博報堂DYメディアパートナーズは、100%子会社として、博報堂DYグループのデジタルメディア領域の中核会社「株式会社博報堂DYデジタル(本社:東京都港区)を2016年4月1日付で設立すると発表した。博報堂DYデジタルは、成長市場であるデジタルメディアビジネスのシェア拡大に向けたデジタル人材の採用と育成による体制強化に取り組むほか、博報堂DYグループ各社やDACグループとの連携をこれまで以上に強め、デジタルメディアビジネスを中核に据えたクリエイティブ・マーケティング・プロモーション・CRM・データ解析・システム開発・デジタル戦略コンサルティング等、新たなデジタルビジネスを創出し、次世代型の統合コミュニケーションを実現するという。そして、生活者、企業、メディア、すべての「デジタルシフト」を主導するデジタルリーディングカンパニーを目指すとしている。なお、博報堂DYデジタルは、博報堂DYメディアパートナーズのi-メディア局等の組織と、博報堂DYメディアパートナーズ100%子会社の博報堂DYインターソリューションズを戦略的に統合することで設立し、2016年4月1日から、新たに営業を開始する。資本金は9980万円で、社員数は約300名の予定。主な事業内容としては、・デジタルメディア・プラニング・プロデュース(デジタル制作、企画プラニング、戦略コンサルティング他)・デジタルメディア戦略&デジタルメディア商品開発・デジタルキャンペーン&プロモーションプラニング・ソーシャルメディアマーケティング制作、運用・データマーケティング(DMP構築・コンサルティング・データ分析)・デジタルソリューション開発などを行う。
2016年03月01日箱根登山鉄道は、2015年10月10日より、「デジタル列車無線システム」の運用を開始したことを発表した。同システムには、NECのデジタル無線システムが採用されている。列車無線システムは、列車に搭載された無線装置を、基地局経由で指令所と接続することにより、情報伝達などを行うシステム。同システムは、デジタル無線を採用することで、伝送路上で音声にノイズが発生しても受信側で修正が可能になっている。これにより、ノイズに強く通話品質の変動が少ない安定した音声通話を実現する。さらに、無線伝送の音声信号にデジタル暗号処理をかけることにより、通信の秘匿性も向上するという。また、複信方式を採用することにより、音声の送信・受信が同時に行えるため円滑な情報伝達が可能となる。そのほか、中央制御装置・基地局間や各基地局間をつなぎ、信号を伝送する「アプローチ回線」に関して、既設の通信メタルケーブル設備を活用することにより、列車無線専用の光ケーブルなどの新設が不要となるとしている。
2016年02月03日パナソニックは19日、デジタルカメラ「LUMIX(ルミックス)」シリーズのコンパクトデジタルカメラとして、「日常の感動を手軽に共有するコミュニケーションカメラ」を掲げる単焦点モデル「DMC-CM10」を発表した。2月25日に発売し、価格はオープン、推定市場価格は100,000円前後(税別)。DMC-CM10は、LTE通信機能(データ通信・SMS専用)とAndroid 5.0を搭載した、SIMロックフリー仕様のコンパクトデジタルカメラ。2015年3月に台数限定で発売した「DMC-CM1」から通話機能を省き、データ通信専用SIMに対応した。撮影した写真をプリインストールアプリで編集、自動オンライン保存、SNSへアップロードといった機能を持ち、Google Playからもアプリをダウンロードできる。LTE通信のSIM(microSIM)はユーザー側で用意するが、CM1やCM10専用となる「Wonderlink LTE Lシリーズ」をパナソニック ストアで販売する予定。例えば「L-5G」プランなら、初期費用が3,000円(税別)、基本使用料が1,480円/月(税別)、パケット通信料が5GB(下り最大150Mbps、上りはLTEスピード制限なし)となる。4G(LTE)の対応バンドは、FDD Band1、3、4、5、7、8、20だ。本体まわりに目を向けると、まず厚さが15.2~21.1mmと薄型で、幅が135.4mm、高さが68mm。撮像素子には1.0型 総画素数2,090万画素(有効2,010万画素)の高感度MOSセンサーを搭載し、1.0型センサー搭載のデジタルカメラとして世界最薄を掲げる(パナソニック調べ)。レンズは単焦点の「LEICA DC ELMARIT(エルマリート)」で、35mm判換算の焦点距離は28mm、開放F値はF2.8となる。マニュアル撮影に関する機能を充実させており、絞りやシャッタースピード、クリエイティブコントロールといった設定を行うコントロールリングを装備した。動画機能では、最大で4K(3,840×2,160ドット)/15p、MP4形式を撮影可能。プリインストールアプリの「4Kプリ連写」を使うと、シャッターボタンを押す前後1.5秒間を4K画質で撮影し、45枚の画像から気に入ったものを残せる。そのほか主な仕様は、DMC-CM1に準ずる。撮像素子が有効2,010万画素の1.0型高感度MOSセンサー、対応感度がISO125~ISO12800(拡張設定でISO100、ISO25600を利用可能)、シャッター速度が1/16,000~60秒、連写性能が最大約50コマ/秒、開放絞りがF2.8、最小絞りがF11、合焦範囲が10cm~∞となっている。背面のモニターは約622万ドット・4.7型の液晶方式(タッチパネル)だ。有効92万画素のインカメラも備える。OSはAndroid 4.4で、CPUに4コア/2.3GHzのQualcomm Snapdragon801を搭載。内蔵メモリは2GB RAMと16GB ROM。記録メディアはmicroSD/SDHC/SDXCカード。通信機能はIEEE802.11a/b/g/n/ac準拠の無線LAN、Bluetooth 4.0、NFC(近距離無線通信)などをサポート。
2016年01月19日キヤノンとキヤノンマーケティングジャパンは1月12日、「パワープロジェクター」シリーズの新製品として、5,000ルーメンの明るさで4Kデジタルシネマ(4,096×2,160画素)を上回る4,096×2,400画素の解像度に対応した「4K500ST」を4月中旬より発売すると発表した。新製品は、5,000ルーメンの高輝度な4Kプロジェクタ。キヤノンの調査によると、世界最小の約470(幅)×533.5(奥行)×175(高さ)mm、世界最軽量の約17.6kgを実現しているという。美術館や博物館、シミュレーションやデザイン現場、大会議室やイベント会場での利用のほか、店舗や企業におけるデジタルサイネージやプロジェクションマッピングへの活用など、幅広い用途に対応した製品だとしている。今回新たに開発したという短焦点ズームレンズは、大口径非球面レンズやUDガラスなど特殊光学材料が採用されており、これにより、鮮明で臨場感のある、高精細な4K映像投写を実現している。新製品は、マルチ投写・曲面投写の両方に対して、特長を持っている。マルチ投写に関しては、キヤノンR&Dの調査によると、映像をスクリーン投写した場合のゆがみとなるTVディストーションが、他社製品と比べて圧倒的に低い数値となっている。また、「サブピクセル補正」機能により、画素単位より小さな色ずれを0.1画素単位で電気的に補正することが可能となっている。ユーザーの調整した5点を元に、ズームやレンズシフトを加味して色収差を最適に補正する「5点調整」や、9×6の格子で表した格子点54点を色別に調整できる「マニュアル調整」が搭載されている。曲面投写に関しては、F値2.6の被写界深度の深いレンズが採用されていることによって、全体のピントが合いやすくなっている。また、ドーム型スクリーンなどの曲面に光学的にピントを合わせる「周辺フォーカス」機能が搭載されており、100型投写時に平面から曲率半径3mまで凹面凸面ともに、光学的にフォーカス調整が可能となっている。そのほか、上下方向±60%、左右方向±10%のレンズシフトが可能なため、多様な設置にも対応している。新製品の販売想定価格は600万円前後(税別)とされている。
