トップライター:中森かなめ100年以上経っても、少女たちに愛されて続けているL.M.モンゴメリの小説「赤毛のアン」。それを原作として映画化し、昨年公開された『赤毛のアン』、今年10月から公開された『赤毛のアン 初恋』に続き、いよいよ完結編となる『赤毛のアン 卒業』が11月2日(金)から、全国順次ロードショーとなります。恋心を封印してライバルとなったアンとギルバートに注目!3部作の完結編となる『赤毛のアン 卒業』は、相変わらずおしゃべりの大好きなアンが、ちょっぴり大人になって、教師になるという夢に向かって邁進していく姿が描かれています。また、前作『赤毛のアン 初恋』で、たがいに恋心を抱きながらもすれ違ってしまったアンとギルバート。今作でも気持ちがすれ違ったままの2人は、おたがいに素直になれないがゆえに、学業のライバルとして闘争心を燃やすようになります。そして、切磋琢磨しながら、将来の夢へ向かって突き進んでゆくのです。恋心を封印し、勉強でのライバルとなったアン(写真右/エラ・バレンタイン)とギルバート(同左/ドゥルー・ヘイタオグルー)。対抗心を燃やすふたりの会話は、微笑ましくもあります。進む道が違っても旧交を大事にするアンとダイアナアンのギルバートとの〝腐れ縁〟に対して、腹心の友であるダイアナとの関係の変化には切なさがこみ上げます。アンの養父母・マシュウとマリラ兄妹は、アンに良い教育を受けさせるべく、アンの上級学校への進学を賛成し応援しますが、ダイアナの家族は女性が上級学校に行く必要はないという考えを持っています。そのため、ダイアナは家族の意向に従い上級学校への進学をあきらめ、ふたりは違う道を進んでいくのです。しかし、アンとダイアナは違う道に進んでも腹心の友であり続けます。この映画の副題となっている〝卒業〟という言葉に象徴されるように、この作品でアンは学校の卒業とともに、深い悲しみを経験することによって少女から卒業して、すてきな女性へと変貌を遂げていきます。そんなアンの変化が描かれるクライマックスは涙なしには見られないのですが、「曲がり角の先にも、きっと素敵なことが待っている」と信じ、どんなにつらく悲しいことがあっても前を向けば、すてきな景色に出会えるはずだと、未来へと向かっていくアンの姿から勇気をもらいました。生きていれば悲しいこともあるし、うまくいかないこともあるし、おもしろくないこともあります。でも、前を向いていれば、きれいな花を目にするかもしれないし、すてきな人と出会うかもしれません。前を向くことの大切さを、この映画は教えてくれるのです。アンは少女期を卒業し、すてきな女性へと成長していく教科書では学べないことが詰まっている映画初恋の人との微妙な距離感にはじまり、幼なじみとの友情や前を向いて歩いていくことの大切さなど、この映画には、教科書には書かれていないけれど学ぶべき大切なことがたくさん詰まっています。アンに負けずおしゃべり好きな娘(中1)がこの映画を観たら、どんな感想を持つのか。また親からすると幼く思える娘が、大人への階段をどれくらい上っているのか(もしくはどのあたりで立ち止まっているのか……)、確かめられるかもしれません。今年、中学に入学し、新しい友だちと出会った娘。中学の友だちとの学校生活も楽しいようですが、近くに住む幼いころからの友だちとは、アンとダイアナのようにホッとできる関係のようです。そんなお友だちといっしょに、この映画を観に行き、旧交を温めるのもいいかもしれないとも思いました。作品情報『赤毛のアン 卒業』製作総指揮: ケイト・マクドナルド・バトラー監督: ジョン・ケント・ハリソン原作: L.M.モンゴメリ「赤毛のアン」脚本: スーザン・コイン出演: エラ・バレンタイン、サラ・ボッツフォード、マーティン・シーン11月2日(金)より、新宿バトル9、109シネマズ二子玉川他 全国順次ロードショー公式サイト:配給:シナジー2017年 カナダ/カラー/ビスタ/英語/5.1ch/原題:L.M.Montgomery’s Anne of Green Gables Fire & Dew(c) 2017 GABLES 23 PRODUCTIONS INC.ALL RIGHTS RESERVED.関連記事思春期の少女を描く『赤毛のアン 初恋』中森かなめ(なかもりかなめ)東京都在住・40代夫と娘(中1)と3人暮らし。大学卒業後、出版社勤務を経て、渡仏。1年弱遊学した後、フリーランスライターとなる。結婚して出産後、しばらく休業するも、娘が5歳のときに復帰。現在も細々と執筆業に励む。
2018年10月30日こんにちは。アートディレクターの諸戸佑美です。恋や仕事、人生に迷い悩むことは、誰にだってあるものですが、そんなとき、あなたならどうしますか?一緒に悩んで、背中を押してくれる存在がいてくれると心強いですが、ちょっと気分を変えて映画でも観てみませんか。【シネマの時間】第44回は、世界中の女性を幸せに導いた映画『マイ・インターン』『ホリデイ』などの名プロデューサー・スザンヌ・ファーウェルが、NYを舞台に全女性に贈る感動作!映画『マイ・プレシャス・リスト』をご紹介します!IQ185の天才だけどコミュニケーション能力に欠ける屈折女子キャリーが、 セラピストから渡された“幸せになるためのリスト”を実行していくことで心の成長を遂げていく、ユーモアと優しさに満ちた心温まる物語です。主人公のキャリーを演じるのは、イギリスの新星ベル・パウリー!主演作『ミニー・ゲッツの秘密』がサンダンス映画祭やベルリン国際映画祭などで栄誉ある賞を受賞、自身もゴッサム賞に輝くなど、今最も有望な若手として注目されている女優が、本作でも共感を呼ぶ等身大のリアルな姿を演じ、愛らしい魅力を発揮しています。キャリーの心の扉を開ける手助けとなるセラピストペトロフ医師は、舞台俳優としても有名なネイサン・レイン。父親役には、『イン・トリートメント』でゴールデン・グローブ賞主演男優賞を受賞したガブリエル・バーン。キャリーの隣に住む演奏家の男性サイを『ナルニア国物語』シリーズのウィリアム・モーリスが演じるなど、実力派俳優陣が脇を固めています。人と関わるのが苦手で人生に迷いっぱなしのキャリーが、壁にぶつかり傷つきながらもリストにチャレンジしていく姿は、観るものに爽やかな感動と“一歩踏み出す勇気”を与えてくれるはず。ぜひ、映画館でお楽しみください!■映画『マイ・プレシャス・リスト』あらすじーIQ185の天才ながら“コミュ力0”ヒロインの成長物語!ニューヨークのマンハッタンで暮らすキャリー(ベル・パウリ―)は、IQ185、ハーバード大学を飛び級で卒業した天才ですが、友達も仕事も持たず、読書ばかりしている“コミュ力”ゼロの屈折女子です。話し相手は、定期的に通っているセラピストのペトロフ(ネイサン・レイン)だけ。見かねた彼はキャリーにリストを渡し、そこに書かれた6つの課題を大晦日までにクリアするように提案します。「ペットを飼う」「子どもの頃好きだったことをする」「デートに出かける」「友達を作る」「一番お気に入りの本を読む」「誰かと大晦日を過ごす」なんてことないリストのようですが、キャリーにとっては難しい課題ばかり。「このリストをやり遂げれば幸せになれる」と言うペトロフ。「何のために?」「それで本当に問題はすべて解決するの?」と半信半疑ながらも、まずは金魚を2匹飼い始めてみます。ひとり暮らしの家で金魚がキャリーの話し相手になりました。一方、家にこもってばかりいる娘を心配したロンドンで暮らす父親から法律事務所の文書校正の仕事を勧められ、気は進まなかったものの始めることに。そこで同僚のタラとダグラスに出会い、キャリーの日常は少しずつ変化していきます。リストを達成するために、昔好きだったチェリーソーダーを飲み、新聞の出会い広告でデート相手を探し……とひとつずつ大真面目に実行していきます。人と関わり、ときに傷つき、打ち解けていく中で、徐々に自分自身の変化に気づいていくキャリー。果たして彼女はリストをすべてクリアして、幸せを手にすることができるのでしょうか……!?■映画『マイ・プレシャス・リスト』作品紹介映画『マイ・プレシャス・リスト』は、10月20日(土)より全国ロードショー!公式サイト:原題:Carrie Pilby監督:スーザン・ジョンソン製作:スザンヌ・ファーウェル、スーザン・ジョンソンスーザン・カートソニス、ブレント・エメリー、リサ・ウォロフスキー製作総指揮:テリ・シンプソン、エレイン・ハリス、エディス・マイヤーズ、ニック・クエステッド原作:カレン・リスナー脚本:カーラ・ホールデン撮影:ゴンサーロ・アマト美術:カート・ビーチ衣装:レスリー・ヤルモ編集:フィリップ・J・バーテル音楽:マイケル・ペン製作年:2016年製作国:アメリカ上映時間:98分映倫区分:PG12配給:松竹©︎2016 CARRIE PILBY PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.■映画『マイ・プレシャス・リスト』キャストベル・パウリー=キャリー・ピルビーガブリエル・バーン=キャリーの父親ネイサン・レイン=ペトロフ医師ヴァネッサ・ベイヤー=タラコリン・オドナヒュー=ハリソン教授ジェイソン・リッター=マットウィリアム・モーズリー=サイ【シネマの時間】アートディレクション・編集・絵・文=諸戸佑美©︎YUMIMOROTO
2018年10月21日◼︎ユーモアとあたたかさに溢れた成長物語DRESS読者のみなさん、こんにちは。今回みなさんにご紹介したいのは、『マイ・インターン』のプロデユーサー最新作『マイ・プレシャス・リスト』です。アン・ハサウェイ演じる女社長のジュールズが、ロバート・デ・ニーロ演じるシニア・インターンのベンと交流することで、自分を取り戻していく『マイ・インターン』。本作はそんな『マイ・インターン』に負けないぐらいのユーモアとあたたかさに溢れ、観終わったあとは誰もが”一歩踏み出す勇気”をもらえる作品に仕上がっています。IQ185なのに、コミュニケーション能力ゼロのヒロイン・キャリー。恋に仕事に夢に悩む女性を、イギリスの新星ベル・パウリーがユーモラスに、等身大で演じます。◼︎『マイ・プレシャス・リスト』のストーリーNYマンハッタンで暮らすキャリー(ベル・パウリー)は、ハーバード大学を飛び級で卒業したIQ185の天才。だが、友だちも仕事も持たず、1週間に17冊もの本を読むキャリーは、コミュ力ゼロの屈折女子だった……。ある日、キャリーが通うセラピストのペトロフは、キャリーに6つの課題が書かれたリストを大晦日までにクリアするよう提案する。「このリストをやり遂げれば幸せになれる」というペトロフだったが……。ペトロフからのリストに書かれていたのは、以下の6つの課題だった。1.ペットを飼う2.子供の頃好きだったことをする3.デートに出かける4.友達を作る5.1番お気に入りの本を読む6.誰かと大晦日を過ごす抵抗しながらも、ひとり暮らしの家で金魚を飼うことから始めたキャリーだったが、リストはなかなか進まない。そんなある日、家にこもっている娘を心配したロンドンで暮らす父親から、法律事務所の文書校正の仕事を勧められたキャリーは、気は進まなかったが仕事を始めることにする。法律事務所で同僚のタラとダグラスと出会い、打ち解け始めたキャリーの日常は少しずつ変化していくが――。◼︎恋愛で傷ついたことのあるあなたへ「デートに出かける」の項目をクリアするため、新聞広告をきっかけに2カ月後に結婚を控えた恋人のいる男性・マットに会うことになったキャリー。初めは、マットの婚約者に彼の浮気を告げ口しようと思っていたキャリーですが、想像以上に素敵なマットに惹かれてしまいます。だけどそんなとき、キャリーの脳裏によみがえったのは、過去の苦い恋愛でした。大学時代、孤独だった自分に手を差し伸べてくれたと思った大学教授のハリソンに、深く傷つけられてしまったのです。いつも婚約者の影がちらつくマットとはうまくいかず、一番のお気に入りの本をハリソンに貸したまま返してもらえていないため「一番お気に入りの本を読む」の課題もクリアできないキャリー。リストをクリアする意味を見失いそうになるキャリーでしたが、クリスマスイブの日、ふとしたきっかけで隣の部屋に住む青年・サイと散歩に出かけることになります。サイの言葉に後押しされ、自分自身の過去と向き合うことを決めたキャリーは、大好きな本を返してもらいにハリソン教授のもとに行く決心をします。果たして、キャリーはリストの課題を全てクリアし、幸せを手にすることができるのでしょうか?IQ185なのにコミュニケーション能力ゼロという”屈折女子”のキャリーですが、恋に仕事に夢に悩むその姿や、一生懸命に生きているのに空回りしてしまう姿は、きっと誰もが共感してしまうことでしょう。社会に馴染めず心を閉ざしている主人公が、セラピストから”幸せになるためのリスト”を渡され、そのリストの課題を実践することで成長していく姿を描いた『マイ・プレシャス・リスト』。ユーモアと感動あふれる本作は、人肌恋しい季節にぴったりの普遍的な物語です。◼︎『マイ・プレシャス・リスト』公開情報『マイ・プレシャス・リスト』10月20日(土)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー監督:スーザン・ジョンソン出演:ベル・パウリー、ガブリエル・バーン、ネイサン・レイン配給:松竹上映時間:98分公式サイト:jⒸ2016 CARRIE PILBY PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
