の女性誌や文芸誌、WEBなどで独自の視点による作品評論やコラム、エッセイなどを執筆。『小説すばる』『日経エンタテインメント!』ほかで連載中。著書に『海外ドラマ10年史』(日経BP)。※『anan』2021年11月17日号より。取材、文・山縣みどり(by anan編集部)
2021年11月14日おばさんという言葉が背負う悪印象を、解体し、再構築するカルチャーエッセイ。岡田育さんによる『我は、おばさん』をご紹介します。「おばさん」は女性にとって悩ましい呼称だ。ニュートラルには、中年女性を意味する言葉でしかないはずなのに、そう呼びかけられるといい気持ちはしない。女性にとって、なることに怯える「おばさん」とは何なのか。おばさんを侮蔑語のままにしておいてよいのか。シスターフッドのために、どうしたらよりよきおばさんになれるのだろう。そんな難題を噛み砕いて考察してくれたのが、岡田育さんの『我は、おばさん』である。岡田さんがその単語を意識したのは29~30歳頃だそう。「ちょうど“オトナ女子”という表現が出てきた2000年代の終わり頃で、『私たちはもしや、このままずっと女子でいられるんじゃないの』という錯覚も抱いたのですが、個人的には妹に子どもが生まれたタイミングでもありました、私は自動的に、アラサーで、伯母さん(笑)。いったいどっちなの、という気持ちに決着がつかないまま40、50に突入するのかとモヤモヤしました」おばさんという言葉の印象を女性自身がどこか内在化していることも問題ではないかと思った岡田さん。「ならば、マイナスからプラスへ視座を変えられないかなと思って。私自身、10代のときから母親とは異なる価値観を見せてくれる大人の女性に憧れていましたし、すでに多くの小説や映画などには、見習いたい魅力的なおばさんがいたんです」『若草物語』のマーチ伯母、『更級日記』の菅原孝標女、ヤマシタトモコ著『違国日記』の高代槙生、黒柳徹子や後藤久美子など。輝いているおばさんや、ときに反面教師にしたいおばさんも拾い上げながら、古典やエンタメをひもとく。「これからの女性たちは、自分の母や祖母とも違う生き方をするのだと思います。職場や周囲に真似したいような人がいない、あるいは生き方がすごすぎてお手本にならない、と思わないでください。ファッションを真似するのと同じ感覚で、なんとなくステキだなと思った人を参考に、少しずつ自分の独自性を見つけていけばいいのではないかなと」岡田さんは語る。女性たち自身が選び取れば〈あなたが待ち望んだ、私がなりたかった、「おばさん」になることができる〉のだと。本書には、そのヒントが詰まっている。岡田 育『我は、おばさん』引用した多数の作品は巻末にリスト化。著者と同世代なら懐かしさに胸躍るはず。妹世代にとっては新しいカルチャーとの出合いになるかも。集英社1760円おかだ・いく1980年生まれ、東京都出身。編集者を経て、2012年より本格的にエッセイの執筆を始める。著書に『ハジの多い人生』(文春文庫)ほか。‘15年よりニューヨーク在住。©Omi Tanaka※『anan』2021年8月4日号より。写真・中島慶子(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2021年08月03日物語に没頭しながら、舞台となっている社会のあり方に思いを巡らせたり、多様な価値観があることに気づいたり。ライターの瀧井朝世さんと三浦天紗子さんが、“今”を感じられる小説を指南!注目を集めたキーワード、“シスターフッド”。瀧井:最近、世の中の価値観が変わってきたことを感じさせる小説が多く、数年前の作品でさえ違和感を覚えることが結構あります。三浦:わかります。瀧井:ジェンダーやLGBTQもそうだし、家族観や仕事観でも。価値観のアップデートが求められるなかで、心に響くものを書いてくれる作家は頼もしいですよね。三浦:問題そのものをテーマにしていなくても、さりげなく挟み込まれている作品も多いですね。それによって今起きている問題に改めて気づいたり、もやもやと考えていたことを言語化してもらえて理解できたりします。瀧井:そもそも小説を読むのは学ぶことが第一目的ではないけれど、小説は微妙な問題を浮き彫りにさせやすかったり、読者が主人公に感情移入しやすい。