2016年01月12日デジタルハリウッドは、同スクールの在校生・卒業生と共に、遊べるインスタレーション作品と電子工作ワークショップを通して、デジタルのモノづくりを子どもから大人まで楽しめるイベント「Playground!2015~デジタル遊具と電子工作ワークショップ~」を開催する。日時は11月1日 11:00~18:00。会場は東京都・お茶の水のデジタルハリウッド 駿河台ホール(御茶ノ水ソラシティ・アカデミア3F/4F)。展示会場は入場無料。ワークショップの参加費は、午前の部:親子1組1,000円 / 午後の部:1人2,000円(ともに材料費込み)。同イベントでは、デジタルハリウッドのスクール在校生や卒業生、インタラクティブ作品を得意とする企業が制作したインタラクティブな作品が多数展示されるほか、親子ペアおよび中学生から参加可能な「littleBits」(電子工作キット)のワークショップが開催される。展示会場には、パノラマに広がった恐竜たちの世界を冒険するiPadのデジタル絵本「DINOBOOK」(Panon Public)やスマートフォンとPCを連携させた遊べるインスタレーション「Sky」(クスール / たき工房)、森のクマさんになって上から落ちてくるフルーツをキャッチする体感ゲーム「フルーツ☆キャッチ」(アイ・エム・ジェイ)など、Microsoft KinectやTouch Boardなどに代表される、体感センサーとプロジェクターが連動したインタラクティブな作品が並ぶという。また、ワークショップは"午前の部"は、磁石で安全・手軽に電子工作を楽しめるlittleBitsを使って、親子で一緒に工作ロボットを作る「親子で学ぶはじめての電子工作!工作ロボットをつくろう」。参加対象は小学生(親子連れ)。時間は11:00~12:30頃(約1時間半)。参加費は1,000円/1組(材料費込み、littleBitsは持ち帰り不可)。"午後の部"は、プログラミング初心者にもわかりやすいlittleBitsのArduinoを使い、少し複雑なオリジナルの電子工作を作る「初心者でも簡単!プログラミングを使った電子工作に挑戦しよう」。参加対象は中学生以上~大人。時間は14:30~17:00頃(約2時間半)。参加費は2,000円/1人(材料費込み、littleBitsは持ち帰り不可)。なお、ワークショップの参加希望者は、申し込みページより事前予約が必要で、定員を超える場合は抽選となる(参加費は会場払い)。申し込み期限は10月31日 午前0時。
2015年10月29日遠藤商事・Holdings.は11月13日までの期間内、平日19時~限定で、シネマシティ運営の「Cinema Cafe(シネマカフェ) PIZZERIA BAR NAPOLI」(東京都立川市)にて、「赤白ワイン時間無制限飲み放題1,000円」を開催している。○赤白ワインが時間無制限飲み放題で1,000円に都会と自然が融合した多摩最大のターミナル駅「立川」で、エンタメ&アートをつむぐ映画館として誕生した"CINEMA TWO"。同店はその施設内にオープンしており、提供する窯焼きピッツァ、パスタ、タパスなどのメニューは「PIZZERIA BAR NAPOLI」の本格イタリアンだという。今回は、期間内平日19時~22時限定で「赤・白ワイン飲み放題」を1,000円(税別)にて提供する。 開催期間は、10月27日~11月13日の平日のみ。時間は、19時~22時(Loまで)。
2015年10月28日ローランドは、ステージで使用するデジタル・グランドピアノの理想のデザインを追求する「ローランド・デジタル・ピアノ・デザイン・アワーズ(Roland Digital Piano Design Awards)」を開催する。応募期間は11月10日~12月21日。大賞(1点)には50万円、優秀賞(1点)には20万円、奨励賞(1点)には10万円が贈られる。「ローランド・デジタル・ピアノ・デザイン・アワーズ」は、"未来のステージ用デジタル・グランドピアノ"を題材にデザインを公募するもの。音楽文化への貢献と次世代クリエイターと共にデジタルピアノの未来を考えることを目的としている。同社の狙いとしては、革新性、独自性、造形美、存在感、デジタルならではの利点を活かした、理想的なデジタル・グランドピアノのデザインを全世界から募集し、伝統的な音や形の制約を超えた理想のピアノのあり方を追求したいということだ。応募資格は、現在国内外で活動中のデザイナー、クリエイター、およびそれを目指している大学や専門学校の学生が対象となる。企業、団体あるいは個人やグループ、年齢、性別、職業、国籍は不問。募集条件および応募方法等の詳細は、11月10日から同アワーズ公式サイト内に開設するエントリーページに記載される。また、審査基準は「革新性、独自性があるもの」、「造形美を感じられるもの」、「テーマと適合しているもの」、「ステージで使用するコンサート用グランドピアノに相応しい気品と存在感を感じられるもの」、「デジタルならではのアドバンテージを活かしているもの」となっており、審査はローランド社内の専門家や識者で構成する選考委員会にて行われる。また、結果発表は2016年1月21日にアメリカで開催される楽器業界のトレードショー「Winter NAMM Show 2016」の会場と、同アワーズ公式サイトにて受賞者名と受賞作品が発表されるということだ。
2015年10月21日ラトックシステムは3日、デジタル音声をアナログ音声に変換する、デジタルtoアナログオーディオコンバーター「RP-ADAC1」を発表した。9月中旬より、楽天市場店限定で販売する。価格はオープンで、直販価格は税込3,180円。デジタル音声出力端子をもつTVやゲーム機などと接続して、アナログ音声に変換するデジタルtoアナログコンバーター。本製品で中継することで、TVやゲーム機のデジタル音声を、デジタル音声入力のないアンプやアクティブスピーカーなどに接続できる。音声入力インタフェースは光デジタル(角型)×1、同軸デジタル×1、音声出力インタフェースはアナログ(RCA)×1、ライン出力(3.5mmステレオミニジャック)×1。対応サンプルレートは、光デジタルが24bitの96kHz / 88.2kHz / 48kHz / 44.1kHz。同軸デジタルが16bitの192kHz / 176.4kHz / 96kHz / 88.2kHz / 48kHz / 44.1kHz。本体サイズはW55×D70×H20mm、重量は約48g。
2015年09月07日プラスとデジタルステージ、デジタルハリウッドの3社は9月1日、全国の文具販売店を通じ、法人向けにリーズナブルで高品質なWebサイトの制作を行う「HP作成サービス」の提供を開始する。同サービスは、3社の密な連携により、通常であれば工数が発生しやすいデザインや構造考案工程のオペレーションを効率化したほか、要望の多い機能を標準オプションとしてパッケージ化。加えて、デジタルステージのホームページ作成サービス「BiNDクラウド」を用いることで高品質・高機能な仕様を比較的安価で提供可能とする。また、誰でも簡単に入力できるWebサイト作成指示書をデジタルハリウッドのプロデザイナーの協力で用意。これにより、デザインや構造設計などに時間を費やすことなく、1カ月程度でWebサイトを開設できる。なお、写真撮影や文書考案、ドメイン取得など実務面での有償サポートも多数用意する。
2015年09月01日伊勢丹新宿店では、8月26日から9月8日までの期間、ファッションとデジタルが融合したライフスタイルを提案する。デジタルが我々の生活にどのような変化を与え、次なる豊かさを創造しようとしているのかを体感出来る場となりそうだ。トレンドファッションを発信する本館2階では、先月開催されたファツションとテックが出合う場を創出するグローバルなサミットDecoded Fashion内で行われたコンペティション「ISETAN CHALLENGE」で選ばれた日本初展開の360度から試着姿を確認できるミラー「メモミ」や、世界初の生地3Dプリンター「エレクトロルーム」など、リテールやファッションビジネスにおける新たな可能性を示唆するアイテムを紹介する。また同フロアでは、アンリアレイジ(ANREALAGE)のブラックライトを当てると柄が可視化されるテキスタイルを使ったファッションや、ソマルタ(SOMARTA)の縫製ニットで構築されたボディスーツの他、3Dプリンターで作られたアクセサリーやシューズも展開。ひとつひとつのプロダクトやアプローチは異なるが、どれもデジタルテクノロジーを駆使することでクリエーションやユーザーエクスペリエンスを創出している点が共通している。今は個々のブランドや企業としての取組みだが、これらの体験を一環してユーザーが受けることが出来るような未来を想像させる。また、ソフトバンクと三越伊勢丹が行ったファッション・デザインの専門学生を対象にしたファッションハッカソンで誕生したペッパー(Pepper)も展示される他、人口知能を用いたファッションコーディネートアプリ「センシー(SENSY)」など生活を豊かにする将来性を秘めたデジタルソリューションを紹介している。同館6階時の場では、ミラノサローネにも出展したジンズ(JINS)のメガネ型デバイス「JINS MEME」の体験スペースを用意。グラフィックデザイナーの佐藤卓が監修を務め、ライゾマティクスの斎藤精一らが制作を行った同アイテムでは、メガネ型デバイスをかけた人の心の動きを可視化する。メガネという形はそのままに、デジタルテクノロジーをかけ合わせることで、自分自身の感情の動きを見つめるというまったく異なるアプローチをする点に面白みがある。ウェアラブルデバイスの可能性を体験することが可能だ。デジタルの可能性は計り知れない。こと、ファツションというフィジカルかつ情緒的な領域において、デジタルテクノロジーがどのような変化を生み出していくのか。今回のプロモーションが、ファッションの未来に向けた取組みのひとつの在り方なのかもしれない。