2018年10月20日仕事に追われていたり、人間関係に悩まされたりと、気がついたらどんどん幸せから離れてしまっていると感じるときはありませんか?そこで、心がカサついている女子にオススメの映画をご紹介します。それは……。元気をもらえる感動作『マイ・プレシャス・リスト』!【映画、ときどき私】 vol. 194ニューヨークに暮らすキャリーは、ハーバード大学を飛び級した超天才。IQは185もあるのに、友達もいなければ仕事もできないというコミュ力ゼロのこじらせ女子だった。そんなある日、唯一の話し相手であったセラピストのペトロフから「幸せになるためのリスト」として6つの課題を告げられる。半信半疑ながらも、金魚を飼ってみたり、新聞の出会い広告でデート相手を探してみたりするキャリー。徐々に変化をみせるなか、無事にリストをクリアし、幸せをつかむことができるのだろうか……。思わず自分とキャリーを重ねてしまう女子も多いと思いますが、今回はそんな放っておけないキャラクターを生み出したこちらの方にお話をうかがってきました。それは……。注目の女性監督であるスーザン・ジョンソン監督!本作で長編映画監督デビューをはたしたスーザン監督ですが、今回は女性からの人気が高い『マイ・インターン』のプロデューサーとタッグを組み、珠玉の1本を生み出しています。そこで、監督自身の体験談から女性に向けてのアドバイスなどについて語ってもらいました。主人公は自分と100%似ている―まずはいよいよ日本で公開を迎えますが、いまのお気持ちはいかがですか?監督すごくワクワクしているわ!というのも、実はこの作品の海外での配給が一番初めに決まったのは日本だったの。そのときは2016年だったから、「では、2018年10月の公開で」と言われたときには「2年も先なの?」と思っていたけれど、ついにそのときが来たのね。―本作のあとには、Netflixのオリジナル映画『好きだった君へのラブレター』も手掛けられ、現在大人気となっていますが、この2作品の主人公に共通するのは、頭はいいけど恋愛偏差値が低い不器用な女子であること。そういうキャラクターに惹かれる理由は?監督それは、100%自分に似ているからよ(笑)。キャリーの場合は、過去の辛い恋愛経験が原因で人を信頼することができなくなってしまうんだけど、誰かを信頼をすることの難しさというのは、私も抱えている気持ちだからこそ共感しているんだと思うわ。―では、主人公たちと一緒にご自分も答え探しをしているところもありますか?監督確かにそういうところもあるけれど、いま私はシングルだから、ちゃんとした答えをまだ見つけられていないのかもしれないわね(笑)。ただ、映画作家というのは、自分のなかの深いところにある要素というのが映画作りに反映されてしまうもの。でも、意外とそれは作ったあとに気がついたりするのよ。恋愛事情は日本もアメリカも同じ!?―私もシングルなので、監督と同じく答えを探し中ですが、監督の作品を観て久しぶりに「恋愛をしたい!」という気持ちにさせられました。監督実は私もそうだったのよ!でも、『好きだった君へのラブレター』を撮っていて忙しかったから、まだ実行できてないのよね……。ところで、日本もアメリカと同じくらいステキな男性を見つけるのは難しいことなのかしら?―はい、なかなか難しいですね……。監督本当に、どこでも難しいことなのね(笑)。―ちなみに、本作のキャリーのように頭が良すぎる女性だと、「自分は相手にされないのでは?」と男性が敬遠してしまう傾向もあるので、完璧すぎる女性は逆にモテないといわれることもありますが、アメリカではどうでしょうか?監督アメリカでも同じようなことを感じるわ。だから、実は私も「自分をバカっぽく見せたほうがモテるかも!?」と思ったことがあったんだけど、どういうふうにやったらいいのかわからなかったのよね(笑)。―確かに、そういうことがうまくできない女子は多いと思います。監督でも、私の友人たちには聡明で優しい人が多いけど、本当はそのほうが大切なことなのよね。実際、今回キャリーの隣人としてサイという男性が登場するんだけど、私が彼の一番好きなところは、人間的に優しい親切な心を持っているところなの。それなのに、キャリーはそのことに最初は気がつかなくて、どちらかというと危険で人と違うようなものを持っている男性に惹かれてしまうのよね。私も「サイのような優しい人と巡り合えたら幸せになれるのに……」っていまは思っているわ。気がついたらキャリーと同じ恋愛経験をしていた(笑)―ということは、監督も頭ではわかっていてもキャリーと同じように危険な香りのする人に惹かれがちということですか?監督そうなのよ(笑)。以前、長く付き合っていた人は20歳年上の男性だったんだけど、やっぱり同世代の男の子たちとはちょっと違う人だったし、ほかにもちょっとワケありの男性や隣に住んでいた男子と付き合っていたこともあるから、おもしろいことに映画のなかの経験を自分もしていたことになるの。でも、そのことにあとで気が付いたから、つまりそれは、キャリーほど私は頭がよくないということよね(笑)。―では、キャリーのように新聞広告でデート相手を探したこともありますか?監督うーん、それもあったかもしれないわね(笑)。でも、デートアプリとかは苦手で使ったことはないわ。今回、新聞広告という古いスタイルにしたのは、オンラインのように顔を出せない “ある理由” が男性側にあったからだけど、いまでも世界中に残っているものだし、これってそういう男性が浮気するのには実はいい方法かもしれないわね。大切にしているコミュニケーション方法とは?―女子は気をつけないといけないところですね。本作では、コミュ力ゼロのキャリーが徐々に変わっていく姿も応援したくなりましたが、監督ご自身は、他人とのコミュニケーションで大事にしていることはありますか?監督まずは、相手の言葉をきちんと聞くこと。もともといい聞き手であるという資質を持ってはいたんだけど、それは監督業をするうえではとても必要なことなのよ。だから、たとえば相手が何かアイディアを持っていれば、ちゃんと聞く耳を持つようには心がけているわ。あと、いまはコミュニケーションの方法も時代によってどんどん変わっているけれど、手紙を書くというのも好きなの。もちろん、作品ではいまの時代を生きている女の子たちだから、コミュニケーションの方法としてSNSとかを使ってはいるけれど、それだけにならないようには意識しているわ。そのためにも、ちゃんと会って、向き合って話をして、相手の話を聞くという要素も入れるようにしているのよ。それから、自分に自信を持つということも大切。ブレずに自分自身をちゃんと持っていれば、それを理解してくれる人と絶対に巡り合えると私は信じているからよ。女性が少ない業界だからこそ、闘っていきたい―そんな監督だからこそ、多くの女性たちからの支持を得られていると思いますが、今回はプロデューサーも脚本家も女性を中心にこの作品を手がけたそうですね。それによって得られたこともありましたか?監督「女性だからこそこういう作品ができた」ということは特にないけれど、映画業界というのは相変わらず性差別というのが残っていて、現場の男性スタッフのなかには、「女性の監督から指図されるなんて……」みたいなことを言う人もいまだにいるくらい。そんな人がいることに驚いたけれど、業界においての男性と女性の役割みたいなものと、まだまだ闘っていかないといけないとも感じているわ。「女性監督はロマンティックコメディやラブストーリー、ヤングアダルトものやくだらないコメディでも撮っていればいい」みたいな風潮が実際いまでも根強く残っているのも事実。でも、映画やドラマを見ていて、「女性監督だったらもっといい作品になったんじゃないかな?」と思う作品もたくさんあるのよ。男性監督から見た女性キャラクターというのは、これまでにいろいろな作品で存分に語られているから、これからは女性監督の目線で、女性や男性の生き方をどんどん描いていくべき。女性の比率が少ない業界だからこそ、私にもできることがあれば今後も努力していきたいと思っているわ。監督にとっての「幸せになるためのリスト」とは?―監督の力強いお言葉に背中を押される女子も多いと思います!では、そんな監督におうかがいしますが、本作でもひとつのキーポイントとなっているのはキャリーが実行する「幸せになるためのリスト」。もし監督が自分のためにリストをつくるなら、何を書きますか?監督まずは、友達をもっと作る。でも、キャリーみたいに金魚は飼わないかな(笑)。あとは、精神的にアクティブになること。それから恋愛をすること。仕事で出張に行くことが多いんだけど、ステキな男性と出会うチャンスを増やすために、もう少し自分の住んでいる近所に出かけることも加えておこうかしら。あなたはどう?―私も「ステキな男性と出会うこと」にしたいです(笑)!監督じゃあ、くれぐれも心の優しい男性を選んでね(笑)。リスクをいとわず、まずは一歩を踏み出して欲しい―はい、しっかりと心にとめておきます。それでは最後に、キャリーのように過去の恋愛で傷ついて憶病になっている女子たちに向けて、監督からananweb読者のための「幸せになるアドバイス」をお願いします。監督まず、家にこもっていては誰とも出会わないから、外に出ること。そして、リスクをいとわずに飛び込んでみることね。そうじゃないと、その先に待っているのは孤独かもしれないわよ!(小声で)ただ、私自身もそれをまだ実行できていないんだけど……。とにかく、やってみないとどうなるかなんて誰にもわからないわけだから、まずはトライしてみること。たとえば、「この人いいな」と思っていても、相手が自分のことを気に入ってくれているかわからないと、先に相手への好意を見せるのはすごく怖いことよね?でも、もしかしたら相手の男性も同じように思っているかもしれないから、まずは一歩踏み出してみるということをして欲しいと思うわ。面倒なことにこそ幸せのヒントがある!キャリーが繰り広げる一挙手一投足にドキドキしながら、「幸せ」とは何かを考えさせられる本作。何事も自分から動き出さなければ変わることはできないし、自分の幸せは自分にしかつかめないものだと感じるはず。キャリーと一緒に「幸せになるためのリスト」を攻略してみては?笑顔をくれる予告編はこちら!作品情報『マイ・プレシャス・リスト』10月20日(土)より、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー配給:松竹ⓒ2016 CARRIE PILBY PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
2018年10月19日三谷幸喜脚本・監督の映画『記憶にございません!』が2019年 9月13日(金)に全国公開される。主演は中井貴一。三谷幸喜による“政界”ファンタジー&コメディ『THE 有頂天ホテル』『ザ・マジックアワー』『ステキな金縛り』『清須会議』『ギャラクシー街道』など、笑いと感動の話題作を生み出してきた三谷幸喜。映画監督作品8作目となる『記憶にございません!』は、“政界”を舞台にした物語だ。史上最悪のダメ総理が主人公主人公は、国民から嫌われ、史上最低の支持率を叩き出した総理大臣・黒田啓介。ある日、一般市民の投げた石が頭に当たり、彼は記憶喪失になってしまう。金と権力に目がない悪徳政治家から、一夜にして善良で純朴な普通の「おじさん」に変貌してしまった啓介。国政の混乱を避けるため、国民はもちろん、大臣たち、家族にさえ、記憶を失ったことを隠し、直近の秘書官たちに助けられながら、ギリギリなんとか日々の公務をこなしていく。やがて、あらゆるしがらみから開放され、真摯に政治と向かい合うことになった啓介は、次第に本気でこの国を変えたいと思い始める……。史上最悪のダメ総理を取り巻く、政治ファンタジー&コメディが繰り広げられる。中井貴一、ディーン・フジオカなど豪華俳優陣主人公の総理大臣・黒田啓介には、『嘘八百』で主演を務め、三谷作品にも多数出演している中井貴一。黒田総理を支える首相秘書官・井坂は、『空飛ぶタイヤ』など話題作に出演し、三谷作品には初参加となるディーン・フジオカが演じる。また、総理の妻・聡子は石田ゆり子、政界を牛耳る官房長官・鶴丸大悟は、三谷監督が脚本を担当したNHK大河ドラマ「真田丸」での好演が記憶に新しい草刈正雄、総理をゆするタブロイド紙のフリーライター・古郡は、三谷作品には欠かせない佐藤浩市が演じる。さらに豪華女優陣も、三谷幸喜の描く個性豊かなキャラクターに挑戦。総理を支える熱い事務秘書官・番場のぞみに小池栄子、マイペースな官邸料理人に斉藤由貴、アメリカ初の日系女性大統領 スーザン・セントジェームス・ナリカワに木村佳乃、総理と敵対する白いスーツの野党第二党首・山西あかねに吉田羊が、それぞれ抜擢されている。加えて、記憶を失った黒田を保護する職務熱心な警官・大関平太郎役を田中圭が演じる他、山口崇、梶原善、寺島進、藤本隆宏、迫田孝也、ROLLY、ジャルジャルの後藤淳平、宮澤エマ、濱田龍臣、有働由美子といった面々が集結する。中井貴一×三谷幸喜のスペシャルユニット結成映画『記憶にございません!』の公開を記念して、監督を務めた三谷幸喜と主演の中井貴一がスペシャルユニットを結成。“サラリーマンあるある”事柄を三谷が作詞し、中井が爽快に歌い上げたリズミカルな楽曲「まったく記憶にございません」が完成した。なお本楽曲は、映画本編には“全く入っておらず”、9月11日発売のオリジナル・サウンドトラックのみ聴くことができるそうだ。ストーリー病院のベッドで目が覚めた男。自分が誰だか、ここがどこだか分からない。一切の記憶がない。こっそり病院を抜け出し、ふと見たテレビのニュースに自分が映っていた。演説中に投石を受け、病院に運ばれている首相。そう、なんと、自分はこの国の最高権力者だったのだ。そして石を投げつけられるほどに…すさまじく国民に嫌われている!!!部下らしき男が迎えにきて、官邸に連れて行かれる。「あなたは、第百二十七代内閣総理大臣。国民からは、史上最悪のダメ総理と呼ばれています。総理の記憶喪失は、トップシークレット、我々だけの秘密です」真実を知るのは、秘書官3名のみ。進めようとしていた政策はもちろん、大臣の顔と名前、国会議事堂の本会議室の場所、自分の息子の名前すら分からない総理。記憶にない件でタブロイド紙のフリーライターにゆすられ、記憶にない愛人にホテルで迫られる。どうやら妻も不倫をしているようだし、息子は非行に走っている気配。そしてよりによってこんな時に、アメリカ大統領が来日!他国首脳、政界のライバル、官邸スタッフ、マスコミ、家族、国民を巻き込んで、記憶を失った男が、捨て身で自らの夢と理想を取り戻す!果たしてその先に待っていたものとは…!?詳細『記憶にございません!』公開日:2019年9月13日(金)全国公開脚本・監督:三谷幸喜キャスト:中井貴一、ディーン・フジオカ、石田ゆり子、草刈正雄、佐藤浩市、小池栄子、斉藤由貴、木村佳乃、吉田羊、山口崇、田中圭、梶原善、寺島進、藤本隆宏、迫田孝也、ROLLY、後藤淳平、宮澤エマ、濱田龍臣、有働由美子