それが良さでもありますよね。そういった意味で今年、ジェンダー問題で大きな話題になったのが『持続可能な魂の利用』。おじさんにだけ少女の姿が見えなくなった社会が最初に描かれるのですが、“おじさん”は別に中高年の男性というわけではなく、男性優位な古い考え方を持っている人全般を指す、象徴的な意味になっています。そこで描かれるいくつかのセクハラが、体を触るような直接的なことではなく遠回しだけど嫌なやり方で。こういうことでも十分に人を傷つけるのだときちんと書いてくれたところが素晴らしいです。三浦:遠回しなセクハラを快く思わない同僚女性が復讐する際も、上司に訴えるような直接的なやり方ではなく、同じように知恵を絞って追い詰めていくのが痛快でした。また、男性発信のフェミニズム小説として挙げたいのが『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』。女性が不快に思うかもしれない言動にいちいち引っかかる男性が主人公で、女性以上に繊細なんです。それと、『ピエタとトランジ〈完全版〉』もそうですが、シスターフッドは今年のキーワードですよね。女性たちが手を取って権力に立ち向かったり、社会システムの問題点について一緒に声を上げる様は、いろんな小説に描かれていました。瀧井:強靭な肉体を持つ女性がヤクザのお嬢様を守る、王谷晶さんの『ババヤガの夜』もそうですね。強い人が可憐な人を守るだけなら今まで通りだけど、全然違う展開が待っています。三浦:ノンフィクションですが、『その名を暴け:#MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い』も。ハリウッドのプロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインを告発するために調査し続けた、2人の女性記者の執念が素晴らしい。次の世代に被害を持ち越さないために自分たちが戦うのも、シスターフッドですよね。瀧井:女性同士の話といえば『愛されなくても別に』は母娘問題がいろんな形で描かれていて、学生の貧困が切実。経済問題が親子関係により影響しやすくなっている気がします。家族のあり方を描いた小説としては『だまされ屋さん』も最高です。母親と成人した子どもたちが断絶しているのですが、それぞれの葛藤について言葉を尽くしていく中でいろんな問題が浮かび上がって、従来とは違う家族の形態が見えてきます。三浦:息子を溺愛して娘に厳しい母親は、一見、プロトタイプな毒母なのに、物語として読むと全然違う印象なんですよね。瀧井:世の母親が言いそうなことを言うし、無意識に子どもを傷つけているような“あるある”が描かれているけど、そういう母親を責めるだけの話ではない。希望を感じさせてくれる小説です。「おじさん」中心の社会からの脱却。『持続可能な魂の利用』松田青子セクハラを訴えたのに会社に追い詰められて無職になった30代の敬子は、図らずも男が演出する女性アイドルにハマっていく。そして日本社会の中心にふんぞり返っている「おじさん」から自由になるべく立ち上がる。著者初の長編小説。1500円(中央公論新社)日常に潜むジェンダーバイアス。『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』大前粟生表題作は、ぬいぐるみに心の内を語るサークルに所属する大学生・七森が主人公。「男らしさ」「女らしさ」のノリが苦手な彼は、痴漢被害の話に胸を痛め、女性を見下す会話に同調して自己嫌悪に陥る。繊細な若者たちを描いた4編。1600円(河出書房新社)バディの生涯変わらぬ友情。『ピエタとトランジ〈完全版〉』藤野可織天才的頭脳を持つ女子高生探偵トランジと、その才能に惚れ込んで助手となる同級生のピエタ。トランジは事件を誘発させる体質で、次々と周囲で人が死ぬなか恐るべき事実が明らかに。2013年に発表された短編が、長編ガールズエンタメに変身。1650円(講談社)母親の呪縛に囚われた娘たち。『愛されなくても別に』武田綾乃浪費家の母を抱え、学費と家計のために日夜バイトに明け暮れる大学生・宮田。母に売春を強要されていた江永。