2015年08月28日シネマカフェがおすすめする、“いま”聞いて欲しいサウンドトラック紹介「シネマカフェ的サントラのすすめ」。夏休みならではのラインナップで映画館が賑わう中、残りの夏のBGMとしてもオススメの3枚を紹介する。■『バケモノの子』日本を代表するアニメ映画監督として新作が待望される細田守監督作『バケモノの子』のサウンドトラックは、前作『おおかみこどもの雨と雪』に引き続き高木正勝が音楽を担当している。劇場公開作品の音楽を高木正勝が担当しているのは、前述の『おおかみこども』をはじめ、蒼井優主演の『たまたま』や、ジブリのドキュメンタリー『夢と狂気の王国』など。その中でも特に『おおかみこどもの雨と雪』での、どこか母性的でやわらかいピアノを基調とした美しいメロディの数々は、映画を確かに感動的に彩っていた。これまでの細田守監督作の中でも、冒険譚として大きくファンタジー映画への舵取りをしたような本作のサウンドトラックは、ファンファーレのように鳴り響く管楽器や流麗なストリングスがめまぐるしく展開し、高木正勝のディスコグラフィの中でも屈指の力作と言えるほど素晴らしい一作。オーケストラを全面にフューチャーしたサウンドは、冒険譚をドラマチックに演出し、前作で感じられた母性から、本作では少年性が表現されているような、わくわくさせられるような楽曲ばかりだ。コンピューターを用いたエレクロニカ路線から、生演奏中心のアコースティックへとシフトしていった高木正勝だが、『バケモノの子』では電子音楽的な粒だったメロディや散りばめられたようなリズム感覚を、生楽器で演奏しているのが面白い。さらには、物語の舞台となる「渋天街」の、どこかオリエンタルな雰囲気を彩る笛の音色やお囃子のようなリズム、さまざまなパーカッションの音色やハンズクラップに至るまで、色彩豊かな本編と同様にカラフルな音色が楽しめる。そしてなにより高木正勝ならではピアノの旋律は、とにかく暖かい。今年の映画音楽の中でも、傑作に数えられる一枚だろう。■『躍るアイラブユー♪』陽光眩しいリゾート地を舞台としたミュージカルという点では『マンマ・ミーア!』を彷彿とさせる本作は、80年代ヒットソングの数々がフューチャーされたとにかく楽しい一作。以前紹介した『イミテーション・ラブ』のサウンドトラック同様、80年代の楽曲はリアルタイムで聞いたことがなくても、映画やドラマ、テレビなどで耳にしたことがあるようなものばかり。俳優たちの歌声が何よりの聞きどころなのがミュージカル映画のサントラだが、セリフ的な歌唱であったり、シーンの中での感情とともに表現されたりといったものが多い中、本作はほとんどが歌そのものをきっちり聞かせる作りで、サントラだということを忘れて聞くと、オムニバスアルバムを聞いているような感覚が味わえる。レオナ・ルイスの参加がひとつの聞きどころではあるが、特に本作は演奏がいい。80年代的なシンセサイザーに、切れのあるエレキギターやパーカッションなど、歌の背景になることなく80年代の雰囲気が現代的な演奏で楽しめる。遅めに起きた休日の朝を、マドンナの”Holiday” からはじまる本作はきっと気分を晴れやかにしてくれる。■『奇跡の2000マイル』アリス・スプリングスからインド洋まで、オーストラリア西部の砂漠を4頭のラクダと一匹の犬と共に2000マイル横断した女性の実話を、ミア・ワシコウスカ主演で描く本作。ロードムービーと言えばフォークソングやロックンロールなどの軽快なサウンドトラックが全編を彩る、というのが映画のひとつの定番としてあるが、カナダのダブルベース奏者であるGarth Stevensonが手がける本作の音楽は、どちかといえばアンビエントと呼ばれるような、空間的で広がりのある美しい音楽が全編で展開される。肌を焼く太陽のオレンジや、途方もなくどこまでも続いていくような砂漠、そして巻き上がる砂塵に汚れていく衣服、そんな美しいも険しいオーストラリアの景観の中で映画全体に漂う“渇き”に、すっと透き通るようなみずみずしいGarth Stevensonの音楽は、映画そのものに潤いをもたらしているような感覚をもたらす。そして、映画ではあまり明確にされることのない”旅にでる理由”や、登場人物たちが抱く感情や孤独に、この音楽は神秘的なまでの美しさを与えている。優しく控えめなピアノや繊細なフルート、ストリングス、そしてぼろりとならされるダブルベースの音色は、夏の午後に差し込む夕日との相性もきっといいはず。(text:Toshihiro Horiai)
2015年08月26日『スター・ウォーズ』サーガ6作品が現在、デジタル配信されているが、9月1日(火)からデジタルレンタルもスタートすることが決定し、ジョージ・ルーカスが語る貴重な特別映像が公開になった。『スター・ウォーズ』特別映像1977年(日本公開は1978年)以降、世界中の映画ファンを熱狂させてきた『スター・ウォーズ』サーガはこれまでビデオカセット、レーザーディスク、DVD、ブルーレイなど様々なメディアでリリースされてきたが、どこでも気軽楽しめるデジタル配信も行われている。来月から始まるデジタル配信“レンタル”は、作品を視聴期限を限定して楽しめるサービスで、購入するよりも手軽な価格で作品を楽しむことができる。このほど公開されたのは、ルーカスが映画作りとデジタル技術について語った映像“ジョージ・ルーカスのデジタル革命”だ。彼は『スター・ウォーズ』を大成功させ、多くの富を手にしたが、それを映画作りの“未来”に向けて投資した。当時はデジタル技術は黎明期で、多くの人間がコンピュータを映画作りに活用することについて消極的だったが、ルーカスは、ニューヨーク工科大学で働いていたエド・キャットマルを招いて自社にコンピュータ部門を設立。デジタル編集システムや、デジタル音響システムを開発した。ルーカスが種をまき、育てた技術は様々な分野で発展。現在、映画作りになくてはならないデジタル技術のいくつかはルーカスの先見の明によって誕生、成長したものだ。映像には、やがてルーカスのもとを離れて“ピクサー・アニメーション・スタジオ”の設立者のひとりになったキャットマルも登場し、当時を振り返っている。ちなみにルーカスが情熱を注いだデジタル技術は『スター・ウォーズ』サーガを製作する上でも様々な分野で活用されており、映像にはこれまでの『スター・ウォーズ』の名場面も登場する。『スター・ウォーズエピソード1/ファントム・メナス』『スター・ウォーズエピソード2/クローンの攻撃』『スター・ウォーズエピソード3/シスの復讐』『スター・ウォーズエピソード4/新たなる希望』『スター・ウォーズエピソード5/帝国の逆襲』『スター・ウォーズエピソード6/ジェダイの帰還』デジタル配信中9月1日(火) デジタル配信(レンタル)開始
2015年08月20日デジタルインファクトは7月14日、翔泳社のMarkeZine編集部と共同で、デジタル広告業界関係者460名を対象に、現在デジタル広告業界において注目を集める「アドテクノロジー」「スマートフォン広告」「動画広告」「ネイティブ広告」に関してアンケートを実施し、その結果を発表した。これによると、アドテクノロジーの定義に含まれるサービスとして、最も認識されているものはDSP(71.7%)で、DMPやアドネットワーク、SSPがそれに続いた。「動画広告元年がいつか」という認識については分散傾向がみられ、2014年(29.8%)との回答が最も多く、次いで2013年、2011年以前という結果となった。また、2015年のスマートフォン広告市場の見通しとしては、「ターゲティング広告配信技術の進化(55.0%)」が最も多く、「広告主層の拡大」や「クロスチャネルトラッキングと最適化配信」も比較的多い結果に。ネイティブ広告に関する現状認識としては、「新しい部分と、従来からの手法である部分とがある(39.8%)」や「特に新しさを感じない、マーケティング業界のバズワードに過ぎない」という回答が多く、17.6%は「わからない」と回答した。なお、同調査は、広告主(n=141)、広告会社(n=115)、メディア(n=52)、マーケティングコンサルティング(n=84)などに勤務するMarkezine読者460名を対象に、2015年1月~2月に実施されたもの。調査結果の詳細は、2015年6月17日発刊の「デジタル広告市場の最新潮流と現状動向分析調査」にまとめられているという。