2018年08月09日●舞台『薔薇と白鳥』にW主演、最初は不安もHey! Say! JUMPの八乙女光と髙木雄也がW主演を務める舞台『薔薇と白鳥』が、27日より東京グローブ座で上演される。 16世紀末の英国に実在した天才劇作家のクリストファー・マーロウとウィリアム・シェイクスピア。同年代の2人の間に、実はさまざまな物語があったのではないか、という、史実の間にあり得たのかもしれない歴史ミステリーを描く。シェイクスピアを演じる髙木は初のストレートプレイ、マーロウを演じる八乙女もストレートプレイ出演は2回目ということで、経験も少ない2人。しかし、取材日に稽古場で2人が演じる姿を見た作・演出のG2は「こんなにできるようになるなんて、ぽろっときちゃった」と感動していた。今回は、役者として羽ばたこうとしている2人の印象や、作品の構想について、G2に話を聞いた。○配役は本人たちの希望で――マーロウとシェイクスピアでオリジナル作品を、ということですが、もともと構想はあったのでしょうか?プロデューサーから、「グローブ座だから、シェイクスピアで何か企画をできませんか」と相談されて、W主役になっちゃうけどシェイクスピアとマーロウの話がやりたい、と話したんです。なるべく史実に基づいてやりたいので、20代後半でW主演で……と思っていたところに、ぴったりな2人が来てくれました。――2人の配役はどのようにして決まったのですか?結論から言うと最終的には、本人たちの希望を通しました。最初に企画のことを話していた時に、あらすじとキャラクターの違いを話して。2人ともすごく「面白い、面白い」と言ってくれたので、幸せでした(笑)。なかなか誰も言ってくれないんだよ!(笑) 彼らの印象や役を照らしわせてみたら、どっちもやれるなと思ったんだけど、希望を叶えられた方が、気持ち良くやれるじゃないですか。――希望がうまく分かれたのが面白いですね。僕がその場で話しただけなので、事前に打ち合わせもしない中で希望が分かれましたね。――お二人の個性がすでに出ていたということでしょうか?そういうことでも、あるんでしょうね。おそらく光は物語の構造を捉えたのかと思いますが、「自分には向いてないかもしれないけどそういう役にチャレンジしたい」という言い方をしていました。雄也はシェイクスピアが天才的、というところにグッときて「天才をやりたいんです!」って、直感的に言っていた印象です。実在の人物を考えると、実は逆の方が顔が似ているとは思うんです(笑)。例えば実際の肖像画から始まる演出だったら、今と逆の方が面白いなとか、雄也が初舞台で光が舞台2回目となったら負担の量は考えた方がいいなとか、いろいろありましたが、最終的にはどっちもいけると思ったので、2人の希望した方の役に。○初めてぶっつけで場面をやった――稽古場でのお二人の印象はいかがでしたか?僕は初舞台の人がいる時は稽古も1カ月では間に合わないので、必ず、稽古スタートよりも前にレクチャーを始めるんです。今回は2人のトークバトルシーンもあるし。レクチャーを始めた頃は、「大丈夫かな、間に合うかな?」と思ったし (笑)。でもやっぱり2人の、物語に対する取り組む姿勢がすごく良いし、吸収力がすごいですよ。僕の言葉を宿題にして考えて実現する光と、その場でなんとか具現化したい雄也。4回ほどレクチャーをする中でメキメキと上がってきたので、「これは間に合うな」と確信しました。今までは舞台にどう立つか、ということがわからないから、僕が説明して立たせてたんだけど、さっき稽古でやったシーンは初めてぶっつけで場面をお願いしました。そうは見えなかったでしょう? だから、「成長したな」と、ぽろっときちゃいました。短期間でここまで来ているので、初日が楽しみです。――それだけ吸収力があって、モノにできる方たちということでしょうか。今回は、慣れた役者であっても、この台詞量は「ちょっとやばいよね」と思うくらいなんです。それでも音を上げないのが素晴らしい。相当努力しているし、才能があります。――もしかして、初日にはまたぽろっときてしまう可能性も。最終的に上手く行くか行かないかは初日にかかっています。完成がないところが面白い世界なので、初日にどこまで行くのかが楽しみですし、すごくうまくできてたら、またぽろっとしちゃうかもしれないですね(笑)。ゴールがない中で完成度を上げながら、どれだけ自分のやりたいことが実現できるか彼らが挑戦しているので、僕も演出方法で負けないようにしなければと思います。●役者として大事な良さを、ジャニーズの人たちは持っている○ロンドンに連れて行ってもらえなかった――お二人が作品のためにロンドンまで行ったと聞いて、気合いがすごいと思ったのですが、稽古でも感じられたりはしますか?それ、僕は連れてってもらってないんだよ!! その話は怒ります!(笑) 普通は演出家とスリーショットで行くんだよ! 何回でも声を大にして言います!――すいません(笑)。行ってきて、変わったと思ったところなどはありますか?現地を見たからと言ってそんなに変わるわけではないけど、その場所に行くのは大事なことです。今回は特に抽象的なセットですし、自分がイマジネーションする拠り所があるかということは大きいと思います。僕が仲間はずれにされたことは良くないけど(笑)。本当に、ジャニーズのどの人とやっても思うけど、いい子が多い! ものづくりに対して真っ直ぐの姿勢だし、うがった見方をせずにすっと入ってこれる素養を持ってる子が多いんですよ。今回も、稽古に入る前に少し話してみて、素養はあるなと感じていました。舞台の経験はあまりないけど、やりがいのある素材が来たと思いました。――トニセンさんなどとはまたぜんぜん違う空気感でしょうか。トニセンさんとは、成長した段階で接してるから(笑)。でも初めてジャニーズの方とお仕事をしたのがイノッチ(井ノ原快彦/V6)で、その時は少し近かったかもしれません。イノッチはすでに演劇もいろいろやっていたけど、その時の『ハンブルボーイ』という作品はロンドンの作品の翻訳劇で、イノッチは物理学者の役だったんです。セリフで「超ひも理論(superstring theory)」についてしゃべらなきゃいけなくて、そのために僕が勉強して、さらにイノッチに教える、ということがありました。イノッチも、そのセリフはすごく言えるようになったし、腹落ちして言うセリフか、字面を追っていう台詞は違うよね、と思いました。僕、一人芝居が嫌いなんですよ。演出家の役割は複数人の関係性をどうするかというところをはっきりさせることだと思うので。でも、その日は「俺、イノッチとなら一人芝居やってもいいな」と言ったくらい楽しかった。そういうことを、今回2人と稽古をしている時に思い出したました。松岡(昌宏)くんと『灰色のカナリア』をやった時は、松岡くんも自分でやりたいことがいろいろあるから「実は俺、翻訳物苦手なんだよ! G2書けよ!」と言っていたので書いて、「これでいいんだよ」と言われて(笑)。坂本(昌行)くんは百戦錬磨で、初日からパーフェクトにやられたから「もっと面白いことを提案していかないと」と思ったり、人それぞれですよね。――今回は1からから作り上げていく感じが強かったんですね。初舞台でも1人だけとか、もしくは大先輩がいるとかでしたらまた違うかもしれないですが、今回はほぼほぼ初舞台に近い2人の超バトルを書いちゃったので、今まで僕がやったグローブ座の舞台の中でも特に大変ではありますね。悪いけど「2人だけで立って!」というシーンが山ほどあるんです。僕は脚本を書く時にやたらメモを書きまくるんですが、そこに「この2人が延々やり合うのが、絶対面白くなる」と書いてあって。自分の理想にそって書いたらこうなっちゃったんです。もう、やってもらうしかない(笑)。でも2人は尻込みせずに、「やります、やりたいです、やりきってみせます!」という態度なので、一緒に頑張るしかないよね。○ピュアに対面できるところが魅力――先ほど稽古を少し拝見して、セットに盆(舞台を回転させる円形の機構)があるとは驚きました。グローブ座さんも結構取材に行ってるのですが、あまり見たことないですよね。書いてる時は演出方法はそこまで考えてないんですが、今回はやっぱり必要だと思いました。盆を設置するということはよくある手なんですが、お金もかかるし、グローブ座は床も高いから、盆があると結構高くなっちゃうんです。でも今回薄い盆の試作品が出ると聞いて、最新技術のおかげです(笑)。セットがまるで盆のように動くタイプの装置もあるんですが、今回はやっぱり盆の床のうえに装置が乗っているほうがいいと考えました。――稽古場の雰囲気の良さも、本当に皆さんと作り上げているのかなと思いました。G2さんが褒め上手で。他の現場がよくわからないけど、役者さんから言われることはあります。自分が色々言われたら萎縮するタイプなので、「自分だったらこういう言われ方の方が伸びるな」ということを言おうと思っていました。もっと褒め上手な人はいっぱいいますよ。でも役者って誉めすぎるとダメになっちゃう人もいるから、難しいですよね。――今回のお二人は褒めて伸ばすタイプなんですか?あまり褒めているつもりはありません。何ができていて何ができないかは、絶対に言った方がいいから、そのまま伝えています。でも彼らは、どこかつまらない誉め方を見抜く力があると思うんです。いろいろな人から褒められる立場だと思うけど、全然天狗になることがないから、「できている」と言うと素直に喜び、「できていない」と言うと、素直に悔しがる。その反応がすごくいい。ピュアに物事と対面できていると思います。――最後に、主演の二人にメッセージをいただければ。難しいですね(笑)。僕はクリント・イーストウッド監督の映画がすごく好きで、イーストウッドは「その日に撮る場面をただ撮るだけ、それを繰り返していくと映画になる」と言っていて。その言葉がとても好きなのですが、今回についても彼らとひとつひとつの場面をどう見せるか集中して意見を出し合っている。そのひとつひとつが彼らへのメッセージです。彼らの一瞬一瞬に対して、僕から出せるヒントを見つけたいと思っているし、発声の仕方や歩き方、緩急をどうつけるかとかというようなテクニックは、なるべく言わないようにしています。その代わりに、「全く動かないでセリフを言ってみよう」と突発的に刺激を与えたらどうなるかと、こっちも手探りの状態なので、偉そうなことは全く言えないですね。それでも最後に、なんで僕はロンドンに行けなかったのか、ということだけは、声を大にして言いたいですね(笑)。■プロフィールG2「売名行為」、劇団「MOTHER」の活動を経て、1995年より演劇ユニット「G2プロデュース」主宰。2013年の解散まで80本以上の作品に、劇作家、演出家、プロデューサーとして関わる。空間ビジュアルの美しさ、人物の情念を丁寧に描き出す手腕が高い評価を受けている。2007年、落語を原作とした『地獄八景:浮世百景』でバッカーズ演劇賞。2009年、月刊「ミュージカル」演出家賞(『COCO』『スーザンを探して』『NINE』の演出に対して)、2011年、新作歌舞伎『東雲烏恋真似琴』で大谷竹次郎奨励賞を受賞。最近の作品に『モジリ兄とヘミング』『熱血!ブラバン少女』『戸惑いの惑星』(作・演出)など。この夏には新作歌舞伎『NARUTO』(脚本・演出)を控えている。
2018年05月26日ワーナー・ブラザースが、『シャーロック・ホームズ』(2009)、『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』(2011)に続く『シャーロック・ホームズ』シリーズ第3弾を、2020年のクリスマスに公開すると発表した。同シリーズは前2作もクリスマスシーズンに公開され、興行収入が合わせて1,000億円を超えるほどの大ヒットを記録した。「The Hollywood Reporter」によれば、前2作を監督したガイ・リッチーが引き続きメガホンを取るかは未定とのことだが、シャーロック・ホームズ役のロバート・ダウニー・Jr.とワトソン医師役のジュード・ロウのコンビは続投。製作陣にもスーザン・ダウニー、ジョエル・シルバー、ライオネル・ウィグラムの前2作の面々が再集結する。脚本はドラマ版「ハンニバル」や「ナルコス」のクリス・ブランカトーに決定しているという。2020年のクリスマスシーズンには、ジェームズ・キャメロン監督の『アバター』(2009)の続編、『SING/シング』(2016)の続編も公開が予定されている。(Hiromi Kaku)■関連作品:シャーロック・ホームズ 2010年3月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2009 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED
2018年05月08日トム・クルーズとダスティン・ホフマンの共演で1988年に公開されたアカデミー賞4部門受賞作を、藤原竜也と椎名桔平の初共演で舞台化する「レインマン」。このたび、4月4日に撮影が行われたメインビジュアルとともに、キャスト陣らのコメントが到着した。7月、8月上演予定の舞台「レインマン」は、弟・チャーリー役を藤原さん、兄・レイモンド役を椎名さんが務める。このたびのメインビジュアルは、映画の中でも有名な兄弟がカジノに挑戦しているシーンを再現したものとなっている。■藤原竜也「新しい『レインマン』が生まれるんじゃないか」藤原さんは、「原作があるものを舞台化するというのは、リスクも大きい、とても大変なこと。ですが、新しい『レインマン』が生まれるんじゃないかなという手ごたえはあるんです。素敵なメンバーが集まって良いスタートを切れるだろうと期待しています」とコメント。「有名なこの作品を、演出の松井(周)さんがどういうふうに稽古を進めていくのか、ぼくも非常に楽しみです。だから、僕らはただ真面目に稽古場で作品と向き合って、日々稽古を過ごしていくのみ。その中で色々な発見をしながら、いい作品にしていければいいなという思いです」と意気込みを新たにする。■椎名桔平「普遍的な家族を描いた名作」2006年に日本で舞台化された際、弟の役を演じた椎名さんは、「今度は兄の役に挑戦させて頂くことになりました。この作品は普遍的な家族を描いた名作だと思いますし、親と子や兄弟という関係性にある愛情の裏返し、中でも特に強い憎しみから始まるので、そこから物語を経て、本当の愛情に移り変わっていくという様は、どんな時代にも変わらないという思いがあります」と作品のテーマに言及。「それだけ強いメッセージを届けられる作品だと思いますので、是非観に来ていただきたいです」と語る。■「僕よりも、トム・クルーズよりも男前な藤原くん」また、藤原さんは「ひとつ有り難いのは桔平さんが演じられている役なので、わからないことは教えてもらおうかなと思っています」と語り、「演劇の場所で初めてご一緒させてもらえるのはとても嬉しいこと」と椎名さんとの共演について明かす。すると椎名さんは、「僕よりも、トム・クルーズよりも男前な藤原くんなので(笑)。まっすぐにずっと演劇の道を歩んできた方という印象が強いのですけれど、そういう方と舞台という空間でご一緒できる喜びでいっぱいですね。今日のポスター撮りで藤原君とも初めて一緒に街を歩いて、そこで感じたことも含めて、これからゆっくりと稽古で練っていきたいなと思います」と、こちらも藤原さんとの共演に期待十分。■中越典子「お2人の兄弟の化学反応がとっても楽しみ」チャーリーの彼女・スーザン役を務めるのは、映画『関ヶ原』やドラマ「警視庁捜査一課9係」シリーズなどで知られる中越典子。「『レインマン』というすばらしい作品の舞台化に参加させていただけるのが、とっても嬉しいです。映画がとても印象的で、本当に胸にぐっとくる作品でした」とコメント。「あの兄弟をどんなふうに藤原さんと椎名さんが演じるのか、このお2人の兄弟の化学反応みたいなものがとっても楽しみです。私もその中に溶け込んで、入っていけたら」と語っている。■演出・松井周「人間の息遣いが感じられるような舞台にできたら」上演台本と演出を手がける松井周は、「すごく達者な、強力なキャストに恵まれて舞台にするからには、生の感覚というか、ライブの感覚で、人間の息遣いが感じられるような舞台にできたら」と語る。「中越さんが仰ったように、まさに化学反応というか化学変化が楽しみ。このキャストでこのスタッフ、このチームだからこそできることを、本当に地味に淡々と、毎日実験するように稽古して完成させたい」と意気込みを明かしてくれた。舞台「レインマン」は7月20日(金)~8月4日(土)新国立劇場・中劇場ほか静岡、福岡、大阪、宮城、愛知にて公演。(text:cinemacafe.net)
2018年04月09日コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)の2018-19年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。今シーズンの起点となったのは、デザイナーの川久保玲の心を捉えた「キャンプ」という思想だ。アメリカ出身で小説家、エッセイストとしても活躍するスーザン・ソンタグが唱えるその考え方は“不真面目、悪趣味の中に新しい価値があるのではないか”という発想。彼女の思想に共感した川久保玲は、様々なテキスタイルを使ってこのメッセージを発信する。巨大で重量級。左右に大きく広がるもの、ゴロンと丸みを帯びているもの。時に花のようなシルエットで、時にジャケットと認識できる“洋服の形”で。コレクションピースはまるでオブジェのような圧倒的な存在感がある。シルエットから共通項を見出すことは困難であるが、テクニックの視点でみると「レイヤー」を統一したキーワードに据えていることは見てとれる。凹凸、うねり。そういった洋服の表情を引き出す部分には、レース、ニット、オーガンザ、加えてスポンジのように弾力のあるメッシュ地など、テクスチャーの異なるファブリックを断層のように重ね合わせて製作。花の形、雲のような形、不規則な曲線ライン。そういった個性的なシルエットの中から何重にも重なったテキスタイルの内側が顔を出している。この「レイヤー」のテクニックは、ボトムス、ましてはアンダウェアーの部分でも共通して取り入れられた。引きずるようにのびたスカートには、ガードルなどセクシーなランジェリーがやはり重なり合うようにレイヤードされている。本来洋服の中に隠れている下着が、繰り返される重ね合わせによってパンチの効いた形でランウェイに現れている。フットウェアは今季もナイキとコラボレーションした。洋服同様に「レイヤー」というキーワードがシューズにも落とし込まれ、ソールは黒と白の素材を層のように重ねた厚底ソールになっている。
2018年03月08日『ナイロビの蜂』でアカデミー賞に輝いたレイチェル・ワイズ。彼女が主演最新作『否定と肯定』で演じるのは“真実”を守り伝える情熱と信念のために立ち上がる歴史学者。また、『ゼロ・ダーク・サーティ』でアカデミー賞にノミネートされたジェシカ・チャスティンは、『ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命』で命がけで人と動物を救った勇気ある女性を熱演、『ビッグ・アイズ』『アメリカン・ハッスル』で2度のゴールデン・グローブ賞に輝くエイミー・アダムスは『ノクターナル・アニマルズ』でアートディーラーを演じている。いずれも、アクションやロマンティックコメディなどのヒロイン役から、ハリウッドのみならず世界各国の才能ある監督との仕事でキャリアを積んできた。彼女たちは良質な脚本を見つけ出し、自ら製作にも携わることで、いまこそ伝えたい、演じたい、という作品に巡り合っている。そして今年の秋冬は、この人気・実力ともに申し分ない名女優たち渾身の作品が続々公開。レイチェルの知性あふれる強さと美しさ、ジェシカのすべてを包み込む愛情深さ、エイミーのスタイリッシュで妖艶なクールビューティ、時代も舞台も違うがスクリーンの中の三者三様の女性たちに、心が揺さぶられること間違いなし。■1人ではない、チームで闘う…レイチェル・ワイズ『否定と肯定』12月8日(金)公開2000年、ロンドン。米を拠点とする歴史学者のデボラは“ホロコーストはなかった”と主張するホロコースト否定論者のアーヴィングの策略で、自著を英国の司法制度のもと名誉毀損で訴えられてしまう。ここで立ち向かわねば、歴史の歪曲を認めてしまうことになると法廷で闘うことを決意するデボラ。これまで自らの信念を貫き、強く正直に生きてきた彼女は、初めて自分ひとりではなくチームを信頼し、すべてを彼らに委ねることを課せられるが…。歴史を揺るがしかねない大きな事態となった前代未聞の裁判の行方は…!?彼女と、彼女の信念を支える弁護団チームの選択とは何だったのか。正しいことを伝えるだけでは覆せない、もどかしさを抱えるデボラを演じるレイチェルの真に迫った表情が胸に突き刺さる。さらに、ティモシー・スポール、トム・ウィルキンソンというイギリスを代表する老練の名優の競演が重厚さを与え、真実か否かを問わず情報操作に長ける者の影響力が強く、真実が軽視されるいまの社会的風潮に一石を投じる問題作となっている。■1人でも多くの命を救う…ジェシカ・チャスティン『ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命』12月15日(金)公開1939年の秋、ドイツのポーランド侵攻により第2次世界大戦が勃発。ワルシャワでヨーロッパ最大規模を誇る動物園を営んでいたヤンとアントニーナ夫妻は、ユダヤ人強制居住区域に忍び込み、ユダヤ人たちを動物園の檻に忍びこませるという驚くべき策で彼らを救出する。彼らは自らの命をかえりみず、ナチス・ドイツに立ち向かい、いくつもの危険を冒しながらも、いかにして300もの命を救ったのか。人も動物も包み込むアントニーナの深い愛情、強い信念に涙する感動作。なお、ジェシカはゴールデン・グローブ賞にノミネートされた主演作『女神の見えざる手』も公開中。■元夫の暴力的な小説に感銘…エイミー・アダムス『ノクターナル・アニマルズ』公開中アートギャラリーのオーナーとして成功を収め、経済的には恵まれながらも満たされない日々を過ごすスーザン。ある日、20年前に別れた元夫のエドワードから、彼が書いたという小説が送られてきた。彼女に捧げられた小説のその暴力的で衝撃的な内容に次第に惹きつけられていくスーザン。世界的デザイナー、トム・フォードが『シングルマン』以来7年ぶりに手がけた監督第2作にして、ヴェネチア国際映画祭で審査員グランプリを受賞した傑作。映画内小説と過去と現在が交差する複雑な物語が紡がれ、細部に至るまで綿密な指示がなされた世界観、美しさに目が離せないサスペンスとなっている。(text:cinemacafe.net)
2017年11月19日◼︎トム・フォードが魅せる、美しきミステリーDRESS読者のみなさんなら、一度は「トム・フォード」の名前を聞いたことがあるかもしれません。グッチやイヴ・サンローランのクリエイティブディレクターとしても知られ、自身の名を冠したブランドを主宰するなど、人気デザイナーとして知られる彼が、実は映画も撮っていることはご存知ですか?トム・フォード長編2作目となる本作は、愛と復讐の美しきミステリー。ヴェネチア国際映画祭で審査員グランプリを受賞したほか、多数の賞を受賞・ノミネートされた本作は、そのスリリングな展開はもちろんのこと、トップデザイナーであるトム・フォードが手がける美しい映像も必見です。また、劇中には、トム・フォード個人のコレクションであるアンディー・ウォーホルやロバート・マザウェルらのアート作品や、トム・フォード自らが使用許可を取得したデミアン・ハースト、ジェフ・クーンズらの作品が登場し、秋のアート気分を高めてくれる作品としてもぴったりの一本です。◼︎Who is Tom Ford?トム・フォードについておさらいアメリカ・テキサス州オースティン出身のトム・フォードは現在56歳。「グッチ」や「イヴ・サンローラン」のクリエティブディレクターを経て、2005年に自身のブランド「トム・フォード」を立ち上げると、高い注目を浴びました。「007」シリーズのジェームズ・ボンドが着るスーツの衣装提供をしたり、アカデミー賞で多くのスターたちが彼のスーツをまとうことから、映画界とのつながりも少なくないトム・フォード。そんな彼は、クリストファー・イシャーウッドの小説を原作とする映画『シングルマン』を発表し、2009年に映画監督デビューを果たすと、高い評価を受けました。本作は、そんなトム・フォードの監督第二作目です。原作を大胆にアレンジし、自身のふるさとであるテキサスを舞台に盛り込むなど、オリジナリティ溢れる脚本を完成させました。トップ・デザイナーであるトム・フォードの美的センスが炸裂した映像は、細部まで美しく、スクリーンから1秒も目を離すことができません。◼︎『ノクターナル・アニマルズ』ストーリーアメリカ、ロスアンゼルス。アートギャラリーのオーナーをつとめるスーザン(エイミー・アダムス)は、夫とともに経済的には恵まれながらも、心の満たされない生活を送っていた。夫・ハットンの経営する会社は傾いており、週末なのに仕事でNYに行くという彼からは、浮気の匂いもちらつく。そんなある日、彼女の元に小包が届く。それは、20年前に離婚し、何年も連絡を取っていなかった元夫のエドワード(ジェイク・ギレンホール)が書いた小説だった。その小説のタイトルは『夜の獣たち(ノクターナル・アニマルズ)』。”スーザンに捧ぐ”と書かれたその小説を、スーザンは躊躇しながらも読み始めるのだった。ページをめくりながら、スーザンは元夫・エドワードとの出会いを思い出していた。テキサス出身で、幼馴染みだったふたりは、ある日NYで再会する。コロンビア大学の奨学金の面接に来たエドワードと、芸術家の道を諦めてコロンビア大学の大学院で美術史を専攻するスーザン。ふたりは、激しい恋に落ち、結婚を決意したのだった。だが、保守的なスーザンの母は、財力のない作家志望のエドワードとの結婚に大反対。数年後、ブルジョワ的生活が大切に思えてくるはず、とスーザンに告げ――。◼︎小説『夜の獣たち』の内容とは?本編に登場する、元夫エドワードがスーザンに送った小説『夜の獣たち(ノクターナル・アニマルズ)』は、スーザンのLAでの現実の生活と交互に切り替わる形で、映画内で映像化されています。小説『夜の獣たち(ノクターナル・アニマルズ)』の主人公は、トニー・ヘイスティングス(ジェイク・ギレンホール二役)。ある夜、トニーは妻のローラ、娘のインディアとともに、ハイウェイを走っていました。だがトニーは、道中で2台の車から執拗な嫌がらせを受けます。思わずその車に向かって中指を立てたインディアに逆上したその車に車体を当てられ、トニーの車はパンクしてしまいます。車に乗っていたレイ、ターク、ルーの3人は、一家を車から下ろし、トニーに激しく暴行を加えます。その隙に、レイは妻と娘を無理やり自分たちの車に押し込み、連れ去ってしまったのでした。荒地に置き去りにされたトニーは一昼夜歩き続け、ようやくみつけた民家に助けを求めます。事件を引き受けた警備補のボビーと再び事件現場を訪れ、現場検証を行うトニーでしたが、そこで衝撃的な景色を目の当たりにしてしまい……。◼︎夫婦をめぐるラブストーリーとしても注目!本作の魅力は、スーザンの暮らすLAでの生活と、小説『夜の獣たち(ノクターナル・アニマルズ)』の舞台であるテキサスの物語、そしてスーザンと元夫のエドワードの出会いから別れまでを追ったNYでの物語が、それぞれに交差しながら進んでいく、スリリングな展開にあります。現実と小説、そして現在と過去が見事に融合され、少しずつ謎が明らかとなっていくその手法は鮮やかで、思わず手に汗握ります。物語の鍵となるのは、元夫エドワードがスーザンに小説を送ってきた、その理由。激しい恋に落ちたスーザンとエドワードは、どのようにしてすれ違い、別れを選択することになったのか。スーザンと元夫エドワードの過去を描いたNYのパートは、夫婦の愛と別れをめぐるラブストーリーとしても必見です。『ノクターナル・アニマルズ』は、人生の中で私たちがなす選択がもたらす結果と、それを諦めて受け入れてしまうことへの、警告の物語です。すべてが、人間関係すらも、あまりに安易に捨てられる廃棄の文化にあって、この物語は、忠誠、献身、愛を語ります。私たちみなが感じる孤独、私たちを支えてくれる人間関係をめぐる物語なのです。トム・フォードエドワードはなぜ、スーザンに小説を送ってきたのか。愛か復讐か、彼の本当の目的とはーー?何度でも観返したくなる美しき極上のミステリー『ノクターナル・アニマルズ』は11月3日(金・祝)より全国公開です。◼︎『ノクターナル・アニマルズ』公開情報『ノクターナル・アニマルズ』【PG12】11月3日(金・祝)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー監督・脚本:トム・フォード原作:「ノクターナル・アニマルズ」(オースティン・ライト著/ハヤカワ文庫)出演:エイミー・アダムス、ジェイク・ギレンホール、マイケル・シャノン配給:配給:ビターズ・エンド、パルコ上映時間:116分公式サイト: ©Universal Pictures
