『デイ・アフター・トゥモロー』のローランド・エメリッヒ監督の最新作で、マヤ文明の予言にある2012年の世界の滅亡をテーマにした『2012』。完成が待たれる本作のオープニング53分間の映像の報道陣向けの上映会が10月1日(木)に行われ、上映後には来日中のエメリッヒ監督、主演のジョン・キューザック、キウェテル・イジョフォー、プロデューサーのハラルド・クローサーによる舞台挨拶が開催された。衝撃的な映像にざわめきの残る会場。そこへ、エメリッヒ監督からは驚愕の事実が発表された。曰く「今回ご覧いただいたのは半分ではなく、3分の1。あと3分の2が残っています。でも、決して長くは感じられませんよ」とのこと。完成版は3時間近くに及ぶ超大作になる模様。ジョンが演じたのは、小説家を目指すジャクソンという男。このキャラクターについて「心が離れてしまった家族をひとつに戻したいと思っている。このような大災害の中で、自分にとって本当に大切なものは何かに改めて気づかされ、自分にとって一番大切な家族を守るために全力を尽くす男なんだ」と説明。ジョン自身との共通点について「僕自身も、家族、友人、愛する人のためなら命を投げ出すと思う。この映画を観れば、自分にとって何が大切か、これからの人生をどう過ごしていくべきかを考えさせられると思う」と語った。キウェテルは地球の滅亡が近づいていることをいち早く察知する科学者に扮した。「事実を知って、果たして自分は誰を救うべきなのかという倫理的、道徳的な葛藤が生まれる。そして、もしかしたら自分の生きる道を変えなければならないような決断を迫られることになる」と語り、「僕が最後まで生き残れるかだって?それは、ここでは教えられないよ。でもこの場で演じてみせようか(笑)?」と付け加え、会場の笑いを誘った。プロデューサーのクローサーに本作の製作に至る過程を尋ねると「最初にこの映画のアイディアを監督に話したら、『もうディザスター・ムービーは作りたくない」と反応は良くなかったんだ。でも、この2012年地球滅亡説はマヤ文明だけでなく、世界中で昔から唱えられていることを監督に説明し説得した結果、『よし!やるからにはビッグなスケールでやろう』ということになったんだ」と説明してくれた。最後にジョンは「最後の最後まで、誰が助かって誰が助からないのか全く予測できない。そこがこの映画の面白いところさ」と集まった報道陣の期待を煽った。『2012』は11月21日(土)より丸の内ルーブルほか全国にて公開。■関連作品:2012 2009年11月21日より丸の内ルーブルほか全国にて公開■関連記事:『2012』予告編到着!が…現実は映画よりも衝撃的?2012年終末説が熱いローランド・エメリッヒが描くマヤの予言による地球滅亡『2012』の一端を明かすエメリッヒ最新作『2012』映像が世界初公開安めぐみは「滅亡前に結婚したい!」
2009年10月01日いやはや、いったいこの男、何度地球を壊せば気が済むのか――?『インデペンデンス・デイ』に『デイ・アフター・トゥモロー』など、信じられないような映像世界を世に送り出してきたローランド・エメリッヒ。このたび新たに、彼の興味を引いたのは、マヤ文明における地球滅亡の予言。2012年12月に人類の歴史は終わるというマヤ暦に基づいて最新作『2012』は製作され、今回もまた凄まじい映像を作り上げた。公開は11月。現在も完成に向けて作業が続けられているという本作について、エメリッヒが口を開いた。「不可能と思える映像に惹かれる」先日監督が来日した際、報道陣に向けて公開されたフッテージ映像では、地盤が沈下し、街が雪崩のように崩れ落ちていく映像が映し出された。監督は、誇らしげにこう語る。「不可能と思えるような映像に惹かれるんです。見たことのないイメージを作ることで、人々を劇場に向けさせることができると思っています。昔、映画が出来たばかりの頃、ある人が線路にカメラを置いて、走ってくる汽車の映像を撮ったんです。観客はあまりの迫力に劇場から逃げ出しました。その評判が口コミで広まってみんなが劇場に押し寄せたそうですが、自分が作りたいのは、まさにそんな映像です」。前作『紀元前1万年』を製作した際には「マンモスの毛が風にそよぐのを再現するのが難しかった」と並々ならぬ細部への思い入れを語っていたエメリッヒ。では、本作で最も苦労したのはどのような部分だろうか?「やはり、いかにリアルな映像に見せるかがポイントです。L.A.の街を精巧にコンピュータで作り上げ、そこで地震を起こしたりしました。また、イエローストーン国立公園のシーンでは、空から火の玉が降ってくるんですが、そうすると多くの煙が上がります。煙を作るのは、いまだに非常に難しいことなんです。今回はとにかく、凄まじい出来事が数多く起こりますからね。そのために新たなソフトウェアを開発し、いまだに映像を作る作業は続いているんです」。