2015年07月15日●1980年台からすでに始まっていた「アニメのデジタル化」一般財団法人デジタルコンテンツ協会が主催する「アニメーション・デジタル作画人材育成OFF-JT研修」が27日、日本工学院専門学校蒲田キャンパスで開催された。同研修は日本のアニメ産業の国際的競争力を強化することを目的として設立された「アニメーション・デジタル作画人材共同育成コンソーシアム」を母体に、アニメーターの人材育成とデジタル作画制作体制の導入推進を目的としたもの。第1部では一般公開セミナーが開催され、東京工科大学メディア学部准教授・三上浩司氏による基調講演、およびデジタル作画を実際に導入しているアニメ制作会社のクリエイターによる講演が行われた。本稿ではその模様をレポートする。○デジタルコンテンツ協会は「地域の人事部」最初に登壇したのは、経済産業省 経済産業政策局 産業人材政策室 係長の鈴木崇史氏。鈴木氏は日本のコンテンツ業界の現状について「人材育成力の強化が重要になる」と分析。「経済産業省が実施する地域企業人材共同育成事業は、地域の複数の中小企業等が集まり、1社単独では実施できない人材育成や地域課題の共有等を共同で進めていく事業である」という。今年度、本事業に取り組む事業者のひとつがデジタルコンテンツ協会だ。今回の研修を主催する同協会は、良質なデジタルコンテンツの制作・流通・利活用を推進し、コンテンツ産業の発展を促す目的で設立された団体である。鈴木氏は「デジタルコンテンツ協会には、地域コーディネーター機能、すなわち"地域の人事部"としての役割を担っていただきたい。」とコメント。さらに、「これまでの研修事業は座学が中心だったが、本事業では他の会社に出向するなどして、実務研修を行うことで、人材力を強化していくことがポイント」と説明した。○国内外におけるアニメ制作の現状と人材育成の課題続いて、東京工科大学メディア学部准教授の三上浩司氏が登壇し、「国内外におけるアニメ制作の現状および人材育成に関わる課題」と題した基調講演を行った。三上氏はまず、現在のアニメーションの大まかな種類を「2D」「3D」「アナログ」「デジタル」という4つの軸に当てはめて分類。セルに手描きで制作される従来の「アナログアニメ」を始めとして、「デジタルアニメ」、「セルタッチアニメ(3Dセルレンダリング)」、「3DCGアニメーション」など、一言で「アニメ」といっても、そこにはさまざまなテクノロジーがあり、この4軸以外にも「予算」などたくさんの軸で分類できるのだという。●「作画」のデジタル化に立ちはだかる壁○日本のアニメ技術の歴史では、そうした日本のアニメ技術はどのようにして発展してきたのだろうか。三上氏が提示した「日本のアニメ技術の変遷」によると、日本のアニメーション工程は、「ディズニーアニメのスタイルに追いつこう」というところから始まり、TVアニメの体制が成り立ったことで独自のスタイルに向かっていった。作画・撮影・仕上げをデジタル化する挑戦が始まったのは、1983年の「子鹿物語」から。当時はデジタル化するために多額の予算が必要だったため、実験的に第2話のみコンピューターを利用したという。1992年にはセルの製造中止が決定し、将来的にセルアニメが続けられる見通しが立たなくなったこともあり、急速にデジタルへとシフト。90年台後半の「ゲゲゲの鬼太郎」(1997年)あたりから、一気にデジタルが普及し始めたという。同時期、長編3DCG作品となる「トイ・ストーリー」が公開され、3D技術も普及。2000年台後半からは広くアニメに活用されるようになり、フル3Dのアニメも珍しいものではなくなった。現在はここにCG生成技術の「自動生成」やIT技術の「クラウド」といった他分野の技術も加わり、さまざまなスタイルが選べるようになってきたのだという。こうした過去の技術を知ることで、未来を正確に予測することができる。このことを三上氏は「未来は現在と過去のカーブの先に」という言葉で表現する。三上氏は講演の中で、過去から現在に至るまでの技術の変化のターニングポイントを知ることで、将来のあり方を考えることができると述べている。過去に進んだデジタル化は作画のデジタル化の将来に大きなヒントを示していると述べた。○アナログ手法がメインの「作画」、デジタル化の障壁はでは今後、作画のデジタル化はどう進むのか。アニメーション制作はおおまかに「作画」「美術」「仕上げ」の3つに分類されるが、現在、「仕上げ」はほぼデジタル化が完了しており、「美術」もタブレットでペイントしていくスタイルが主流となっている。一方で「作画」については、ようやくタブレットの普及が加速し始めた段階で、デジタル化の普及はまだこれから。三上氏は「きちんとしたメリットがあるなら、100%に近い形で作画がデジタルに変わることもありうる」と語る。もっとも、デジタル化への移行は簡単ではない。「どのペンタブレットを使うのか」や「デジタル化のための費用を誰が負担するのか」といった設備投資に関する問題や、トレーニング期間とそのためのコストといった人材育成に関する問題が出てくるのだという。加えて最大の障壁は、果たして従来の手法と同じスピードと品質を獲得できるのかという「最適化」の問題だ。すでに現在のアニメ制作は効率のために「最適化」された制作工程をめざしてきた。しかし、アニメーターが新しい技術を習得する間、仕事の速度や品質が低下してしまう懸念もあり、デジタル化による負担増がその間の経営に影響を与える恐れがある。こうした課題への対策として、三上氏は次のように解決策を提示する。まず「設備投資」については、多様な選択肢のあるシステムの情報を共有することで、それぞれの企業に適した規模でのシステムの導入を図ることができる。ソフトウェアごとの処理の違いを理解し、ワークフローの中での異なるソフトの柔軟な組み合わせを実現し、異なるシステムでも共通ルールを用いることで、制作会社間の協業を担保する。また,人材育成についても、各社の連携が重要になる。ソフトウェアベンダーへ協調して働きかけることで、ソフトウェアに関わる情報の共有を図る。また、上記の連携を図るための要望なども強調して働きかけることが重要である。そして、デジタル化したことで収益に悪影響を及ぼす危険性については、デジタル作画による投資によりトータルでの品質や収益性を向上させることが重要であり、効率化したからといって安易に低予算での制作につなげないことが大切であると強調した。三上氏によると、今後はCG会社とアニメーション会社が融合発展し、境界はますます曖昧になっていくという。また、従来は水平分業型だったアニメ制作だが、デジタル化により、将来はひとりのクリエイターがすべての作業をこなす「垂直分業」も容易になるだろうと述べ、基調講演を締めくくった。●グラフィニカ/ポリゴン・ピクチュアズ/旭プロダクションのデジタル化事例○専用のデータマネージャにより事故を防止―ポリゴン・ピクチュアズ三上氏に続いて、3DCGの制作会社であるポリゴン・ピクチュアズの造形監督・片塰満則氏が登壇し、ポリゴン・ピクチュアズにおける「パイプラインでのアニメ制作先進事例」を紹介した。片塰氏はポリゴン・ピクチュアズでの制作の流れを「資料」と「工程」に分け、さらに「工程」を「アセット」「ショット」「ポスト」の3つの段階に分割する。たとえば「モデリング」という工程を行うためには「デザイン/設定」という資料が必要であり、「レイアウト」という工程のためには「ストーリーボード」という資料が必要になる。すなわち工程と資料の関係を言い換えるなら、「設計」と「施工」ということになるのだ。ここで重要なことは、制作物が各工程を流れていく際に、担当者同士が「データを確実に受け渡すこと」だと片塰氏は強調する。ポリゴン・ピクチュアズは国内では珍しく水平分業型を採用しており、リグやモデリング、ルックデブといった機能ごとに専任のスタッフを配置している。よって、何度となくデータの受け渡し作業が発生するのだが、注意しないと「渡したデータが最新のものではなかった」「データを上書きしてしまった」といったさまざまな事故が生じる可能性がある。そこで同社では、専用のデータマネージャを開発し、各部署の最新データの共有や履歴管理ができるようにしている。