2017年11月03日世界的ファッションデザイナー、トム・フォードが『シングルマン』以来、7年ぶりに監督を務めた最新作『ノクターナル・アニマルズ』。「第74回ゴールデングローブ賞」助演男優賞、「第73回ヴェネチア国際映画祭」審査員グランプリほか、様々な映画賞を受賞した話題作から、この度、特報映像とティザービジュアルが公開された。スーザン(エイミー・アダムス)は夫とともに経済的には恵まれながらも心は満たされない生活を送っていた。ある週末、20年前に離婚した元夫のエドワードから、彼が書いた小説「夜の獣たち(ノクタ ーナル・アニマルズ)」が送られてくる。彼女に捧げられたその小説は暴力的で衝撃的な内容だった。才能のなさや精神的弱さを軽蔑していたはずの元夫の送ってきた小説の中に、それまで触れたことのない非凡な才能を読み取り、再会を望むようになるスーザン。彼はなぜ小説を送ってきたのか。それはまだ残る愛なのか、それとも復讐なのか――。本作は、オースティン・ライトの「ミステリ原稿」を原作に、ファッションの世界ですでに確固たる地位を築いたフォード監督が映画化。エイミー・アダムスとジェイク・ギレンホールと実力派俳優の2人が共演し、愛と残酷さ、復讐と償いのきわどい境界線で揺れ動く心を描きだす。そのほかマイケル・シャノン、アーロン・テイラー=ジョンソン、アイラ・フィッシャー、アンドレア・ライズブロー、マイケル・シーンらが出演している。「始まりは、別れた夫から送られてきた小説だった――」というナレーションから始まる特報映像。“小説”と“過去”、そして“現在”が交差する複雑な物語の一端が垣間見える。また、特報の音楽は『最強のふたり』で日本に広く知られ、是枝裕和監督の最新作『三度目の殺人』の映画音楽も手掛けているルドヴィゴ・エイナウディの楽曲「ロゴス」。この楽曲が本作の予測のつかない展開をより盛り上げている。送られてきた小説は何を意味するのか?恋愛映画にしてミステリー映画だという本作の内容にますます期待高まる映像となっている。『ノクターナル・アニマルズ』は11月、TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2017年07月29日アメコミTVシリーズ初の女性ヒーロー「SUPERGIRL/スーパーガール」。その待望のセカンド・シーズンリリースにあわせ、女性監督作品の歴代No.1オープニング記録を樹立した映画『ワンダーウーマン』とのコラボ予告映像が、期間限定で公開された。ファースト・シーズン、普段はキャットコー・メディアでCEOキャット・グラント(キャリスタ・フロックハート)のアシスタントをしながら、犯罪を取り締まり、さまざまな悪党と戦ってきたカーラことスーパーガール(メリッサ・ブノワ)。地球を滅ぼそうとする者が、故郷クリプトン星からやってきたこともある。だが、彼女は、スーパーガールの時と同じように胸が高鳴ることを、“カーラ・ダンバース”としてはまだ体験していなかった。セカンド・シーズンに入り、カーラはキャットのアシスタントという安定した仕事から離れ、本当にやりたいことを模索していた。その一方で、特異生物対策局(DEO)では引き続きスーパーガールとして働き、ナショナル・シティの市民の安全を守りつつ、父ジェレマイアの行方を追っていた。カーラは、スーパーマン(タイラー・ホークリン)と組んで新たな悪党を倒しながら、私生活とスーパーヒーローとしての生活を両立させようと奮闘するが…。一方、ワンダーウーマンといえば、バットマンが“地球上で最強”と認めた、アメコミ界ぶっちぎりの美女戦士。プリンセスにして、地球最高レベルの強さと美しさを兼ね備えたスーパーヒ―ローだ。今回は、このDCが誇る2大女性ヒーローが夢の共演を果たしたコラボ映像が、ワーナー ブラザース公式YouTubeにて6月26日(火)23時59分までの期間限定で公開。スーパーガールは、「友達から借りた」と嬉しそうにワンダーウーマンが着用するブーツを自慢し、あのワンダーウーマンのポーズを満面の笑みで披露。お茶目でキュートな姿を見せている。また、冒頭ではワンダーウーマンが着用するブレスレットを身に着けた女性も登場している。本映像には、セカンド・シーズンの新たな女性キャラクターが勢揃いしていることにも注目だ。アメリカ大統領役で出演するリンダ・カーターは、1975年のTVシリーズでワンダーウーマンを演じていた“元祖”。ヴィランのレア役を務めるテリー・ハッチャーは、「デスパレートな妻たち」スーザン役でも知られるが、90年代にはTVシリーズ「新スーパーマン」で記者ロイス・レイン役を演じていた。まさに、話題の新旧DC女性ヒーローが大集結した貴重な映像といえそうだ。今回のセカンド・シーズンでは、スーパーガールのいとこであるスーパーマンがついに登場。そのほか「glee/グリー」キャストのゲスト出演や、ともに「glee/グリー」出身者であるスーパーガールのメリッサと「THE FLASH/フラッシュ」のグラント・ガステインによる“ミュージカル”クロスオーバーが「THE FLASH / フラッシュ<セカンド・シーズン>」の第17話で実現!そして第8話の最後には、フラッシュやアローなど、DCTVシリーズのヒーロー10名が大集結し、大きな話題を集めたクロスオーバー「インベージョン!最強ヒーロー外伝」につながるプロローグも収録。コンプリート・ボックスには、未公開シーン集を含めた約25分の豪華映像特典も収録される予定。「SUPERGIRL/スーパーガール<セカンド・シーズン>」は9月6日(水)ブルーレイ&DVDリリース(※同日デジタルレンタル配信開始)。『ワンダーウーマン』は8月25日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ワンダーウーマン 2017年8月25日より全国にて公開(C) 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.AND RATPAC-DUNEENTERTAINMENT LLC
2017年06月20日「本年度アカデミー賞(R)」助演男優賞ノミネート、「第74回ゴールデングローブ賞」助演男優賞受賞ほか、様々な映画賞を受賞したトム・フォード監督の最新作『Nocturnal Animals』(原題)が、『ノクターナル・アニマルズ』の邦題で秋に日本公開されることが決定した。スーザン(エイミー・アダムス)は、夫と共に経済的には恵まれながらも、心は満たされない生活を送っていた。ある週末、何年も連絡を取っていなかった元夫のエドワード(ジェイク・ギレンホール)が書いた小説「夜の獣たち(Noctural animals)」が送られてくる。彼女に捧げられたその小説は、暴力的で衝撃的な内容だった。「夜の獣たち」に感銘を受けたスーザンは、エドワードと過ごした日々を思い出す。自分が送ろうとしていた生活、エドワードにした仕打ち、現在の心を失う時間…。そして、エドワードと再度会うことを決意するのだった――。オースティン・ライトの「ミステリ原稿」を原作に、ファッションの世界ですでに確固たる地位を築き、デビュー作『シングルマン』も高く評価されたフォード監督が映画化。本作では、愛と残酷さ、復讐と償いのきわどい境界線で揺れ動く心を描きだしている。主演を務めるのは、『魔法にかけられて』『ザ・マスター』『メッセージ』のエイミー・アダムスと、『デイ・アフター・トゥモロー』『プリズナーズ』や、6月配信予定の巨匠ポン・ジュノ監督とブラッド・ピットの製作会社プランBが組んで制作したNetflixオリジナル映画『オクジャ』に出演するジェイク・ギレンホール。2人はお互いについて、さらに自分自身についての暗い真実を発見する、離婚した夫婦を演じている。そのほかマイケル・シャノン、アーロン・テイラー=ジョンソン、アイラ・フィッシャー、アンドレア・ライズブロー、マイケル・シーンらが出演している。また本作は、マイケル・シャノンが第89回アカデミー賞助演男優賞にノミネートされたほか、 アーロン=テイラー・ジョンソンが第74回ゴールデングローブ賞助演男優賞、第73回ヴェネチア国際映画祭審査員グランプリ、マイケル・シャノンが第20回ラスベガス映画批評家協会賞 助演男優賞、トム・フォードが脚色賞、エイミー・アダムスが第58回サン・ジョルディ賞外国映画部門主演女優賞など様々な賞を受賞している。『ノクターナル・アニマルズ』は今秋、TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2017年04月21日インドで迷子になった5歳の少年が、25年後にGoogle Earthで生まれ故郷を探すという驚愕と感動の実話を、デヴ・パテル、ルーニー・マーラ、ニコール・キッドマンら超豪華キャストで描く『LION/ライオン ~25年目のただいま~』。2017年4月より日本公開となる本作から、日本版ショート予告とキャストたちを映し出したポスタービジュアルが解禁となった。オーストラリアで幸せに暮らす青年サルー。しかし、彼には驚愕の過去があった。インドで生まれた彼は5歳の時に迷子になり、以来、家族と生き別れたままオーストラリアへ養子に出されたのだ。成人し、幸せな生活を送るほど募るインドの家族への想い。人生を取り戻し、未来への一歩踏み出すため、そして母と兄に、あの日言えなかった「ただいま」を伝えるため、彼はついに決意する。手がかりはおぼろげな記憶と、Google Earth。1歩近づくごとに少しずつ蘇る記憶のカケラは、次第にこれまで見えなかった真実を浮かび上がらせていく。大いなる「探し物」の果てに、彼が見つけたものとは――。にわかには信じがたい驚愕の実話を『英国王のスピーチ』の製作陣が映画化、トロント国際映画祭では『ラ・ラ・ランド』に次ぐ観客賞次点1位の高評価を獲得した本作。先日発表された第74回ゴールデン・グローブ賞では作品賞ほか4部門にノミネートされ、来年1月9日(日本時間)の結果発表にも期待が高まっている。このたび解禁された日本版ショート予告は、5歳で迷子になったサルーの運命を劇的に変えてしまった列車のシーンから始まる。あどけないサルーが兄を探す姿に胸が締め付けられると同時に、これから待ち受ける数奇な運命をも予感させる。後半は、オーストラリアの養父母の元で立派に成長を遂げたサルー(デヴ・パテル)が姿を表す。だが、彼の聡明で力強い眼差しには、一筋の影が見え隠れする。「Google Earthなら世界中を探せる」という言葉に勇気づけられ、失われた25年を取り戻すため故郷を探す壮大な旅に出るサルーだったが…。また、ポスターでは、自分を待ち受ける運命をまだ知らない幼き日の無邪気なサルーの姿を中心に、青年のサルーと、ルーニー演じる彼の恋人ルーシー、そしてニコール演じる育ての母スーザンが取り囲んでおり、数奇な人生を歩くサルーと、彼を温かく包み込む家族や恋人たちの姿を予感させるビジュアルとなっている。『LION/ライオン ~25年目のただいま~』は2017年4月、TOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年12月29日こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。筆者の中学高校時代の友人で、“絵を描くことが大好きな子”が3人いました。それぞれ描く絵のモチーフも技法も違うのですが、共通するのは3人とも時間さえあれば(時に、絵を描いていてはいけないときでも)いつでも絵を描いていたこと。 3人とも人とのコミュニケーションはあまり得意でなかったこと。そして3人とも、いってみれば“気が利かない”人間であったことです。3人が医師の診断を受けたと聞いたわけではないので無責任なことは言えませんが、3人とも陰で「発達障害ではないか」と言われるような個性を持った人たち で、その後1人は“巨匠”と呼ばれる漫画家になり、1人はイタリアに渡って世界的なカーデザイナーになり、もう1人もその世界では知らない人がいないほど有名なメカニックデザイナーになりました。ちなみにこの3人や筆者が通った中高は、“変わり者”を許容してくれる学校ではありました。精神科医で小児科医でもある竹川敦先生は自身が院長を務める仁和医院のホームページの中で、『発達障害児から自由人へ、そして天才へと変わっていった ような人たちこそが、現代のこの便利で文化的な世の中を作ってくれた』という主旨のことをおっしゃっています。今回は、知的な遅れはない“高機能広汎性発達障害”と思われる子が天才へと育っていける環境はどうすれば意識して作ることができるのか、精神科医の見解を参考にしながら考えてみたいと思います。●国立の大学生の10人に1人は発達障害竹川先生は仁和医院のホームページで発達障害を、『いわゆる対人コミュニケーション能力、問題解決能力、臨機応変さ、想像力や気を利かせる能力などの低下を認めるものの総称』と定義しています。そしてそれは『遺伝的な脳の構造の問題なので治るものではない 』とし、『自分の性格傾向を周囲の人に説明できるようになること、生き方の工夫をすることが治療である』と述べています。障害の程度や重複の有無、生活環境や年齢などによっても症状は違ってくるため、一言で発達障害といっても相当に多様な精神医学的概念であるということができるでしょう。知的な遅れがなく普通に日常生活が送れるためにあえて専門医の診断を受けることもない“高機能広汎性発達障害と思われる人”も含めると、『発達障害は今の学童の5%、国立の大学生の10%はいる 』と、竹川先生は指摘しています。●海外の先進国では発達障害者の長所を伸ばす教育が普及しているこのような発達障害の人たちの中には実は歴史上の偉人や天才と呼ばれるような人がとても多いという事実を、精神神経科や児童精神科を専門とする医師のほとんどが認めています。