過干渉な母を持つ木村。過酷な奨学金返済や毒親などの社会問題を背景に、現代を生きる10代の苦悩と友情を描いた問題作。1450円(講談社)家族という枠組みの意味を問う。『だまされ屋さん』星野智幸公団住宅でひとり暮らしをする70歳の夏川秋代のもとに、長女と家族になるという男が現れる。本当に娘の婚約者なのか疑うも、3人の我が子には相談できない理由があって……。変わりつつある家族のあり方について考えさせられる長編。1800円(中央公論新社)たきい・あさよライター。WEB本の雑誌「作家の読書道」、文藝春秋BOOKS「作家の書き出し」、弊誌などで作家インタビュー、書評を担当。著書に『偏愛読書トライアングル』『ほんのよもやま話~作家対談集~』など。みうら・あさこライター、ブックカウンセラー。『CREA』『サンデー毎日』『小説宝石』、弊誌などで書評やインタビュー、メディカル記事を担当。著書に『そろそろ産まなきゃ 出産タイムリミット直前調査』『震災離婚』など。※『anan』2020年12月23日号より。写真・中島慶子文・兵藤育子(by anan編集部)
2020年12月18日女性同士の共闘などを意味するワード“シスターフッド”。いま私たち女性を結びつけるのは、ネットや本に溢れる“言葉”です。自らも女性への作品を書いている、作家の王谷晶さんに伺います。今シスターフッドの言葉が、私たちの心に響く理由。‘60年代後半、女性たちが権利獲得のために起こした“ウーマンリブ”運動の中で生まれたこの言葉。長い月日を経て、2020年の今、改めて注目が。「私にとってシスターフッドとは、仲良しじゃなくても、女性同士、一つのイシューに向かって理念を共有したり、共闘できる、そういう関係のことだと思っています。例えば、“世界一キライなあの女子とも、この問題に対しては意見が同じだから、横に並んで一緒に戦える”というようなつながり。長い間私たちは、女の人間関係には必ず愛や友情があるもの、という概念を押し付けられてきましたが、ここ最近、人間関係はもっとドライな関係であり、そういった関係を女性も構築できる、ということに世間が気がついたと思うんです。その気づきによって、女性同士の人間関係が変わり、“シスターフッド”的なつながりが増えたり、また注目されているのでは、と思います」と言うのは、女と女の物語や、女性についてのエッセイなどを執筆している、作家の王谷晶さん。女性同士の連帯が強まってきたことの理由は、SNSの存在だと話します。「まず以前は、何かを発言するという場所はほぼメディアしかなく、しかも既存の商業メディアで上に立つのは、ほとんどが男性でした。その結果、彼らの承認を得ないことには、才能のある作家でさえ、女性はメディアを通じて発言する機会を持つことができなかった。しかしブログやSNSが登場したことで、スマホなどが1台あれば、誰でも好きに発信できる。その結果女性は、誰の許可も、愛想笑いも、身体的な危険を感じる必要もない状態で、なんでも発言ができる場所を手に入れた。女性にとって、初めての状況だと思います。そこでみんなが思うことを文字に書いて発信したところ、“わかる!”と全国津々浦々から女性たちの賛同が。“いいね”と“リツイート”によって、これまで出会うはずもなかった、断絶されていた女性たちが、言葉を介してどんどんつながっていった。女性が、女性の書く言葉に共感し、励まされる。特に、“誰かの怒り”を読み、それによって“あ、これについて怒ってよかったんだ”と気づきを得ると、今まで諦めていたことや、スルーしていたことに疑問を持つようになる。SNSで生まれたそういった動きが積み重なったことが、今の“シスターフッドの大衆化”につながっていったのでは、と考えています」デジタル化が進み、映像を楽しむことが増えた今。でもだからこそ、言葉の力はより重要になっている、と王谷さん。「言葉って、ひと目見てわかるものではない。一度読んで、咀嚼して呑み下さないとなかなか理解できない。その力は即効性と遅効性のどちらなのかといえば、遅効性なんです。でもだからこそ、一度呑み込んだら体の中に長くとどまりますから、効果は長く、深いんですよ」雑誌『文藝』で特集が組まれるなど、文章のメディアにおいて、シスターフッド感のある作品の増加が感じられる昨今。