さらに、「HIERO」を導入することで、最新のレイアウトやアニメーションを自動的に収集。翌朝のチェック時に一本のムービーにして再生できる体制も整えている。毎日決まった時間にチームが顔を合わせることで、情報伝達が活発化し、毎日の予定が計画しやすくなるといった副次効果もあるという。最後に片塰氏は、3DCGの長所を生かしたセル画表現「トゥーンルック」を紹介すると共に、同社の今後の課題として「ToonBoom導入と稼働」を挙げた。○デジタル作画は地方スタジオ活用の必須ツール-旭プロダクション一方、2Dアニメのデジタル制作化事例として挙げられるのが「旭プロダクション」だ。セミナーには同社技術部の濱雄紀氏が登壇し、旭プロダクションのデジタル化の過程を紹介した。同社は東京本社以外に、宮城県にもスタジオを構えており、5年間で50作品以上の作業実績を誇る制作会社だ。この作業量は作画をデジタル化したからこそであり、「地方スタジオを最大限活用するのにデジタル作画は必須ツールである」と濱氏は話す。具体的なデジタル作画のメリットとして濱氏が挙げるのは、「遠隔地でも業務が滞らない」「3D、撮影と親和性が高い」「高解像度化に対応可能」「新人のトレーニングが短縮できる」「スキャン、物理輸送を省略できる」「リテイク対応が早い」などだ。もっとも、デメリットもある。「設備投資や維持費がかかる」ことや「ソフトウェアがまだ発展途上である」こと、さらに「工程の途中に紙での作業が挟まると大変」になったり、そもそも「技術の習得に時間が必要」ことだ。このあたりは、三上氏が基調講演で話していたことにも重なる部分である。また、PCは5年程度しか使えないため、維持費がかかるというデメリットは、現在も課題として残っているという。メリット・デメリットの両面があることから、2010年の宮城白石スタジオ設立には反対意見も多かったという。しかし、すでに存在する地域のスタジオと勝負するためには、他社にはない強みが必要というところから、宮城白石スタジオのデジタル化が決定した。新たなスタジオのスタッフは新卒を中心に編成。デジタル化に抵抗のない、デジタルネイティブ世代のメンバーでスタートした。現在はネットワーク技術が進歩し、設備も低価格化したことで、実用的な段階になったと濱氏はいう。紙からデジタルへシフトするコンバートのノウハウも生まれ、動画マンのトレーニング期間の短縮にもつながっている。リテイク対応も容易になり、クライアントの反響も上々だという。「デジタル化なくして宮城白石スタジオはなかった」と濱氏は当時を振り返る。動画マンや原画マンの低賃金が問題視される現在のアニメ業界だが、濱氏は「デジタル化により、一カ月目から商品として成立するものが作れるようになった。動画マンの賃金水準を上げるまでの時間が短縮されている」と、デジタル化への期待を寄せた。○100%デジタル化したことで月産400~500枚/人を達成―グラフィニカ続いて登壇したのは、グラフィニカの櫻井司氏。作画スタジオである同社がどのようにしてデジタルに転換し、その結果どんなメリットが生まれたのかについて講演した。デジタル化以前の2011年頃、櫻井氏は制作進行における現場の負担が増えていると感じていた。この問題を解決するため、2012年の夏、デジタル化への移行が検討されるようになり、部署名も「デジタル作画部」に変更。2013年9月にはデジタル仕上げがスタートした。開始時はデジタル動画のみだったが、その後、デジタルでの動画仕上げをパッケージ化した営業を展開。TVシリーズの動画仕上げを仕事の中心に変更してからは、グロスでTVシリーズを請けるようになり、現在では月産400~500枚/人を達成した。スタッフ全体の効率が上昇したおかげで、受注を安定化することができたという。デジタル化した当時は周囲から「紙とデジタルを半々にしたほうがいいのではないか」という声もあった。しかし、櫻井氏はあえて紙を残すことはせず、デジタル動画をスタートさせた日に動画用の机はすべてPCに置き換えた。当時はまだ紙の方が営業もしやすい時代。「中途半端にやると、結局は慣れた紙に戻ってしまうのではないか」という懸念があったのだ。デジタル化を決めた櫻井氏は、同じくデジタル化を進めていた旭プロダクションに指導を依頼。研修の翌日には仕事をスタートさせ、現在まで発注は途切れることなく続いているという。○コンソーシアムの役割と今後の活動最後に登壇したのは、株式会社ヒューマンメディア代表取締役の小野打恵氏だ。講演内容は、「アニメーション・デジタル作画人材共同育成コンソーシアム」の内容と今後の活動についてである。小野氏によると、日本のアニメ産業は「海外展開でのライセンス収入や国内での他産業への波及効果が共に筆頭分野であり、我が国の成長戦略・クールジャパン戦略の重要分野」である。しかし、世界的にアニメ制作のフルデジタル化がほぼ実現しているにも関わらず、日本では未だに手描きでの作業が作画工程の中心になっているのが現状だ。また、アニメーターの就業形態が社員雇用、契約社員など様々である点にも言及し、「個々のキャリアアップが難しい状況である」と問題を提起する。同コンソーシアムは、そうした現状を改善するため、国際的競争力強化に向けて作画工程のデジタル化を推進。共同研修やOJT研修を実施することで、アニメーター人材を育成する役割を担っていく。具体的には、8月から9月にかけてデジタル作画人材育成の出向研修を行い、11月から12月にかけてはデジタル作画人材育成評価のための共同制作実務を実施。来年1月下旬には、成果報告セミナー及び評価会の実施を予定しているとのことだ。
2015年07月09日メタップスとデジタルガレージ(DG)は6月30日、スマートフォンアプリの運用型広告を主要事業とするデジタルサイエンスラボを合弁で設立したことを発表した。同社の設立は、既存のセオリーを超える新しい視点や広告効果指標を提供し、より収益性の高いアプリ広告ソリューションを提供することを目的としたもの。DGのデジタルマーケティング領域におけるノウハウと、メタップスのグローバルな営業力とデータ解析技術を組み合わせることにより、両社の強みを活かしたスマートフォンアプリの広告ソリューションを提供する。今後は、取扱いメディアの領域拡大や広告商品の新規開発を行い、国内外のクライアントの収益化とグローバル展開を支援していく考えだ。
2015年06月30日女優のロビン・ライトが自身の肉体、表情、感情をデジタルデータ化し、それらをもとに生まれた本人そっくりのCGキャラクターを映画出演させるという奇妙な契約にサインした。今後、女優としての肖像権はスタジオに譲渡され、本人が表舞台に立つことは一切禁じられる。もちろん、これは架空のお話。彼女が本人役で主演を務めたSFヒューマンドラマ『コングレス未来学会議』の設定だ。デジタル技術の過信や続編の乱発、いまも根強いとされる女性差別といった現代ハリウッドの課題にユニークな切り口で迫った本作は、無味無臭の近未来をドライな手触りで捉えた実写パートと、躍動感あふれる幻惑的な極彩色アニメーションという異なる二つの要素で構成された、実験的なアートフィルムとしての魅力も放つ。自分自身を“デジタル化”し、理想のアイデンティティを手にしたと錯覚する現象は、SNSが隆盛を極める現代社会に蔓延している。自分語りで一世を風びしたツイッターに始まり、ときに不毛なつながりをゴリ押しするフェイスブック、より過剰な自己演出を後押しするインスタグラム…。「なりたい自分」に固執する現代人を飲み込む無限の誘惑に、違和感を抱くのは時代遅れだろうか?(劇中のロビン・ライトは、自らの過ちに気づき葛藤する)。公開に先立ち、3月に来日したアリ・フォルマン監督(『戦場でワルツを』)が取材に応じ、こう語っている。「テクノロジーの進歩は止められないから、我々はその長所を見極めるしか付き合い方がない。きっと若い世代にとって、現実かバーチャルかという区別は、もはや本質ではないかもしれない。ただ、SNS漬けになり、気に入ったアイコンで自分を飾りたてると、最後は本来持っていたはずの個性や可能性を見失ってしまう。それが心配だよ」そんな現代社会への警鐘が込められた『コングレス未来学会議』。自分をデータとして売り渡した女優の運命は皮肉だが、ラストには単なるディストピアものとは一線を画する、穏やかな解放感があふれている。「本人を演じる」というパラドックスに果敢に挑んだロビン・ライトは必見だ。『コングレス未来学会議』は6月20日(土)から公開。(text:Ryo Uchida)