前出の竹川医師も仁和医院のホームページの中で、・トーマス・エジソン・スティーブン・スピルバーグ・ビル・ゲイツ・ウォルト・ディズニー・トム・クルーズ・アルベルト・アインシュタインといった人たちの名前を出して発達障害であるとしていますし、筆者の友人の精神科医では、・マイケル・フェルプス・スーザン・ボイル・スティーブ・ジョブス・ジョン・F・ケネディなども発達障害であったと言う人もいます。こうしてみると海外の人に発達障害の偉人や天才が多い印象を受けますが、それは印象にとどまらず事実である と断言する児童精神科のベテラン臨床医で、杉山登志郎先生というわが国における高機能広汎性発達障害の権威がおられます。杉山先生は2009年11月1日発売の『ビッグイシュー日本版130号』の中で、次のような主旨のことをおっしゃっています。『実際のところ発達障害の天才や偉人は多い。代表的な例としてはやはり物理学者のアインシュタインだろう。本人の言による症状から、自閉症スペクトラム障害が疑われる。これは自閉症、アスペルガー症候群、その他の広汎性発達障害などの診断が明確にはつけにくいケースまでを一連の連続体としてとらえた概念である。「発達障害」という言葉は特に「社会的な適応障害」を伴うものを指す場合が多いため、私は高機能広汎性発達障害のことは「発達の凹凸(おうとつ)」と言うほうがしっくりくると考えている。凸(とつ=長所)の部分を活かせる分野 に出逢え、理解のある企業に就職できたり理解のある組織や団体と契約できたりした場合には、健常者では考えられないようなスケールで才能を発揮することがある。ただ、海外の先進国では凹凸の凸の部分を伸ばすための特別教育が実施されているのですが、日本ではその考えは根づいていない。凹(おう)の部分をサポートしながら長所を伸ばしていく 。そんな教育体制が望まれます』●さらなる多様性と共生重視の教育をいかがでしょうか。絵を描くことが大好きだった筆者の3人の旧友たちはたまたま日本では珍しく“変わり者”に寛大な私立学校に通えたのでその才能を存分に伸ばすことができましたが、一般論としてはわが国の教育体制の中に発達障害の子がその長所をとことん伸ばせるような理念が根づいているとは言い難い ように思えます。それでも筆者は、日本の戦後教育はそれ以前の時代(戦前・戦中)と比べれば計り知れないくらい質が良くなり、発達障害の人への理解も進んだ“始めの一歩”ではあったであろうと思うのです。なぜならば、そうでなければアスペルガー症候群であることを公表している『いま、会いにゆきます』で有名な小説家の市川拓司さんやADHD(注意欠陥多動性障害)を告白しているバンド『SEKAI NO OWARI』のボーカリスト・Fukaseさんのような人たちが、発達障害のために何かと叩かれながらも周囲の友人たちの理解を糧に今日の成功を手にすることはなかった はずだからです。多様性を認めて共生するという考え方が戦前や戦中より教育現場において遥かに浸透していたからこそ、市川さんやFukaseさんの才能をわたしたちも楽しむことができるようになったのです。発達障害の人が天才へと育っていける環境は、さらなる多様性の重視、共生の理念の浸透にかかっているのだろうと思います。【参考リンク】・20.発達障害について | 仁和医院ホームページ()●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
2016年11月08日トム・フォードは、本物の映画監督だ。監督2作目『Nocturnal Animals』の、トロントでのプレスおよび業界向け試写上映後、会場に沸いた大拍手が、それを証明した。その他の情報監督デビュー作『シングルマン』から7年を経ての新作。夫との関係がぎくしゃくしているスーザン(エイミー・アダムス)のもとに、長年、音信がなかった最初の夫トニー(ジェイク・ギレンホール)から、彼が書き終えたばかりという小説の原稿が届く。最初のページには「スーザンへ」と書かれてあり、タイトルも、彼女と彼が過ごした時期のことにちなんだものだ。しかし、内容は、ライターとしての成功を目指していた当時の彼が書いていたのとは似ても似つかない、残酷なものだった。取り憑かれたように読み進めるうちに、スーザンの心は、不安に包まれていく。同時に、昔、自分が彼に対して取った行動への罪悪感にも責め立てられるのだった。映画は、小説のストーリーと行き来しつつ展開。ギレンホールは、トニーと、小説の中の主人公の、ひとり二役を演じる。小説の部分は、スーザンを不安に陥れるというのが十分納得できる、緊張感に満ちたものだ。その結果、映画全体もスリルたっぷりになっているが、奥にあるのは、人間の心理についての物語なのだ。スーザンがアート業界の仕事をしているという設定のため、映画の冒頭のほうではユニークで目を引く映像が登場するが、『シングルマン』もそうだったように、ファッションデザイナーが作る映画にしては、ビジュアルへのこだわりをうるさく前面に押し出してはこない。アートなんて実はどうでもいいものだ、などという、やや自虐的なせりふなどに、さりげないユーモアも見られる。ほかと違い、さらに自分の1作目とも違う新作を生み出してみせたフォードの、今後の映画監督としてのキャリアが、ますます楽しみになった。取材・文・写真:猿渡由紀
2016年09月10日ネット映像配信サービス大手「NETFLIX」の創業者ら幹部および同社のオリジナルドラマ「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」などに出演するキャストが来日。6月27日(月)、日本オリジナルドラマ「火花」の林遣都、波岡一喜らと共に都内で記者会見に臨んだ。来日したのは創業者でCEOのリード・ヘイスティング、コンテンツ部門を率いるテッド・サランドス、そして「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」に出演するウゾ・アドゥーバとルビー・ローズ、マーベル作品「ルーク・ケイジ」主演のマイク・コルターら。「火花」の林さん、波岡さんに好井まさお(井下好井)、村田秀亮(とろサーモン)、「ゲット・ダウン」の日本アンバサダーを務める「EXILE」のUSA、「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」の大ファンを公言するBENIらも出席した。華やかなニューヨークライフから刑務所の“塀の中”の暮らしに落ちたヒロインが、個性豊かな囚人たちに狙われつつもサバイブする姿を描く「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」。スーザン“クレイジー・アイズ”を演じるウゾは3度目の来日となるが「アリガトウ、コンニチハ!」とニッコリ。本作の魅力について、個性あふれるキャラクターたちの存在を挙げ「年齢、人種、サイズ、セクシュアリティもいろいろ! 見る人が自分を見つけられるわ」と語る。全身タトゥーのボーイッシュな女性で、ヒロインの新恋人であるステラを演じるルビーは実は、『バイオハザード』最新作で共演したタレントのローラと友人とのことで、現在、ローラさんが東京を離れているため、今回は会うことは叶わないかもしれないそうだが「彼女、小さいからポケットに詰めて連れていきたいわ(笑)」とユーモアたっぷりに語る。シーズン3からの出演となったが現場について「『ハンガーゲーム』のような現場でみんな、自己主張ばかりで恐ろしかったわ…(笑)」とこれまた冗談めかして語り「本当はすごく温かかったわ! もともと大ファンだったけど、私自身のキャリアにとって大きい作品となっただけでなく、60人もの親友ができた作品なの」と笑顔でふり返った。「ルーク・ケイジ」主演のマークは初来日で「寿司を週に2~3回食べるくらい大好きだから、伝統あるお店の職人の寿司を食べてみたい。ドキュメンタリー映画『二郎は鮨の夢を見る』で見た『すきやばし次郎』に行ってみたい」と明かす。弾丸でもビクともしない肉体を持つ主人公を演じるが「スタントは9割を自分でやってるけど、バットで攻撃されるシーンでバットが割れて顔に当たったときは役を忘れそうになったよ…」と苦笑交じり。又吉直樹の芥川賞受賞作を全10話でドラマ化した「火花」は日本オリジナル作品ながら、世界中に配信され、すでに視聴者の半数近くは海外からのアクセスによるものだという。林さんも波岡さんも「まさかそんなことに…」と信じられない様子。林さんは改めて「夢を抱き、追いかけてひとつの道を志し、でも苦しい想いがほとんどで、結局は敗れ去っていく若者の話ですが、暗くはなく希望にあふれています。『決して無駄じゃない』というセリフもありますが、人を笑わせる仕事をする素晴らしさ、又吉さんの思いが詰まってます」とアピールした。昨年9月のNETFLIX日本上陸から、約10か月が経過。経営陣からはアニメ、実写作品を問わず、日本オリジナル作品を今後も海外に配信していく予定だという発言が相次いだ。(text:cinemacafe.net)
2016年06月27日©Gardens by the Bayマリーナ・ベイの巨大植物園「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」では、レトロ・モチーフのディスプレイでカラフルなユリの花々を展示したイベント「LILYTOPIA」が開催中。 同施設初となる試みで、大型ドーム温室「フラワードーム」内には色とりどり50種類以上のユリに交えて、ギターやスクーターといった、ポップカルチャーのアイコンが飾られ、心浮き立つレトロ・ムードを盛り上げている。©Gardens by the Bay代表的な品種はイエローやオレンジカラーが鮮やかな「フォーエバー・スーザン」「タスマニア」などのアジアティック・ハイブリッド系をはじめ、純白のオリエンタル・ハイブリッド系「シベリア」など。これらは大型ギターが飾られたメインディスプレイで探して。©Gardens by the Bay花々についてより詳しく知りたい人は、期間中毎日実施中の無料ガイドツアー「ASK ME!」に参加してみては(毎日11:00と15:00、先着順で5名以上集まり次第出発。約15分間)。©Gardens by the Bayまた6月25日(土)には60年代から80年代のミュージックをフィーチャーしたナイトイベント「RETRO FEVER」が開催!音と光で輝く巨大スーパーツリーが夜空を彩る「スーパーツリー・グローブ」の人気ショー、「ガーデン・ラプソディー」もダンス・パフォーマンスを加えた特別バージョンが上演される。「LILYTOPIA」は7月10日(日)まで開催中。 LILYTOPIA FLORAL DISPLAY(GARDENS BY THE BAY)・住所:18 Marina Gardens Drive, Singapore 018953・開催期間:~7月10日(日)・開演時間:9:00~21:00・入場料:大人28ドル、子ども(3~12歳)15ドル(フラワードーム入場料) RETRO FEVER・開催日:6月25日(土)・開催時間:19:00~22:00・入場料:無料
2016年06月15日米BOX OFFICE MOJOは5月27日~5月29日の全米週末興業成績を発表した。シリーズ8作目となる"X-MEN"の最新作『X-MEN:アポカリプス』が初登場1位。X-MENの前日譚を描いた『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011年)『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014年)の続編にあたり、前作同様ブライアン・シンガーが監督を続投。数千年の眠りから目を覚まし、新たな敵として立ちはだかるアポカリプスとX-MENとの戦いを描く。『スター・ウォーズ フォースの覚醒』のオスカー・アイザックがアポカリプス役を演じている。2位も初登場の『アリス・イン・ワンダーランド~時間の旅~ 』。2010年公開の『アリス・イン・ワンダーランド』の続編で、前回の監督であるティム・バートンは製作・製作総指揮にまわり、代わって『ザ・マペッツ』のジェームズ・ボビンがメガホンを取る。前作に引き続き、ジョニー・デップをはじめ、アン・ハサウェイ、ミア・ワシコウスカ、ヘレナ・ボナム=カーターら豪華キャストが集結。悲しい過去に心を奪われたマッドハッターを救うため時間をさかのぼるアリスの冒険をファンタジックに描く。前週トップ3を飾った『アングリーバード』、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』、『Neighbors 2: Sorority Rising(原題)』はそれぞれ順に3~5位に降下。以下のラインナップもそろって順位を下げる中、ジェーン・オースティンの短編小説『レイディ・スーザン』を映画化した『Love & Friendship(原題)』が前週14位から9位に浮上し、公開3週目にして初のトップ10入りを果たしている。
2016年05月30日マーベル・コミック・シリーズのアイアンマン役で知られる俳優のロバート・ダウニー・Jrが、自身について良い評価が書かかれている記事を読むのが好きだと明かした。26日にロンドンで行われた『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』のヨーロッパプレミアの場でロバートは、「この作品の良い評価を読んでいたところなんだ。僕のことを高評価してくれる記事は一日中でも読んでいられるね」と語った。そんな一方で、元妻デボラ・ファルコナーとの間に1人と現在の妻スーザンとの間に2人の子供を持つロバートは、子供たちと遊ぶのが大好きだそうで、自分も子供のように振る舞っていることがよくあるとBANGショービズに明かした。「僕は子供たちが大好きなんだ。自分が親なのに、いまだに同じ子供のように振る舞ってしまうんだ」本作でトム・ホランド演じるスパイダーマンがマーベル映画に参加したことについて、ロバートは世代を超えた観客層に愛されるだろうとしており、「この映画の良いところは、何にでもあう作品ってところなんだよね」とコメントした。(C)BANG Media International