その理由を聞いてみると…、「映画やドラマなどは、関わる人数も多いので、“今シスターフッドが来てるから、そういう作品にしよう!”と、そう簡単にハンドルを切ることはできません。でも小説やエッセイといった文章作品は、作家一人で作れるクリエイションで、戦うとしても、編集者と一対一。なので比較的、作家の意思が通りやすいというメディアの特性があります。あと個人的に大きいと思うのは、村田沙耶香さんの小説『コンビニ人間』のヒット。恋愛にプライオリティを置かない女性を描いた物語が、日本だけではなく世界中で共感を呼んだ。あの成功以降、女性作家が書く、恋愛ではない少し変わった物語という企画が通りやすくなった気がします(笑)。“女流”作家といえば恋愛、あるいは性愛を書く、また女性読者は恋愛小説しか読まない。その枠以外の書き手や読み手がいることが、2010年中頃以降、やっと可視化されたのではないでしょうか」今回、王谷さんには、シスターフッドを感じる書籍を4冊紹介してもらいました。「エッセイ、小説、マンガ…、ジャンルはいろいろですが、いずれも女性をファンタジーとしてではなく、血肉のある人間として、地に足をつけて生活している生物として描いている作品です。今でもまだ、組織や会社、家庭などで真面目に働き、社会にコミットすればするほど女性は、“いないもの”として扱われてしまうことが多い。この4冊は、そんな透明にされてしまいがちな私たちの脚に、色を持たせ、血を通わせてくれる作品です。私自身これら女性が生んだ言葉を読み、大人になっても自分らしく、好きに生きていいんだ、と勇気をもらいました。結婚や仕事など、何かにつけてリセットさせられ、断絶されやすい私たちですが、SNSやネットメディア、そしてこういった書籍の中にある言葉こそが、断ち切られた関係を縫い留めたり、ハシゴをかけたりしてくれる存在なのではないでしょうか」おすすめのシスターフッド本『マイ・ブロークン・マリコ』死んだ親友を連れ、逃避行に出る主人公。その旅路の行方は?親から虐待を受けていた親友の死を知った、ブラック企業で働く主人公。死んだ親友の遺骨を奪い、“2人”で旅に出る物語。「深い結びつきのある、かなりエモーショナルなシスターフッド物語。マンガならではの描写がいい」平庫ワカ著¥650(KADOKAWA)©平庫ワカ/KADOKAWA『ピエタとトランジ〈完全版〉』女子高生から80歳まで。2人の友情を延々と描ききった名作。天才女子高生探偵・トランジは、周囲の人を殺してしまう特異体質。しかし相棒のピエタだけはなぜか死なない。「高校時代に出会った2人が80過ぎのおばあさんになるまでを書いた物語。最強の女子バディものです」藤野可織著¥1,650(講談社)『ふつうがえらい』大人になっても好きに生きていい。勇気をくれる一冊。絵本『100万回生きたねこ』で知られる作家のエッセイ集。「子供の頃これを読み、息子もいる佐野さんが友だちと飲みに行ったり遊んだりしている描写を読んで、大人になっても友だちと遊んでいいんだ…と勇気づけられました」佐野洋子著¥520(新潮文庫)『るきさん 増補』付かず離れず、踏み込みすぎず。いい女の友情。在宅で仕事をする主人公・るきさんと、友人のえっちゃんの日常物語。「この2人の“つるんでいる”という感じが、非常に心地よい。こういうサラッとした友人関係って現実にはよくあるのに、なかなか描かれないので、貴重です」高野文子著¥580(ちくま文庫)『文藝』 2020年秋季号特集「覚醒するシスターフッド」今年の7月に出たこの雑誌が話題に!昨年春にリニューアル以来、ヒットを飛ばし続けている文芸誌『文藝』。今年7月発売の号で、「覚醒するシスターフッド」という特集を組み、シスターフッドという概念や、女性作家の作品への注目度アップのきっかけになった。¥1,350(河出書房新社)おうたに・あきら小説家。著書に『どうせカラダが目当てでしょ』など。右の『文藝』掲載の中編に加筆した小説『ババヤガの夜』(共に河出書房新社)を10月に発売。※『anan』2020年9月23日号より。写真・中島慶子イラスト・石山さやかサイトウユウスケ(by anan編集部)
2020年09月20日