2015年06月19日電通デジタル・ホールディングス(DDH)は6月15日、同社が運用する「電通デジタル投資事業有限責任組合(電通デジタル・ファンド)」を通じて、音楽ストリーミングサービスを提供するSpotify Technology S.A.(Spotify)に出資を行ったことを発表した。DDHは、第三者割当増資の引受けにより、Spotifyの株式を取得。Spotifyと電通グループは既に40ヵ国以上において取引実績を持っている。今回の出資は「両社の結束をより強固にするもの」(リリースより)としている。音楽ストリーミングサービスは、ここのところ盛り上がりを見せており、AppleのApple Musicが発表されたほか、サイバーエージェントらのAWA、LINEのLINE Music、NTTドコモのdヒッツなどがすでに国内でサービス提供を開始している。なお、Sportifyの国内提供は、かねてから噂されているものの、半年以上前からWebサイト上で「準備中」と案内されたままとなっている。
2015年06月16日電通デジタル・ホールディングスは6月15日、同社が運用する「電通デジタル投資事業有限責任組合(電通デジタル・ファンド)」を通じて、Spotify Technologyに出資を行ったと発表した。Spotify Technologyは、定額制の音楽ストリーミング・サービス「Spotify」を提供しているスウェーデンに本社を構える企業。同社によると、今年6月の時点で、無料会員を含むアクティブ・ユーザーの数は7500万人を超え、有料会員の数は2000万人を突破したという。米Appleも8日、Spotifyの競合となる「Apple Music」の提供を発表しており、音楽ストリーミング・サービス市場が注目を集めている。6月15日時点で、Spotifyは日本でのサービス提供を開始しておらず、日本から公式サイトにアクセスすると、「日本でのサービス利用は現在準備中です!」というメッセージが表示される。電通グループはSpotifyとすでに40カ国以上で取引実績を持っており、今回の出資は「両社の結束をより強固にするもの」としている。出資額は明らかにされていない。
2015年06月16日東芝ライフスタイルは6月3日、業務用ディスプレイ製品と、米SCALAのデジタルサイネージソフトウェアを組み合わせた「デジタルサイネージのワンストップソリューション・サービス」の提供を開始した。また、デジタルサイネージソフトウェアのほか、東芝グループ各社が持つデジタルサイネージ関連のさまざまな製品・サービスとも連携し、初期のプランニングからシステム設計・構築、設置工事、コンテンツ作成の支援、保守・運用サービスまでを一貫して支援する。同社は今後、グループ各社の持つ技術や経営資源を活かし、ユーザーの利便性向上と業務用ディスプレイ事業の拡大を目指す考えだ。なお、同サービスに関する東芝グループの主な連携会社は、東芝やES東芝エンジニアリング、東芝ITサービス、東芝エルイーソリューション、東芝コンシューママーケティング、東芝情報機器、東芝デジタルフロンティア、東芝テックなどとなる。
2015年06月03日デジタルステージは、動画作成ソフト「PhotoCinema (フォトシネマ)」の追加テンプレート集「CiNEMA Box (シネマ・ボックス)」vol.1からvol.4のダウンロード販売を、同社直営のデジタルステージ・オンラインストアにて6月18日より開始する。価格は各2,980円(税別)。同テンプレート集は、5月28日に発売される同社の動画作成ソフト「PhotoCinema」のシナリオテンプレートのほか、映像やテキストのエフェクトが入ったフレーズセット、音楽や画像、動画などの各種プラグイン一式が収録されたもの。これにより、制作できる動画コンテンツの表現の幅をさらに広げることができるという。また、今回発売される4種類のテンプレートの内容は、vol.1「REPORT」とvol.2「PROMOTION」は、イベントレポートやキャンペーン、サービス・製品紹介など、ビジネスシーンにおいて活用できる動画のテンプレート。一方、vol.3「LETTER for Wedding」とvol.4「OPENING for Wedding」は、結婚の報告や挨拶、パーティ演出など、ウェディングシーンにおいて活用できる動画のテンプレートとなっている。なお、母艦となる「PhotoCinema」は、動画・写真素材に音楽やテキストや多彩なエフェクトを加え、動画が作成できるソフト。3つの編集モードとレイヤーごとに編集するスタイルで、クオリティの高い動画を作成できる。「PhotoCinema」の価格は、パッケージ版・ダウンロード版ともに1万4,800円(税別)。別エディションとして、収録される素材やテンプレートのデザインがウエディングに適した「PhotoCinema Wedding」も用意されている(価格は「PhotoCinema」と同額)。どちらもWindows版とMac版が用意され、動作環境はWindows版がWindows 7 SP1/ Windows 8/ Windows 8.1、Mac版がOS X 10.8.5/ OS X 10.9.5/ OS X 10.10.3。なお、追加テンプレート「CiNEMA Box」は、「PhotoCinema」のWindows版とMac版の両方に対応している。
2015年05月27日アップルは、同社のサポートページにて、Apple Watchの「デジタルクラウン」(竜頭)に不具合があった場合、デジタルクラウンを洗い流すことを推奨している。同サポートページでは、デジタルクラウンがスムーズに回転しない場合や、本体がボタンを押しても反応しない場合の対処方法を紹介。Apple Watchの電源を切り、充電器から外し、弱めの水流のぬるま湯にデジタルクラウンを10から15秒ほどさらす。その後、デジタルクラウンと本体のすき間を水で流しながら、デジタルクラウンを操作し続ける。水から上げた後は、糸くずの出ない柔らかいクリーニングクロスで拭いて乾かすことで、付着した埃やゴミが落ち不具合が改善される場合があるという。なお、石鹸や洗剤は使用できない。そのほか、埃やゴミが原因ではない不具合について、Apple Watchの電源を一度切ってから入れ直す、もしくはサイドボタンとデジタルクラウンの同時押しによる強制再起動を対処方法として推奨している。
2015年05月07日キヤノンは4月8日、4K(4,096×2,160ドット)/29.97fpsの動画撮影が可能なEFマウント対応の業務用デジタルシネマカメラ「EOS C300 Mark II」を発表した。レンズ交換式で、キヤノンEFマウントに対応する。発売は9月中旬で、価格はオープン。CINEMA EOS SYSTEMシリーズ「EOS C300」の後継モデル。スーパー35mm相当の885万画素CMOSセンサーを新たに搭載し、4K動画の撮影が可能になった。映像処理エンジンには新開発の「デュアル DIGIC DV 5」を採用する。従来機種よりも広いダイナミックレンジでの撮影が可能な「Canon Log 2」のほか、新開発の独自ビデオフォーマット「XF-AVC」に対応。「デュアルピクセル CMOS AF技術」によって、縦横約80%の測距エリア内にいる被写体であれば、自動でピントを合わせ続けるコンティニュアスAFが可能となった。コンティニュアスAFをしながら顔検出AFも行えるため、ピント合わせが難しい4Kでの撮影時にもすばやくフォーカス調整できる。AF速度は10段階で、ピントが外れた際に同じ被写体へピントを合わせるまでのAF速度は7段階で設定可能だ。EFレンズでマニュアルフォーカスにすると、高精度なピント合わせをサポートしてくれる「デュアルピクセルフォーカスガイド」を利用可能だ。ピントが合っているかどうかだけでなく、前ピンか後ピンかまで表示することで、すばやいピント合わせをサポートする。記録メディアには、4Kの場合はCFast 2.0カード、フルHD(2,048×1,080ドット)以下の場合はSDメモリーカードを利用。CFast 2.0カードスロットは2基装備される。主な仕様は、撮像素子が有効約885万画素のスーパー35mm相当(26.2×13.8mm)CMOSセンサー、マウントがキヤノン EFマウント。NDフィルターは2 / 4 / 6 / 8 / 10stopsの5濃度を電動で調整可能。感度はISO100~ISO102400(拡張時)に対応する。液晶モニターは約123万画素・4.0型。177万画素の0.46型ビューファインダーも備える。記録形式はMOV(MPEG-4 AVC / H.264)。本体サイズは約W149×D183×H183mm、重量は約1,880g(本体のみ)。