2016年05月02日女優ジェニファー・ローレンスが主演を務めた全世界注目のSF超大作シリーズ最終章『ハンガー・ゲームFINAL:レボリューション』。4月13日(水)のブルーレイ&DVDリリースに先駆け、本作の日本限定特典ディスクに収録される、水樹奈々、神谷浩史、前野智昭ら日本語吹き替え声優3名が登壇した“幻の舞台挨拶”映像の一部が初公開された。スーザン・コリンズのベストセラー小説を、アカデミー賞主演女優、ジェニファー・ローレンスをはじめリアム・ヘムズワース、ジョシュ・ハッチャーソンらを迎え映画化した本作。シリーズ前3作は全世界で空前のメガヒットを記録し、最終章となる本作も本国アメリカで1億2,000万ドルを超えるオープニング興収をたたき出し、シリーズ最高興収を記録。究極のサバイバルゲームで幕を開けた物語は、ついに国家VS反乱軍の全面戦争という激動のクライマックスへと向かっていく。日本語吹き替えには、前作に引き続き、アーティストとしても「紅白歌合戦」に出場するほどの人気を誇る実力派声優・水樹さんや、「進撃の巨人」リヴァイ役などで知られる神谷さん、「おそ松さん」次男・松野カラ松役の中村悠一、バラエティ番組でも活躍する山寺宏一、『アメイジング・スパイダーマン』ピーター・パーカー/スパイダーマン役の前野さん、「銀魂」神楽役の釘宮理恵など洋画史上最強の布陣となるトップクラスの超人気声優が集結!本作の公開時に行われた舞台挨拶にも彼らが登壇し、大きな注目を集めた。今回、水樹さんと神谷さん、前野さんの3人が登壇した舞台挨拶の映像が、ブルーレイプレミアム・エディションの特典映像として収録決定。舞台挨拶では、主人公を演じた水樹さんが「やっぱり一番イケメンなのはカットニスだなって思いながら最後まで演じさせていただきました」とカットニスを絶賛。さらに、ピータ役との関係について「最後もピータから『(僕を愛してる?)それは本当?』って言われて、(まだ洗脳されているのかなと思って)今後の夫婦生活が心配になりました」と明かすと、ピータ役を演じた神谷さんは「知りませんよ!そんなことなんて(笑)」と照れる様子を見せ、「自分に力が無かったり自信が無かったりする中でも彼女(カットニス)をバックアップしようとする部分は、なかなか無い状況だけど共感できるなって思いました」とピータのことをフォローした。また、ピータとゲイルの2人についてどちらがタイプかという話題になり、水樹さんは「最初はゲイル派だったんですよ。戦友としても!でも、(国家という)大きな力にひれ伏すみたいなところは男性としてどうなのかな~とかいろいろ思った結果、もう私は選ばないで生きていこうって思いました」と意外なコメントが。神谷さんも「そうなるよね…ちょっと選べないもん!なんであの2択なの?俺、嫌だよ両方とも」「言ってしまいましたね!」(前野さん)と掛け合いがあり、会場の笑いを誘った。本映像のほか、本作のブルーレイプレミアム・エディションには、吹き替え声優スペシャルインタビューや、プレス・カンファレンスの様子など豪華特典映像が収録。『ハンガー・ゲームFINAL:レボリューション』は3月25日(金)よりデジタル配信開始、ブルーレイ&DVDレンタル開始。4月13日(水)よりブルーレイ&DVDがリリース。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション 2015年11月20日より全国にて公開TM& (C) 2015 LIONS GATE FILMS INC.ALL RIGHTS RESERVED.
2016年03月23日若きアカデミー賞女優ジェニファー・ローレンスが主演を務め、前3作が全世界で空前のメガヒットとなり、先日11月20日からはシリーズ完結編が全世界同時公開されている『ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション』。映画史にその名を刻む超人気シリーズとなった本作から、見応えたっぷり、キャストやスタッフが見どころを語る10分超の“集大成”特別映像が到着した。スーザン・コリンズのベストセラー小説を映画化した本作は、究極のサバイバルゲームで幕を開け、“宿命のヒロイン”カットニスの戦いは、ついに国家VS反乱軍の全面戦争という激動のクライマックスへと向かっていく。本国アメリカでは1億2,000万ドルを超えるオープニング興収をたたき出し、シリーズ最高興収を記録、日本でも好調の滑り出しを見せている本作から、今回到着したのは、ストーリー、キャラクターはもちろん、その絢爛豪華な衣装やリアルさを追求した世界観など、さまざまな視点から完結編となる本作、そして本シリーズ全体を解剖していく映像。冒頭で描かれるのは、ジェニファー・ローレンスが演じた主人公・カットニスの成長と、大人たちの思惑に巻き込まれるばかりだった彼女が、ついに自身の意志を持って反乱軍のリーダーになるまでの姿だ。シリーズ途中でアカデミー賞を獲得し、名実ともにハリウッドNO.1の女優となり、そのファッションや言動も含めて、文字どおり全世界の人々が注目するアイコンとなったジェニファー自身が、“現代のジャンヌ・ダルク”と語る言葉の通り、民衆の希望だった彼女が実際に革命のリーダーになっていく過程はシリーズを象徴している。続いて、この作品の魅力的な世界観がどうやって構築されたのかが語られる。過去のシリーズ作で印象的だったシーンを次々にふり返りつつ、そのシーンがどうやって撮影されたのかが明らかにされていく。キャストたちが挑んだアクションシーンに隠された撮影秘話や、印象的な衣装に関する豆知識など、小ネタやトリビアの数々は、今回初めてシリーズに触れた人も目からウロコの映像となっている。そして映像の締めくくりには、本作のキャスト、スタッフたちが映画の見どころを語り尽くす。ジェニファーを始め、同じくアカデミー賞を受賞したジュリアン・ムーア、本作で輝きを放ったジョシュ・ハッチャーソン、リアム・ヘムズワース、サム・クラフリンら若手キャストまで、シリーズを通して苦難を共にしてきた彼らならではの団結感も感じられ、まるでもう一つの本編のようですらある。そんな彼らが口をそろえて語るのは、これまでのシリーズに描かれてきたさまざまな伏線が、この作品のラストシーンに向けて一気に収束していくこと。すでに本作を鑑賞した人たちからも、「シリーズの締めくくりにふさわしいラスト」「完結編まで見たら満足度が全然違う」といったコメントがSNS上に多数上げられており、多くのファンを納得させるラストシーンが待ち受けているようだ。『ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション 2015年11月20日より全国にて公開TM& (C) 2015 LIONS GATE FILMS INC.ALL RIGHTS RESERVED.
2015年11月28日全世界興収が23億ドルを突破する人気シリーズの完結編『ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション』が公開中だ。スーザン・コリンズのベストセラー小説を全4部作で映画化した『ハンガー・ゲーム』現象が映画業界にもたらした“革命”とは?独裁国家が支配する近未来を舞台に、妹の身代わりにハンガー・ゲームと呼ばれる若者同士の死闘に身を投じた主人公・カットニスが、やがて反乱軍のシンボルとして立ち上がる姿を描く本シリーズ。原作は2008年に発表されており、いわゆるYA(ヤングアダルト)文学のジャンルに位置付けられている。『トワイライト』シリーズの成功を機に、ハリウッドはこぞってYA文学を映画化したが、いまやその代表格は『ハンガー・ゲーム』となった。世界各国で旋風を巻き起こした最大の要因は、主演を務めるジェニファー・ローレンスの存在にほかならない。当初は「原作に比べて、年齢が高すぎる」という声もあったと聞くが、持ち前の優れた演技力を武器に、傷つきながらも自らの生き方を模索し、愛する者のために奮闘する複雑な内面を表現。男社会であるハリウッドが生み出す都合のいい“戦うヒロイン”像を一蹴し、若者が自己投影できる等身大のキャラクターを誕生させたのだ。劇中のカットニス同様、ジェニファー本人も男女間のギャラ格差に声を上げるなど、社会的なメッセージを発信し、注目を集めている。オスカー女優であり、2014年には「最も興収を稼いだ俳優」にも輝いた名実ともにトップスター。加えて、SNSの普及という時代の流れも味方し、現在25歳の彼女の影響力は増すばかりだ。音楽業界に目を向けると、同い年のテイラー・スウィフト(もうすぐ26歳)が圧倒的な存在感を放っており、興味深い。大げさかもしれないが、ジェニファー・ローレンスという女優をいまの地位に押し上げたことこそが『ハンガー・ゲーム』がもたらした革命ではないだろうか。シリーズは完結したが、女優として風穴を開け続ける彼女の戦いは始まったばかり…。そんな視点で『ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション』を見れば、たとえ前3作を知らなくとも十分に楽しめるはずだ。シリーズを貫く姉妹愛が『アナと雪の女王』に底通している点も現代的。『ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション』は全国にて公開中。(text:Ryo Uchida)
2015年11月24日米BOX OFFICE MOJOは11月20日~11月22日の全米週末興業成績を発表した。スーザン・コリンズのベストセラー小説をジェニファー・ローレンス主演で映画化した大ヒット作"ハンガー・ゲーム"シリーズの完結編『ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション』が週末興収1億2万5,000ドルで初登場トップにランクイン。シリーズ2作目以来引き続きフランシス・ローレンスが監督を務め、ジェニファー・ローレンス演じるカットニス率いる第13地区の反乱軍と、独裁国家パネムの最終戦争を描く。共演陣には、リアム・ヘムズワースをはじめ、ジョシュ・ハッチャーソン、ドナルド・サザーランドらのおなじみのキャストが名を連ねる。前週まで2週連続1位に立った『007 スペクター』は3週目にして2位に転落。続く『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』も前週2位から3位に後退した。4位は初登場の『The Night Before(原題)』。セス・ローゲン、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、アンソニー・マッキーの3人が演じる長年の友人がクリスマス恒例行事に終止符を打つ記念にイブの日に大はしゃぎをするコメディ。5位『The Secret in their Eyes (2015) (原題)』も初登場。2010年に公開され、アカデミー賞外国語映画賞を受賞したアルゼンチン映画『瞳の奥の秘密』をジュリア・ロバーツ&ニコール・キッドマンでリメイクした作品だ。その他『扉をたたく人』のトーマス・マッカーシー監督の『Spotlight(原題)』が8位にランクインし、公開3週目にして初のトップ10入り。2003年のカトリック教会司祭による児童の性的虐待事件を特集した記事でピューリッツァー賞を受賞したボストン・グローブ紙の取材の舞台裏を、マイケル・キートン、レイチェル・マクアダムス、マーク・ラファロら豪華キャストで描く。
2015年11月23日人気声優の水樹奈々が11月21日(土)、都内で行われた米映画『ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション』の公開記念舞台挨拶に登壇。今年、自身に起こった革命(レボリューション)は「ついにガラケーからスマホに機種変したこと」だと明かした。「意地になっていたが実際、文字が打ちやすいし、電話もしやすい」という理由でガラケーを使い続けていた水樹さんだったが、「写真や音源のチェックをしてくださいと、データが送られてきても、ガラケーだと削除されてしまう」と周囲から苦情の声もあったのだとか。いざ、スマホを使い始めると「便利ですね。写真もきれいだし、パノラマモードでいっぱい撮りました」と大はしゃぎだった。スーザン・コリンズのベストセラー小説を全4部作で映画化した完結作。“戦うヒロイン”カットニス率いる第13地区の反乱軍が、独裁国家パネムとの最終戦争に突入する。しかし、ゲームの首謀者である暴君・スノー大統領は、反乱軍に新たなトラップを仕掛けており…。舞台挨拶には日本語版でカットニスを演じた水樹さんに加えて、ピータ役の神谷浩史、フィニック役の前野智昭が登壇。3人そろって、絶大な人気を誇る豪華声優陣とあって、会場はファンの熱気に包まれていた。シリーズを通してカットニスを演じきった水樹さんは「衝撃的な展開で、一瞬たりとも目が離せない」と劇的な幕引きに興奮しきり。「アクションや映像の迫力はもちろんですが、最初は周りに踊らされ(革命のシンボルとなる)カットニスが、最終的には自分が目にしたものだけを信じ、立ち上がる凛々しい姿に共感できた」とドラマ性の強さをアピールした。「三角関係にも決着がつきます。複雑ですが、幸せな結末です。心の中ではごめんなさいという気持ち(笑)」とも語る水樹さんに対し、男性陣は複雑な表情。それでも神谷さんは「どんなピリオドになるか興味があったが、何よりカットニスに幸せになってもらいたいと思っていたので…」と結末を受け入れた様子。前野さんも「いい意味で期待を裏切る内容。役者さんたちも、最終作にふさわしいお芝居をしている」と太鼓判を押していた。『ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション』は全国公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション 2015年11月20日より全国にて公開TM& (C) 2015 LIONS GATE FILMS INC.ALL RIGHTS RESERVED.