「知っている人々と知らない人々、それぞれの物語を描いている」今回、大災害に見舞われ、家族を守るために奮闘する主人公を演じるのは、エメリッヒが「元々、僕は彼の大ファン」と言うジョン・キューザック。彼の起用を含め、人間ドラマの部分についてこう語る。「必要とされたのは、ごく普通の人間であると同時に知的な部分がある俳優。僕は俳優を見るとき、その人がコメディをできるかどうかで見ます。彼には必要な要素が揃っていました。そして、今回の物語で見せようとしたことは2つあります。1つは、この先起こる災害のことを知っている政治家たち。彼らはパニックや株の暴落を恐れて災害のことを隠し、秘密裏に船を作っています。もう1つは、ジョン・キューザック演じるジャクソンのように何も知らない一般の人たちのこと。彼は偶然この事実を知り、別れた妻や子供たちを取り戻すためのセカンドチャンスを与えられることになるんです。物語の終盤では、この2つの立場の人たちが同じ船に乗り込むことになっていて、複雑な話になっています」。さらに、日々進化し続ける映像技術について尋ねると…。「私が映画作りを始めた頃は、脚本段階でこれは可能か?不可能か?ということを考えながら書いていました。『インデペンデンス・デイ』のときは、試す前から不可能とされたこともありましたが、いまでは全てが可能です。とは言え、お金と時間があればの話ですがね(笑)。いずれ俳優を含め、全てをパソコン上で作り上げることができるようになるでしょう。SFやファンタジーにとってそれは適した技術だと思いますし、興奮しますよ。僕自身は、平凡な日常に、突如として非日常が入り込んでくるような物語に惹かれますが、次回作ではヒューマンドラマを撮るつもりです。エリザベス1世の時代の話なのですが、その時代をロケで再現するのではお金がかかり過ぎるため、ヒューマンドラマでありながら、ビジュアル・エフェクトを使い、俳優たちにはブルー・スクリーンの前で演技してもらうことを考えています」。いまだ製作中の作品を抱えているというのに、次の作品へのアイディアが続々と飛び出してくる。この男のイマジネーションは底なしか――。まずは『2012』で現実以上かもしれない“未来”を体験してほしい。■関連作品:2012 2009年11月21日より丸の内ルーブルほか全国にて公開紀元前1万年 2008年4月26日より丸の内ピカデリー1ほか全国にて公開© 2007 Warner Bros. Entertainment Inc.■関連記事:エメリッヒ最新作『2012』映像が世界初公開安めぐみは「滅亡前に結婚したい!」執念で描き上げたマンモス!ローランド・エメリッヒ監督が 『紀元前1万年』を語る「僕だって愛を信じているよ」『紀元前1万年』の新星、スティーヴン・ストレイトアッキーナ、セクシーな“紀元前1万年コスチューム”でハリウッド進出?大迫力の映像で贈る『紀元前1万年』プレミア試写会に15組30名様ご招待
2009年08月14日デンゼル・ワシントンとジョン・トラヴォルタの共演が話題の新作『サブウェイ・パニック』のロサンゼルス・プレミア上映がマン・ヴィレッジ・シアターで開催され、トニー・スコット監督とともにデンゼルや共演のマギー・Qやタラジ・P・ヘンソン、タイリース・ギブソンらがレッドカーペットに登場した。1974年公開作の『サブウェイ・パニック』のリメイク版で、4人の男がニューヨークの地下鉄をハイジャックし、乗客の命と引き換えに現金を要求。地下鉄公安部、警察、市当局と犯人グループとの攻防を描くクライム・サスペンス作で、デンゼルがオリジナル版でウォルター・マッソーが演じた公安局警部補を、トラヴォルタがロバート・ショウが演じたハイジャック犯のリーダー役のワシントンを演じる。残念ながらトラヴォルタはこの日は欠席だった。今年1月、休暇先のバハマで愛息が急死したという悲劇が原因になっている。つい最近、トラヴォルタと話したというデンゼルは記者会見の席で「彼はまだスポットライトの前に立つ心の準備が出来ていないんだ。言うまでもなく、彼はいまも苦しんでいる。だから僕は彼に話しかけるより、ひたすら彼の話を聞くことにしたんだ。2〜3時間だったかな。彼は本当に優しい人間なんだ」と語った。トラヴォルタは『サブウェイ・パニック』のプロデューサーを通して、プレミア上映に駆けつけた観客に「愛と感謝をハリウッドのみなさんに。このつらい時期にいる私を支えてくれたみなさんに」とメッセージを送った。映画は日本では9月4日(金)より公開予定。(text:Yuki Tominaga)© Rex Features/AFLO■関連作品:サブウェイ・パニック (2009) 2009年9月4日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開■関連記事:ひげにタトゥーですっかり悪人顔、トラヴォルタがデンゼルとの共演作で悪役に挑戦
2009年06月09日