2015年04月08日神奈川県・パシフィコ横浜で開催のCP+2015、ウエスタンデジタルのブースでは、デジタルカメラ利用者に向けた外付けHDD製品の紹介を行っていた。CP+に来場するユーザー層を考え、「撮影した画像のバックアップ」という用途が中心だ。カメラからのバックアップ用途ではNAS(ネットワークHDD)向けのWD Red、動画編集に関しては性能面で優れるWD Blackをプッシュしていた。さらに、外付けHDDの「My Book Duo」「My Passport Pro」を利用してデータの二重化を意識したバックアップを提案。主にMac環境に対しては、Thunderboltインタフェースを搭載した外付けHDD「My Book Thunderbolt Duo」によって、外付けHDDでも高速なデータ転送が可能という点をアピール。全体的な外付けHDD製品に関しても、特色を出していたのが印象的だ。
2015年02月15日2011年に閉館した映画館「恵比寿ガーデンシネマ」が、名称を「YEBISU GARDEN CINEMA」と変更し、恵比寿ガーデンプレイス内にリニューアルオープンする。オープン日は3月28日。このたびリニューアルオープンする「YEBISU GARDEN CINEMA」は、2011年に閉館した恵比寿ガーデンシネマを超える文化芸術の情報発信を行うことを目的として開業する。館内は、デザイン家電「amadana」の元クリエイティブディレクターで、「HOTEL CLASKA」「ユナイテッド・シネマ豊洲」などを手がけた鄭秀和が率いる建築デザイン事務所「インテンショナリーズ」がデザイン。2スクリーンに合計280席を設け、シートにはカップホルダー付きのワイドタイプとラグジュアリータイプを採用。4Kデジタルプロジェクターと7.1ch サウンドにて上映可能な環境を備える。また、オープニング第1弾となる上映作品は、『ダラス・バイヤーズクラブ』で2014年アカデミー賞3冠を獲得した注目の監督・ジャン=マルク・ヴァレが手がけた『カフェ・ド・フロール』。そのほか、イザベル・ユペール主演の『間奏曲はパリで』(4月4日公開)、『ラスト5イヤーズ』、『MOMMY/マミー』(どちらも4月25日公開)、『ゼロの未来』(5月公開)といったラインナップとなっている。今後はアート系映画の上映のほか、演劇やミュージカル、ファッション、クラシックコンサートなどの「ライブビューイング」などの取り組みも行い、恵比寿ガーデンプレイスや施設内テナントが企画するアートイベントなどとも連動していくとのことだ。
2015年02月10日TOHOシネマズの新劇場“TOHOシネマズアミュプラザおおいた”が4月16日(木)にオープンすることが決定した。劇場には巨大スクリーン“TCX”や、最新音響設備“ドルビーアトモス”が九州で初導入される。その他の画像“TOHOシネマズアミュプラザおおいた”は、大分駅ビル“JR おおいたシティ(アミュプラザおおいた)”内にオープンする10スクリーン、約1800席のシネマコンプレックス。劇場内には巨大スクリーン“TCX”や、立体音響“ドルビーアトモス”、米国クリスティ社製の映画館向けスピーカーシステム“ヴィヴ・オーディオ”、TOHOシネマズの他劇場でも好評を博しているプレミアボックスシート(R)が九州で初めて導入される。なお、TOHOシネマズは3月13日(金)にTOHOシネマズ六本木ヒルズをリニューアルし、4月10日(金)にTOHOシネマズ ららぽーと富士見を、4月17日(金)にTOHOシネマズ新宿をオープン。2016年春にTOHOシネマズ仙台(仮称)を、2017年秋には上野に新たな劇場をオープンさせる。TOHOシネマズアミュプラザおおいた4月16日(木)オープン
2015年01月14日ワコムは、米国・ラスベガスで1月9日まで開催されている国際家電見本市「2015 International CES」の同社ブースにおいて、デジタル・インク(手書きインクデータ)とデジタルペンの技術を駆使した近未来のデジタル文房具時代を体験できるテーマ展示を実施している。CESのワコムブースに展示されているのは、OSやプラットフォームの境界を越えてデジタル・インクを活用できる「WILL (Wacom Ink layer Language)」だ。同社のクラウドサービスと連携しながら、WILLに対応したさまざまなタイプの試作機を家庭やオフィスの環境で展示し、デジタルペンならではの直感的な操作性とデジタル・インクの持つ可能性とを組み合わせた、近未来ライフスタイルが紹介されるという。また、同ブースには、アクティブ静電結合方式を採用した「アクティブ ES」ペンの体験コーナーも用意されている。「アクティブ ES」ペンを実際に手に取って、新しいタイプのモバイル機器と一緒に使用しながらその直感的な使い心地を体感できるということだ。ちなみに、CESの展示時間は、会期最終日の1月9日が9:00~16:00となっている(日付と時間はアメリカ東部標準時)。
2015年01月08日イオンシネマによる忙しい主婦向けの新サービスとして開始された新企画「ママコンシェルジュ」がスタート。第1回イベントとして、14日にイオンシネマ板橋にて、絵本の読み聞かせと“ママの学校”と称した主婦向けの講座が開催された。その他の画像全国に74劇場を展開する「イオンエンターテイメント」と生活支援サービス事業を手掛ける「株式会社カジタク」の共同プロジェクトとして始まった同企画。忙しい母親たちを支援すべく、イオンシネマの劇場ロビーに「ママコンシェルジュ」カウンターを設置し、自宅へのハウスクリーニング出張や、家事代行サービス、ベビーシッターなどの相談や受付を行なう。それと同時に映画館を子育てのためのコミュニティの場として活用し、無料のプログラムで子どものためのイベントや母親のための様々な講座を展開していくという。この日のイベントは満員。子どもたちを連れた母親のほか、父親も含め家族全員で参加する人々の姿も見られた。通常の映画上映とは異なり、子育て中の母親と子どもたちのためのイベントということで、たとえ赤ちゃんがイベントの最中に泣き出すようなことがあっても気にしないでよいとの告知や、映画館に慣れない子どもたちのために真っ暗にするのではなく薄明りのままイベントを行うなど、様々な配慮が施されていた。絵本をスクリーンに映し出すという方式で5冊の本の読み聞かせが行われたが、クイズ形式の絵本では子どもたちが身を乗り出して答えるなど大盛況。子どもたちを飽きさせぬため、手遊びのゲームを交えるなど工夫が凝らされており、客席からは「楽しかった!」といった声が上がっていた。その後の「ママの学校」では家事を効果的に行い、時間を短くするための様々なアイディアを伝授。洗濯や食生活、健康などの知恵や知識についてクイズ形式で展開され、熱心に耳を傾ける母親たちの姿が見られた。今後、片づけをいかに効果的に行うか? 夫をイクメンにするにはどうしたらよいか? キャラ弁の作り方など各回ごとにテーマを設定し講座を展開予定。「ママの学校」の校長を務め、この日も講師として講座を行なった楠見敦美氏は子育て中の母親を取り巻く現状について「特に小さな子供を持つお母さんにとって、映画を映画館で楽しむというのはすごくハードルが高いんです」と語り、今回のプログラムを通じて「家事の代行サービスの存在や家事を効率よく行なえるいろんな技術を伝えることで、子育て中のママにも映画などを楽しんでもらえるようにしたい」と語った。特に地域の映画館を媒介することによって「単発のイベントとしてではなく、ママたちが交流できる場となれば」とコミュニティとしての役割にも期待を寄せていた。