2015年11月21日全世界同時公開されるシリーズ完結編『ハンガー・ゲームFINAL:レボリューション』のPRイベントが11月18日(水)、都内で行われ、“ラスボス”こと歌手の小林幸子が出席した。シリーズの完結にちなみ、ラスボスとしてイベントに登場した小林さん。冷たい雨が降りしきるなか、主人公カットニスと同じく、反乱軍の士気を高め、革命を導く真紅の特注コスチュームに身を包み、「これを着れば、もう怖いものないです。雨なんて関係ございません!」と武者震い。弓矢を手にした小林さんが「完結、ハンガーゲーム!」と宣言すると、会場に設置された革命のシンボルである鳥・マネシカケスの巨大オブジェ(高さ6メートル)は何本もの火柱をあげながら、燃えさかる炎に包まれていた。スーザン・コリンズのベストセラー小説を全4部作で映画化した完結作。ジェニファー・ローレンス演じる“戦うヒロイン”カットニス率いる第13地区の反乱軍が、独裁国家パネムとの最終戦争に突入する。しかし、ゲームの首謀者である暴君・スノー大統領は、反乱軍に新たなトラップを仕掛けており…。「戦う女性は、色っぽくてとてもセクシー。特にカットニスは女性らしい感性と、男性的なパワーをあわせもつ現代的なヒロインだと思う」と小林さん。自身にとって“戦う”とは、「生きることそのもの」だといい、「映画は完結しても、私はまだまだ完結しません!歌い続けられる間は」と力強く現役宣言。ラスボスと呼ばれることについては、「最近はファンレターの宛名も、小林幸子(ラスボス)さんだったりして。とてもうれしいです」と喜んでいた。『ハンガー・ゲームFINAL:レボリューション』は11月20日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション 2015年11月20日より全国にて公開TM& (C) 2015 LIONS GATE FILMS INC.ALL RIGHTS RESERVED.
2015年11月19日『心理学的に正しいプレゼン』(スーザン・ワインチェンク著、壁谷さくら訳、イースト・プレス)の著者は、心理学の最先端研究をデザインに応用する方法を30年以上にわたって研究し続けているという人物。これまで数え切れないほどのプレゼンテーションを行い、成功させてきたそうです。そんな著者は、「プレゼンテーションがうまくできない」というタイプの人に対して、次のようなメッセージを投げかけています。「偉大な芸術家と同じように、一流のプレゼンターは、技術を磨き、いっそう成果を上げるため、常に努力しています」そこで本書では、心理学を活用してすぐれたプレゼンターになるための「努力の方法」を説いているわけです。紹介されている99種のアプローチのなかから、数字に関連した項目を引き出してみましょう。■人が一度に記憶できることは4つまでアメリカの心理学者であるジョージ・A・ミラーが1956年に提唱した「マジカルナンバー7±2」とは、人は一度に5から8(7±2)個のことを記憶でき、その情報を処理できるという考え方。しかし、下の世代に当たる心理学者、ネルソン・カウアンが2001年に行った研究によれば、真のマジカルナンバーは4なのだそうです。気を散らさず、情報の処理を妨げられない限り、人はワーキングメモリに3つか4つのものごとを留めることが可能。そして失われやすい記憶を支えるために、情報をグループに「まとめる」手法があるといいます。ここで例として引き合いに出されているのが電話番号。アメリカの電話番号は「712-569-4532」というように、それぞれ4個以下の数字からなる、3つのまとまりに分かれています。だから、10個の数字を個別におぼえることはないわけです。初めの3つの数字のエリアコード(712と569)を記憶していれば(長期記憶にとどめておけば)、その番号をおぼえる必要はないので、ひとつのまとまりをまるごと無視できるということ。そして「4個の原則」はワーキングメモリだけでなく、長期記憶にも当てはまるのだそうです。認知心理学者のジョージ・マンドラーによる1969年の研究によると、ひとつのカテゴリーの項目が1から3個であれば、人はカテゴリー内の情報を記憶し、完璧に記憶から呼び起こせるのだとか。逆にいえば、項目が3個以上に増えていくにつれ、思い出せる項目の数もだんだん減っていくということ。■プレゼンでは「まとまり」を活かそう大多数のプレゼンテーションでは、3~4個を上回るアイデアやコンセプトが用意されているもの。でも、ここでマンドラーの研究を思い出すべき。それは、12~15個のさまざまなテーマを並べた長いリストをつくるのではなく、項目をまとめ、3~4個の大まかなテーマにした方が効果的だということです。そのことについて説明するため、ここでは「成功する中小企業経営」というテーマのプレゼンテーションのために用意された、項目のリストが例として用いられています。1. 提供する製品とサービスの内容を決める2. 製品とサービスの値段を決める3. 自社にとってどんなオンラインマーケティングが重要か4. どんな対面マーケティングが重要か5. 株式会社にする日強はあるか6. 税金について知らなくてはならないことはなにか7. 従業員を雇うか、請負業者を使うか8. 送り状作成にはどんなソフトウェアを使うか9. 連絡用とマーケティング用の電子メールにはどんなソフトウェアを使うか10. 中小企業にとって効果的な販売方法とは11. ターゲット層を確認する12. ウェブサイトのデザインと実装これらの項目を最初に見せて話を始めるとしたら、聴衆は項目の多さに躊躇してしまう可能性があります。プレゼンターにとっても、精神的負担は大きくなることでしょう。しかし、それらを次のように3つのカテゴリーにまとめるとどうでしょうか?1. 製品とサービスの販売(a, b, j, k)2. マーケティング計画の促進(c, d, I, l)3. 経営の形式(e, f, g, h)これらの大きなカテゴリーは、それぞれ4つの項目を含んでいます。さらに各項目は、3~4個のポイントに細分化することができます。こうしてスッキリさせれば、聴衆をひるませることなくプレゼンテーションを進め、消化しやすくまとめた内容をすべて提供できるというわけです。*この項目がそうであるように、紹介されているアプローチはどれも実践的。しかも著者の実体験によって導き出されたものなので、強い説得力があります。そういう意味で、プレゼンテーション能力を高めたい人には必読の内容だといえるでしょう。(文/書評家・印南敦史)【参考】※スーザン・ワインチェンク(2015)『心理学的に正しいプレゼン』イースト・プレス
2015年11月08日人気SFアクションシリーズの完結作『ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション』のヒット祈願イベントが10月21日(水)、都内で行われ、先日ボクサー人生を“完結”させた「南海キャンディーズ」のしずちゃんこと山崎静代が出席した。スーザン・コリンズのベストセラー小説を全4部作で映画化した完結作。ジェニファー・ローレンス演じる“戦うヒロイン”カットニス率いる第13地区の反乱軍が、独裁国家パネムとの最終戦争に突入する。この日、しずちゃんはカットニスが身にまとう真紅の戦闘コスチュームで登場し、「私もいままで戦ってきたので、カットニスのような女性には共感できる」。ボクサー引退後の“武器”は「色気」だと断言し、「次のステージで革命(レボリューション)を起こせるように、頑張っていきたい。アクション女優のオファー、お待ちしています」とアピールしていた。イベントでは、相方・山里亮太を連想させる赤メガネがつけられたサンドバックと対峙し、力強いスパークリングを披露。「やっぱり赤いメガネは闘争心が沸きますね。なかなか人をキライにならない私でも、唯一胸を張ってキライと言える存在」としずちゃん流の“相方愛”を見せていた。2011年に公式戦デビューを果たし、翌年のロンドン五輪出場は逃したしずちゃん。2013年7月、専属トレーナーの梅津正彦さんが悪性黒色腫で亡くなった後も、来年のリオ五輪出場を目指してトレーニングに励んだが、8月のアジア選手権は体調不良で欠場していた。『ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション』は11月20日(土)より全世界同時公開。(text:cinemacafe.net)
2015年10月21日9月からいよいよ日本に上陸した、世界最大のインターネット映像配信サービス「Netflix」。バラエティに富んだコンテンツの中でも注目したいのが、NetflixオリジナルTVシリーズ「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」だ。アメリカでベストセラーになったノンフィクションを元に、裕福な女性が突然経験することになった刑務所生活を通して、塀の中の女性たちを描いたドラマは配信スタートと同時に大ヒット、エミー賞や全米映画俳優組合(SAG)賞などに輝いた。今回、同作に出演しているウゾ・アドゥバとラヴァーン・コックスが来日し、話を聞くことができた。お嬢様育ちのヒロインをはじめ、オレンジ色の囚人服を着た女性たちはそれぞれ多様な背景を抱えている。だからだろうか、文化や言葉の違いを超えて共感できる作品だ。元は男性だったが、今は女性として服役するソフィアを演じるラヴァーンも、そこが作品の魅力だと語る。「必ずしも同じような経験をしていなくても、共感できて応援したくなるようなキャラクターたちでしょ。何よりも、クリエイターのジェンジ・コーハンと脚本を手掛けているチームの皆さんのおかげだったと思うわ」。エキセントリックな行動で周囲から浮いてしまいがちなスーザン役のウゾも「私も“!”をいくつも付けたいくらい大好き。芸術性と社会的な変革をちゃんと結び付けているし、メッセージ性はあるけど、重くなりすぎずに描いている。私自身、一視聴者として見るのがすごく楽しいわ」と同意する。現在配信されている第3シリーズまで通して、物語は囚人同士の人間模様からセクシュアリティや人種差別、虐待や薬物問題などにも果敢に切り込んでいく。過酷なテーマも扱う作品だが、撮影現場は意外にも明るい雰囲気だという。「撮影が始まった当初は、以前からの知り合いは2人しかいなかったけど、今では本当にみんな仲良しで、彼女たちのいない生活なんて考えられない」とウゾ。「あんまり言うと、嘘だと思われそうだけど、本当に夢のように楽しい現場よ」。するとラヴァーンも「そう。ゴスペルを歌ったり、90年代のR&Bで踊ったりしてるのよ」と付け加える。劇中では、刑務所内で美容師として囚人たちの髪をスタイリングするソフィア同様、この日もゴージャスなラヴァーン。実は彼女自身もトランスジェンダーだ。ソフィアの過去が描かれるエピソードではジョディ・フォスターが監督を務めた。「今でも話しているだけで、こみあげてきちゃう」と言うラヴァーンは「夢がかなった瞬間だったわ」とジョディとの仕事を振り返る。「女優としても監督としても、昔から尊敬している人だったから。あのエピソードでジョディと仕事することができて、女優としてのみならず1人の人間として変われたと思うの。それにウゾはあのエピソードでエミー賞も受賞したのよ」。一方、こちらも劇中とは180度違う落ち着きと思慮深さが魅力的なウゾは、スーザンというキャラクターについて「とても情熱的で、どんな感情もフルに表現する女性」と語る。「思いっきり愛して、憎んで、傷つく。たぶん傷つく部分が一番深いのかも。素のままに生きるピュアな女性ね。私自身はそこまで極端じゃないけれど、自分に誠実であるという点は共通すると思う。ありのままでいるところね」。役との共通点についてはラヴァーンも「どの役でも、自分自身の要素はある程度注入するものよね」と言う。「ただ、男性として妻子もいたソフィアの過去と私自身は大きく違うのも事実。そして、自分の信念を持っていて、そのためには戦うという部分は共通しているところね」。アメリカでは来年にシーズン4の配信も決定済み。1つの役を何年も演じ続けていくのはどんな感覚だろうか。「もう3年以上になるかしら。うれしいことに、毎回いろいろな試練が来るのでチャレンジのしがいがあるわ」とラヴァーン。「同時に、今や視聴者の方々の思い入れもわかるので、責任も感じるの。それはとても幸せなことだと思う」。ラヴァーンともども、本作出演で大きく注目されるようになった現状について「すごくうれしいけど、もてはやされることと演じる仕事についてははっきり線を引くようにしている」と言う。「撮影現場はある種、神聖な空間なの。共演者もみんな最初からずっと一緒で、原点というか、守るべき大切な場所。その空間を大事に撮影しているわ」そして最後に、「これだけ女性たちのさまざまな面をちゃんととらえて、キャラクターとして仕上げている作品はめずらしいと思う。そこをぜひ楽しんでもらいたいわ」と笑顔で締めくくった。(text:Yuki Tominaga/photo:Yuko Kosugi)
2015年09月10日