2013年09月17日名作映画をオーケストラの生演奏とともに鑑賞できるコンサート「名作シネマとオーケストラ」(通称:シネオケ)のリハーサルが、7月17日、東京・上野の東京文化会館 大ホールで行われた。「名作シネマとオーケストラ」の公演情報シネオケは、最新のデジタル技術により、映画から台詞や歌以外のオーケストラ楽曲部分のみを完全に取り除き、その映画全編をオーケストラの生演奏とともに巨大スクリーンで鑑賞できるコンサート。昨年、佐渡裕が指揮をとった『ウエスト・サイド物語』で日本初上陸し、東京・大阪で2万人を超える観客が大絶賛した。今回は、ハンフリー・ボガートとイングリット・バーグマン主演のロマンス映画『カサブランカ』(2011年7月アメリカで初演)、ミュージカル映画の傑作『雨に唄えば』(2013年3月ロンドンで初演) 、アルフレッド・ヒッチコック監督のホラー映画の代表作『サイコ』(2010年7月アメリカで初演)の3作品が上演される。本公演で指揮を務めるニール・トムソンは、バーンスタイン、小澤征爾、クルト・ザンデルリングに師事し、ロンドン交響楽団などの指揮やコンクールの審査員を務めるなど、多才なイギリスの指揮者。シネオケの海外公演では『サイコ』『雨に唄えば』などで指揮を務めている。自身も『サイコ』楽曲のファンだというトムソンは、リハーサルで東京フィルハーモニー交響楽団の演奏者たちに情熱的に指示を出した。『サイコ』は、オープニングから音楽によって観客に緊張感を与え、全編を通して不安と恐怖心をあおる。トムソンは実際にメロディを口ずさみながら、音の強弱、メロディの抑揚などを細かく確認し、背筋が凍るようなドキドキ感と、張りつめた緊張感を演奏に吹き込んでいった。特に、クライマックスの「キッキッキッキッ」という鬼気迫るバイオリン演奏から押し寄せる恐怖は、生のオーケストラ演奏による臨場感があってこそ生まれるもの。これらの演奏が映画とひとつになったとき、これまでに味わったことのない感動を覚えるだろう。また7月19日(金)18時よりフジテレビのエンタメ情報番組『男おばさんL』の軽部真一と笠井信輔の両アナウンサーによるスペシャルトークショーも行われる。「“シネオケ”とは何か?」など、見る前に知ると一層面白くなるポイントを紹介する予定。同18時30分開演『サイコ』公演のチケット購入者のみ入場可能。取材・文:門宏■名作シネマとオーケストラ7月19日(金) 14:00開演 vol.2「カサブランカ」7月19日(金) 18:30開演 vol.4「サイコ」7月20日(土) 12:00開演 vol.2「カサブランカ」7月20日(土) 16:30開演 vol.3「雨に唄えば」7月21日(日) 12:00開演 vol.3「雨に唄えば」7月21日(日) 16:30開演 vol.4「サイコ」会場:東京文化会館 大ホール指揮:ニール・トムソン管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
2013年07月18日昔の作品のDVDなどを購入する際に『デジタル・リマスター』という文字を目にしたことはありませんか?最近では、テレビで放送される映画作品でも『デジタル・リマスター版』とついているものがありますよね。ではこの『デジタル・リマスター』とは、一体どういった事をしているのかご存じでしょうか?今回は、デジタル・リマスター作業の国内最大手、株式会社IMAGICAの映像アーカイビング担当・三浦和己さんに、デジタル・リマスターというのは具体的にどんなことを行っているのか聞いてきました。――デジタル・リマスターと聞くと、「きれいになっている」といった漠然としたイメージしかないのですが、具体的にはどんなことを行っているのでしょうか?デジタル・リマスターの作業ですが、映画をデジタル・リマスターする場合は、まずはフィルムに記録されいる映像をデジタルデータにする所から始まります。すでにデジタルデータになっているものに対してはこの工程は省かれます。――なるほど。フィルムの場合はいったんデジタルデータに変換するのですね。そうですね。いったんデジタルにしてからもう一度マスタリング作業を行うのでデジタル・リマスターなんです。変換したデータは、特殊な機材を使って映像の中に映りこんでいるゴミや汚れを取り除きます。これは基本的には機材が検知して消すのですが、それでも取り除ききれない汚れなどもあるので、そこは手作業で修正します。――手作業の部分もあるんですね!? それは大変な作業ですね……。状態のいいフィルムであれば比較的容易な作業なのですが、古いフィルムですとかなり劣化が進んでいたり、フィルム自体が変形していたりするとデジタルデータに変換する事自体が大変なので、非常に時間がかかりますね。――先ほどデジタルデータとして記録されている汚れなどを取り除くということは、その汚れている部分のデータは消えてしまうということですか?そうですね。ゴミや汚れを物理的に取り除いている訳ではないので、取り除いた部分は情報がなくなってしまいます。――その部分はどうやって修復するのですか?映画というのは静止画の連続で作られているので、ゴミを取り除いたフレームの前後にもゴミがない状態の同じような絵があるんです。その同じような絵をゴミを取り除いた部分に貼(は)り付けて、埋めてあげるんですね。そうするとキレイな状態になります。――なるほど!それなら違和感なく補修できますね!次に、音声データが欠けていたりノイズが入っていた場合はどうやって修復するのでしょうか?音声データの場合は、ほかのシーンで同じ発音をしている部分を持ってきて修復します。例えば『あ』の発音がどうしても聞き取れない部分がある場合、ほかの『あ』の発音をしている部分からデータを持ってくるんです。また、BGMの場合は、音源が残っているのならばそれを使って修復したりしますね――音声も映像の修復と同じような方法なのですね。そのほかに、デジタル・リマスターをする際に行っていることはありますか?汚れを取り除くだけでなく、画面の揺れを止める、明るさを一定にする、といった作業を行いますね。こういった作業を私たちは『デジタル修復』と呼んでいます。後は赤・青といったカラーや画面のコントラストなどの色を直す作業を行います。この作業は当時の製作者の方がどういう意図でどういった色にしたのか、というのが演出上重要になってきますので、当時のスタッフの方に参考意見を伺ったりして調整します。――できるだけオリジナルに近づける、ということなのですね。ただ場合によっては、オリジナルに近づけるのではなく、いまの人たちが見てきれいだと思うものを目指すこともあります。修復を行う際には、このバランスをどのようにするかというコンセプトの設定が重要なポイントとなります。そのあたりが難しい所ですね。――なるほど。そういったいくつもの行程を経て、古い映画や映像がデジタル・リマスターとして美しくよみがえるのですね!三浦さんによると、リマスターを行うのに数カ月もの作業を要する作品もあるそうです。こうした技術者の方の努力によって私たちは古い作品を美しく見ることができる訳ですね。(貫井康徳@dcp)
2012年08月30日出産後、映画館から足が遠のいてしまっている女性映画ファンに朗報!シネマカフェではママとベビーのための上映付ランチイベント、シネマカフェ「baby cafe」の開催が決定。第1回となる8月27日(月)は、注目の海外TVドラマ「PAN AM/パンナム」を9月のDVDリリースに先行して上映する。本イベントはお子様連れのお母様を対象に、おしゃれな空間で非日常を味わいながら、お料理と映画鑑賞を楽しんでいただくことを目的としたもの。映画館に行く機会は減ってしまったが、時には家ではなく大きなスクリーンで映画を観たいという女性読者の声が多く寄せられたことを受け、同内容のイベントとしては今回初めて実現した。上映作品は、お母様向けの最新話題作と親子で観たい良質作品、両方を軸にラインナップ。今後、ハロウィンやクリスマスなどの季節イベントも予定している。会場となる「COPON NORP」は食とアート、映画、音楽の融合を追及した表参道の隠れ家的なレストラン。お子様連れでは敬遠しがちな落ち着いた雰囲気のレストランを気兼ねなく利用できるのも本イベントならでは。とはいえ、場内にプレイスペースを設けたり、おむつ替えスペース、授乳スペースなども完備されているので、小さなお子様連れでも安心である。第1回目上映作品は最新海外TVドラマ「PAN AM/パンナム」。パンアメリカン航空(通称パンナム)で働く客室乗務員4人を主人公にした本作は、いつの時代も女性の憧れである華やかな空の世界を覗けるだけではなく、恋愛ドラマや60年代ファッションなど、女性が楽しめる見どころが満載。特にコンサバかつフェミニンな装いは“良き母”ファッションのお手本に!4人のリーダー格であるマギー役を演じるのは、ガーリーな魅力がキュートなハリウッド女優、クリスティーナ・リッチ。当日は第1話をDVDリリースに先駆けていち早く上映する。ハイブランドが軒を連ね、ファッションタウンとしてのイメージが強い表参道自体、近年キッズ・フレンドリーな街としておしゃれママからの注目度が上昇中。お子様とのお出かけに、子育ての息抜きに、ぜひ参加してみては?詳細・参加申し込みは特設ページから。cinemacafe.net baby cafe日時:8月27日(月)12:00開場会場:COPON NORP(東京・表参道)人数:親子20組、先着受付中料金:ランチお一人様3,000円(未就学児無料)■関連作品:PAN AM/パンナム [海外TVドラマ]© 2011 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.
2012年08月09日